▽山下ゆの新書ランキング Blog ●06/16 13:56 6月15中村隆之『ブラック・カルチャー』(岩波新書) 6点カテゴリ:社会6点黒人の生み出した文化を「ブラック・カルチャー」と言いますが、そのブラック・カルチャーとは一体何なのか? という問いに応えようとした本です。本書の冒頭で「ブラック・カルチャーとはアフリカに由来する文化だと言えます」(はじめに i p)と書いているように、ブラック・カルチャーを米国の中の文化という枠組みで捉えるのではなく、環大西洋の枠組みで捉えようとしているのが本書の特徴です。本書では音楽を中心に、アフリカから奴隷船で連れ去られた黒人たちが、アメリカ大陸でいかに自分たちのルーツを見出していのかということを語っています。「音楽を語る」という根源的な難しさはあるわけですが、本書を読めば、ブラック・ミュージックを中心とするブラック・カルチャーの流れや、そこで目指されていたものというものはわかると思います。ま
▽わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる ●06/16 10:04 読むほどに酔うほどにハマる呪術的リアリズム『やし酒飲み』読み始めた瞬間、何かがおかしい。文を二度見し、首をひねりながら先を追う。冒頭からしてこれだ。わたしは、十になった子供の頃から、やし酒飲みだった。わたしの生活は、やし酒を飲むこと以外には何もすることのない毎日でした。「だった」と「でした」とが入り混じっている。誤植?まさか岩波文庫がそんなわけない。対等関係の常体(だ・である)と、フォーマルで丁寧な敬体(です・ます)が混在し、独特の語調を生み出している。そして原文(英語)の方が違和感マシマシになる。I was a palm-wine drinkard since I was a boy of ten years of age. I had no other work more than to drink palm-wine in my life.「10歳の頃からずっと(sinc