▽池田信夫 blog ●06/17 12:56 2025年06月16日18:41本複雑な言語は「目的の共有」のためにできたチャットGPTを初めて使ったとき驚いたのは、それまでの機械翻訳などと違って、自分で考えて文を組み立てる(ように見える)ことだった。これは霊長類の中でも人間以外にはない能力である。チンパンジーやボノボは、人間の言葉をまねることはできるが、自分で言葉を組み立てることはできない。おもしろいことに、進化の系統では人間とまったく違う位置にいるイルカの鳴き声には文法があることがわかってきた。人間とイルカにはまったく共通点がないように見えるが、一つだけある。協力して獲物を獲ることだ。イルカは群れをなして魚を追い込む。人間は協力して大型動物を追い込む。複雑な分節言語は、このような共同作業の目的を共有して協力するためにできた、というのがトマセロの仮説である。チンパンジーも血縁集団の中では協力するが、それを超える集団はできない