今月から通勤時間がこれまでの3倍になって、SF読みがまぁ捗る捗る( ̄▽ ̄)
読了したけど未レビューの作品が溜まってきてしまって、少々焦っております。まずは、今月頭に読了したこちらの作品から。
円: 劉慈欣短篇集/劉慈欣、大森望・泊功・齊藤正高訳(ハヤカワ文庫SF)
中国SFの短編集といえば、これまでハヤカワで出された「折りたたみ北京」「金色昔日」を読了しており、勢いがあって面白いんですが、割と「これ、SFというより幻想小説では・・・?」と思ってしまうファンタジー寄りの作品も多く(特に「金色昔日」)、まぁ日本SF黎明期もそうした作風が見られましたので、そんなもんかな、と思ってました。
しかしながら、さすがの劉慈欣。直球王道ハードSFを、SF初心者にもわかりやすいエンターテインメントに仕立て上げる腕前は、中国SFの中でも頭一つ抜きん出ている印象です。
収録された作品は、どれも科学的理論に裏打ちされた大ボラ話=ハードSFとしての骨格がしっかりしていて、安定感があります。鴨が特に好きなのは、「円円のシャボン玉」。小さな子供の頃から大好きなシャボン玉の研究を、小さな子供の頃の無邪気さそのままに推し進め、ついには世界を救う鍵となる話。かつては世界中で熱く語られていた「科学が切り開く未来の可能性」を肯定する、清々しい作品です。
「郷村教師」も、結果的に(地球規模では)何も変わらない切ないストーリーではあるのですが、日々の生活には一見して役に立たなそうな知識の存在意義を詩的な文章で静かに知らしめる、隠れた傑作だと思います。SF者として、初心を思い出させてくれる作品ですね。
正直なところ、今の日本のSF者として、若干の古臭さを感じないわけではありません。
でも、昔のSFってこうだったよなー、と思い返しながら、そのコンセプトを劉慈欣が描くとこのように展開するのね、と新たな視点から楽しむことができました。
しかしまぁ、何といっても表題作のスケールのデカさといったら(笑)ある意味、究極のバカSFと言えるかもしれません(←褒め言葉)。この作品がワンシーンに過ぎない「三体」、いやはや恐るべしです。
読了したけど未レビューの作品が溜まってきてしまって、少々焦っております。まずは、今月頭に読了したこちらの作品から。
円: 劉慈欣短篇集/劉慈欣、大森望・泊功・齊藤正高訳(ハヤカワ文庫SF)
中国SFの短編集といえば、これまでハヤカワで出された「折りたたみ北京」「金色昔日」を読了しており、勢いがあって面白いんですが、割と「これ、SFというより幻想小説では・・・?」と思ってしまうファンタジー寄りの作品も多く(特に「金色昔日」)、まぁ日本SF黎明期もそうした作風が見られましたので、そんなもんかな、と思ってました。
しかしながら、さすがの劉慈欣。直球王道ハードSFを、SF初心者にもわかりやすいエンターテインメントに仕立て上げる腕前は、中国SFの中でも頭一つ抜きん出ている印象です。
収録された作品は、どれも科学的理論に裏打ちされた大ボラ話=ハードSFとしての骨格がしっかりしていて、安定感があります。鴨が特に好きなのは、「円円のシャボン玉」。小さな子供の頃から大好きなシャボン玉の研究を、小さな子供の頃の無邪気さそのままに推し進め、ついには世界を救う鍵となる話。かつては世界中で熱く語られていた「科学が切り開く未来の可能性」を肯定する、清々しい作品です。
「郷村教師」も、結果的に(地球規模では)何も変わらない切ないストーリーではあるのですが、日々の生活には一見して役に立たなそうな知識の存在意義を詩的な文章で静かに知らしめる、隠れた傑作だと思います。SF者として、初心を思い出させてくれる作品ですね。
正直なところ、今の日本のSF者として、若干の古臭さを感じないわけではありません。
でも、昔のSFってこうだったよなー、と思い返しながら、そのコンセプトを劉慈欣が描くとこのように展開するのね、と新たな視点から楽しむことができました。
しかしまぁ、何といっても表題作のスケールのデカさといったら(笑)ある意味、究極のバカSFと言えるかもしれません(←褒め言葉)。この作品がワンシーンに過ぎない「三体」、いやはや恐るべしです。