1804. 週刊少年ジャンプ20号

先週号のコメント欄でyanさんの「エクセルで感想書いてた」発言にマジで引いてたんです。感想をテキストエディタで書かないなんて変態過ぎる。でもよく考えたら自分もEvernoteで管理してて、WJを読んでる最中もスマホでメモを取ったり、トイレ、布団、通勤中で感想を進めたり、テキストベースだけど色んな環境を使ってたなぁと改めて思い返しました。8年前の感想と比べたら便利さが違う!

イマドキの感想サイトさんは、どんな環境で感想書いてるんでしょうね。

今週のWJアンケートハガキ

「10ポイント配点投票方式」の結果はこちら。


作品 id:SnowSwallow id:iolite 合算
★ W.C.フレンズ 2 2 4
★ 恋するエジソン 2 1 3
NARUTO -ナルト- 2 1 3
  SKET DANCE 2 0 2
  新米婦警キルコさん 1 1 2
  ONE PIECE 1 1 2
  ワールドトリガー 0 1 1
  ニセコイ 0 1 1
  こち亀 0 1 1
  黒子のバスケ 0 1 1


id:iolite「ヤバイよヤバイよ−、今週ヤバイよー」
id:SnowSwallow出川哲朗さんのモノマネ?」
id:iolite「どのマンガも面白くて今週は10点じゃ足りないよー!」(ドン)
id:SnowSwallow「平成のジャンプ黄金期やもんなー!」(ドン)

みたいな開票作業でした。『暗殺教室』『ハイキュー!!』は「もうずっと高水準」だから、今週みたく「当たり号」の時に埋もれがちです。そしてこの状況でも『恋するエジソン』がアンケの常連に君臨するという、謎のカリスマ性がすごくすごいです。

以下、本号でアンケート票を投じた作品を感想します。


* W.C.フレンズ(藍本松

昨今の読み切りは序盤で布石・伏線を仕込み、中盤で窮地に、終盤で起死回生するテンプレがあるんですよね。本作はよくある展開から脱却した意欲作でした。まるで「トーク番組」のような型破りの進行が印象的です。アイデアの素材も「グループあるある」「こんなワイルドは嫌だ」「やってみようのコーナー」「異性に引かれる暴露トーク」といったラインナップ。バラエティショーでお馴染みの光景が詰め込まれていて、それが本作のコンセプトだったのかも。

トーク番組感」が際立つもう一つの要素が、軽妙なセリフ回し。これってもう女流作家版の銀魂です。過去作よりも藍本先生の人間性が表われている気がしますし、この作風のがよっぽど自然体で描けてません? 『保健室』もだけど、クリーチャーバトル路線より学園ギャグコメのが性に合ってそうなんですよね。

少年漫画の土俵で、女子中学生の価値観をこうも吐露した作品ってレアですよね。女性視点でリアリティを保ちつつ、本当に陰湿でダーティな部分はやんわり包んで、男性に”ギリギリ引かれる”ラインを狙ってそう。「理想の女の子像」に夢見る少年たちに現実を突き付け、あわよくば突き落としてますからね。脱落者は漏れなく二次元にのめりこむのです……。

ラストは女の子同士の友情を確かめてキチンと少年マンガの枠内に収束させたのは見事なお手並でした。珍妙なボディランゲージ芸を連発する郁子ってムードメーカーなところがあるし、クールで凛々しい深雪とのペアはバランスも良く、端から見てもベストフレンドだなって思いましたもの。

個性の強い登場人物でしたから、WJで流行りの「キャラだけ流用して物語は別物に再構築」という線なら、連載化に最も近い作品の一本でしょう。

* 恋するエジソン(渡邉築) - 第19話「サッカー」

一話掲載回では初のアンケ票獲得。過去の一本モノはどれも、新キャラ解説に比重が傾きすぎて、肝心のギャグが薄味になってたんですよね。今回はシチュエーション解説も手短に、スピカ&秤の発明ありきでボケ倒し! 試しにサッカーのボール支配率ならぬギャグ支配率を計測したところ……

  • 全 90 コマ
  • ギャグ 59 コマ
  • ギャグ支配率 66 %(SnowSwallow調べ)

後半は好沢と岡村が登場するだけでギャグコマだもの。パンパンに張り詰めたギャグ回でした。今回は「ボケ」「ツッコミ」「リアクション」要員のバランスが良かったです。今までになくモブが機能し、中盤でもダレずに押し切れたのが勝因でしょう。読み切りネタを再利用だからネタが洗練されてて、周囲の反応まで気を配れたのかも。

膝カパッとか、顔面ブロックとそのツッコミとか、安定の作画コピペ流用ネタが板についてます。手抜きを持ち芸に転換するってズルイなあ。でもこれ、お笑いの天丼と掛かってるから、コピペがテクニックとして成立してて巧いよなあ。

* NARUTO -ナルト-岸本斉史) - 第627話「サスケの答え」

繰り返しになるけど、オレの解釈だとうちは一族は「根暗だけど良いヤツら」で「説明を鵜呑みにするヤツら」ですから、柱間さんの話に影響されてコロッと方針転換しちゃうんです。難しい顔で気取りながらすごく素直。本人は狙ってないけど岸本先生は狙ってやってる、素晴らしいチャームポイントですよねこれ。最後に話した人に影響されちゃうとか、どこの鳩の人(鳥人みたくなった!)ですか。大蛇丸が文字通り丸くなった理由も示されてスッキリです。

赤髪&回復能力持ち&孤児(苗字不明)の属性持ちだったカリンは、以前よりうずまき一族との予想が有力でした。このタイミングで種明かしってことは、ミナト・ナルト・カリンと役者を揃えて、渦潮の里が滅んだ理由にも言及するのかな。最近も彼らの封印術に触れる演出が目立ったし、お膳立ては整ってます。

連載当初から登場してた顔岩に、歴代火影を立たせるという熱いシチュエーションが実現。さも「当初からの伏線でした!」みたく描写されて(後付けだろうけど)鳥肌が立ちました。火影&里の成立までを語ってから改めて、現代の里を見下ろす締めくくりは、シャレにならんほどキレイな着地点。最後のカットはロマンだなぁ。ここだけでアンケ票を投じる価値がある!

* 黒子のバスケ藤巻忠俊) - 第209Q「できるさ!」

アンケ以外からのプラスワン感想。感想再開から四半期を経て、ついに『黒バス』を感想する時が!()

どんだけ我が家で需要ないんだ黒バス。きっと今週、WJ感想界隈では「赤司が二人いる秘密を明かしてくれないの!?」というキレキレなツッコミが一大ブームが到来していると予想しています。(んなブームきてなかったらこれ完全に恥ずかしい人だよな///)

この過去編、最初は赤司の謎に迫る流れだったのに、蓋を開けたら青峰に終始持ってかれたという感想です。普段『黒バス』に感心の薄かったオレさえ、「今週の青峰くんはどんな良い子っぷりを発揮するかなぁ!」と楽しみでしたもの。藤巻先生的には「ずっと温存していたネタ」でしょうから、青峰ネタはしてやったりの爆釣状態でしょう。

過去編で未消化のエピソードはざっとこんな感じでしょうか。

  • 赤司征十郎は二人いる
  • 桃井が黒子に恋する
  • 黄瀬の入部
  • 赤司のオッドアイ
  • 黒子の友人のその後(今後の展開を予告した伏線?)

「赤司二人発言」はWeb上で予想ブームが起こりましたが、今は案も出尽くして落ち着いたように見受けます。当時は自分も「緑間の乱視説」に頑なでしたが、過去と現在で左目の色が違う(現在はオッドアイ)ので、左目の謎が「赤司二人発言」の秘密を紐解くキーポイントになるのでしょう。

今話で黒子の開花エピソードは一区切りつきました。これで過去編を閉じても違和感はないんですよね。ただ、桃井と赤司の件が残留しているのは、なんとも歯切れが悪い。おそらく次週から、学年が上がって以降の過去編へ続くと予想しています。

シックスマンとして成熟する黒子。青峰より黒子に惹かれてく桃井。黄瀬の加入で完成する奇跡の世代。そして赤司の左目にまつわるエピソード。そうした流れが、続く過去編の中で開示されてほしいなと希望してます。虹村や黒子の旧友は、今大会の後につながるエピソードの布石かなぁ。


いやしかし、8年前も外出時にはメールで感想を書き進めてたし、WJ読んでる最中は本誌にメモを書き込んでたんだった。ぜんぜん成長してない..。

1803. 週刊少年ジャンプ19号

5代目となる「週刊少年ジャンプ感想更新チェック」の wjchk 様が開設されました。ジャンプ感想界隈は脈々と受け継がれてくのですね。こうして時代をつなぐことのも大切ですが、過去を綴って記録することも同じくらい大切です。ところで、前世代のジャンプ感想者有志がかつて集った奇跡のコラボレート同人誌『初』を読めば歴史の一片を感じ取ってていただけると思うんですテマ。

今週のWJアンケートハガキ

「10ポイント配点投票方式」の結果はこちら。


作品 id:SnowSwallow id:iolite 合算
★ 恋するエジソン 2 2 4
SKET DANCE 2 2 4
ワールドトリガー 1 1 2
  めだかボックス 2 0 2
  新米婦警キルコさん 1 0 1
  黒子のバスケ 1 0 1
  BLEACH 1 0 1
  暗殺教室 0 1 1
  ハイキュー!! 0 1 1
  食戟のソーマ 0 1 1
  ONE PIECE 0 1 1
  ニセコイ 0 1 1

『キルコ』『クロスマネジ』はものすごい勢いで死臭が漂う、今週のボッスン状態に。ここ最近のWJは読後の疲労感がパないです。あまりの充実ぶりに、あとから巻末を眺めて『トリコ』の休載を知る始末。恐ろしくパワフルな雑誌です。

以下、本号でアンケート票を投じた作品を感想します。

* 恋するエジソン(渡邉築) - 第17話「試験(暗記編)」 / 第18話「試験(カンニング編)」

今週の二話掲載は内容・時系列が繋がっていて、本来は分割の必要がないんですよね。あえて二分した理由は「二話掲載のがアンケが伸びる」と作家側も認識したのかも、と邪推。改めて感じますが、地続きの話が分離されてると、話の切り替わりで気持がリセットするんですよ。二話目をイチから楽しめるこの感じを「ガリ効果」と命名したいです。

ヒロインに座薬とは型破りな。今週も多数を引かせて少数を惹かせるマニアックさが光ってます。「エジソン像から流動食」も狂ってましたが、渡邉先生「ははっ、俺に付いてこられるかな!」感が心地よいです。でもこれ小学生女児を妊娠させた尾玉なみえ先生と同じ道辿ってるよ。

「歴史を固めて」「すべて流れ出た」とフレーズで言いくるめて説明を放棄してる投げやりさも大好き。「スピカが一晩中直腸で薬漬けしてた」と集約できる読後感がトチ狂ってます。性的な保健体育などを固めて座薬を打てば、この発明はクリムゾン入りするレベル。

スピカがノーパンだった理由は絵で再理解。秤とケンカしたら尻相撲の流れはお約束なのね。先週時点で気付ける余地があったとは、信者失格でした。

二本目は、試験開始と同時に発明してる二人の割り切り方が素敵。スピカから攻勢を仕掛けたのが意外。こゆのって主人公は普通、専守防衛に徹するんだけどな好感度的に。カンニングマシン」「早弁マシーン」とワンパターンな発想ですが、これこそ期待していた「スピカらしい発明」の表れなのかも。

* SKET DANCE篠原健太) - 第276話「大人はつらいよ」

「スケット団はもっとチュウさん周辺の飲食物にいいかげん警戒すべき!」をヒメコが代弁してくれました。突っ込んだからには、発明トラブルも今回がやり納めなのか。

今週は服を弄ってからの社二病あるある、ヒメコが翻弄され、ボッスンが老衰を迎え、若妻が老夫を見送るドラマティックなエンディングに到達。室内劇なのに見所が多すぎる。トラブルのスケールもデカイ。ワンアイデアでオチない。週刊連載の最中でこの筋を完成させてくる篠原先生は、どういうアタマの構造してんだろ...。

大人ボッスン&スイッチが腐女子好みの耽美さを纏い、奇妙なほど等身が伸びるネタ描写が、いちいちクスッときます。高校生の十年後を身体的に成長させることに、そもそも無理があったんだ。社会人数年目から「フィックス」「プライオリティ」「インシデント」「見える化」「脱属人化」とかが口について抜けなくなる症状、すごく共感できます! このあたりは、脱サラ作家・篠原先生ならではの切り口でした。

大人二人にやり込まれるヒメコが初々しくて、イラつきつつも最終的には丸め込まれてるのが可愛らしい。十年後のボッスンが完全にたらしなのは、悲しいというか、頼もしいというか。この夏は「遊真と藍にもてあそばれてトリオン顔(早口でトロ顔みたく言う!)になる修」の薄い本と、「大人ボッスン×小娘ヒメコ」の薄い本が厚くなりますな!(この言い回しはお気に入りに登録されています)

* ワールドトリガー葦原大介) - 第9話「木虎藍」

修を認めながらも、絶妙なバランス感覚で意地を張れている藍の性格が可愛らしいです。さすが、照れ屋で素直じゃない女子の描写に定評のある葦原先生だ。藍が修を見直した裏で、遊真も藍の評価を改めています。最弱で情弱の修だけど、他の誰かを正しく導ける個性を放っていて、主人公らしさが伝わります。ここまで9話、各人の内面を丁寧に描いてきたからこそのメッセージ力なのかも。

きっと今週、WJ感想界隈から「釘パンチじゃないんだから!」と総ツッコミを受けるであろう、遊真の七重。連載三年目には五十重(読みづらい!)に到達してそう。これって『強印』の威力じゃなく遊真の筋力が七倍なんでしょうか。一方の実力派エリート迅さん(19)は、イルガー数体を爆破させずに仕留めていて、遊真との実力差がどの程度か見物です。

前回もモヤッとしましたが、19歳は若すぎませんかね。剣心くらいの年齢かと思ってましたよ。30歳前後で自分を「実力派エリート」と語っちゃうからオヤジギャグぽくて許されるのに、19歳に言わせたら自信過剰の痛い子だよね。第一話の冒頭では迅も中高生だったと気づいてメガネくんがメガネくん呼ばわり!? ってなりました。

ボーダーは世界の最終防衛ラインを担う、いわば地球防衛隊ってイメージを抱いていました。これが『武装連金』の錬金戦団みたく、人の目を忍ぶ組織なら若者メインでも頷けます。けど、ボーダーは現代社会に融和して成立できる組織なのかな。

世界中に認知されたボーダーは、それこそ国内官民の利権争いや、各国の複雑な思惑に巻き込まれて、これを若者メインで駆け引きするにはあまりに非力で非現実と思うんです。同レベルの疑問ですが、トリオン体が警察・軍隊・レスキューに応用されていないのも不思議でたまりませんでした。

次回からボーダーの内情が語られる展開ですので、こうした疑念をスカッと晴らす説得材料を揃えて「本格派SF」の看板を発揮してほしいなと期待しています。トリオンは未成年にしか扱えないとか「だったら仕方ないよね!」的説明で逃げるのが有効そう。

* ジェダの通学路(岩本直輝)

アンケ以外からのプラスワン感想。

「人里離れた村で暮らす主人公がチョコボモドキに乗って街を目指す」という題材がHUNTER×HUNTER』の読み切りと丸被りです。『HUNTER』から毒気を抜いて尺を凝縮したらこうなるのか……。

21ページの短編で、こうも基本を押さえた起承転結を箱書きできるのは驚異的ですよ。個々の事象には無駄がなくて、「必要最小限の情報に絞り抜いた構成」に見えます。捻りはないけど教科書通りで、テーマやメッセージは直球で伝わります。岩本先生のメインターゲット(小中学生)を狙い撃ちした戦略的作品だと評価したいです。

個人的好みで言えば、『さくらん(仮)』の全体ふんわり→山場のインパクト重視(グラビア水着)、というトリッキーな作品のが好みです。でも、そゆのばっかだと読者の心根も歪んでいきますからね。企画全体のバランスを調整するような、こういう作品が一つは必要なんです。

あとオレがサンドデビルクラブなら、握り飯になんて目移りせずユリカルを食べてたね。鍋にしたい。


今週もWJ感想の一大お仕事を乗り切った……。愛娘さんが頻繁に寝返りを打ったり、「ママ」とか「イヤ」とか言うように。生後半年を過ぎてからその急成長たるやWJの主人公並です。ますます目が離せません。

1802. 週刊少年ジャンプ18号

『春の超豪華グッズプレゼント』のラインナップに『HUNTER×HUNTER』が!

飾って楽しめる立体アイテム『メロンパンミニクッション』『レプリカぬいぐるみポーチ』や、実用性のある『めだかボックス』『黒子のトランプ』『スピカのスピーカー(!)』あたりは人気が高そう。『KAIMEI5アイドルグッズ』とかコンセプトが面白いけど、平面グッズは紙面で満足できちゃうので、ありがたみに欠けるんですよね……。

そして『ジャン文』に応募できない歯がゆさよ! ですが、今後も定期的にこのコンクールが開催されれば、ジャンプ感想者・二世の子どもたちが『ジャン文』で競い合い、戦いの末に友情が生まれるWJ的展開も期待できるのです。愛娘さんの英才教育に熱が入りますな。

今週のWJアンケートハガキ

「10ポイント配点投票方式」の結果はこちら。


作品 id:SnowSwallow id:iolite 合算
★ 恋するエジソン 2 3 5
ハイキュー!! 2 1 3
新米婦警キルコさん 2 1 3
  クロスマネジ 1 1 2
  暗殺教室 1 0 1
  めだかボックス 1 0 1
  SKET DANCE 1 0 1
  さくらん(仮) 0 1 1
  ONE PIECE 0 1 1
  銀魂 0 1 1
  HUNGRY JOKER 0 1 1


id:SnowSwallow「打ち切れるマンガが見当たらないだとッ!?」
id:iolite「本当に再来したというのね……黄金時代が」

という切り出しから始まった感想会議。(だいたいあってる)

エジソン』の急落止まらず。我が家なら二話掲載だと驚異の当確率100%なのに。「渡邉先生が遠くの存在になっちゃうなぁ」「もう売れっ子作家だからファンレターの返事はもらえないなぁ」とポジティブな諦めを募らせたオレたちは何だったのか!

SnowSwallowだと『キルコさん』『エジソン』の感想率が異様に高いのに、世間様とのギャップに戸惑いを隠せません。こんな感性ずれてる人が、感想とか述べてたらちょっと問題だと思うんですよね。自分の何もかもが信じられない……。

以下、本号でアンケート票を投じた作品を感想します。

* 恋するエジソン(渡邉築) - 第15話「セキュリティ」 / 第16話「ゲーセンの帝王」

やはり二話掲載回はボケのテンポが小気味よいですね。尺の都合でボケのコマしかないからこそ『ギャグマンガ』の役割をこなせているという。結果的に最善策なんですよ。逆に一話掲載回だと、登場人物や過去背景の説明が挟まったりして、お笑いの空気が冷めちゃう。ギャグマンガって「無茶な展開」「不条理な設定」「ご都合主義」なんかよりも、第一に「笑い」だなぁと、何度も学習させられます。

一本目は「ハイクオリティ ソーリー」の意味不明さは早くも癖になりそう。水底からでも撮影できる例のプールが登場。今週の『暗殺教室』と合わせ技でPTAの苦情が怖い。オチは「コピー多用しすぎ」のツッコミ込みで完成品ですよ。『エジソン』はボケ主導の笑いだから、編集のツッコミが鋭く感じます。以前の「制服着ろ!!」もだけど、煽りや柱のツッコミは、コミックスにそのまま収録した方が絶対面白いと思うんですよね−。

二本目のゲームはパンツのみならず「霊的」の要素も一切なし! しかも内容はファイナルファイト寄りだ。お肉はともかく、自分の顔も食べてたんだアレ。この二本目って、総じて渡邉先生が「スピカにコスプレさせたい!」「スピカにノーパンでアクションさせたい!」というスケベこじらせておかしくなった話なんだなと自分なりに消化して楽しめました。

新キャラを続々投入する一方、その影でモブ化してる寮生メンバにも光を! 未だ彼らのフルネームや学年が不明確でスッキリしません。各寮生をゲストに迎え、スピカがボケて寮長が仕切って一話ずつ回してく、そんな地に足の着いた定番の回を読んでみたいものです。

* ハイキュー!!(古館春一) - 第55話「”俺のベスト”と”お前のベスト”」

セッターのポジション争いは、部活動を描く上での「影の要素」で、どちらかといえばネガティブイメージな競争劇なんですよね。事実「より実力に長けた」影山が選ばれ、ここまで先輩は苦汁を舐めてきたわけです。ですが今話で一転、ここまでの布石が活きて、「二人のセッターが烏野を支える」前向きな結束へと昇華されました。「二人なら及川に並べる 二人なら及川を越せる」ですね。

ハイキューって「アンチ個人技」主義だから、個人技は一時的に活躍しても長期的には打破されます。その一環で影山の王様プレイも破れました。及川の個人技要素も、次の第2Qで烏野の「協力技」「連携技」に破られるフラグは立ったように感じます。ただまあ、及川のサービスエースは攻略できても、セッターとしての及川を攻略できるかが、青城戦で最大の課題であり、見所でしょう。

バレーにおいてセッターは、「チームの主軸」といえるほど重要な役割だとは、恥ずかしながら本作で初めて知りました。加えてハイキューは「協力技」「連携技」で活躍する作品ですから、毛色のちがうセッターが二人いれば、組み合わせ二倍! 必殺技も二倍! 古館先生はここまで計算尽くだったんだなあと、改めて感心させられます。

キャラの組み合わせ次第で戦い方の特性が変化するのって、いかにも友情劇ですよね。スポーツ色と相まって爽やかで素敵です。

* 新米婦警キルコさん(平方昌宏) - 第18話「ゲスの決断!!」

敵味方の主要人物が同人数ってことで、個々にバトル展開でも繰り広げるんでしょうか。残り話数的にも、そのくらいやれる余裕はありそうですが、対戦オーダーが読めません。なんの根拠もなく予想すると、こんな感じかなぁ……? 前に感想会議で喋ったけどライくんを敵に回すのは心が痛くて生きづらい。

  • ファントム VS キルコ(師弟対決)
  • ジン VS 安錠(金持ち・貧乏人対決)
  • メイ VS 知秋(正反対な性格対決)
  • ライくん VS バレット(不器用対決)

署長の「現役なら一人で挑んでた」ニュアンスは、大きく出ましたね。これって、前々回に「あの辺境でファントム部隊が 5 人もカチ合うのか」と言及されましたけど、残る二人がライ・メイと見せかけてジンと署長では? という線も残りましたね。ファントム・署長・ジンにただならぬ因縁があったりして、いつもの過去回想に突入して、キルコ両親の秘密なんかも明かされたりして。ないかー。期待薄かー。

第一話からこっち、安錠と両さん「ゲスい警官」被りになってて、感想会議でも「こち亀だったらこういうオチだった」とか冗談で話してたんです。その安錠も今や親心(≒先輩風邪、とかうまいこと言いたい)が芽生え、(両さんと違って)心の成長を遂げたのですね。『ダイ大』のポップとはひと味違う、ゲスが更正したってだけですけど。実は平方先生ご自身が一番ビックリされてたりして...。いやいや平方先生ならここまで計画通りなんだろなぁ!(信者目線)

アンケ以外からのプラスワン感想。

マイクロビキニのグラビアボディで山場を作るとは、まさに捨て身の作戦。結果ヒロインのエロス勝ちという、悔しいけど尺を加味したらこれ岩代先生の作戦勝ちですよね。ミリカ「こんなやり方になっちゃってごめん」は岩代先生の心の叫びだ。

31or47ページの規模を期待していたら、まさかの通常連載サイズでした。「起承」あたりを読んでたつもりで「転」が過ぎ去っていた!? そんな読後感です。ストーリーやメッセージ性よか「雰囲気」重視ですし、内容の薄さは否めません。なんですが、すぐさま二度読みさせられる謎の魅力が潜在してます。……あ、これ水着のせいか。乳首と局部をむしろアピールしてる感もあるアブない水着のせいなのか!

岩代先生といえば「センスが芋っぽい」というイメージが心に刻まれています。本作も、宇宙人の着ぐるみや置物のデザインから岩代先生らしさが滲み出ていて安心しました。しっかしこの主人公、よく考えたら何の努力もなく流されるまま巨乳JKゲットなんですよね絶許。


巻末コメントの作者自画像、岩代先生が加わり「鳥キャラ」が三名に。鳥属性にはたまらん光景です!

1801. 週刊少年ジャンプ17号

四個目の『ヌルプニストラップ』がようやく届きました。これストラップごとに表情(色)が違ったら別の楽しみがあったのかも。1/100くらいの確率でレアな『憤怒の表情』が混ざってたり。でもよく考えたらこれ複数個も注文してる読者のが異端だった。

今週のWJアンケートハガキ

「10ポイント配点投票方式」の結果はこちら。


作品 id:SnowSwallow id:iolite 合算
暗殺教室 3 1 4
HUNGRY JOKER 1 2 3
★ クロスマネジ 2 1 3
  斎木楠雄のΨ難 1 2 3
  新米婦警キルコさん 2 0 2
  黒子のバスケ 1 1 2
  ハイキュー!! 0 1 1
  銀魂 0 1 1

今週の『キルコさん』はアンケに入ると踏んで感想練ってたら、お嫁さんがまさかのスルー! 意外にも『HUNGRY JOKER』が二週連続の、『クロスマネジ』が初のアンケ票を獲得という大波乱が起きました。最初と最後のマンガしか読んでないみたい! 二人の採点が分散てないのも特徴的でした。

以下、本号でアンケート票を投じた作品を感想します。

* 暗殺教室松井優征) - 第36話「近い時間」

扉絵煽り「KBコロシック」のルビがまともに読めん! 凝視してたら眉間が攣り、目が殺されました。

前回「殺人野球かと思ったら健全だった」とか述べましたが、「健全スポーツ回と思ったら殺人野球だった」とこの場をもって訂正いたします。そして殺人野球のが十倍くらい面白かった!

フルスイングを直前で躱すシチュの恐ろしいことよ。こゆのって銃口向けられるよかよっぽどリアルにイメージできます。スイングする方も怖いよねぇ! 文字通り『手に汗握る』状態で作中に没入できました。

一学期中間で理事長に勝っちゃうか〜! 前回の予想は大きく外しましたが、読者の範疇を裏切ってこその松井先生ですよね。このE組勝利で、理事長が攻勢に転じ、期末テストを待たずにE組が受けて立つような可能性もありそう。

こんな序盤で負けちゃあ、理事長も噛ませぽく見えちゃいますね。いつかのドフラミンゴさんばりに株価下落中です。浅野さんは理事長の中でも最弱、後ろに控える残り三体の理事長が登場するのか? でも浅野さんって覇気使い(デコピタだけで監督を泡ぶく状態)だもんな。触手がありなら超能力もあり? 殺せんせーの秘密も握ってる様子だし、件の組織絡みなのか、第三勢力なのか、まだまだ謎も能力も秘めてそうです。

次回は息抜き回とネタ振り回かな? ビッチ先生がルールブックを卑猥に覚えてた描写は今後活かされるのか、単なる下ネタか。それだけが気がかりです。

* HUNGRY JOKER田畠裕基) - case.18「エウレカオークション」

今週の掲載位置は最後尾だけど、18話にしては悠長な展開なんですよね。コミックス三巻入りは確定事項ってことでしょうか。まるでホタルノヒカリが流れはじめた『キルコさん』『クロスマネジ』とは対照的に映ります。

節々に「余裕」を感じる訳は、先週・今週が今までになくコメディタッチな所為でしょうか。リズ「もう予算がない」とキラキラを振り撒くシーン、何度読んでも笑っちゃいます。それからヴィヴィアンとニルスが退場もポイント。これがラスエピなら総力戦を匂わせ、ホワイトジョーカーの面子が全員登場するところです。今章はリズ回(&鳥居大路の覚醒回)に絞ってますし、『次に続く』シナリオだと予感させます。

ハイジの全財産は・時価16.7億円ですって! ハイジと結婚したくなった読者が急増してそう(男性読者含む)。彼が全財産を叩くシーンは、どうせ使い道のない財産だからとひねて読んでしまい「ああ、ヤッパもうすぐ終わっちゃうのか」と哀愁をそそりました。

会場前でイザコザのあった男、こんだけキャラ立ててプライド折ったからには、彼にももう一山くらいエピソードがありそう。とても「黒い神軍」のメンバとは思えないので、逆恨みで絵を盗んで、その逃走中「黒い神軍」に襲われる展開かな。典型的なヤラレ役だわー。

鳥居大路(長い苗字が好きなので、つい名字で呼称しちゃう)は一般人でこそ光る読者視点ポジションとも言えるし、「バトルヒロイン」のが人気も上がるとも言えるし、今となっては扱いに困る立ち位置ですよね。商戦的にみて鳥居大路がエウレカ適合者になるのは大いに「アリ」ですが、一抹のさみしさを感じます。

ナミさんやウソップが悪魔の実を食べちゃう的な……。このタイミングってのも難しい判断だったんだろな。「これってテコ入れですよね!」と決めつけた感想になってますが、ほんとこれ当初の想定にあったシナリオなのか、今週のWJでイチバン気になった点でした。

先週の家族会議でクリムゾンを調べようとしたら「くやしい!でもクリムゾン!」状態(Google先生が検索ワードを勝手にすり替えた結果)だったんですが、『博士の助手ポジション』である巨乳の鳥居大路なら、エウレカで淫乱にされて黒い神軍の雑兵にネトラレレイプされるのも、極めて適役といえそうです。タイトルは『鳥居大路・ハード』で決まり!(でも特にハードじゃあない)

* クロスマネジ(KAITO) - 第26話「矛盾」

アイシールド21』風に鎧姿の戦士で扉絵。やはりWJ作家、本来はこんなファンタジモノが描きたかったんだろな。戦略的にスポーツジャンルに回ったんかなあ。やっぱ未練あるんだねぇ、などと扉絵たった一枚で作者の心情を勝手に想像し、情まで湧いてきます。

今週の『キルコさん』『クロスマネジ』は共に最終決戦を控えて、(主に作者が)投げやりにならずに、各キャラの「気持ちの切り替え」を重点的に描いたのは好感が持てます。「大人の都合」による強引さや唐突さはありません。巨悪を前に思いきり悩み、それでも目的を再発見して、決意を新たに立ち向かう! まるまる一話使って丁寧にキャラの感情が乱高下して、そういうの読んでると胸の内に熱いものが込み上げてきました。

最終的には腹踊りしかなかった櫻井くん(in KAITO先生)が、ここでサッカー経験者のカードを切りまくるとは恐れ入りました。専守防衛でカウンター狙いって、サッカーじゃ格上相手によく見る光景ですから、「あれか!」と(素人でも)思い当たることが多くて説得力がありました。

事実から裏打ちされた『戦略』と、成功率を高めるための『秘密兵器』(なんと二つも!)まで飛び出した。うむ、これで燃えない少年はいない! 今週は本当にどうしちゃったんでしょう。KAITO先生の確変きたこれ!

そしてラストはラクロスなんかより女性関係で引きを作る演出も、この作品ではごく見慣れた光景になってまいりました。最終的には複数の女性関係を管理する(=クロスマネジ)というテーマ性と完全に一致。うむ、でもこれは萌えない!

* Sporting Salt −塩田の解剖学−(久保田ゆうと)

アンケ以外からのプラスワン感想。

だけど久保田先生は最初からスポーツがやりたいWJ作家だなと感じるのでした。スポーツシューズへの思い入れが強すぎる。

これNHKスペシャルか、サイエンスZEROか、すイエんサーあたり(普段の視聴番組モロバレ!)で特集されそうな、たいへん勉強になる内容なんですが……。語られる内容よか絵の違和感が狂気染みていて、内容が頭に残りませんでした。せっかく題材が面白いのに、ものすごく惜しいです。きっと、「あるレベル以上のウマ絵」を描けているこそ不気味の谷に落ちたんだ。

いや、スポーツ工学といえば『人体の専門』ですからね。この分野を得意なら人体の作画なんぞ余裕でいびつな乳房!(ふさ?) なにしろ立体感が皆無。もはや乳袋とは異種なる存在、そうこれは乳マークだ。作者は女子の肉体を描き慣れてないのか。普通ならパイスラッシュになる状況でそれを描かないでいたり、ホントもどかしい!

まあ、スポーツ工学といえば『骨格筋』ですからね。この分野が得意なら手足胴のバランスが八頭身モナー!? 脚がムダに長すぎて怖い。以前感想で「松井先生の投球フォームはどうしてカッコいいのか?」と疑問を呈しました。アレは考えてみるに、躍動感を「長い手足」で演出して相乗効果を狙ってると思うんです。この作品もテニス中に手足の伸びが驚異的ですが、躍動感ってより人体模型みたい。

松井先生の投球フォームと見比べて思い当たったのは、こないだアメトーークで解説されてた「シャッタースピード」の話でした。久保田先生の一コマはシャッタースピードが速く、一瞬の止め絵になりがちです。一方で松井先生の投球フォームはシャッタースピードがとてつもなく遅い。極端にいえば一挙手一投足の始まりから終わりを一コマに収めたらこうなるというか。絵が描けない人間だからこそ言いたい放題だけど、スポーツ描くのってセンスが問われるんだなぁ……。


* 新学期!!! WJ春の超SP読み切り5連弾

次号よりWJ連載経験作家による怒濤の読切祭り! プラスワン枠が5週先まで埋まった。

受賞作が連載化した『ぬら孫』の椎橋先生は、あの画力で完全新作が読めるとあって、今回一番楽しみにしてます。長らく応援している岩代先生、今回も安定の怪奇譚でしょうか。許斐先生が出張できるなら、矢吹先生にも出向いていただきたかったなぁ……。

河下・叶・藍本・岩本先生によるブコメ枠争奪戦も熾烈! ヘタしたら椎橋先生もラブコメ枠なのか。まさかの許斐先生もラブコメ枠なのか。その場合コメディが99%なんですけど。

現状、ラブコメ枠は『ニセコイ』一強とあって、熟練の老戦士たちを呼び戻す格好なのでしょうか。つまり今のWJは、この枠に投入できる新人が不在ってこと。可愛い女の子でラブコメが描ける新人作家を急募してるともとれそうです。

あれ? 読み切りが五週も続くなら、次の新連載は二本? 終わるマンガを皮算用すると、ひとつは『めだか』で、もうひとつは、んん?

キルコさん、耐えて! 平方先生、超ふんばって!!

1800. 週刊少年ジャンプ16号

ジャンプ感想の合間にシムシティで遊んでます。ほらシムシティって焦らず急がず放置プレイで予算を潤し、ジワジワと街を広げてくじゃないですか。だもんで感想書きながら街を放置すればこれ最強じゃね? と考え実践してみたらなんと! シムシティを遊び続けて夜が明けました。(あたりまえ)

インプットとアウトプットの作業って相性最悪だわ。

今週のWJアンケートハガキ

「10ポイント配点投票方式」の結果はこちら。


作品 id:SnowSwallow id:iolite 合算
HUNGRY JOKER 2 2 4
★ 恋するエジソン 2 2 4
ワールドトリガー 1 1 2
  SKET DANCE 1 1 2
  明るい人 1 0 1
  暗殺教室 1 0 1
  斎木楠雄のΨ難 1 0 1
  新米婦警キルコさん 1 0 1
  ハイキュー!! 0 1 1
  銀魂 0 1 1
  トリコ 0 1 1
  クロスマネジ 0 1 1

HUNGRY JOKER』と『ワールドトリガー』って、現代SFバトルモノで同じジャンルなのに正反対の作風じゃないですか。その二作が同時に選ばれたのは、因果なものを感じます。くわしくは個々の感想にて。

今週のWJは序盤から活きがよく、ワンピ・ナルトの二枚看板不在を忘れさせる勢いがありました。掲載順も面白くって、暗殺&斎木のコラボタッグが連続、読み切り二作が連続、黒子&ハイキューのスポーツも連続! 『銀魂』『HUNGRY JOKER』のTS被り。キルコさん浮上で展開の読めない打ち切りレース。あちこちで連係プレイが光ってます。WJ本誌にもストーリー性があって、読み進める楽しさがありました。

以下、本号でアンケート票を投じた作品を感想します。

*ワールドトリガー葦原大介) - 第6話「嵐山隊」

壮大な世界観と大風呂敷な設定・伏線を演出しながら、その割に巻き起こる事件は意外と小規模な印象です。そしてまた、主要人物の心理や相互理解を深掘りするために、時間がゆっくり流れてるんですよね。このあたり、「事象」「思考」を最小の手数で理詰めしてスピード感を重視している『めだかボックス』『HUNGRY JOKER』とは対極の作風だなって感じてます。

WJのアンケ主義って「即物的な面白さに票が集まるシステム」ですから、スピード感の軽視は不利に働きます。こうしたWJならではの「逆境」を、この作風で押す「誇り」を賭して、どんな「策略」で克服されるのか? もはや作中とは無関係に、葦原先生の今後を応援したくなります。

嵐山隊長(19)が若いと感じるか否かは、WJが本来想定する読者層の目安になりそう。自衛隊の小隊長さんの平均年齢と比べたらぜったい若いけど、小学生には大人に映るライン。まあ「ボーダーの顔」てことで、若さを売りに客寄せパンダを担ってるのかもです。ところで嵐山一家、子供の名前が「准」「副」「佐補」って、御両親どんだけサポート大好き!?

隊服のデザインが細かくて、これ絶対グッズ化狙ってますよね。女性隊士の衣装も道徳的でよろしいのですが、バトルできる女子=見えそうで見えないパンツという先入観を植え付けられて育った我々世代のWJ読みには、少々物足りなさも……。これ露出度次第では「藍たん」とか呼ばれて女性隊士も人気を集めてた気がするんですよ。

そんな「藍さん」ですが、初登場時に嫌味を言うエリートはだいたい一番の理解者になるフラグが凄まじいです。分かりやすい配役だけに、次回はできるだけ勝ち気に生意気に尖ってイキって修を振り回してもらいたいです。一方の修も「なにかと空気を読み過ぎるメガネくん」要素を生かして、押されたら拒めないM性を発揮してもらいたいものです。

とすると『藍さんが鮮やかな手さばきで修くんのヤオイ子宮(前立腺)にボーダーをぶち込みいじめ抜く<自己規制>』『感じてないと言い張る修に遊真「おまえ…… つまんないウソつくね」とドSの視線を突き立て<自己規制>』『最後はいつも生意気な藍さんのなかにぼくのトリオン体を解き放って<自己規制>』的なシチュが続々思い浮かぶので、この夏は薄い本が厚くなりますな。

理解者ポジに収まる法則発動は秋まで待ってください!

* 恋するエジソン(渡邉築) - 第12話「発明バトル」 / 第13話「挟まったとして」

連載第一回の感想でお掃除ロボに「しれっと再登場を期待!」とリクエストしてたらいい感じに再起用され、これが一話完結じゃない一話完結ですよ!(急にチープに聞こえる!)

暗殺教室に倣って渡邉先生も『NHKスペシャル・ロボット革命』の放映に今話をぶつけてきたんでしょうか。さすが情報化社会、新世代のWJ作家は週明けのトレンドをも先読みしてアンケ票を取り込むのでしょう。(信者目線)

本編の季節感が把握できませんが、秤とスピカが妙に薄着なのは寮長を誘ってるからという説明の一切を省き、読者に「たぶんそういうこと」と解釈を委ねた感もあります。もはや『松井優征の読切学』を超越した、驚異のページ省略テクニックです。(信者目線)

お掃除ロボという同じお題でも、スピカとは別の方向に狂ってるバーサクロボが登場して安心しました。「発明バトル」の真意は、お題をしてどちらの発想がより狂えるかの競争に相違ありません。今後もスピカや秤ならではの個性や手癖が込められた、そんな発明品を描き分けていただけると、納得感を伴った笑い(万人受けする笑い)が狙えそうです。

二話目は渡邉先生の得意分野で小慣れてますね。自販機に挟まる不条理、校舎通路が愛の巣に変身する不条理、新婚生活を送れてる不条理、それら不条理シチュを無理繰りミックスさせる芸風でたぁーっ!(信者目線) 無駄が削がれて身が締まって、面白さが濃縮されてます。たった5ページだから簡単に読み返せちゃうし、これも立派な強みだなー。

タフマンのロゴネタは、ムーさんの結婚式オフ(おふ?)で「伊東四朗さんって大御所なのにあんな金の陰嚢帽子までかぶってまじタフマンだよね(高解像度のタフマンはこちら!)」と弄ったことがあり、あの時は女子に「これはボクシンググローブがペアになってるマークだよ」と諭されて、それで納得してたんですよ。うん、やっぱその設定は建前だよね。

* HUNGRY JOKER田畠裕基) - case.17「戦士の聖母」

またクールなキャラが登場!(何人目だ!)

銀魂は事件に巻き込まれたセーフな性転換だと思うんです。でもリズは意図して男性患者を挑発し、自発的に女性用下着を着用し、クールな表情で脱衣を見せつけるド変態。アウト! このTSはアウトのやつだ!

それでいて乳首トーンがないのは納得いきません。作家サイドも途中まで女性として描いてた手前、乳首トーンは躊躇したのかもですね。しかしここは男子の乳首トーンが許されたWJの土俵です。男が上半身を晒したら、断固乳首トーンでしょ! 今後は納得感を伴った乳首トーン(万人受けする乳首トーン)を狙っていただきたいものですね。

ハイジの血と絡めて、次のテーマは血液型を発見したラントシュタイナーさん(名前勝ち)。新章突入の流れが自然で、それでいて作品独自のスピード感も崩さず好印象です。未知の病気さえ即座に完治させる医者が同行するので、次の戦いはムチャできそうですね。腕の一本や二本をトばしてもへっちゃらですよ。リズさえいれば今章は「健康」「安定」「高収入」だ。(ぜんぜんワクワクしないけど老後は安心!)

先述したとおり作品が「展開重視」なのと、主人公のハイジがクールなのとがマイナスに掛け合わって、マンガ全体が淡泊に映るのが本作の弱点です。長らく不在だったムードメーカー係にヴィヴィアンが収まるも、ネガティブなニルスと相殺されて結果的に淡泊だなと感じています。そこで新登場のリズですが、ハイジに劣らずクールで淡泊さに磨きが掛かったぁ!

これ田畠先生は狙ってやってるんでしょうか。確かに情緒微弱キャラで固めれば、事象ごとの感情表現を省略できて、物語展開に専念できるとは思うんです。けど読者的には、出来事の一辺倒じゃ「物足りなさ」が積み重なりますし、作者のスタンスに合わせて割り切って読めないと、根っこからノれないタイプの作品だよなぁと常々感じています。

* 明るい人(観寺風貴)

アンケ以外からのプラスワン感想。

予告されていた読み切り『縁結びの神!?マッケイ』よりも、こっちの方が完成度高けーなオイ! ワンピの代原ともなるとひと味違うのか。ジャンプ編集部はワンピ休載の窮地にすっげー隠し球を投じてきたなぁと、読んでいてテンション上がっちゃいました。

まず感じたのが、二号前の読み切り『見渡すかぎりの未成年』とは正反対だってこと。『未成年』はキャラネタが外れて、一発ネタが当たってたんです。一方の『明るい人』は内容が一人のキャラで一貫していて、それでいてクリーンヒット連発なんですよ。ギャグマンガの連載化に重要なことはネタの練度よりキャラの練度ですから、『明るい人』のがよっぽど連載に近い作品だと感じさせます。

じゃあ観寺先生は何が巧かったの? 考えてみたんですけど、第一にキャラの特性を掴めてたんですよね。常時発光してたら日常生活でどんなトラブルが生じるか。周囲にどんな印象を持たれて、その思いに自身はどう対応してやってくのか。彼女の一身上をきちんと整理してから、笑える日常を切り取れています。

”だからこそ”なんですけど、第二に読者の思考に先回りして『サプライズ』を仕掛けるのがお上手でした。読者が明の設定に慣れてきたタイミングを見計らって「実は女子」「実は消灯できる」「実は全裸」「実は可愛い」という切り札を、絶妙なタイミングで開示してきます。その設定を適度に弄りつつ2・3ネタ展開できる安定感も強みですね。これがデビュー作なら末恐ろしいですよ。

一点惜しいと思ったのは、全裸の理由を用意してほしかったな。「その方が面白いから」で済ませられるのもギャグマンガなんだけど、それじゃ一発ネタだもん。観寺先生の魅力は、設定を発展させて笑いに転化したり次の設定に繋げる器用さですから、全裸にも納得感はほしかったです。だってさ、読後感は爽やかなのに、よく考えたら痴女じゃない明さん。


週の真ん中に祝日があったことを昨日知りました。思いもよらず休めるって通常よりもお得感がありますね。もうカレンダーぜんぶ黒字とかでいいかも!(たぶんストレスで死んじゃう)

1799. 週刊少年ジャンプ15号

今週のアンケートハガキは2010年代の『WJ三大要素』を決めるようなお題で、時間をかけて検討したくなる内容です。この選択肢でひときわ存在感を放つのが健康。現実では誰もが当たり前に欲しがる「健康」だけど、WJヒーローほど「健康」が似合わない存在は見あたりません。

ヒロインが頻尿の危機に瀕しているので、有酸素運動で効率よく脂肪を燃やしながら駆けつけて、主人公『年齢のせいと思ったら大間違い、「おしっこが近い」に潜む意外な原因と、その改善ワザ! 分かっていただけましたでしょうか?』ヒロイン「ガッテン! ガッテン!!」(ドン)とやりだすわけです。肝心のバトルや恋が始まらない……。

今週のWJアンケートハガキ

恒例の、今週こそギャグマンガをヒイキしない「10ポイント配点投票方式」です。


作品 id:SnowSwallow id:iolite 合算
NARUTO -ナルト- 3 1 4
めだかボックス 2 1 3
暗殺教室 1 2 3
  新米婦警キルコさん 2 0 2
  ハイキュー!! 0 2 2
  トリコ 1 0 1
  HUNGRY JOKER 1 0 1
  黒子のバスケ 0 1 1
  食戟のソーマ 0 1 1
  BLEACH 0 1 1
  ONE PIECE 0 1 1

採点結果が12作品に分散する事態に。今週は突出したマンガがなく、平均的に面白かったってことかな。『恋するエジソン』は初落選&無得点でした。毎週短編を二話ひねり出すチャレンジ精神あってこその支持だったんですよねぇ……。

我が家がアンケートハガキでチョイスした言葉は以下の結果となりました。

  • 好きな言葉
    • 策略
    • 逆境
    • 誇り
  • 嫌いな言葉
    • 健康
    • 完璧

本当は『安定』『元気』『楽』『平和』『自由』『適当』『絶好調』あたりも嫌いですが、要するにジャンプ脳ってストイックすぎます。虚構の中じゃあ安定した健やかな生活とは無縁なの。少年は老後とか考えないの。

以下、本号でアンケート票を投じた作品を感想します。

* NARUTO -ナルト-岸本斉史) - 第623話「一望」

この過去話をサスケがどんな不満顔で聞いてんのか、ときどき画面右上にワイプを出してほしいです。

NHK大河ドラマで、子役が無茶な伏線を張りまくる第一回が大好きです。この過去編もそれと同じ匂いがするんですよ。成長した柱間とマダラは衝突し、一時代を築いて歴史から去る感じが大河チック。そんな二人の幼少期に芽生える友情と障害。誤解とすれ違いを繰り返して、裏切りや対立が加速して、ますます燃える展開を期待しちゃうなぁ。

で、この過去編、物語の運び方にも隙がないですよね。一見無駄かと思ったらフリだったり、本編の伏線回収だったり。岸本先生は巻末コメントや雑誌のインタビュー記事で「あと一年半くらい続く」と予告しながら、結局間延びしてて反省してましたけど、少なくともこの過去編は冗長さを感じません。大切に温めていたエピソードなんだろなー。

その勢いでもって、満を持してのイズナの登場でした。以前オビトはサスケに「イズナの万華鏡写輪眼(両目)がマダラに託された」とか説明してました。でもイズナの生死は曖昧なまま。イズナが軸に柱間とマダラの友情が引き裂かれてくのかな?

オレの解釈だと「うちは一族は根暗だけど良いヤツら」なので、イズナくん超良いヤツな気がしてます。んで、オレの解釈だと「うちは一族は説明を鵜呑みにするヤツら」なので、別の思惑(マダラの父ちゃんの、うちは一族や家族を愛する意思とか)がイズナの死(?)を利用して、マダラをうちはの軍門に引きずり戻したとか。

柱間とマダラの対立が「誤解きっかけ」だったなら、回想明けの現代で描かれるであろう「マダラVS柱間」リベンジマッチも盛り上がりそうです! だけど物語的には、柱間とマダラの再現者であるナルサスの仲直りが先にあって、その結束に重なるかたちで柱マダも矛を収めるのが自然でしょうか。

* めだかボックス西尾維新暁月あきら) - 第185箱「いちたすいちは」

残響って何か月でも留まれるんだ!? 五千年も生きての残響なら長く居残れる気もしてくるね。でもこんな設定が通るなら、オレだってお姉ちゃんをこの世に残響させたいんですよ。コタツでおせんべい食べながら雑談してくれるだけのお姉ちゃんでいいですから!(逆にぜいたく!)

いつか球磨川が勝利して吐くと思われた「また勝てなかった」の反対になるセリフ。これずーっと予想してたんですよ。西尾先生のセンスなら気の利いた言葉を用意してんだろなと思いきや、意外と直球勝負で肩すかしな感も……。けれど、めだか復活はこれ単品じゃ予定調和すぎたところを、球磨川勝利の掛け合わせて感動に繋いできましたよね。いやあ泣いちったよ。こういうトコは読者の先を狙えてるなぁと感じます。

新展開は「善吉のお父さん編」か「新入生編」を予想してます。善吉のお父さんは他所でこども作ってそう。だって善吉のお父さんでしょ、女子にモテるじゃないですか。そう考えるとほら、善吉と一歳違いの弟(妹)が箱庭学園に入学する展開しか考えられん!

父の刺客で弟(妹)が差し向けられるって定番の新展開だし。腹違いの兄弟バトルってジャンプ的だし。腹違いの兄妹なら背徳的だし。どう転んでもWJ読者に損はない展開。あと個人的には腹違いの義姉よりも、腹同じの実姉が残響でほしいです。

あとは、前エピの終わり際に、新エピの種蒔きをするのも常套手段ですもんね。異世界でも成長し続けためだかちゃんがメインだとインフレ一辺倒でダレますし。ここらで「善吉と旧生徒会」のパーティでも組んで、スペシャルとノーマルだけの新章を期待したいな。

* 暗殺教室松井優征) - 第34話「先攻の時間」

殺人野球っぽい先週の引きに反して、とっても健全なプレイでした。スポーツ大会で野球を題材にしたのは当初プロットの構想通りなのか。WBCで盛り上がってるから杉野くんきっかけでぶつけたのか。どっちにしろタイミングが合いすぎて怖い。

先週もでしたけどピッチャーの投球フォーム、いちいち見栄えしますよね。フォームの研究や腕・脚を長くスリムに描く以外にも、なにかしらの視覚効果で工夫を凝らしてそうです。松井先生の投球フォームはどうしてカッコいいのか? 解説サイトがあったら教えてほしいです!

殺監督のサインは最後の顔色でバンドorヒットの二択に見えるけど、他意はあるのかな? サインの意味は別として、松井先生ならトーンごとに顔色を決めてそうですよね。先週は色を補足してたけど、今週のサインに色説明がなかったのは既知の情報だからという狙いだったら怖い。松井先生は何でも狙ってそうで怖い。

...感想を一時中断...

「殺せんせー 顔色 トーン」とかでググるも見つからず。この恐怖感は杞憂だったか……。あるいはまだ「まとめ」がないだけで、アフィリエイトとかでひと稼ぎできる題材なのかもですねコレ。まとめるなら今がチャンス、早い者勝ちですよ!(解析班はよ!)

悪巧みなら殺せんせーより一枚上手の理事長。今回も理事長の後出しジャンケンですし、そもそもまだ一学期ですからE組の勝利は望み薄です。けどもし殺せんせーが理事長の介入を予期していたなら、一方的な敗戦にはならないかも。だからこそサインを出せる場所で待機してたとかならチョット熱い。それさえも理事長は見抜いてそうなんだけど、ここまでの「先の先の先」に迫り、E組生徒が殺せんせーの予定より一歩進んで活躍できたなら、負け戦でも理事長から一本取れる見込みはありそうです。

* トリコ(島袋光年) - グルメ225「覚醒!!」

アンケ以外からのプラスワン感想。『トリコ』もやっと感想できた!

今週の「精神的な痛み」みたく、ハッタリを交えて強さの理由を演出するところが『トリコ』のオリジナリティですよね。オートファジーシバリング・低酸素呼吸の類と違って今回のは精神論なんだけど、サニーの信念が痛みを克服したんだって伝わります。ここ最近、この手のハッタリ科学(≒エセ科学)が足りないたせいで、トリコを楽しめてなかったんだなと妙に納得しちゃいましたよ。

そんな理屈を欲しがる一方、虫の急所を攻撃したらなぜか爆発するのはナチュラルに読み流してました。ラングリッサーじゃないんだから。

サニーの髪が触手と化した! 確かに殺せんせーってグルメ界寄りの新生物ですね。この必殺技、今までとは格が違う感が漂ってます。他の四天王も、グルメ界で通用する新技を会得してる(か、今回の戦いで会得する)のかな? トリコも新技をお披露目してたけど、ネイルガンは発展途上の産物で、戦いの中でハッタリ科学を交えて完成させてきたら燃える展開だなー。

トミーロッドが察知した「グルメ細胞そのものが」に繋がる言葉は、グルメ界入りの条件なのかな。それはトミーロッド自身も目指している境地だから、自分が相手になると受けて立ったと解釈。「髪がグルメ細胞そのもの=グルメ細胞で髪を作り替えた」ってことでしょうか。ゼブラは声帯、トリコは嗅覚、ココは視力? トリコとココの五感的特徴はバトル向きじゃないから、毒とか筋肉とか分かりやすい改造になるのかもです。


東日本大震災被災者の皆さまへ、心よりおくやみとお見舞いを申しあげます。

1798. 週刊少年ジャンプ14号

週末はひなまつりの食事会だったんですが、そういえばジャンプは「ひなまつり」の要素が皆無なんですね。でもこどもの日には乗っかってた記憶があります。少女マンガ誌だと正反対なのかなー。

今週のWJアンケートハガキ

恒例の、ギャグマンガをひいきしないよう意識しすぎて面白基準がぶれてきた「10ポイント配点投票方式」です。


作品 id:SnowSwallow id:iolite 合算
★ 恋するエジソン 2 2 4
新米婦警キルコさん 1 3 4
食戟のソーマ 0 3 3
  ワールドトリガー 2 0 2
  めだかボックス 2 0 2
  ハイキュー!! 0 2 2
  べるぜバブ 1 0 1

今週は三席ともお嫁さんの採点に依存。ギャグマンガを厳しく採点する思惑は通じず! ま、また『エジソン』『キルコ』の感想書くのかぁ……。(まあ自分だって点入れてるけど、だって飛び抜けて面白いんだもん!)

それはそれとして、『ワールドトリガー』『めだかボックス』『ナルト』『べるぜバブ』『トリコ』『HUNGRY JOKER』あたりは、言及したいこと累積しすぎてストレス溜まってます。

以下、本号でアンケート票を投じた作品を感想します。

* 恋するエジソン(渡邉築) - 第9話「早弁マシーン」・第10話「水操玉」

すでに我が家では『エジソン』が看板マンガ扱い。『メルヘン王子グリム』のコミックスも購入・読破し、グリムの講評に二晩を費して、復習をバッチリ終えて今週のWJに望みました。なお、前回言及した好沢は『グリム』で小学生時代、オマケマンガで大人時代、本作で高校生時代が描かれています。渡邉先生はぜひ作家生命を賭して、好沢の生涯を描ききっていただきたい! めざせ、残念キャラの『アカギ』ポジション!

一本目は、ベルトのくだりが頂点でした。「いななくわけないでしょ!!」のフレーズ感は、一朝一夕で編み出せないキレ味。渡邉先生って奇抜キャラの創造力がズバ抜けてるけど、、ボケツッコミの基礎鍛錬も日々の努力が垣間見えて、この回でますます好感度がアップしました。このネタありきで登場した馬岡くん、一発屋には惜しいキャラだな。

二本目は「すごい睨んでる」の眼力にもってかれました。中からも睨んでる理由が意味不明なんだけど、ミステリアスな憤怒が謎の笑いを誘います。胸ぐら掴めないボケを一コマで使い捨てるのも贅沢だ。この水すごい性格悪いのに、スピカには服従してるナイト気取りな性格が憎めません。

エジソンが見下ろしてる寮の噂』も地味だけど好き。顔芸で笑ったのもこれが二度目。顔芸単品だとシラけるけど、特異なシチュエーションだと笑っちゃうもんなんだな。

先生を敵扱いするスピカも可愛いかったけど、あざとい萌えもたまになら可愛い。今回で気付いたんですけど、オレこういう女の子の系統(天然・変態・健気・頑張り屋)がものすごくタイプらしいんです。第一話のアンケートにも、スピカの印象に『恋人にしたい』を選択したのを思い出しましたし。それで試しに天然で変態で健気で頑張り屋なお姉ちゃんと妄想で遊んでみたら、こんなお姉ちゃんがほしいって思えましたし。よくよく考えたら知的で清廉でだらしのないお姉ちゃんだってほしいです。単にお姉ちゃんがほしいんですけどスピカの霊圧が…消えた…?


* 新米婦警キルコさん(平方昌宏) - 第14話「キルコ・都会デビュー!!」

今週も掲載順を見て、世間と自分の評価ギャップを痛感しました。これってもう平方先生の信者なんでしょうか...。適正評価を心がけなきゃ! そう気を引き締めて読んだら、今週もすっごく面白かった!(信者)

安錠が予期したボケをそのまま辿って本庁に到着する筋書きが秀逸でした。言葉もなくシュンとした残念顔にキュンときます。読者にお察しさせて説明とページ数を省略するのも、、やはし構成力高めで器用だなあ。オレの中ではもう平方先生、構成力だけなら松井先生と肩を並べてる作家先生ですよ。(信者!)

本庁が流島の署員を招集ってことは、ファントム隊長が用心棒(?)していた、黒幕企業絡みの事件でしょうね。カジノでの一件で、安錠だけはケルベロくんのかぶり物に扮していました。一人だけ顔バレしていない安錠が、本庁のエリートを差し置いて(ワンピのサンジ的な役割で)暗躍しちゃう熱い展開と期待しております。(信者!!)

* 食戟のソーマ附田祐斗佐伯俊) - 第13話「静かなる丼、雄弁な丼」

先々週まで創真が丼研究していた回で、「そんなにシャリアピンステーキを押すなら丼の必要性ないよね……」という感想を抱いてました。そこんとこを練り梅(ここ、最初「梅ジャム」って書いててお嫁さんに「梅ジャムなんか使ってたらOH!MYコンブだよ!」と突っ込まれました...)で解決しつつ、敵の料理にその弱点を被せてきたのは熱い展開でした。

でもどっちかだけ食べていいと言われたら、これ絶対にA5肉を食べたいよね。そこんとこ、審査員に尋ねなおしたい。「丼」勝負なら勝ったけど、「料理」勝負ならやっぱり負けてたんじゃないのかなぁと...。

Web上では好意的に取られているらしい「椀」。自分は第一印象で「ここは丼(ドン)だろ!」と反発した気持ちを抱きまして……。いや「丼」でもクソつまんないですけど、見開きで扱う以上、本題に沿ってうまいこと言っていただきたいんですよ。最近のWJはギャグマンガが活気づいてるから、ワンランク上の言葉遊びを求めちゃうのかもですね。


* 見渡すかぎりの未成年(伊原大貴)

アンケ以外からのプラスワン感想。

改めて『ジャンプNEXT』の「2コマ漫画」を読み返したんですが、以前のほうが笑いも勢いも強烈でした。前のは2コマ目にオチがくる制約が武器と化していて、四コマ漫画ながら強烈な個性を放っていたんですよ。笑えた本数を数えてみても打率 9/17 で、単純に面白かったんです。

今回はキャラで勝負してきました。連載を意識してのことでしょう。でもキャラ押しは似たオチを連投してばかりで、しかも連続してスベり、作品全体にシラけてしまった感がありました...。キャラは作れても、個性を生かした笑いにつながってない気がします。


その一方、一発ネタで勝負した話はクリーンヒットしてます。『ヒーロー』『病気』などの、急に妙な設定を語り出すネタは、伊原先生らしさが光ってました。連載狙ってるのにキャラより単発ネタのが面白いって致命的ですけど。伊原先生はそういうタイプの作家なんでしょうか。

あと、この作風って『ギャグ王』に掲載されてそう、なんて思いました。タイトルどおり、読者の推奨年齢は小学校三年生くらいの低年齢層って感じがします。小学生のときに出会っていたら、違った印象を抱いただろうなぁと、そんなことまで考えさせられた内容でした。

ジャンプ感想更新チェック」が三月いっぱいで終了とのこと。更新チェックをきっかけに、多くのつながりと、かけがえのない出会いを授かりました。こうしてWJ感想しながら「最後の時」を看取れるというのは、一つの幸運だったと思えます。なんら恩返しできませんが、感謝とねぎらいの気持ちをおくりたいです。

そしてまた、火影みたく「三代目・ジャンプ感想更新チェック」が登場することを、わずかばかり期待しつつ...。