▽池田信夫 blog ●06/09 15:53 2025年06月09日13:55本国民年金は岸信介が自営業者を買収する年金だった年金流用法案を批判すると、「年金財政は磐石だ」という類の反論が関係者から来る。確かに厚生年金は、GPIFの積立金が258兆円もあるので当分は心配ない。問題は国民年金である。これは1961年にできたときから問題を抱えた制度だった。1955年に左右社会党が統一され、自由党と民主党が保守合同して、日本でも左右対決の時代が始まった。このとき労働組合という大組織を集票基盤とする社会党に対して、自民党は各議員の後援会しかなく、組織力において劣っていた。これを補うために、後援会の中核になる農民や自営業者を年金で買収するのが国民年金の目的だった。無職まで対象にした「国民皆保険」は世界になかったが、貧しい日本でともに助け合うという合意があったため、保険料も年金も定額という平等主義(所得に対しては超逆進的)の年金ができた