不未之奇のアンテナ
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▽古本屋ツアー・イン・ジャパン●07/17 06:59 2025年07月16日7/16自分の読む本ばかりを買ってしまう。昨日は家に閉じこもり、デザイン仕事と原稿書きに精を出す。なるべく早く終わらせて、古本を買いに行こうと思っていたが、風雨の強さに表に出る気持ちを断ち切られ、結局一日中家の中であった。山田風太郎の「二十世紀怪談」を読み進める。扉には『新作異色探偵小説』の冠が付けられているが、ほぼSF小説……というかデストピア小説集である。冒頭の『二十世紀ノア』は放射能雨が降り続ける195×年のお話。酷い雨が降り続ける窓の外のせいで、気分が際限なく盛り上がってしまう……。そして本日は午後三時に千歳船橋に流れ着いたので、テクテク小田急高架沿いに歩いて、経堂の「ゆうらん古書店」(2022/09/25参照)へ。あれ?閉まってる?と思ったら開いていた。ただ雨の酷さに、店頭棚が出ていないだけであった。ドアを押して中に入ると、帳場の店主・今村氏と目が合った瞬間「店頭棚、出してなくてすみません!」と謝られてしまう……そう、オレは店頭棚の男……。なので店内の棚を見ながら、しばらく「断捨離血風録」&「古本屋ツアー・イン・日下三蔵邸」の話に花を咲かせる。そしてたまには店内で本をと、籾山書店「すみだ川/永井荷風」(函ナシ。明治四十四年再版)を三千円で購入する。くぉぉぉぉぉ、橋口五葉装幀の胡蝶本!そんな古本を思わず買ってしまって、続いて下北沢へ。「ほん吉」(2008/06/01参照)で角川書店「白紙の散乱/尾崎豊」を110円で購入した後、「古書明日」(2017/01/31参照)へ。店内右側通路の古書ゾーンをじっくり見ていると、春陽堂「血の滴『創造される傳説』の一/フヨードル・ソログーブ作 除村吉太郎譯」を見つけたので1500円で購入する。函付きで大正十四再版。ロシアのデカダン・ソログーブの見知らぬ作品である!などと喜ぶが、しまった!ほぼ自分の読む本ばかりを買ってしまった……少しでも古本分母を増やさねばならぬ、この非常時に……。※「日本古書通信 2025年7月号」のリレー連載『ミステリ懐旧三面鏡』は盛林堂・小野氏の番。今絶賛開催中の『探偵作家・大阪圭吉展』の主人公、大阪圭吉についての熱い思いを吐露しています。そして文章内に『圭吉』の文字登場回数がメチャメチャ多い!16回!7/14夕暮れの神保町で古本を。posted by tokusan
▽偽日記@はてな●07/16 23:15 2025-07-092025-07-09⚫︎ル・コルビュジエの「カップ・マルタンの休憩小屋」のすぐ近くにある、アイリーン・グレイ設計の「E1027」という住宅が、またすばらしい。(コルビュジエが、この「E1027」に対してというか、アイリーン・グレイに対してとった態度は本当にひどくて、クソ権威オヤジ最低だな、というしかないものなのだが、この件についての詳細は面倒なのでここでは触れない。アイリーン・グレイとしては、自分(たち)のためにコツコツと作った空間をオヤジたちにブン取られて、でも戦うのは面倒なのでさっさと身を引いて、自分のための場所を別に作った、という感じなのだろうか。)美しいモノ、美しい空間を作る造形力、そして快適な住環境を作る能力はコルビュジエよりもアイリーン・グレイが明らかに優れていると思う。だが、コルビュジエにある、空間に(メビウスの帯のような)「ねじれ」を仕込むという感覚はアイリーン・クレイにはないのかなあとは思う。(ぼくは何にしろ「構造的なねじれ」が入っているものに無条件に惹かれてしまう。レヴィ=ストロースの神話の方程式とか交差イトコ婚とかに訳もなく説得力を感じてしまう、など。)(コルビュジエの造形センス、色彩センスは、実は結構微妙だと思っている。それは、彼の絵画作品を観るとわかる。ただし、その「微妙さ」は、彼が常に何かしらの「ねじれ」に触れていることからくるのではないかと、ぼくは思う。その微妙な危うさをうまく捉えると、画家ジャン・ヌレの面白さが見えてくる。)・E-1027 アイリーン・グレイhttps://www.youtube.com/watch?v=qkV1ecbihsk・Villa E-1027 - Eileen Grayhttps://www.youtube.com/watch?v=zGe5FkhUAe4・Villa E1027 Eileen Gray / Roquebrune-Cap-Martinhttps://www.youtube.com/watch?v=3exOncGuxY4&t=156s・Crowdfunding Campaign Video: Help us restore Eileen Gray’s Modernist villa, E-1027https://www.youtube.com/wat
▽黌門客●07/15 19:30 2025-07-14高山樗牛『瀧口入道』のこと大学の学部3年生だった頃、さる方に好きな小説はなにかと訊ねられたので、いくつか作品を挙げてゆくなかに、当時入れ込んでいた高山樗牛(1871-1903)の『瀧口入道』の名を出したということがあった。いま考えると、若気の至りのようにも感じられて、いささか気恥ずかしくおもわぬでもない。しかし実際に、筋のおもしろさはさることながら、その美文にすっかり魅せられてしまっていたのである。不意にそのことを思い出したのは、『瀧口入道』の名高い冒頭部に、「治承」と「寿永」とが対比される形で出て来るからに他ならない(前回の記事「『西行花伝』餘話」を参照のこと)。その冒頭部を引くかたちで、杉本苑子(1925年生れ)はかつて次の様に書いていた。「廻れば大門(おほもん)の見返り柳いと長けれど、お歯ぐろ溝(どぶ)に燈火(ともしび)うつる三階の騒ぎも手に取る如く……」と『たけくらべ』の冒頭を暗誦する母……。子供のわたしまでが競い合って、「やがて来(こ)む寿永の秋の哀れ、治承の春の楽みに知る由もなく、六年*1(むとせ)の後に昔の夢を辿りて、直衣(なほし)の袖を絞りし人々には、今宵(こよひ)の観会も中々に忘られぬ思寝(おもひね)の涙なるべし」と『滝口入道』の、これまた書き出しの一節を大声でそらんじる日常は、教育方針などというものとは無関係なもっと別のところで、しらずしらず一人ッ子のわたしの内奥(ないおう)に、作家を志向させる何かを植えつけていったのではないかと思う。(「子供のころの読書体験」『読書と私―書下しエッセイ集―』文春文庫1980:124)また、杉本よりも一つ上の世代の森銑三(1895年生れ)は、十六歳の頃に識りあった「秋本乃武雄さん」という「明治期の書生という匂のする人」から、「樗牛や、独歩や、蘆花や、漱石や、そうした人々のことを聴」いた(「読んだ書物の思出」、森銑三・柴田宵曲『書物』*2岩波文庫1997所収:174-75)といい、その秋本さんに倣うかたちで森は、独歩の『武蔵野』の全文、漱石の「倫敦塔」の一節、緑雨が『あま蛙』の巻頭に添えている「略歴を掲げよとや」という人を食った自伝、一葉の随筆、樗牛の「平家雑感」の一節、子規の小品の「くだもの」、そうしたものをつぎつぎと読みかつ写した。(同pp.176-77)と回想している
▽しのばずくん便り●07/15 17:49 イーディ/ Innocence Define(根津)https://www.instagram.com/innocencedefine/キッチン haco(根津)https://www.instagram.com/haco_nezu/信陽堂編集室(イベントで配布)https://shinyodo.net西日暮里BOOK APARTMENThttps://hagiso.com/book-apartment/バロールラボ(根津)https://www.valorlab.jp/BOOKS 青いカバ(文京区本駒込)不忍ブックストリーム【ナンダロウの引き出し 1:北欧ミステリ】https://youtube.com/live/E4OkLp10yTM?si=cu1M23ytsxrNAqtr
▽猫額洞の日々●07/15 11:52 2025年 07月 14日(2)宮下志朗『パリ歴史探偵』p126/p261~7月13日より続く拡大するパリについて、昨日は第一段階のことしか書いてなかったが、中世末からルネサンスころ、シャルル5世(在位1364-1380年)の治世下、セーヌ右岸に新たに城壁が築かれ、パリは4・4平方kmに広がる。市内外をつなぐ門で徴税人たちが入市税を取り立てていたが、___< 16世紀以降、パリの膨張はあまりに急速であって、新たな市壁の建築が追いつかず、都市の内側と外側の境界はきわめて曖昧あいまいなものとなっていた。バラックみたいな徴税事務所のすぐ外側に店を開いた居酒屋が、税金のかからない安酒をこれ見よがしに飲ませていたのである。そこで1783年、入市税の徴収を確実にしようと考えた総括徴税人たちは、パリの周囲に城壁をはりめぐらせる権利を国王から獲得した。やがて全長24kmの市壁が構築され、モンマルトルやベルヴィルといった地区が正式の課税対象地域に組みこまれた。それはまさにフランス革命直前のことであった。これが「徴税人の壁」と呼ばれるもので、[略]壁の内側に、幅12mのパトロール用の通路がつくられた。そして外側にはなんと幅60mの大通りがつくられて、木が植えられた。おまけに壁の外側100mは家屋の建築が禁止されたともういう[略]ここに、面積33・7平方kmという巨大なパリが出現した。その人口は約60万人を数えたという。>(pp66-67)___これでほぼ現在のパリ市になる。ダンフェール=ロシュロー広場やその先のヴァンヴ門があるような。語り口が楽しい本だ。『2 パサージュを渡り歩く』の章の書き出しは___< ガラス屋根の下にずっと続くアーケード商店街が好きだ。生まれも育ちも東京の人間。それもほとんど世田谷区で育ったから、アーケードにはほとんど縁がない。その分、三軒茶屋で、中野ブロードウェイで、あるいは京都の新京極でもいい、アーケード街に足を一歩踏み入れると、なにやら心が浮き浮きしてくる。少しばかりレトロな、あの雰囲気が好きなんだと思う。最初に教師になった岡山市には、あちこちにアーケードがあったし、市電も走っていてうれしかった。とりわけ駅の西側の、ややさびれた感じのアーケードが気に入って、よく歩きまわった。セピア色の写
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