kawaikyoのアンテナ
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▽たむ読書&映画日記●01/14 11:38 2025-01-13『文豪たちが書いた「犬」の名作短編集』彩図社文芸部編纂(彩図社)★★★☆☆アンソロ 文学『文豪たちが書いた「犬」の名作短編集』彩図社文芸部編纂(彩図社)やたらと即物的なタイトルですが、どうやら「文豪たちが書いた~」シリーズというのが出ている模様。「硝子戸の中」夏目漱石(1915)★★★☆☆――私がHさんからヘクトーを貰った時の事を考えると、もう三四年の昔になっている。その時彼はまだ乳離れしたばかりの小供であった。宵の口から泣き出して、夜中には物置の戸を爪で掻き破って出ようとした。淋しかったのだろう。小供らにせがまれて、私はとうとうヘクトーという偉い名を、この小供達の朋友に与えた。日ならずして、彼は二三の友達を拵えた。同名エッセイ集より、三~五の抜粋。白い犬だという以外は犬種も特徴もさっぱりわからないのは、読者に想像する余地を残すためでしょうか。漱石の文章は
▽奇妙な世界の片隅で ●01/12 20:15 アリスの国の殺人 ギジェルモ・マルティネス『アリス連続殺人』アルゼンチンの作家ギジェルモ・マルティネスの長篇『アリス連続殺人』(和泉圭亮訳 扶桑社ミステリー)は、「不思議の国のアリス」とその作者ルイス・キャロルにまつわる連続殺人事件を扱ったミステリ作品です。オックスフォード大学の給費留学生の「私」は、旧知の数学者セルダム教授から秘密の依頼を受けます。ルイス・キャロルの喪われた日記にまつわる、新出の書類の筆跡鑑定をしてくれというのです。それは、キャロルの研究団体ルイス・キャロル同胞団の手伝いをしている女性クリステンが発見したものだというのですが、従来の研究の定説を覆す可能性があるものだといいます。そんな中クリステンが事故に遭い、それは殺人未遂だったのではないかと疑いが持ち上がります。折しも、同胞団がキャロルの研究書を上梓する予定があるといい、クリステンの発見が著者たちの利害に関係す
▽シャングリラ屯田兵●01/10 04:05 2025-01-08ホールドオーバーズ(アレクサンダー・ペイン)映画すごく淡色で描かれた作品という印象でした。監督の作品はわかりやすいフックがあるわけではないけれど、現実の世界がそうであるように、見ている過程で少しずつその人物の人となりが分かってきて、(全面的に好きにならないまでも)距離が縮まっていくということを丁寧に描写していく。だから最後にはいい映画観たな、という感触が残るのだと思います。ところで、背景を調べていてびっくりしたのは、主役である名門寄宿舎学校の堅物の古代史の先生を演じる(おなじみ)ポール・ジアマッティって、お父さんがイェール大学の学長でMLBコミッショナーという筋金入りのセレブリティだったんですね。(ハリウッドにはそういう人が時々いるけど。)あとこちらも主演と呼んでほぼ差し支えない、おそらく見た人なら誰でも忘れがたい印象を残す、居残り学生アンガスくんを演じるドミ
▽猫を償うに猫をもってせよ●01/06 18:16 2025-01-06「絶望の裁判所」半分まで読んだ感想瀬木比呂志という、元裁判所の判事で、明大教授に転じた人が十年前に書いた『絶望の裁判所』(講談社現代新書)が売れているというので図書館から借りてきたが、妙に読みにくく、半分で挫折した。この人は、日本の裁判所は海外に比べてひどいとか、2000年以後ひどくなっていると言いたいらしいのだが、私は裁判所というのは人間主義的な発想で動いているのではなく、判例に基づいて非人間的な判断をするところで、それを適宜利用するしかないと思っているのと、海外の裁判所がそんなにいいとも思えないので、この著者はアメリカに留学したことがあるというが、それはアメリカの裁判所のいいところだけを見ているんだろうと思った。それに、官僚の世界というのも冷酷非情な人間でないと務まらないと考えているので、この人はそれが合わなかったんだろう、とも思う。実際には大学教授の世界もそ
▽国書刊行会●01/05 10:11 ヤギの睾丸を移植した男 定価:3,190円 2025/01/23 予定処世の大道 定価:2,420円 2025/01/24 予定
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