kawaikyoのアンテナ
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▽たむ読書&映画日記●03/12 06:42 2025-03-10『眼球堂の殺人〜The Book〜』周木律(講談社文庫)★☆☆☆☆ミステリ『眼球堂の殺人〜The Book〜』周木律(講談社文庫)親本2013年刊行。まるで30年前の作品です。新本格から一歩も前進していません。どこかに+αの部分があるわけでもなければ、歴代の新本格の傑作と肩を並べる出来というわけでもなく、ファンが書いた新本格のパスティーシュという感じでした。まずは何かとワトソン役に突っかかる奇人の天才型探偵という造形が古くさいです。この時点でかなり読む気を削がれてしまいました。トリックにしても、これまで散々書かれてきた館ものの新しいトリックを思いつきました――というものでしかありません。しかもオリジナリティがあるわけでもなく、すでにどこかで見たような館トリックでした。それでも、三つのトリック【目が回る。涙が溜まる。盲点。】すべてを眼球という要素で統一させた
▽シャングリラ屯田兵●03/10 22:02 2025-03-10フォールガイ(デヴィッド・リーチ)映画これまでの監督作について、『アトミック・ブロンド』や『ブレット・トレイン』など、予告や物語からは食指が動かなかったものの実際見てみると面白かった作品が多かったので、今回は逆に期待していたのだけど今一つ盛り上がらなかったかな、というのが正直な感想です。「スタントマンがとある犯罪計画に巻き込まれて、そのスキルを活かして窮地を脱する」という物語は、スタントマン出身でいまや一大アクション会社の社長でもある監督が作る、という時点で枠組みがもうメタの上にもメタなんだけど、それが悪い意味で枷になったという印象。もうちょっと詳しく言えば、どんな映画でももちろん安全策を確保した上でスタントシーンやカーチェイスをしている訳だけれど、観客が観ている時は「物語内では文字通り命がけで戦っている」という前提だからこそ手に汗を握って作品に没入している訳
▽猫を償うに猫をもってせよ●03/10 15:31 2025-03-10河野多恵子の謎戦後の売れた歌、モノ、本を並べた雑書を見ていたら、1971年のところに河野多恵子の『回転扉』があった。これは三島事件のころに「新潮社純文学特別書き下ろし作品」として濃紺色の箱入りで出た本だ。それで『河野多恵子全集 第六巻』を図書館で借りてきて読み始めた。真子(まさこ)という40代の人妻が主人公で、子供はなく、かつて長沢という夫以外の男と情事を持ったことがある。最後は、別の夫婦とスワッピングみたいなことをすることになる。それが戯曲形式で表されている。いつもの河野多恵子で、大して面白くないが、情事とかスワッピングとかフェラチオとかいう性的な話が出てくるのでベストセラー・リストに入ったのだろう。描写は一貫して突き放した冷たい感じで、主人公に感情移入させないが、この全集本には当時の文藝時評が載っていて、佐伯彰一、秋山駿、日野啓三、小島信夫、加賀乙彦、清水徹
▽奇妙な世界の片隅で ●03/10 11:08 私と先輩 斜線堂有紀『さよならに取られた傷だらけ 不純文学』斜線堂有紀『さよならに取られた傷だらけ 不純文学』(河出文庫)は、一話が一ページ程度で展開される幻想的な掌編小説集です。著者がネット上に発表していた作品をまとめたものだそうです。共通して登場する人物は「私」と「先輩」なのですが、その関係性や起こる出来事は千差万別です。そもそもが同じ「私」と「先輩」という人物が出てくるものの、時には学生であったり、社会人であったりと、お話によって違う人物を指しているようなのです。ただ、互いに愛情・好感を抱いている…というのは共通しています。多くのお話でSF・幻想的な出来事が起こるのですが、その出来事を通して、短い中にも二人の登場人物のエモーショナルな関係がさらっと描かれるのが上手いですね。250編もお話が入っているということで、全部は紹介しきれないので、サンプルとしていくつか挙げてみます。
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