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▽闘いの後の風景●12/24 23:10 古賀太『太陽と桃の歌』の地味さについて2024年12月24日 (火)『太陽と桃の歌』の地味さについてスペイン映画『太陽と桃の歌』を劇場で見た。ベルリンの金熊賞だし、監督がカタルーニャ出身のカルラ・シモンという1986年生まれの女性というのも気になった。結果は、今はこんな地味な映画が最高賞かとちょっと驚いた。» 続きを読む投稿者 こがふとし 時刻 08時50分 映画 | 固定リンク | コメント (0)Tweet«『破墓/パミョ』を楽しむ
▽勝手に視やがれ―映画的な、批評的な●12/22 22:50 独身の父と娘との住み分けという点に注目すると、蓮實氏が『戸田家の兄妹』の冒頭の老実業家の家長・藤野秀夫の死に関して述べた<注目すべきは、ここでの実業家の妻の関係がいつでも交換可能なものだ。(……引用者中略……)それ故、『戸田家の兄妹』の冒頭に描かれるのが、還暦の年の六十歳の誕生日に起こった父親の死であってもいっこうにかまわないし、あるいは死ぬのが母親であったとしても、ほぼ同じ作品ができあがったかもしれない。>*9という記述は、明らかに不適切で修正を要するものだろう。こうした父と娘とのあいだの性的な空間分割構造を考えると、夫の死と同時に住む家を亡くした母親が、未婚の末娘と共に、結婚して独立した子供たちの家の二階の部屋を転々とする現バージョンと「ほぼ同じ作品ができあがったかもしれない」という記述は、蓮實氏にしては珍しく不用意で、間違ったものといわねばならない。『戸田家の兄妹』の母娘が同居す
▽猫を償うに猫をもってせよ●12/22 01:21 小谷野敦2024-12-21教育のこととなると母親が買うから曽野綾子の『絶望からの出発 私の実感的教育論』というのが、1975年、私が中学一年の時に出て、ベストセラーになったのだが、どうもうちの母も買っていたような記憶がある。私は読んでいなかったので図書館から借りてきて読んでいるが、特に絶望がどうとかいう内容ではない。単に曽野綾子は三浦太郎という、小説の題材にもした、文化人類学者になった息子を育てた経験からエッセイを書いているだけである。しかし、教育論となるともう母親は夢中になる。ちょっとしたきっかけでベストセラーになる。最相葉月の『絶対音感』(1998)というのも、単なるノンフィクションで、大して面白くもないのだが、かなり売れた。これは井上章一さんが当時言っていたところによると、子供にピアノを習わせているような母親が、どうすれば子供に絶対音感をつけられるかと思って買ったからだという。まあだ
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