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▽草葉の読書記
●12/22 20:03
森元良太『統計学再入門』統計学を理論的･技術的に学ぶだけではなかなか触れることのない､統計学的思考を導く背景､哲学について記している｡話題は帰納推論､誤差論的思考と集団的思考､有意性検定と仮説検定の三つ｡どれも専門的知識に裏付けられたしっかりした議論が展開されている｡帰納推論のところは科学哲学の本でよく見る議論の展開｡ﾋｭｰﾑによる帰納推論批判と自然の斉一性､ｸﾞｯﾄﾞﾏﾝのｸﾞﾙｰのﾊﾟﾗﾄﾞｸｽを扱う｡そして帰納推論の問題への対応策としてﾎﾟﾊﾟｰの反証主義を扱っている｡ただし現代の科学者がﾅｲｰﾌﾞに採用している､ﾎﾟﾊﾟｰ的反証主義と本来の反証主義の違いや､ﾎﾟﾊﾟｰ以降の展開はほとんど扱われていない｡代わりに､ﾍﾞｲｽﾞ主義による対応が書かれているのが本書らしいところだろう｡ただしこの議論は､ﾍﾞｲｽﾞの原論文での議論と､ﾍﾞｲｽﾞを最初に紹介したﾌﾟﾗｲｽの解説､そしてﾗﾌﾟﾗｽの別定式の話が細かく長く続く｡科学