▽池田信夫 blog ●07/28 06:04 2025年07月27日20:24本啓蒙の終わった時代に普遍的な倫理はあるのか今年5月に死去したアラスデア・マッキンタイアは、最後のモラリストともいうべき哲学者だった。かつて倫理は宗教の同義語だったが、ヨーロッパ世界が神を失って以来、人々はキリスト教に代わる倫理を求めていた。マッキンタイアは若いころマルクス主義者として、キリスト教に代わる救済を社会主義に求めた。のちにカトリックに改宗したが、非倫理的な資本主義に対する批判を最後まで持ち続けた。死の直前に書いたエッセイでは、トランプ大統領の出現を憂慮し、彼は「啓蒙の生んだモンスター」だと語った。啓蒙は個人の快楽を最大化するよう社会を設計する。そういう倫理的アナーキズムの体系化が経済学である。ケインズのようなもっとも洗練された経済学者でさえ、倫理を「選好」の集計としてしか語れなかった。社会を好き嫌いで決める功利主義は、徹底するとトランプ