▽king-biscuit works ●01/15 14:52 それは書き手である紀田さん自身のせいではなく、むしろそれら著書が市場に流通させられてゆく、その過程で当時すでにまつわらされていたものによるところが大きいのでしょうし、その限りではほんとに申し訳ないことではあるのですが、でも、そういう出逢い方しかできなかった自分というのも確かにありました。そして、それは自分だけのことでもなく、そういう「読書」からは生まれながらに縁無き衆生の読み手というのも、あの頃すでにそれなりに出現し始めていたのだろう、と思っています。その感覚は後になって、眼前に流通する本から古書や古本にまで、ある趣味的な傾きを折り目正しい教養の装いにもまぶしつつ、何ともおおらかに示すことのできる人がたや界隈に対して抱いてしまう縁無き衆生感、突き放して言えば極私的かつ生理的な疎外感とも共通していたようです。そういうある種の知的なサロン感覚、紀田さんご本人が意図していたかどうかはともかく、