小宮山のアンテナ
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▽日記●11/21 19:57 11/21
明るみ始めながらも白光が覗き始めるわずかな間、島内は青白くしている。時折わずかなでる風も涼しげでいる。辺りはしんとして、伊佐美屋の店内から出てきた六匹の猫の小さな足音がだれに聞かせるでもなくコンクリートの堤防を伝うように遠くまで響く。先頭はクロ、少し離れてブチヒゲ、その後ろにミケ、ぴたりと横につけてチビ、それから灰色がかった猫と、土に落ち葉を撒いたような模様の猫が着いてきていた。灰色がかった猫は抜け目のない顔つきと、また実際に顔つきどおりの性格をした、短い尻尾のチョロである。さほど愛嬌のある顔には見えないが、よく人間たちから餌をもらっていた。賢い猫であるから、仕草や素振りを心得ていたのかもしれぬ。もう一匹の猫は物心ついてから極力人間に恃むことなく生きてきたタイルである。仔猫のときにそのように育てられたのか、どういうわけかタイルの上で寝るのを好んでいた。以前は民家の屋外に設置され
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