▽池田信夫 blog ●06/29 13:23 2025年06月28日16:28本世界は「関係」でできている量子力学の解釈をめぐっては100年前から大論争が続き、いまだに決着がつかないが、最近は少し様子が変わってきた。量子コンピュータの実験が成功したからだ。その原理は、従来の半導体とはまったく違う量子もつれ(本書では「エンタングルメント」と呼んでいる)である。量子力学ではシュレーディンガー方程式の解は確率分布で表現され、観測するまで電子は「もつれ」状態にあって位置と運動量は一義的に決まらない。これは電子のペアが宇宙の端と端にあっても、観測で同時に決定される非局所的な相互作用があることを意味する。これは理論が不完全だからで、決定論的な「隠れた変数」があるはずだという理論が提唱された。ベルの不等式はこれを確かめる思考実験だが、3人の物理学者がこの不等式が成り立たない(量子もつれが存在する)ことを実験で証明し、2022年のノーベル賞