▽岡野憲一郎のブログ:気弱な精神科医 Ken Okano. A Blog of an insecure psychiatrist ●04/13 02:54 2025年4月13日日曜日不安とパニックと精神分析 13ところでこの論文には症例が出てくるが、それを読む限りは一般の精神分析的精神療法と大した違いは感じられない。患者は54歳の男性の会計士だが、彼自身のクライエントが攻撃的だとパニック症状や不安が誘発される。特にクライエントが法律すれすれの会計処理を患者に迫ることで、患者は自分が何か悪いことをしているのではないかという罪悪感にさいなまれる。しかしクライエントの言うことを聞かないと今度はクライエントが自分のもとから去ってしまうのではないかと不安になるのだ。 この患者の社会生活歴においては、彼の父親もまた彼に対して高圧的な程度やいじめに近い接し方をしていたという。しかし治療が進むにつれて、患者の彼自身のクライエントたちに対するいらだちや、父親に対する深刻な怒りの問題が明らかになった。患者はそれを意識したり表現したりすると「厄介なことになる