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おとなりアンテナ | おすすめページ

  1. 2024/05/11 06:16:31 長崎ノート含むアンテナおとなりページ

    2024年5月10日金曜日
    デザイン論法
    1603・4年イエズス会日本年報(報告集第Ⅰ期第4巻、277頁)
    ここに、日本の高貴できわめて古い家系の異教徒の若者がいた。彼はかつて太閤様の小姓を務め、現在は福島(正則)殿に仕えており、彼の一寵臣の嗣子である。この男は禅宗に属し、その宗派の仏僧たちは多額の金を支払う何人かの人たちに或る種の黙想(坐禅)をさせる習わしだが、(仏僧らは)彼にもそれを行なわせた。その黙想は、救済はなく、我々に見えている肉体的なこれらすべてのものには外見的なもの以外には真の存在はないと要約される。つまり、万物はこの現在の生をもって終るということである。そして、生来、この若者は才能に優れ雄弁なので、友人のキリシタンの兵士たちとつねに大論争を交わしていた。
    ついに、或る時、他の二人のキリシタンといっしょにこの城のある場所を見張ることになった際に、論戦はすさまじいものとなり、嗄声になるまで一晩中をそれに費やし、最後に、説教を聞きに来い、そうすればどんなに誤っているかが判るであろうということになった。彼は、彼らの言うことに同意して聞きに来たが、それは、改宗するよりも論争したいと思ったからである。このようにして、初回の説教では、物凄い怒鳴り声をあげ、ひどくしつこく言い張ったので、説教している広間では彼のせいで話し声が聞こえぬほどであった。
    二回目には、天と地と万物の創造者が存在することを証明した根拠の有効性を見て、若干穏やかであった。そのため、その後、聞いたことを一人だけで考察し始めた。そして、自然の光が教えることにすべてがかなっていることを見出し、空が澄みわたり清朗な或る夜、月と星を長い間注意深く眺め、それらがいとも規則的な歩みで運行し、少しずつ西に近づき、ついに若干の星が地平線の下に沈むことに気づいた。そして、このことから、この世の秩序と調和に思いを巡らしていった。こういうわけで、デウスの恩恵をもって次のように結論した。これらすべては万物のあの第一原因、(すなわち)キリシタンの教えがデウスと呼んでいるものの明白な作用以外の何物でもありえない。したがってただ(この教え)のみが真実であり、仏僧たちから学んだすべてはまったくの誤りと見せかけである、と。
    - 5月 10, 2024 0 件のコメント:
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    デザイン論法
    1603・4年イエズス会日本年報(報告集第Ⅰ期第4巻、277頁)   ここに、日本の高貴できわめて古い家系の異教徒の若者がいた。彼はかつて太閤様の小姓を務め、現在は福島(正則)殿に仕えており、彼の一寵臣の嗣子である。この男は禅宗に属し、その宗派の仏僧たちは多額の金を支払う何人かの...
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  2. 2024/05/02 04:20:41 Nordica mediaevalis含むアンテナおとなりページ

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  3. 2024/03/28 10:45:29 オシテオサレテ含むアンテナおとなりページ

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    オシテオサレテ
    2024-03-26
    14世紀の危機を語る時にモンゴル史家が語ること 諫早「『14世紀の危機』の語り方」
    思想 2024年4月号
    岩波書店
    Amazon
    諫早庸一「『14世紀の危機』の語り方:ヨーロッパ到来以前の黒死病」『思想』2024年4月、no. 1200、9–32ページ。
    『思想』の特集「危機の世紀」から、14世紀の危機について論じた論考を読む。
    非常に多くの情報を提供する論考である。しかし、その骨子は次のように要約できる。「13世紀世界システム」の崩壊は、黒死病によってもたらされたとは考えられない。なぜなら、システムは黒死病が現れたときにはすでに崩壊していたから。システムの崩壊の主要因はむしろモンゴル帝国の解体である。まず気候変動により、帝国の拡大は13世紀末に止まる。その後、帝国を構成する各ウルスの王位継承制度の不全のためウルスは解体し、変動後の気候に適した小政体が数多く成立していった。
    ここから私としては、次のような点に論考のポイントがあると判断した。論考の冒頭では14世紀の危機の一般的な理解として、気候変動、社会動乱、疫病流行の3つの要素が複合したものであるという理解が紹介されている。この一般的な理解に、本論文の内容を照らし合わせると次のような主張が導ける。(1)14世紀の危機は、黒死病以前のものとして理解できるので、3つの複合要素のうちの「疫病流行」は、一旦考慮から外せる。(2)気候変動に伴う社会動乱は、他面では気候変動に見合った新たな小規模政体への組み換えと理解できるので、必ずしも崩壊局面と理解されるべきではない。
    論考の各部分は非常に読ませる。黒死病の最新研究のまとめは(完全に理解できるわけではないものの)非常に勉強になった。これは歴史に関心のある読者なら、読んで損はない。またモンゴル帝国について、「〈移動〉の帝国は、草原地帯において軍事力を涵養しながら定住地帯の富を吸収し、新陳代謝を実現していたのである」(23ページ)という理解をしており、それを裏付ける叙述も興味深い。
    他方、論述はやや混乱している。まず、黒死病とモンゴル帝国の解体の2つが主題であるにもかかわらず、副題には「ヨーロッパ到来以前の黒死病」としかなく、タイトルと中身が対応していない。また、最終段落に現れる中世から近世への移行の問題は、本論を基に語れることを超えている。ここは本論のまとめと、本論を基に語れるより小規模な展望を示すに留めるべきではなかったか。少なくともそのようなまとめと小規模な展望を示した後に、大きな展望を垣間見せる、というような構成が望ましかったように思える。
    nikubeta 2024-03-26 22:37 読者になる
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    14世紀の危機を語る時にモンゴル史家が語ること 諫早「『14世紀の危機』の語り方」

  4. 2024/03/27 20:26:00 [BH]神話に生き、幻想に死ぬ含むアンテナおとなりページ

    神話に生き、幻想に死ぬ
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  5. 2024/03/27 19:06:09 ミクロコスモス含むアンテナおとなりページ

    『ミクロコスモス:初期近代精神史研究』
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  6. 2024/03/27 17:26:52 阿呆舟来因河紀行含むアンテナおとなりページ

    阿呆石の取り除き方 - 阿呆舟来因河紀行
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  7. 2021/01/01 04:35:05 日々の機微含むアンテナおとなりページ

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