▽池田信夫 blog ●06/07 18:01 2025年06月07日14:11本脳・心・人工知能<増補版>名著の増補版。きっかけは著者が昨年のノーベル賞を取り逃がしたことだろう。ホップフィールドと同じ理論を1967年の甘利俊一氏の論文が提唱しており、彼も共同受賞すべきだったが、増補された3章では大規模言語モデル(LLM)が60年前の彼の理論の発展であることを示している。いま人工知能と呼ばれているのは知能ではなく機械学習で、そのハードウェアはPCなどとは違うニューラルネットである。これが実装されるようになったのは1990年代だが、甘利氏はその原理を60年代に数学的に定式化した。時代の先を行きすぎてハードウェアに実装できなかったが、これが今の深層学習の原型である。脳の情報処理は、外界からの刺激によるニューロンの興奮の伝達で行われる。たとえば猫の映像は網膜で多くの画素ベクトルに分解され、ニューロンはその刺激を隣のニューロンに伝える