anniejohnのアンテナ
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▽猫を償うに猫をもってせよ●01/06 18:16 2025-01-06「絶望の裁判所」半分まで読んだ感想瀬木比呂志という、元裁判所の判事で、明大教授に転じた人が十年前に書いた『絶望の裁判所』(講談社現代新書)が売れているというので図書館から借りてきたが、妙に読みにくく、半分で挫折した。この人は、日本の裁判所は海外に比べてひどいとか、2000年以後ひどくなっていると言いたいらしいのだが、私は裁判所というのは人間主義的な発想で動いているのではなく、判例に基づいて非人間的な判断をするところで、それを適宜利用するしかないと思っているのと、海外の裁判所がそんなにいいとも思えないので、この著者はアメリカに留学したことがあるというが、それはアメリカの裁判所のいいところだけを見ているんだろうと思った。それに、官僚の世界というのも冷酷非情な人間でないと務まらないと考えているので、この人はそれが合わなかったんだろう、とも思う。実際には大学教授の世界もそ
▽出版・読書メモランダム●01/06 11:49 2025-01-06古本夜話 番外編その五の11 谷内六郎『旅の絵本』前回の伊藤永之介の『駐在所日記』上下はどこの古本屋で買ったのか、失念してしまったけれど、B6判並製で背のタイトルは褪色し、はがれかけていたので、均一台から拾ったように思われる。だがその谷内六郎の装幀は伊藤の巡査物語とそのまま重なるようで、これも誰なのかわからないが、谷内にそれを依頼した編集者のセンスを賞賛したくなる。とりわけ下巻の田園風景と川で魚とりをしている子供、彼に話しかけている巡査、道を歩いている少女を描いた表裏紙がつながる一枚の絵は、春の訪れを伝える空と川の青、黄線の丘と稲の芽生え、茶色の土はいずいれも鮮やかで、道沿いの木は生命の樹を思わせる。それに加えて、カバーを外してわかる本作の素紙絵も『駐在所日記』をそのまま彷彿とさせ、谷内が物語に寄り添うようにして、装幀を担ったと推測される。昭和三一年に『週刊新潮
▽栗カメの散歩漫歩●01/06 10:15 2024-12-17小説世界のロビンソン3小林信彦の「小説世界のロビンソン」を読む。第三部 第二十六章 早過ぎた傑作「火星人ゴーホーム」小林信彦の好む小説の想像力の方向性について語られている。一部引用すると、《だが、ここでは、話を、SFに限定しよう。ぼくが考えている〈SFの想像力〉は、蚊取線香の中心から外側へと燃えてゆくものだ。これこそ、推理小説の想像力と正反対のものである。百八十度ちがうとは、そういうことだ。カート・ヴォネガットのように、SF作家から出発して〈主流の作家〉になる人が出てくるのは、右のような〈想像力の方向性〉の問題が大きい。だが、まだ、カート・ヴォネガットの出番ではない。ぼくがもっとも好きな作品が控えているのである。作者はフレドリック・ブラウン。作品は「火星人ゴーホーム」。一九〇六年に生れ、一九七ニ年に亡くなったフレドリック・ブラウンは、あるいは、アメリカ
▽晩鮭亭日常●01/06 01:00 2025-01-04加齢にはカレー。元旦はいつものように朝風呂で古今亭志ん朝の「御慶」を聴く。ニューイヤー駅伝を見ながら、年賀状を書いた。食事は大晦日のすき焼きの残りで済ます。2日は、箱根駅伝の往路を見てから買い物へ。まず本屋へ初詣。-梶原麻衣子「「"右翼"雑誌」の舞台裏」(星海社新書)-新保博久・法月綸太郞「死体現場で待合せ」(光文社)前者は『週刊読書人』の"新書特集"の"三宅香帆さんが新書を買う"で買われていた新書の1冊。10万部を超える右翼雑誌の編集者であった著者がその内情を語る本。編集者の回顧録は面白いものが多いのでこの手の本はなるべく買うようにしている。買った理由の所に「星海社新書はいつも尖った面白い企画を出していて、本当に尊敬します」と書かれていて、思わず頷いてしまう。後者は"坂口安吾の幻の短編「盗まれた一萬円」を書籍収録!"と帯に書かれていたのに惹かれた。全集
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