大盛り鮭茶漬け
id:baki
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▽スヰス●11/21 15:30 21
みんなが、ある小説家の二番目の作品の話をしていた。たった一人、彼女だけが、最後から二番目の短編の話をしていた。俺の聞きたかった答えが、望んだ通りの解釈が、そこにあった。だけど俺は今更それをどうすることもできなかった。彼女もはなむけのつもりでそう言ったのだった。俺にはなぜか後悔はなかった。負け惜しみ程度の満足と、ちょっとの虚しさがあるだけだった。体中が冷え切っていて、関節が痛んだ。一日後には忘れてしまう自信がある。だからここに記す。
俺はこのところ、毎晩のように永遠を見る。永遠という概念を幻だと思っている人も多いと思うが、実のところ、それは我々の中に存在する。あんたの言った通りだった。曼陀羅の中の曼陀羅。蜂の巣状に果てしなく続く連続した点。伸縮自在の白い帯。目を閉じると、布団にくるまっている自分の姿が、異様なほど小さく、遠く感じる。どれほど漕いでも、掘り進んでも、一向に埋まらないその
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