あげるものはもうなんにもないのだよ､ｱﾝﾃﾅ

▽石丸謙二郎
●11/19 20:48
人類月に立つ―ｰ左端に満月が―ｰ1969年､人類が月に立った｡私が高校一年の夏である｡その少し前の､高校の美術の授業中だった｡人物像の写生をしようと云うので､先生が､ﾓﾃﾞﾙを選ぶために､全員でｼﾞｬﾝｹﾝしなさいと言う｡隣の人とｼﾞｬﾝｹﾝして､負けた人同士が再びｼﾞｬﾝｹﾝした｡結果､私が負け続け､ﾓﾃﾞﾙに選ばれた｡教壇の椅子に座らされ､｢Ⅰ時間動くな｣と指示される｡じっとしている事が苦手な私にとって､拷問に近い｡すこしでも動くと､｢こら､動くな｣と叱られる｡便所に行きたいと願っても､｢だめ！｣生きてきた中で､最も苦手なのが､座禅だった私｡動かない＝生きられないこの図式の中で､息をひそめながら､Ⅰ時間を過ごす手だてを考えていた｡想いは､今おこなったｼﾞｬﾝｹﾝにとんだ｡ｼﾞｬﾝｹﾝとは､いつか必ず勝者が生まれる｡46人いた生徒の場合､ほぼ6回連続勝てば､勝利者

▽特殊清掃｢戦う男たち｣
●11/19 18:19
遺志2024-11-19 05:15:08 | 遺品整理遺体処置と遺品処理の作業で､ある家に訪問した｡亡くなったのは高齢の女性｡行年は､平均寿命を越えていた｡安らかな表情､身体は小さくとても痩せていた｡遺族は､故人の着衣を着替えさせてほしいと要望してきた｡ちょっとしたｺﾂはいるが､作業的には簡単なもの｡だだ･･･私は､死んでいようが高齢だろうが女性は女性として尊重する主義｡故人の羞恥心に配慮したい旨を伝えた上で､遺族の指示を仰いだ｡遺族は私の気持ちを理解してくれたものの､困った表情を見せた｡そして､｢これが着せ替えてほしい着物なんですけど｣と言って､古ぼけた箱を私に手渡した｡それを受け取った私は､神妙な気持ちになった｡箱の蓋に｢死んだら着せて下さい｣と書いたﾒﾓが貼ってあったのだ｡何かのﾁﾗｼの裏に書かれた文字は､生前の故人が書いたものだった｡女性の気丈さに感

▽基本読書
●11/16 11:08
2024-11-15｢ﾎｰﾌﾟﾊﾟﾝｸ｣の代表的作品と目される､希望とあたたかさに満ちたﾛﾎﾞｯﾄとの旅路──『ﾛﾎﾞｯﾄとわたしの不思議な旅』SF 献本御礼ﾛﾎﾞｯﾄとわたしの不思議な旅 (創元SF文庫)作者:ﾍﾞｯｷｰ･ﾁｪﾝﾊﾞｰｽﾞ東京創元社Amazonこの『ﾛﾎﾞｯﾄとわたしの不思議な旅』は､多文化を乗せた宇宙船の長い旅路を描き出したｽﾍﾟｰｽｵﾍﾟﾗ『銀河核へ』などの著作がある､ﾍﾞｯｷｰ･ﾁｪﾝﾊﾞｰｽﾞの最新…SF (787)献本御礼 (198)