▽池田信夫 blog ●01/07 17:30 2025年01月07日12:21本ブッダの<空>の思想はなぜ民衆の支持を得たのか『平和の遺伝子』を書いてわかったのは、日本人は特殊ではないということだ。進化心理学の最近の知見によれば、小集団の利益を最大化する日本人の偏狭な利他主義は普遍的で、利己主義や法治主義で行動する未開社会はない。そういうヨーロッパ的な価値観が普遍的にみえるのは、単にキリスト教国が世界を植民地支配し、資本主義が経済的に成功したからだ。そこでは利己的な欲望を肯定する一方、社会の秩序を維持する<制度>が必要だった。枢軸時代の世界宗教はそういう制度だったが、仏教だけは例外だった。その母体となったバラモン教は身分制度だったが、ブッダが創始したのは個人を<救済>する宗教だった。それは当時の時代背景と関係がある。紀元前500年ごろガンジス川流域にはアーリア人の小規模な地域国家がたくさんあったが、西域から進出してきたアケ