▽Living Well Is the Best Revenge ●09/26 04:55 2024年 09月 23日フラナリー・オコナー『フラナリー・オコナー全短編』先日、出張の車中で『サヴァナの王国』という新潮文庫の新刊を読んでいたところ、思いがけない名前に出会った。2022年に原著が発表され、ゴールド・ダガー賞を受賞したこの小説自体もアメリカの暗黒の歴史が色濃く刻まれたジョージア州サヴァナと呼ばれる地域をめぐるかなりきつい暗黒小説であったが、その中で登場人物がフラナリー・オコナー、サヴァナで生まれ、短編の名手として知られながら40年ほどで短い生涯を終えた女性作家に何度か言及しているのだ。うちの女性たちはフラナリーを読もうとしない。サヴァナが舞台だから、去年「精霊の宿る宮」を読ませてみたけれど、やっぱり反応は芳しくなかった。だって、モルガナ、登場人物がみんなグロテスクなんだものって、彼女たちは言うの。みじめったらしいって。そういえば最近復刊された彼女の短編集を確か求め
▽kaai tsuji ●08/31 20:19 0辻可愛 個展『あいだの捻転』辻可愛 個展『あいだの捻転』Kaai Tsuji solo exhibition “twisting and rolling of space”at twililight2023.5.4~22見えないけれどそこにあるものをどんなふうに感じとれるだろう?例えばミミズの剛毛が土に引っかかるのを、細胞膜の選択的浸透圧を、胞子が雲を生みだすのを。引っぱられ放られるあいだにある重力の世界は揺らぎの中に漂っていると考えてみる。漂うもののあいだには隙間と運動がある。あいだの空間を捻れば厚みを持つ。厚みには内側がある。外を内だと捉えるように風景を捻れながら転がってみる。それは本を読み返すような、別の時間と空間に気づいていく試みかもしれない。捻れてできたいくつかのフォルムを転がしてみる。置かれた空間とそれぞれが持つ時間で生まれる繋がりやズレにはエネル