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肉欲企画。
肉欲企画。
twitterやってます。
2015年11月02日
日記
肉欲さんはこう言います。
「俺のことを忘れるなよ」
肉欲さんはこう言います。
「俺がいて、お前がいたんだ」
僕は精神を患っていました。病名はありませんが、自覚症状としてはあります。病院に行ったことはありません。しかし、何か、普通ではなかったと思うことは多々あります。そして肉欲という人格は生まれました。
肉欲さんはお酒を飲むと出てきます。
頭がパーなのに、弁は立ちました。
彼は強気で、孤独で、享楽的でした。
楽しいことと美味しいものが、何より好きでした。
人に嫌われることを厭いませんでした。
僕は日々を曖昧に生きていました。
何もない日々を、何もないものとして、ただ生きていました。
そしてそれは、本当に無意味なものでした。
こんなものは仮のものだ。
今の自分は本当の僕ではない。
僕は昼から酒を飲むようになりました。
肉欲さんは、僕の大半を占めるようになりました。
いつだか僕は、僕の名前よりも肉欲の名前で呼ばれることの多くなりました。
今日起きたら、どんな酒を飲もうか。
肉欲さんは、何を言うだろうか。
僕は酒ばかりを飲んでいました。
なんせ、飲まないと肉欲さんは出てこないのだから。
酒を飲んだとき、初めて言葉も想いも、形にできるのだから。
そのうち、体にガタがきました。
何をせずとも脂汗をかき、心臓が早く脈打つ。
情緒は不安定になり、一日中うろんな状態で過ごす。
肉欲さんは、でも、そのたびに元気になりました。
水を得た魚のように言葉を紡ぎ続けました。
僕は翌朝、それを見て、絶望します。
こんなこと、書いた覚えもないのに。と。
それでも僕は、肉欲さんの書く言葉が好きでした。
僕は僕なりに、肉欲さんの一番の読者だったからです。
酒を飲まないと現れない肉欲さん。
僕の中にいて、それでも確実に僕ではない、肉欲さん。
最近、肉欲さんはもう、現れません。
僕は随分と長い間、肉欲さんに役割を投げていたように思います。
肉欲さんはきっと、遠くで笑っていることでしょう。
肉欲企画というブログを立ち上げて、11年になります。
そのとき、僕は肉欲さんで、肉欲さんは僕でした。
でもいつの日からか、それは違ってしまったのです。
僕は僕であり、肉欲さんは肉欲さんになってしまった。
メン
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