▽池田信夫 blog ●04/23 13:07 2025年04月21日13:45経済貿易利益を最大化する「最適関税」はゼロではないトランプ関税でインフレになるというのが大方の予想だが、ベッセント財務長官はトランプ関税の実施前の議会証言で「関税を10%かけるとドルが4%高くなってインフレを相殺できる」という見方を示した。これは国際経済学の教科書に載っている最適関税理論にもとづくものだ。アダム・スミス以来、自由貿易が最適だというのが通念になっているが、これは厳密には正しくない。アメリカのような大国(国際価格を変えられる国)が小国(所与の価格を受け入れる国)に対して一方的に関税をかける場合には、関税で貿易利益を得ることができる。たとえばアメリカが原油に関税をかけると輸入が減り、原油価格は下がる。それによって国内価格は上がるが、貿易赤字が減ってドルが上がるので輸入価格は下がる。このインフレの損失とドル高の利益はトレードオフだが、ある水