外国為替証拠金取引とは、主に証券会社や商品取引会社が扱っている商品で、FXとも呼ばれる（FX入門）。あらかじめ一定の証拠金を納め、それを担保にドルやユーロなど外貨の取引を行う。少額の証拠金で大きな額の外貨を売買できるのが特徴で、たとえば50万円の証拠金を納めれば、それを担保に5万ドル相当の外貨を売買できるところもある。ただし、相場の見通しがはずれて損失が発生した場合、その損失額が当初納めた証拠金の半分を上回ると、あらたに証拠金を追加し、担保力を高める必要があるのが一般的である。
円や米ドル、ユーロなど異なる通貨を互いに交換（売買）する市場で外為市場ともいう。外国為替市場は、金融機関相互間で外国為替を売買する「銀行間市場（インターバンク市場）」と、金融機関が一般個人や企業等を相手として外国為替の売買を行う「対顧客市場」の2つに大別される。単に外国為替市場という場合には、インターバンク市場をさす。「市場」と名はついているが、具体的な取引所は存在せず、通信技術の発達が可能にした銀行間等の通信ネットワーク上に成り立つ相対取引市場であることが特徴である。当事者間の電話はネット回線上で個々に値段が決められ、為替相場（通貨の交換比率）が形成される。
世界の代表的な外国為替市場はニューヨーク、ロンドン、シンガポールなどにあり、日本の場合は東京、大阪にあるが、取引シェアは圧倒的に東京外為市場が大きく世界有数の市場になっている。東京外為市場は証券取引所のような特定の場所で取引が行われるのではなく、電話のネットワークを通じて行われる、いわゆるテレフォンマーケットであり主な市場参加者は銀行、為替ブローカー、日本銀行の三者である。銀行はブローカーを通じてあるいは銀行同士直接、為替の売買を行ない日常の外為取引の中心的な存在となっているが、日本銀行は為替相場の安定のための市場介入が主たる役目となっている。なお、日本には従来、外国為替公認銀行の制度があり、公認された金融機関のみが外国為替市場に参加できるという制度がとられていた。1998年に改正外為法の施行により、公認銀行の制度がなくなったため、現在では、海外の主要銀行と同様に、銀行期間以外の企業なども外国為替市場に参加することができるようになっている。
欧州11ヶ国が参加し1999年からスタートした欧州統合通貨。1979年に発足した欧州通貨制度（EMS）の12ヶ国の統合通過ECUがその母体となり、新通貨に転換された。中身はドイツ・マルク30%、フランス・フラン19％、イギリス・ポンド13%などで構成される。1999年の通貨統合に参加したのは、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、ポルトガル、アイルランド、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、オーストリア、フィンランドの11ヶ国である。99年からは国家間の取引や金融市場取引がユーロで行われ、2002年にはユーロの紙幣やコインが流通し、現行のマルク、フラン、リラなどは消え去ることになる。
貿易の円建比率の上昇、円建証券に対する対内投資の増加、および国内の取引規制の緩和などを背景に急速に取引規模が拡大した。ユーロ円の源泉は、�．罅璽蹇Ε瀬蕁爾僚衢�者が為替市場を通じ円転しユーロ銀行に預ける、��円建輸出、円建外債発行で得た資金をユーロ銀行に預ける、�Ｋ榾�の非住居者円預金をユーロ銀行へ預け替えるなどのケースがある。また、金利水準は、ユーロ・ダラーを基準に為替市場のドル・円スワップ・コストを調整して決定される。したがって臨時金利調整法の規制外の自由金利で、かつ預金準備率、源泉課税の対象とならないなどの取引メリットがある。ユーロ円取引の自由化は、1984年、日米円・ドル委員会報告書を契機に急展開し、ユーロ円貸出、ユーロ円債、ユーロ円CD、ユーロ円CPの発行などつぎつぎに解禁された。この動きは、長短分離を原則とする金融制度に大きな変革をもたらしたうえに、金融・金利の自由化促進に重要な役割を担っている。
1950年代後半、米・ソの冷戦を背景に、ソ連・東欧諸国が、アメリカ側による米ドル資産の凍結を回避するために、米ドル預金をロンドン、パリなどヨーロッパの銀行へ預け入れたことが始まりといわれている。ユーロ・ダラー取引が拡大した要因としては、1.1950年代を通じて、アメリカの国際収支が赤字であったこと、2.アメリカの預金金利上限規制、イギリスのポンド防衛を目的とした信用供与制限などから両国での活動が制約を受けたこと、3.西欧諸国の為替管理が緩和され、通貨の交換性が回復したことなどがあげられる。1971年の金・ドル交換停止措置（ニクソン・ショック）以降、飛躍的に市場規模が拡大し、国際金融市場での資金調達の必要性などから米ドル以外にもその他の欧州通貨（ユーロ・マルク、ユーロ・スイス、ユーロ・フランなど）も加わり、広く「ユーロ・マネー」または「ユーロ・カレンシー」と呼ばれるようになった。
デリバティブは「金融派生商品」ともいう。通貨、債券、株式、商品などの投資対象となる資産（本源的資産という）に対して、これらの資産の価格変動を対象とした取引をいう。FXもこのデリバティブのひとつである。本源的資産から派生した取引という意味で派生商品（デリバティブ）という。代表的な派生商品として、先物取引、オプション取引がある。派生商品は、投資のため保有している資産の価格変動リスクを回避するため、また少額で派生商品を購入することができるため、少額資金での効率的運用や投機に使われる。最近では、デリバティブを組み込んだ預金や個人ローン商品が出現しているが、デリバティブの購入に伴うリスクは顧客が負担することに注意が必要である。なお、金融商品取引法の施行に伴い、天候デリバティブも同法の規制対象に加わった。
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