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2025年2月10日(月)2 稽古強化日
診察終了後、「浜町公園」の中にある、「中央区立総合スポーツセンター」に移動します。ここの第二小体育室で居合いの稽古です。私にとって546回目、今年4回目の稽古となります。
「土佐直伝英信流居合道」の高知本部で、今年から形のレベルを上げていこうということになり、各支部に通達されたのだそうです。その取り組みの一つとして、銀座支部では今月から月に一度、「稽古強化日」と銘打って、あるテーマについて、集中して稽古をしていこうということになりました。
しかし、今頃になって「レベルを上げよう」なんて、入門してから今までの、私の十数年は何だったんだろうと思ってしまいます。今まで、レベルが低かったのでしょうかね・・・(苦笑)。
私が稽古場に着いたとき、直属の指導者の先生、ほぼ同期の女性、ほぼ同期の男性の三人が稽古をされていました。指導者の先生が前に座り、今日のテーマ、「正座」の部の「初発刀」、「八重垣」、「受流」の指導をされています。途中から、稽古に入らせていただきます。
20分ほどのみなさんでの稽古のあと、「初発刀」を三本だけ抜いて、今日の「中締め」となりました。「正座」の残りの形から稽古を再開し、「立て膝」、「奥居合い居業之部」、「奥居合い立業之部」、「組太刀」の「仕太刀」の動きを、順番に稽古していきました。特別な稽古も悪くはないのですが、私自身は、気負うことなく、淡々と日々の修行を続けたいと思うだけです。
koyamaclinic at 23:38|Permalink│Comments(0)│ │居合い
2025年2月10日(月)2 稽古強化日
居合い (597)
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小野小町の九相図(1) 京都市左京区の浄土宗安楽...
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犬さんが 人間の死体を食べてる写...
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漫画家、沖圭一郎氏の死去。 本名 撰正視氏(鹿児島県...
振武舘の黒田鉄山師範が逝去された。 https://we...
NHKの日曜討論会で
元国連職員の伊勢崎賢治氏が 他党議員とのレベルの違いを見せつけて圧倒している。
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# by hiratomisinzo | 2025-02-11 16:04 | 政治 | Comments(0)
2月9日 日曜討論の伊勢崎賢治氏。
流石に 危険な世界の 紛争地へ幾度も行って活動した
クソ度胸の勇敢なる仁者。
↓は 伊勢崎賢治×医師で世界への冒険家 関野吉晴「本当の戦争の話をしよう〜世界の対立を仕切る〜」 20180214
https://www.youtube.com/watch?v=-iArO0xkWqg
https://www.youtube.com/watch?v=4kzaXIhHxRc
(いせざき けんじ、1957年 は、日本の平和学研究者。東京外国語大学名誉教授、自衛隊を活かす:21世紀の憲法と防衛を考える会呼びかけ人。れいわ新選組所属の政治活動家。元国際連合東ティモール暫定行政機構上級民政官。元国際連合事務総長元上級顧問
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# by hiratomisinzo | 2025-02-11 03:23 | 政治 | Comments(0)
この家のボスは猫。他の犬や猫に対する数々の仕打ちが記録される
2025-02-11 22:00 カラパイア
大人ならわかる? 小学校の「算数」問題<Vol.629>
2025-02-11 21:00 エキサイト
エイリアン?それとも南極の顔?雪上に現れた巨大な顔
2025-02-11 21:00 カラパイア
【図形問題 Vol.1087】グレーの部分の面積を求めよ!<全3問>
2025-02-11 20:00 エキサイト
宇宙最大の構造、巨大な銀河の集まりが発見される。長さは天の川銀河の1万3000倍
2025-02-11 20:00 カラパイア
Wearable For Your Bicycle: Turn Your Bicycle To Electric Assist In Seconds!
BikeOn: The Future of Cycling is Here! BikeOn is the game-changer in urban mobility. With the power to transform any bicycle into a smart e-bike in mere seconds, this wearable is not just about speed—it's about enhancing every ride. No tools, no fuss, just a seamless integration that breathes new life into your favorite bicycle. […]
2025-02-11
ブルース・スプリングスティーン アメリカの夢と失望を照らし続けた男
Springsteen 評伝 Rock Elvis
エルヴィス・プレスリー
初めてのエレキ、キャスティールズ加入
解散、アース結成
「なあ、バンドを組もう」
作風の変化
ニルス・ロフグレン
スティール・ミルは終わりだ、ビッグバンド結成
死にかけた街アズベリー・パーク
マイク・アペル登場
ジョン・ハモンド登場
ブルース・スプリングスティーン
作者:ピーター・エイムズ・カーリン
アスペクト
エルヴィス・プレスリー
「彼は新しい人類の先駆者だった」とブルースは言う。「あらゆることに対するみんなの考え方が変わったのはあのあとだ。人種について、セックスについて、性別について、どんな格好をしていいのか、どんな服を着ていいのか。とてつもなかった。すごいことだ」「変わっていてもいいと教えてくれた初めてのシグナルだった(略)
いきなり自分のユニークさが公けに認められたんだ」。ほかの子供の家族と自分が生まれついた生活に溝を感じていた少年にとって、強烈なメッセージだったのはまちがいない。(略)
「彼には桁外れの、ずば抜けた、他を寄せつけない威光があった」(略)それも世界一のいたずら小僧らしく無頓着に楽しみながらやってのけた。「まるで遊んでいるみたいだった(略)
毛布みたいにかぶっている自意識を投げ捨てたところを想像したらいい。二分半、三分間ばかり、パフォーマーとしてそういうものをかなぐり捨てたらどうなるか!それこそ、想像力と心と魂を解き放つ大きなカギだった」
(略)
エルヴィスをひと目見てブルースは、どうしてもギターが欲しくなった。(略)
[母親は]ブルースの手を引き、マイク・ディールの楽器店に行ってふるえる息子のためにアコースティックギターをレンタルする。さらにギターのレッスンの申しこみもした。(略)
[だが音楽理論から教えられ、八歳児はうんざり]
「すさまじい音を出さなきゃだめだ、いますぐ」。いらいらはつのるのに、楽器で音楽らしきものを鳴らすことすらできず、ブルースの興味はたちまち失せていった。ギターはディールの楽器店に返却され、話はそれまでと思われた。
だが、ブルースの耳はすでに開かれていた。
(略)
[ラジオを]フィラデルフィアのリズム&ブルーズがかかる局にあわせると、新しい地平が開けた。
初めてのエレキ、キャスティールズ加入
[「抱きしめたい」に衝撃を受け、夏に]
伯母ドーラの家のペンキ塗りをし、報酬の一八ドルで(略)アコースティックギターを買った。
(略)
[12月、母に]ウィンドウで輝く、やけに薄っぺらな黒と金色のエレクトリックギターを見せ(略)日本製のケントのギターはプロのミュージシャンの必携リストに挙げられるものではなかった。だがそれは、きらきらしたルックス、鋭いエッジ、電気で増幅される音量と、この若きロッカーが求めるものを兼ね備えていた。(略)
アデルは六〇ドルの値札をもう一度確かめると[短期融資を受ける](略)
[夫]ダグラスに反対されたとしても、一家の稼ぎ頭は耳を貸さなかった。こうして一九六四年のクリスマスの明け方、大切な楽器はブルースが思ったとおりの場所で待っていた。(略)
自室にケントのギターと小さなアンプがそろい、一五歳の気持ちは高ぶった。(略)
ギターのストラップを肩にかけてアンプの電源スイッチをはじき、コードを弾けば、轟音が鳴りひびく瞬時の栄光。「まさにそうだった、ドアを閉めて、そこでひたすら、自分でジャムをするんだ(略)耳がまあまあよかったのが役に立った。(略)」。コードをひととりおぼえたあとは(略)[「ツイスト・アンド・シャウト」の]シンプルなギターソロへ。一二小節の基本的なロックンロールをマスターすると、ポップスにも取り組み、もっと多彩なコードやメロディの可能性を探る。ときには鏡に向かってプレイし、ギターのネックを握る手を見たり、この楽器が内気さの盾となるばかりか、すべての中心へと運んでくれる橋になることを楽しんだりもした。
(略)
[ジョージ・シースとバート・ヘインズはティーンに人気の]キャスティール・シャンプーにちなんでキャスティールズ[結成](略)
[騒音に苦情を言いに来た隣人ゴードン・"テックス"・ヴィンヤード32歳は少年達に感銘を受け]
マネージャーをやらせてもらいたいと申し出た。リビングを練習場所に使っていいし、音楽的な助言もできるだけしよう。
(略)
[ブルースがリード・ギタリストとして加入。リードシンガーはシース]
(略)
ブルースが授業に集中するとしたら、それは科目よりも教師に対する気持ちに負うところが大きかった。たとえば、若手の英語教師ロバート・ハッシーは、外部からの視点を示すことで、ブルースの書くストーリーや詩に影響を与えるようになった。(略)
ハッシーがもっているある年の卒業アルバムには、ブルースからの最大級の賛辞が書き連ねられている。「このページは小さすぎて、あなたに伝えたい称賛の言葉をとうてい書ききれない(略)あなたはどんな本からも得られないことを教えてくれた。あなたのおかげでいままでよりもずっと人々を理解できるようになった。あなたに最大限の敬意と感謝を捧げる」
(略)
[ヴィンヤードはキャスティールズをもっと多彩にしようと、28歳のガソリン・スタンド・オーナー、フランク・マージオッティを加入させる。副業としてカントリーバンドでベースを弾いていた]
マージオッティが当時(本人によると、いまも)、いちばん感心したのはシースだった。カ強いヴォーカルと独特なリズムギターのどちらもよかった。「オープンEチューニングで、バレーコードを弾いていた。すごくうまくてね。あんなにうまいやつは見たことがなかった」
一方、リードギタリストは、とくにコードに関して助けが必要だった。「ブルースは昔からおぼえが早かった。ひとつ教えると、つぎの日戻ってきたときには三つやってみせたよ」。ただ、ブルースがギターの腕にうぬぼれを抱いていなかったのは間違いない。「たしかに、仕事をもらってからは家に帰ると狂犬みたいに猛特訓した」とブルースは言う。「(略)バンドに入ってからはひと晩じゅうひたすら聴いて弾きまくった。時間があれば一時間でも一分でも。それでもまったく苦にならなかった」。
(略)
[テックスはダンスパーティーの仕事を取り、報酬はひとり5ドル]
当時のティーンエイジャーにとっては大金だった。(略)
「(略)それで暮らしを立てていた。(略)親に金をせびらなくてもいい額ではあった」(略)
[着実な収入で機材を新調しサウンドを強化]
秋のある夜、アデルはコートを羽織り、息子をセントローズのカフェテリアまで送ると、立ち止まってキスをし、彼がなかに入ってステージ上のバンド仲間のほうに歩いていくのを見守った。フリーホールドの警察官ルー・カロテヌートが入り口付近で進入防止用の柱を押し下げているのを見つけ、アデルはそばに行って挨拶した。「彼女は言っていたよ、『ブルースから目を離さないで。いつか有名になるから!』(略)思ったんだ、『母親ってのはありがたいな。母親だけはずっと子供のことを信じてる』」。(略)
[アデルの]姉のドーラとイーダ(略)[スーパーの]オープン記念行事で演奏するキャスティールズを見るため、高校生に混じってチケット売り場の列に並んだりもした。「ほんと、いい思い出よ」とブルースの伯母ドーラは言う。「でもそのころだって彼はすごく有名だった。わたしたちにとっては、まちがいなく」
だが、ダグラス・スプリングスティーンには、依然として騒音に聞こえていた。天井越しに届く耳ざわりな金属音。息子が自分の人生と同じ罠に転がり落ちる音。(略)
息子が学校を出て働く男の世界に直面したとき、待ち受ける厳しい現実からどう守ってやれるのか(略)
[かつて勤めたカラギューシャン社の敷物工場は移転し]
二五年近くたってもダグラスは定職を見つけられずにいた。かつては絵に描いたような、繁栄する労働者階級の町だったフリーホールドだが、その運命が暗転したのは一九六一年、四〇〇人以上の住民を雇用していたカラギューシャン社が(略)人件費の安いノースカロライナに工場を移転したときのこと。(略)あおりを受けた第三次産業の店舗やレストラン、カーディーラーなどはつぶれ、ダグラスのような労働者はスクラップを奪いあうはめになった。「この町は死んだも同然だった」と語るのは、フリーホールド生まれの歴史家でジャーナリストのケヴィン・コインだ。コインの祖父の三二年にわたるカラギューシャン社への献身は、一枚の解雇通知と二週間ぶんの給料に相当する退職金とともに終わりを迎えた。「苦々しさばかりが残った。約束を反故にされた。忠誠心が報われなかったという思いだ」
ダクラスは煙草と六本パックのビールで苦痛をまぎらわせた。(略)
[ギターを抱えた長髪の息子が]自分の部屋へ上がっていくのを見ると、ダグラスの心の開いた傷口が疼いた。自分が見舞われたわびしい生活に向きあう準備を息子にさせなければならない。ダグラスは椅子の上で身をこわばらせ、ブルースを呼び止めて、ちょっと話をしようと告げる。
(略)
友人たちは長年、考えあぐねている。ダグラスは息子に拳を振りあげたのか、それとも心理的にもっと毒のある残酷さで痛めつけたのかと。
(略)
ダグラスはブルースと意味のある関係をほとんど築けなかった。
(略)
「親父は、じつはすばらしい男だった。(略)親父を愛していた。すごく愛していた。でも、酒を飲むのは問題だった。(略)
そのことについてはちょっと歌に書いたことがある。わかりにくい部分が多いかもしれない。それでも肝心な部分はつかめるはずだ」
(略)
キャスティールズは快調に一九六六年に突入(略)バンドバトルにも参加(略)
やせっぽちで頭の切れるシャドウズのギタリストと出会った(略)
「パフォーマーたちがすること、考えること(略)そういったすべての大切さを自分と同じようにわかっている人間がいた。そいつがスティーヴ・ヴァン・ザントだった」。
(略)
テックスはカフェ・ワッ?での準レギュラー出演の仕事を取りつけてきた。(略)
ボブ・ディランやジミ・ヘンドリックスを世に送り出したのと同じステージで演奏したのだ。とくにヘンドリックスはほんのひと月前に出演していただけに、これは並大抵のことではない。ビートルマニアが生んだ当時のバンドのほとんどが夢をあきらめるか解散するなか、キャスティールズがすっかりプロのユニットに進化したのは、ブルースのどんどん上達する技巧、シースの自信を増したフロントマンぶり、シース、ポプキン、ブルースによる三声の力強いハーモニーそれぞれの賜物だった。また新加入のオルガン奏者、ボブ・アルファーノは、カリフォルニアで新たに生まれたサイケデリックロッカーたちが好む、渦巻くようなブルーズとゴスペルの混成スタイルをマスターしていて、バンドにさらに複雑なサウンドをもたらした。
一九六六年から一九六七年になり、粗削りだったユースカルチャーが花盛りのサイケデリアに向かうと、キャスティールズもその流れについていった。ブルースの衣装は極彩色の花模様のデザインに変わり、伸びた黒いくせ毛はカーテンのように目を覆い、滝のように肩と首に垂れかかった。
(略)
[テレビで観たザ・フーの]パフォーマンスに目をみはり、ショーの初めにライフガード用の高い椅子に腰かけておき、ここぞという瞬間に飛び降りるようになる。(略)
山場となるナンバーのまえにブルースが顎で合図すると、友人がストロボのスイッチを入れ、そして発煙筒に点火した。スモークが晴れてくると、ブルースはアンプの上に登り、このために買ってきた花入りの花瓶をギターで叩き壊し、花びら混じりの破片をまき散らした。メンバーが雄叫びをあげ、スモークに包まれたブルースは幻視的なサイケデリックアーティストの気分だった
(略)
[キャスティールズ初代ドラマーのバート・ヘインズが北ベトナム軍の迫撃砲の雨で死亡]
一週間後に訃報がフリーホールドに届けられる。ブルースやキャスティールズのメンバーはそのショックをうまくのみこめなかった。(略)
シースは、ほんの数日前に友の鮮明な夢を見ていた(略)
回線の向こうの声はバート・ヘインズで、雑音に交じって不気味なメッセージが聞こえてきたという。「おれは大丈夫……大丈夫だ」
解散、アース結成
一九六八年九月下旬、テックスとマリオンのヴィンヤード夫妻はキャスティールズと友人たちを恒例化していた自宅でのパーティに招いた。一日ちがいで生まれたシースとブルースの誕生日を合同で祝うためだ。(略)
こうした心温まる情景からは伝わってこないが、じつはキャスティールズは数週間前に解散していた。(略)
ブルースは言う。「みんなで成長して、変わっていったってことさ。おたがいにわだかまりがあったのはおぼえているが、どんなものだったかはおぼえてない。おれが歌いはじめたからか、ひょっとしたら、みんながちがう音楽をやりたかったからか」。おそらくその両方だろう。ブルースは(略)ティム・バックリィやレナード・コーエンのとりこになり、冬のあいだノートに詩を書きためていた。
(略)
アコースティックな新曲のレパートリーを増やして春を迎えると(略)コーヒーハウスに何度かソロで出演する。そしてギターと声、心の奥の思いだけを携え、ひとりステージに立つことにまったく新しい興奮をおぼえていた。
(略)
七月のなかばにはブルースとシースはほとんど口をきかなくなっていた。ステージ上で言い争ったこともある。(略)うんざりした様子のブルースが、見るからに不機嫌な、マイクを振りまわすシースに中指を突き立てる写真をファンに撮られた。
(略)
それは一九六八年八月の第一週のことだった。
(略)
ある薬物常用者の集団が小さいカラフルなディスク(もともとはシリアルの箱についていたゲームの一部)のついたネックレスをかけはじめ、首元さえ見れば相手が選んだドラッグがわかるようになった。緑色は大麻、黄色はLSD、赤はスピード常用者といった具合だ。向こう見ずなフリーホールドの若者にとっては楽しいことずくめだったが、やがて仲間のひとりが麻薬取締官かその志望者だったと判明する。いったん警察が秘密をつかむと、残りの仕事はネックレスが片づけてくれた。一週間ほどで名前や住所、使用薬物の種類について情報が集められた。
警察車輌は午前四時に出動した。(略)
「みんなママやパパと一緒に住んでいたんだ、そこに警察がやってきて(略)連れ去ったのさ!(略)それも真夜中に!(略)それまでがさ入れなんてなかったんだ!(略)みんなショックを受けたよ!こんな田舎町で?(略)
おぼえてるのは、ある朝起きてみたら、メンバーが半分いなくなっていたってことだけ」とブルースは言う。「蚊帳の外だったジョージとこう話したよ、『なあ、終わりにする潮時じゃないか』」
その翌日か翌々日、ブルースはジョン・グレアムとマイク・バークにばったり会った。(略)
おたがいクリームとジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス(略)が好きだとわかり(略)予定されているキャスティールズのギグの代役バンドが必要だったことから、すべてがぴったりおさまった。(略)
アース(当初のアース・バンドを短くして)と名乗り(略)
クリーム、ヘンドリックス、トラフィック、ヤードバーズなどの人気の高い作品でレパートリーを築いていく。なかでもステッペンウルフの(略)「ワイルドでいこう!」はアースのセットを盛大に締めくくるナンバーのひとつになった。
(略)
新しいバンド仲間は、どちらも教育を重視する富裕層の町で育っていて(略)
「彼らは大学に行くつもりでいて、そこがベトナム行きになるフリーホールドの仲間とはちがっていた」。(略)
[二人に触発されブルースは]
オーシャン・カウンティ・コミュニティカレッジの二年からコロンビア大学のジャーナリズムスクールに転籍するつもりだと告げた。
「なあ、バンドを組もう」
「今夜ここでギターを弾かせてもらえるかな?」
アップステージは開店してほぼ一年(略)
このクラブの午前零時すぎのジャムセッションに参加したいがためだ。(略)
[一月程前ブルースはこの店に]ダウンタウン・タンジールズ・バンドを見にきていた。(略)
キーボーディストがダニー・フェデリーシ、そしてヴィニ・ロペスがドラムスだった。ブルースは感激した。「ヴィニたちはスーパースターだと思った。何もかもすごいと感じた」(略)
「こう思ったんだ、『ここはいままで見たなかでいちばんクールな場所だ』」
ケースを開いて新しいゴールドトップのレスポールを取り出すと、頭の上からストラップをかけた。楽器の重さを肩に感じながら、ボリュームを上げ、息を吸った。「度肝を抜いてやるつもりだった」
そのサウンドが煙った空気を切り裂く。(略)人々の頭がステージを向いた。会話がばたりとやんだ。(略)
「たちまち、店を乗っ取ったんだ」(略)
[ロペスは]フェデリーシとは新しいバンドを組む約束をしていた(略)
ジャムをリードするブルースを目にしてフェデリーシをつついた。「あいつだ!」
「やろうぜ!」。ロペスはドラムの後ろにまわった。ブルースが一二小節のブルーズを指定し(略)フェデリーシ、残っていたベースのロズリンが即興で演奏をはじめた。(略)
ブルースの熱いリードと織りあわされるフェデリーシの凝ったオルガンパート、ロズリンの安定したベース音、ロペスのワイルドなドラムのアタック。
(略)
やがてロペスがアースでプレーするブルースを見たときから思っていたことを口に出した。
「なあ、バンドを組もう」
ブルースは何か大きなことがはじまろうとしているのを感じた。
(略)
[ロペスはブルースを]グループのパトロン兼マネージャーになりたいという地元の起業家(略)カール・ティンカー・ウェストというサーフボード製造業者に引きあわせ(略)
「あの男はわかってる」とウェストはセッションのあとで言った。「私が見たいと思う人物。本物だ」
(略)
[28歳のウェストは音響設計のエキスパートで航空力学を導入して高速軽量ボードを設計製造し会社設立。バンドに最高のPAを提供、自社工場裏に常設の練習場所を用意]
「きみたちは音楽をやればいい。面倒なことは私が引き受けよう」
[チャイルドというバンドがアルバムを制作していることが判明し、バンド名は「スティール・ミル」に]
作風の変化
[作風は変化し、もう]儚げな女性や漂流する鳥、飢えた子供たちとは戯れない。ブルースの目は(略)徴兵通知、警官、教師、司祭といった悩みの種に向けられていた。
従来のロックンロールの作詞法に反抗していたことが目を引く。「ブルースは(略)妙な組みあわせで歌を書きはじめた」とスティーヴ・ヴァンザントは言う。「叙事詩みたいな、長い歌をね。あんなにコードチェンジするやつはほかに思いつかない。マザーズ・オブ・インヴェンションはそうかもしれないけど、ブルースは彼らの大ファンってわけじゃなかったと思う」。ブルースはオールマン・ブラザーズ・バンドに熱中していたことをおぼえている。「ほとんどサザンロックだったな、何曲かは。プログレ、サザンロック。いろんなものを融合させたんだと思うし、あのころオールマン・ブラザーズは相当影響力があった。ただ、こういう曲で興味深いのは、アレンジがかなり複雑だったことだ」(略)
「ガーデン・ステート・パークウェイ・ブルース」は三つか四つの歌――異なるサウンド、異なるスタイル、異なる声――を集めて、インストゥルメンタル曲とさまざまなソロでつないだものだ。延々三〇分以上にわたって演奏されることも多かった
アクセル全開のギターとドラムによる、果てしないハイウェイにいっぱいの「ふたつ目のモンスターたち」のスケッチへ。そして夢のような声とリコーダーによるファンタジーに移り、ダグラス・フェアバンクスやピーター・パン、バッキンガム宮殿の衛兵、ヘルズ・エンジェルズの悪名高いリーダー、サニー・バージャーが登場する。それにつづくのは大型帆船、二輪馬車、日を浴びる兵士たち(略)
やがてバンドが徐々にスリーコードのリフ(三年後に「キティズ・バック」のコーダに流用される)をはじめると、夢の世界はひとりのミュージシャンの姿をとり、楽器を手に去っていく。「ギターを弾いて歌い、あいつは緑の丘におりる……そして日を浴びた兵士たちがきみの目の前で踊り歌うのさ」
ニルス・ロフグレン
スティール・ミルは(略)サンフランシスコに向かった。ビル・グレアム配下のブッキングエージェントによるオーディションを受けるため(略)二〇組のバンドが(略)前座リストの一枠をめぐって競いあう。こうした集団オーディションはフィルモア・ウェスト・ボールルームの恒例イベントで、低料金(チケットは二ドル)
ブルースはグリンというバンドを見かけて不安に駆られる。そのリーダーは十代の天才ギタリスト、ニルス・ロフグレンだった。
ニール・ヤングに抜擢され(略)『アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ』でプレイし、ツアーバンドのメンバーになった(略)
「あいつのあとにやるなんてとんでもない」と、ロフグレンが繰り出す速弾きのソロを見たあとにぼやいたほどだった。
直接対面するとすぐにブルースの気分はやわらいだ。「ニルスに会ってみると、昔からの知り合いみたいな気がしてね(略)音楽に対する考え方が同じで、大事にしていることも同じだった」(略)
クラブ、マトリックスでボズ・スキャッグスの前座(略)
批評家のフィリップ・エルウッドは記事の九割をスティール・ミルのライヴ評に割いた。「無名のバンドにこれほど圧倒されたことはない(略)長年のロック人生でも指折りの忘れがたい夜」と評している。さらに、ブルースのソングライティング、なかでも劇的なストップとスタートを称賛(略)
スティール・ミルは終わりだ、ビッグバンド結成
モンマス・カレッジのショーには四〇〇〇人のスティール・ミルファンが詰めかけた (略)
「儲けは三〇〇〇ドル以上にもなって、まさにこんな感じだった、『ほら、きみに一〇、きみにも一〇、僕に一〇、きみにも一〇……』」とトンプソンは言う。「おれが五〇〇ドルも稼いだなんてびっくりだった。バンドでそんな大金を稼いだことはなかった(略)」(略)
一一月末の感謝祭前後のギグがスティール・ミルの一九七〇年最後のショーになった。その後まもなく、スプリングスティーンは西に発ち、クリスマス休暇を両親と妹とともにサンマテオで迎える。(略)
いつもの仲間や音から遠く離れ、ロックに疲れたブルースの耳は新しい音楽を求めた。地元サウスベイのFMラジオ局を聴くうち、ヴァン・モリソンの新譜『ストリート・クワイア』に魅せられ、ジョー・コッカーの『マッド・ドッグス&イングリッシュメン』に夢中になった。(略)
モリソンの精緻でいてスピリチュアルなソウルミュージックに対し、コッカーは乱雑なゴスペルソウル(略)
どちらのバンドも福音主義の伝道師さながらの姿勢で音楽に取り組み、音楽の正しさが聖者の国へ導いてくれると確信して全身全霊をささげていたのだ。(略)
こうした新しいレコードはいままでにない可能性を提示していた。
ブルースはひとり心をきめていた。スティール・ミルは終わりだ。
[新バンドの]オーディションを通過した候補者たちは、ヴァン・モリソンに関するブルースの熱弁を聞くことになった。(略)[彼は]ロック、ブルーズ、ジャズ、ケルトミュージック、ゴスペルを融合している。それをこの新バンドの音楽上の北極星にしたい
[スティール・ミルにオールマン・ブラザーズ・バンド前座の要請、解散したと伝えると]
「スプリングスティーンさえいれば、バックの面子はどうでもいい」。オールマンズの大ファンだったヴァン・ザントは(略)ぜったいに引き受けろと言ってゆずらなかった。(略)[バンドが固まるまで]あと数ヶ月を要するとしてもだ。(略)
こうして、のちにドクター・ズーム・アンド・ザ・ソニック・ブームと呼ばれるバンドは活動を開始する。
[サックス奏者フィーゲンバウム談]
「(略)デュエイン・オールマンはほんとにスティーヴのスライドプレイにハマってたよ。(略)スティーヴはこの国で最高のスライドプレイヤーだ、おれを別にすれば、って」。
ビッグバンドのリハーサルはつづけられた。ブルースが明白なリーダー兼フロトンマンになると決意を新たにしたことで、このバンドはブルース・スプリングスティーン・バンドを名乗るようになる。
[二回目のショーはハンブル・パイの前座。フランプトンは演奏を気に入り、ワールドツアー前座、A&Mとの契約などを申し出てきたと、チャーリンが回想]
「(略)彼はなんだか取り乱していてね、同じことをブルースに話したのに、取りあってもらえなかったらしくて」(略)
[ウェストに確認すると]
「(略)『ほう、メジャーレーベルだって?幸運を祈る!きっと食い物にされるぞ!』。たしかに一理あった。でもこっちは二二歳で、ハンブル・パイはすでにビッグネームだったんだ」
[脚注:ブルースは言う。「その話はどうも腑に落ちないな。もし前座のオファーがあったら、こっちは飛びついていたはずだ」](略)
[大所帯の公演は経費がかかるため]
小さなショーでは核となる五人編成のバンドで出演し、もっと重要なギグではホーンとシンガーを呼び戻す[妥協案を見つける](略)
死にかけた街アズベリー・パーク
相変わらず、彼の曲を書くペースは驚異的だったが、いまやその作風は新たな進路を見つけていた。「ちょうどソウルミュージックのほうへ押し戻されはじめていたんだ。ソウルは昔からジャージー・ショアですごく人気があった(略)ギターの時期を通過して、今度はアンサンブルや、グルーヴとか、もっとスウィングするものに興味をもってね。そういった一流のソウルバンドをかたっぱしから研究したんだが、おれにとってそれはある種、自然な成り行きだった。Eストリート・バンドがどうやってできあがったのか、そこからわかるだろう」
ブルースはある種の輝かしい未来に向かって奮闘していたが、彼の人生はいまだ死にかけた街にあった。アズベリー・パークは長年にわたり人種の違いによって分断され(略)、海辺の店はアフリカ系アメリカ人に底辺の仕事しか与えないことで知られていた。緊張感は何年もくすぶりつづけていたが、熱波の襲来、社会保障制度の縮小、それに就職難が重なった結果、ついに断続的に暴動が発生するようになり、西側の重要な区域が焼かれ、やがて街の商業地区に飛び火した。破壊の波、そして人種的、社会的衝突は未解決のまま、かつて繁栄していたアズベリー・パークは、見る影もない焦土と化していた。小売業者は郊外のモールに逃亡し、観光客はもっと安全な行楽地が見つかるまで有料道路を走りつづけることをよしとする。街は薄気味悪い、虚無的な冷たさをまとっていた。
一九七一年の秋には、すでにその陰鬱さがアップステージにも根を下ろしていた。「注射針やスピードやヘロインがそこらじゅうにあって、ブルースの仲間以外、知り合いはみんなC型肝炎だった」とアップステージの従業員だったボビー・スピレインは言う。「注射器に入るものは何でも射ったよ。ビール、ワイン、メタンフェタミン」。
トム・ポッターは酒におぼれて奇行が目立つようになり(略)
賃貸契約の切れるアップステージを手放すことにし(略)閉店公演を企画(略)
R&Bスタイルのロックンロールオーケストラを率いるというブルースの夢はもろくも崩れた。(略)
「あの店に観客がたくさん集まるようになったのは、ヘヴィなリフのロック、プログレをプレイしていたころだった。それで気づいたんだ、これがみんなの好きな音楽で、リズム&ブルーズは好きじゃないって。おれはR&Bが好きだったが、観客をちりぢりにしてしまったからね、それで終わったのさ」
じつはこのとき、ブルースはすでに人知れずニューヨークのあるプロデューサーと接触していた。そのプロデューサーはまもなく人生のほぼすべてを投げ打ち(略)痩せっぽちのギター弾きを、この星最大のロックンロールスターにしようと尽くすこととなる。(略)
[ウェストが1910フルーツガム・カンパニーのギタリスト、パット・カーワンにブルースのために優秀なプロのマネージャーを見つけてくれと依頼]
マイク・アペルとジミー・クレテコスという若手の契約シンガーソングライターが、ウェス・ファレルの音楽出版社ポケットフル・オブ・チューンズにいる、とカーワンは言った。ふたりは(略)『パートリッジ・ファミリー』に登場する架空バンドの曲を数多く手がけてきたが、制作とマネジメントに手を広げたいと考えている。紹介する価値はあるだろう、と。
ウェストは言葉巧みにアペルに売りこんでいった。ブルースはすばらしい歌を書く、燃えるようなギターを弾く、いい声をしている(略)
[一方ブルースはバンドで作った膨大な曲があったにもかかわらず、アコギで二曲だけ披露、アペルは感銘を受けず]
ブルースはすべてを胸にしまいこんだままで、アペルから二曲しか用意してこなかったことを責められた。「(略)もっと曲がないと、アルバムの契約はおぼつかないぞ」とアペルは言った。
マイク・アペル登場
[三ヶ月後の]
一九七二年二月、ブルースがウェス・ファレルの事務所に電話をかけたとき、マイク・アペルは回線の向こうにいる相手に心当たりがなかった。(略)
ブルースがウェストの名前を出すと、記憶がよみがえり、アペルはあらためて、新曲を聴かせにきてくれと誘った。
まずは「ノー・ニード」(略)そのあとの「カウボーイズ・オブ・ザ・シー」「イフ・アイ・ワズ・ザ・プリースト」「都会で聖者になるのはたいへんだ」を聴くと、アペルは鼓動が速くなった。(略)
アペルとクレテコスの心はすでに決まっていた。ブルースが歌い終わるとアペルは、前回の曲に比べて新しい曲はどう素晴らしいかを事細かに語りだした。歌詞がより生きいきしている。コード進行が意外だ。メロディが耳に残る。これだけ洗練された曲なら、とアペルはつづけた。この業界をひっくりかえすことだってできる。そう、答えはイエスだ、私とジミーはきみと仕事がしたい。
『パートリッジ・ファミリー』工場から抜け出す道を探してきたアペルはいま、ブルース・スプリングスティーンがドアを蹴破ってくれることを信じて疑わなかった。
「真夜中までに僕らは全員ファレルの元を去ることに決めた」とスピッツ
[経済的安定を捨て]
「マイクはすべてをブルース・スプリングスティーンにささげていた」と語るのはピーター・フィルビン(略)コロムビア・レコードで一連の活動の伝道師となる人物だ。「マイクほど献身的なマネージャーは見たことがない。彼はブルースを信じきっていた。その点は敬意を表さないとね」
ブルースはいまも敬意を失っていない。「マイクは本気だった。音楽を愛していた。彼の心も、ほかのすべても音楽にあった。そんなところに惹かれたんだ。一か八かだったしね。こっちが求めていたのは、ちょっとクレイジーな目をしたもうひとりの男だった。それが音楽に対するおれのやり方だったから。ビジネスじゃなかった。(略)
それがおれにとっては大事なことだった」
「手に入るものは何でも観た。エルヴィス、ビートルズ、ローリグ・ストーンズ、ジェイムズ・ブラウン、その他いろいろ」と友人のハワード・グラントは言う。「ブルースは同じものを何度も観たがった。ジェイムズ・ブラウンのダンスの動きを研究して、立ち上がって自分でやってみたりしてね」。ブルースはアイドルたちのペルソナ――ステージ外での話し方、動き方、立ち居振る舞いにも同じくらい夢中で見入った。
ジョン・ハモンド登場
[どこのレコード会社からも相手にされなかったアペルは大胆にも、コロムビア社長クライヴ・デイヴィスに電話、出張だと言われ、ジョン・ハモンドと話したいとねじこむ]
マイク・アペルとは何者だ?どこかのマネージャーらしいのですが、いくら断ってもあきらめてくれなくて、とハリスが説明した。ほかのレコード会社幹部なら、ここで激怒したかもしれない。(略)
だがハモンドは逆に興味をかき立てられた。何十年もまえに学んでいたのだ。めぼしいアーティスト、そしてときに偉大なアーティストを見つけるには、音楽とまったく関係なさそうな手がかりにも目を光らせなければならないと。
ハモンドはつねに礼儀正しく、とくにミュージシャンとその仲間に対してそう接していたが、それでも凡庸さやシニカルな態度を嗅ぎ取ると、はっきり本音を口にした。「[社内会議で](略)嫌いなレコードがかかると、聞こえよがしにささやいてくるんだ。「クソみたいな曲だ!」」と当時の幹部補佐(のちのコロムビア社長)アル・テラーは言う。「それでいて、掛け値なしの民主主義者で音楽中毒だったから、出されたものにはかならず耳を傾けていた」。そして心に訴えるものがあれば、ハモンドは迷わず、それを擁護することを自身のつぎの使命とするのだった。
アペルは猛烈な勢いで熱弁をふるいはじめた。「ボブ・ディランを見出したというのはあなたか(略)じゃあ、その耳が本物なのか確かめさせてくれ。こっちにはボブ・ディランよりすごいのがいる」
ブルースはただ呆然として聞いているしかなかった。「ショック状態に陥ってたんだ(略)縮みあがりながら、こう考えてね、『マイク、頼むからもうよせ。曲をやらせてくれ!』って」。アペルが一息つくと、今度はハモンドがやりかえした。「何を証明したいのかは知らないが、私に嫌われることには成功しているよ」。そしてブルースのほうを向き、一曲演ってみなさいと言った。ブルースはギターをつかむと、「都会で聖者になるのはたいへんだ」の冒頭の部分を弾きはじめた。たちまちハモンドは、この青年の力強いギターに興味を引かれた。つづいて歌詞に耳を傾けた。「聴いた瞬間、天性の詩人だとわかった」とハモンドは書いている。「私ははやる気持ちをおさえた」
この試聴会はハモンドの記憶によると、丸二時間つづいたらしい。
ハモンドは受話器を取り、グレニッチ・ヴィレッジのクラブ、ガスライト・オーゴーゴーの早い時間枠を予約した。
仮オフィスに戻ると、アペル、クレテコス、スピッツは電話で夜にショーがあることをあちこちに知らせ、できるだけ多くの友人、ファン、支持者を集めようとした。
一〇年前にボブ・ディランが羽ばたくきっかけになったステージにひとり立ち、ブルースは昼前にハモンドの目を輝かせた曲――「都会で聖者になるのはたいへんだ」や「イフ・アイ・ワズ・ザ・プリースト」などをもう一度演奏した。ただし今度は、ステージに立つとかならず身体に流れるエネルギーとカリスマに満ちていた。たとえエレクトリックギターがなくても、バンドの曲にちりばめる稲妻のような速弾きのリフがなくても、ブルースの演奏能力は輝きを放ったのだ。三〇分後、ハモンドはアペルに合図した。「もういいだろう。行こう」
ハモンドはクラブを出ると、きみの人生が変わろうとしているとブルースに告げた。「きみはコロムビアのレコーディングアーティストになるんだ」。スピッツはハモンドがそう言ったのを記憶している。そこに行き着くまでにはいくつかの段階――コロムビアの社長クライヴ・デイヴィスによるオーディションなど――があるが、すべてのプロセスを乗り越えさせるとハモンドは請けあった。力と経験のかぎりを尽くし、全社員にブルースの存在と実力を知らしめるのだと。翌日の午後(略)ハモンドとアペルが共同プロデューサーとなり、社内で配布するアセテート盤用にデモを録音
[出張から戻ったデイヴィスはデモを聴くと、ブルースを招き直接オーディションし、契約をハモンドに命じた]
次回に続く。
kingfish 2025-02-11 20:10 読者になる
2025-02-11
金素雲と川端康成
金素雲(1907-81)は韓国の詩人だが、日本の韓国領有中に日本の北原白秋に師事し、島田謹二とも親しくしたため、戦後、日帝協力詩人として韓国では評判が悪いが、日本では『朝鮮詩集』や『朝鮮民謡集』を岩波文庫から出している。息子の武井遵は北原綴の筆名で少女愛(ロリコン)小説などを書いていたが、銃刀法違反などいくつかの犯罪で摘発されており、佐木隆三が『恩讐海峡』で武井の金素雲に対する愛憎を描いている。東大比較文学では金素雲の印税を授与されたことから金素雲賞を創設し、東アジアからの留学生に主として授与していた。
その金素雲の『近く遙かな国から』(新潮社、1979)に、1943年8月ころの戦争中に鎌倉の川端康成を訪ねた時のことが書いてある。だが金は何の用事で訪ねたのかすっかり忘れていて、その時川端の部屋に碁盤があるのを見て、今度一局囲みましょうなどと話をして、川端・武田麟太郎・間宮茂輔編『日本小説代表作全集』の11巻(小山書店)がちょうど出たばかりなので「金素雲様」と署名してもらい、帰宅したら川端の「名人」が載っていたので読んでいたら、これはどうやら囲碁もかなり強いらしいと人に訊いたら実際強いらしいと分かって川端と囲碁をやるのはやめにした、と書いてある。
金素雲という人は温厚な人のように見えて、いかにも韓国人らしい激しさがあるらしく、あとのほうで、角川書店の『短歌』が1961年ころに企画した木俣修との北原白秋についての対談がボツになった(というか、金素雲がボツにした)話などは恐ろしい。対談場所となった料亭に編集長が遅れてきて、その間に仲居が料理を持ってきて襖の外から声をかけるのだが、角川の女性記者二人は何も言わないから金が「どうぞ」と答えるということが繰り返されるうち金が癇癪を起こし、編集長がやってきてニコニコしながら中腰で「では始めてください」と言ったのも気に入らず、対談は終わったのだがゲラが来ても返送もせず、半年一年と放置していたという話で、これは日本人には何がそんなに問題なのかというのと、木俣に罪はないではないかという感想を持つだろうが、いかにも礼儀に厳しい韓国人という感じがしてぞうっと背筋が寒くなる。
(小谷野敦)
jun-jun1965 2025-02-11 17:42 読者になる
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2025.02.11 09:00
Apple Vision Pro保護力アップケース。心の防御値はダウン
2025.02.11 08:00
Last Updated 2025.02.10
25/02/10
これは楽しみだ。赤井とまとさんの tweet で、3/23(日)開催のNT京都で自作ペンプロッタを展示されることを知る。トールサイズのペン上下部が特徴的だな。これはぜひ現物が動く様子を見てみたいな。まだ旅程は定まっていないが、NT京都は見学に行く予定だ。サカモトさんの自作ペンプロッタと合せて2台のペンプロッタが見られるのは嬉しい限りだな。
これは危なかった。今週末の COMITIA151に向けて昨日入稿した新刊「バンコク郊外のIT博物館に行ってきた」だが、入稿データに不備があったと連絡が届く。最後に変更したページがA5では無くA4になっていたようだ。何とか無事リカバーしたが、発送予定日が1日遅れてしまった。1日バッファを取っていてホントに良かったな。
ギリギリセーフ。2/16(日)にビッグサイトで開催されるCOMITIA151に向けて作成中の新刊「バンコク郊外のIT博物館に行ってきた」を入稿。天候や物流の不安もあるが、無事届くことを祈ろう。楽しい週末を夢見て明日からのキビシイ状況を乗り切ろうぜ。
『アダルトメディア総研presents これがエロの最前線! 音声・AIの世界』開催します
告知 (185)
2025 / 2
THE STAR CLUB 新宿LOFT 2025.2.8.(土)
2025年02月09日 | 音楽
THE STAR CLUB 2025.2.8.(土)ザ・スタークラブ新宿LOFT5時開演6時スタート前約30分SC89HIKAGE / LOU / TORUxxx /A-KILLER / NAKAMURA TATSUYA終了8時50分THE STAR CLUB COMPLETE HISTORY BOOK THE UNKNOWN SOLDIER-シンコーミュージック FRONT . . . 本文を読む
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From OpenROV to Ocean Xplorers – Eric Stackpole
Eric Stackpole likes doing things the hard way, so he founded Sofar Ocean and, along with David Lang, helped design OpenROV.
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『武道的思考』韓国語版序文
みなさん、こんにちは。内田樹です。 これは『武道的思考』という僕の書き物の韓国語版です。原著は2010年に出たので、...
2025-02-09 dimanche
2025-02-08
『小説 映画ドラえもん のび太の絵世界物語』
きのう(2/7)発売された小学館ジュニア文庫『小説 映画ドラえもん のび太の絵世界物語』(原作/藤子・F・不二雄 著・脚本/伊藤公志 監督/寺本幸代)を購入しました。
この小説版を読んでから映画を観るという手もありますが、1ヶ月後に公開を控えた映画を観てから小説を読むことになりそうです。
koikesan 2025-02-08 17:50 読者になる
すのものの「いろいろ」(その652) 2025-02-07 ~
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2025-02-09 被害者「1億9000万人」に 米国の医療情報盗難事件
2024年、米国の健康保険大手 Change Healthcare (親会社: UnitedHealth Group)が未曽有のサイバー攻撃を受けた事件 [1][2] で、当初、医療関係情報を盗まれた被害者は1億人と推定されていたが、「1億9000万人」に上方修正された [3](まだ公式確定値ではない)。影響を受けた人の多くは、既に同社から通知を受けているそうだ。
2024年2月のサイバー攻撃は、医療データ漏えいとしては米国史上最大のもので、データへの確実なアクセスができなくなったことから、数か月にわたって国の医療システム全体に大きな影響が及び、今もまだ完全には回復していない。健康・保険請求関係のデータも大量に盗まれ、攻撃者はその一部をネット上に流して「やめてほしければ金を払え」という脅迫を行った。 Change Healthcare は少なくとも2回、「身代金」の支払いに応じたという。
被害者が同社から受けた通知によると、盗まれたデータは、住所氏名などの個人情報、病気の診断・投薬・検査結果・画像・治療計画と保険情報など。米国では、身分証と医療情報を一元的に直接ひも付けするような危うい仕組みはないものの、保存されていた本人確認データ(社会保障番号、運転免許、パスポートなど)は、同時に流出した。
ランサムウェアのような被害に遭った場合、仮に要求に応じて金銭を支払っても、犯人が約束通りにしてくれる保証はない。被害に遭わないこと・侵入されないことが最善だが、セキュリティーをやたらと厳重にすると、不便になるばかりか、正規のユーザー(複雑なシステムが苦手な人など)がアクセスできなくなる恐れもある。いろいろなバランスの取り方が難しく、にわかには解決できないリスクだろう。
[1] https://wiki.nerdvpn.de/wiki/Change%20Healthcare?lang=en
[2] https://web.archive.org/web/20250204084518/https://www.changehealthcare.com/
[3] https://techcrunch.com/2025/01/24/unitedhealth-confirms-190-million-americans-affected-by-change-healthcare-data-breach/
2025.02.09
ルイ・テイシェイラの米国現状観
米国の政治学者として、その鋭い洞察と実務的な戦略的提案で広く知られているルイ・テイシェイラ(Ruy Teixeira)が、第二期トランプ政権について、The Free Pressで興味深い提言をしていた。彼が提供する政治の現状分析は、これまでも単なる予測にとどまらず、米国の政治がどのように変化するか、そしてそれにどう対応すべきかを示す指針となってきた。中でも注目されたのは、米国における人口動態の変化が、民主党にとって大きなチャンスを生み出すという彼の視点であり、代表作『The Emerging Democratic Majority』(2002年)では、米国の政治風景が劇的に変わると予測していた。彼の当時の理論によれば、米国の人口構成が変化し、特に移民、少数民族、都市部の有権者層が増加することで、民主党は次第に安定した支持基盤を築くことになるというものだ。ヒスパニック系やアジア系、都市部の若年層が選挙戦において民主党を強化し、その結果、将来的には民主党が米国政治の中心として確固たる位置を占めるだろうと予測していた。
テイシェイラの魅力は、その予測の背景にある深い政治的洞察にある。単なる人口動態の変化だけでなく、彼は米国の政治における選挙戦術や有権者の心理にも深い理解を示し、その知識を駆使して未来の戦略を提案する。彼の分析は、未来の米国政治における有力な指針を提供し、現代の政治に生きる私たちに強い影響を与えている。しかし、現在の米国政治を見ると、かつてのテイシェイラの予測とは大きなズレが生じていることが分かる。民主党は2024年の選挙で大きな敗北を喫し、その後も党内での混乱と不人気に苦しんでいる。彼が予測した「新しい民主党の出現」という未来像は、現実には反動的な政治風景を迎えているようにすら見える。彼の理論が描いた未来は、必ずしも実現していないのが明らかだ。
この現状について、現在のテイシェイラどう考えているだろうか。新しい冷静な視点から分析している。彼によれば、民主党が直面している最大の問題は、過度なアイデンティティ・ポリティクスへの依存である。特に、移民問題や性別、性的指向に関する過激な議論が、広範な有権者層、特に白人労働者層や地方部の有権者から反発を招き、結果として共和党がそれらの層を取り込む形になったと指摘している。移民問題や性別に関する政策が民主党の支持基盤を強化する一方で、他の重要な有権者層を無視することが、選挙での敗北を招いた原因となったのだとうものだ。また、テイシェイラは民主党内でのリーダーシップ不足や戦略的な混乱についても指摘しており、党内の方針を見直す必要がある点を強調している。選挙後のDNC(民主党全国委員会)の対応に関しても、選挙に敗れた理由を「人種差別」や「女性蔑視」に帰する声が多かったが、テイシェイラはこのような自己弁護が民主党の改革を遅らせる原因となっていると警告している。
民主党の再建に向けて
テイシェイラは、現状を乗り越え、再び勝利するために民主党が取るべき具体的な戦略を明確に提案している。
名前を使った攻撃を避ける
まず、テイシェイラはトランプを「ファシスト」などとレッテルで攻撃することを避けるべきだ。こうした過激な言葉を使うことで、トランプの支持者層を敵視することになり、逆に有権者との距離が開いてしまうからだ。代わりに、穏健で理性的なアプローチを取り、広範な有権者層にアピールすることが求められる。
移民政策での妥協
テイシェイラは移民政策において、トランプの強硬策に一部賛同する形で妥協することを提案している。具体的には、国境の安全保障を強化しつつ、人道的な配慮を忘れないようにすることだ。これにより、有権者の懸念に対応し、現実的で広く支持される政策を展開できる。
トランプの正当性のある政策に賛同
テイシェイラは、トランプが実行した政策の中で正当性があるもの、特にDEI(多様性、公平性、包括性)政策の見直しに賛同すべきだと指摘している。これにより、民主党は選挙区内での支持を得られるだけでなく、現実的な政治戦略を取ることができる。
エネルギー政策での現実的アプローチ
テイシェイラはエネルギー政策において、エネルギー供給の安定とコスト削減を重視する現実的なアプローチを取るべきだと強調している。再生可能エネルギーと化石燃料のバランスを取ることで、広範な有権者層の支持を集めることができる。
テイシェイラの提言は、単に民主党の戦略を見直すための理論にとどまらず、実際の政治情勢に即した現実的な提案であり、党の再建に向けて非常に重要な指針となると期待されるが、意外にもというか当然というか、日本の左派の現状にもいくばくか論点を提供するかもしれない。
2025.02.09 | 固定リンク
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ラファティ、バロウズ、人工知能
【コメント募集中】プロ野球キャンプを見に行ったことはある?
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2年間のこと⑧ 今の「僕」の仕事について
Published 2025年2月4日
この「2年間のこと」シリーズももうすぐ最終回になる。「最初の3ヶ月」が一番すごいんだけど、まだブログには書けそうにない。会ったら話します。
「会ったら」と言っても、去年も一昨年も誰とも会わなかった。去年は1年通して、たった8人しか会わなかった。家族や弁護士を含めて8人。スーパーの店員さんとか役所の人はカウントしていないけれど、個人的に会った人は本当にこれだけ。
僕を構成する要素のうち、「谷賢一」という部分はほとんど消えてなくなってしまった。でも僕は元気に生きている。
* * *
これまで書いてきた数学とかマラソン、旅行、あと書いてないけど登山とか楽器以外で、時間ができたらやってみたいことがもう一つあった。それは「もう一度無名になって、作品だけで勝負してみる」ということだ。
若い頃はいつも「もっと自分に知名度があれば」と悔しがっていた。ところがそこそこ売れてみて賞なんかとったりすると、今度は「知名度だけで売れてるんじゃないか?」と怖くなった。本当に実力だけで勝負できているのか? 知名度でゲタはいてるだけじゃないか? 「売れているから売れている」みたいなものは世の中にたくさんある。ないものねだりもいいとこだが、もう一度「何者でもない自分」で戦ってみたいとずっと思っていた。
そこでまったくの新人として作品を書きはじめた。もちろん演劇とは関係のない場所で。ペンネームを考えるところからスタートするのは、まるで劇団名を考えた20代の頃のような気分だ。作品を発表しても最初は誰も見向きもしない、これも昔と同じ。いや、昔はクラスの友達がみんな観に来てくれたから、昔よりひどいか。
さいわい今は発表場所ならいくらでもある。小説やシナリオの投稿サイト、SNSやファンコミュニティ、動画、同人、もちろん紙媒体もある。まったく無名からのスタートだが、頭の中には25年間演劇の最前線で戦う中でつちかってきた知識と技術が詰まっている。プロットの立て方、キャラクターや場面設定のコツ、タイトルの工夫、差別化、PR……。戦えるはずだ。
一人、また一人、反応があるたび小躍りした。これも旗揚げの頃と同じ。2~3ヶ月でぐっと新規客が増え、メシが食えるようになった。この頃に食うメシが一番うまい。半年経つ頃には家賃も払えるようになった。自分の力だけで、面白いものを作り、金を稼ぐ。これはやはり、たまらない。どんな賞や栄誉よりお客さまの反応が一番だ。今ではもっと伸びていて、もはやそっちの自分の方が本物のようになっている。
――いや、名前が誰かを呼んで、人を区別するためにあるものならば、もうそっちの方が本物だ。いやいや、名前が自分で自分を定義する、アイデンティティのためにあるものならば? そこはちょっと難しい。どちらだろう? 呼ばれない名前に意味はあるのだろうか?
最初はかなり不安だった。演劇村なんて特殊なとこでウケたからって、外でも戦えるのか? でもやってみてわかったが、演劇で面白い人はたぶんどこでも売れると思う。むしろ今は外の方が売りやすい。もともと演劇はマニアックで先鋭的な表現が強みだったが、その強みはもうとっくの昔にインターネットに奪われてしまった。と同時にウェルメイドでポピュラーなコンテンツもまた外の方が確実に売れる。マーケットの規模が100倍は違うからだ。
もちろん今も、新しいものを書くのは苦しくて難しい。いつも机にかじりついてうなっている。でもこの年でまた新しいチャレンジができていることは幸福だと思う。そして自信にもなった。俺はやっぱり、面白いものを書いていたんだ。
* * *
年末年始、このブログの更新が途絶えていたのは「あちら側の僕」が忙しかったからだ。熱心なお客さんが心配してメッセージを送ってくれて、あわててこちらを更新している(いつもありがとうございます!)。
「こちら側の僕」、つまり谷賢一は、もうほとんど消えてしまった。もう誰もこの名前で僕を呼ばない。
しかし「谷賢一」でしか書けないものも少しある。やりかけの仕事で、どうしても完遂したいものがいくつかあるのだ。一つは岸田國士の評伝劇。この2年間を経て、いよいよ自分が書くべきテーマに思えている。もう一つは以前から言ってた、演劇の技術を書き残すこと。僕は学生演劇から出発して、小劇場、新劇、現代劇、ミュージカル、歌舞伎、宝塚、海外の演出家、いろんな人と仕事をした。そこで学んだことは書き残しておきたい。ビジネスになるとは思っていないから、多くの人が無料で読めるような形にしたい。
それに今も僕を応援してこのブログを読み続けてくれる人もいる。ぜひ何か、お届けしたい。
ただどこから手をつけていいのかわからない。手始めに無料でオンラインの戯曲講座か何か、やってみようかと思っている。こればっかりは「あちら側の僕」がやるわけにいかない。彼は演劇の話は一切していないし、演劇を観たこともないはずだ。
ㅤ
追伸 新しい方の名前は、ちょっとお教えできません。たった一人の親友にしか教えていないくらいでして。そちらでなく、よかったら「谷賢一」の方と会ってやってください。弁護士とも会わなくなったので、今年はまだ2人です。
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走行中の電気自動車に路面からワイヤレス給電 国内初の公道実験を千葉県柏市で継続中
眠っているマウスの脳内をリアルタイム観察 「レム睡眠」が始まる仕組みを明らかに
PDF一括ダウンロード(PDF: 3.3 MB)
P.03特集1― 走行中の電気自動車に路面からワイヤレス給電 国内初の公道実験を千葉県柏市で継続中
路面から電気自動車に無線で電力を供給する「走行中ワイヤレス給電」を可能にするシステムの開発が欧米を中心に進んでいる。この覇権争いに負けまいと、東京大学大学院新領域創成科学研究科の藤本博志教授は、国や20社以上の企業と連携して研究開発に取り組んできた。そして、2023年10月に千葉県柏市内で国内初の公道での実証実験を開始し、今も続けている。走行中ワイヤレス給電システムの実用化を目指す藤本さんに、これまでの道のりと今後の展望を聞いた。
P.03-07をPDFで読む(PDF:1.1MB)
P.08特集2― 眠っているマウスの脳内をリアルタイム観察 「レム睡眠」が始まる仕組みを明らかに
私たちの健康や生活にとって非常に大切な役割を果たしている睡眠。しかし、睡眠がどのように制御されているのか、何のために必要なのかなどは明らかになっていない。京都大学大学院薬学研究科の長谷川恵美准教授は、マウスが眠っている時に脳の中で何が起きているのかをリアルタイムで観察する方法を使って「ナルコレプシー」という睡眠障害を研究する中で、これまでよくわかっていなかった「レム睡眠」が始まる仕組みを明らかにした。
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第18回 CO2を有効活用してプロピレンを製造 革新的な多元素合金触媒の実用化に挑む
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東京大学 大学院医学系研究科 准教授
小嶋 良輔
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アートとはリミッターを外すコト
タイトルは「読んでいる紳士の肖像」だが、調合している薬屋だろう、怪しい秘薬を調合する魔術師っぽい雰囲気もあり、いつの時代なのか、ニューウェンホーフェン1879-1973はオランダの画家
2025年1月1日
結城浩ニュースレター
2025年1月1日 00:00
結城浩ニュースレター | 2025年01月21日
2024年12月1日
結城浩ニュースレター
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2025 [ 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 ]
2025年01月26日
■ 個人情報保護法3年ごと見直しの行方を大規模言語モデルClaudeで占う
先週、個人情報保護委員会に新しい動きがあった。1月22日付で以下の文書が出ている。
「個人情報保護法 いわゆる3年ごと見直しに係る検討」の今後の検討の進め方について
個人情報保護法の制度的課題の再整理
そこで、これまでの文書を含め、生成AIに読み込ませて、どのような展開となろうとしているのかを分析させてみた。今回は、プロンプトに貼り付けるのではなく、Claudeの「プロジェクト」機能を使い、これらの文書を「project knowledge」として扱った*1。
以下は、Claude 3.5 Sonnet Formalによる応答である。
私:まず、資料をファイルごとに日付を確認してください。
Claude:それぞれのファイルの日付を確認いたします。時系列順に整理すると以下のようになります:
2024年6月12日
ppc20240612-takagi.docx (高木浩光氏による意見書)
2024年6月27日
個人情報保護法いわゆる3年ごと見直しに係る検討の中間整理.pdf
2024年10月16日
個人情報保護法のいわゆる3年ごと見直しの検討の充実に向けた視点
2024年11月21日
ppc20241121-takagi.docx (高木浩光氏による2回目の意見書)
2024年12月17日
241217_shiryou-1-1 「個人情報保護法のいわゆる3年ごと見直しの検討の充実に向けた視点」に関するヒアリングの概要について.pdf
241217_shiryou-1-2 事務局ヒアリングにおける主な御意見.pdf
2025年1月21日
02_【資料1】個人情報保護委員会事務局提出資料.pdf
2025年1月(日付不明)
「個人情報保護法 いわゆる3年ごと見直しに係る検討」の今後の検討の進め方について(案).pdf
個人情報保護法の制度的課題の再整理.pdf
これらの資料は、2024年6月から2025年1月にかけての個人情報保護法の3年ごと見直しに関する一連の検討過程の文書であることが分かります。
私:最後の日付不明は2025年1月22日のものです。これらを分析して、個情委の立場がどのように変化してきているかを調べます。
Claude:個人情報保護委員会(個情委)の立場の変遷を時系列に沿って分析いたします。
2024年6月の中間整理段階
個情委は、具体的な制度改正の方向性について、以下のような個別論点を中心に検討を進めていました:
個人の権利利益の実質的な保護
監視・監督の実効性確保
データ利活用支援
この段階では、比較的技術的・実務的な制度改正の方向性を示していました。
2024年10月の転換点
「検討の充実に向けた視点」を公表し、より根本的な制度の基本的在り方に立ち返る必要性を認識しました。この背景には、デジタル化・AIの急速な普及を踏まえた事業者団体等からの指摘がありました。
2024年11月-12月のヒアリング段階
個情委は、有識者11名、経済団体・消費者団体等17団体という幅広いステークホルダーからヒアリングを実施し、より包括的な観点から検討を行うようになりました。特に注目したのは:
個人情報保護法の保護法益の本質
本人関与の意義と限界
事業者のガバナンスの実効性
官民を通じたデータ利活用の在り方
2025年1月の現在の立場
個情委は、「本人の権利利益への直接の影響の有無」を重要な判断基準として採用し、より柔軟な規制の枠組みを模索するようになっています。具体的には:
本人関与が必要な場面とそうでない場面を峻別する方向性
統計作成やAI開発など、個人への直接的影響が想定されない利用については規制を緩和する可能性
実質的にデータ処理を行う委託先事業者への直接規制の検討
この変化は、当初の個別論点ベースの改正検討から、より包括的な制度設計の見直しへと発展したことを示しています。特に、形式的な規制から実質的な保護へと重点を移行させる傾向が見られます。また、官民連携によるデータ利活用の推進と個人の権利利益保護のバランスを、より柔軟に図ろうとする姿勢が明確になってきています。
私:高木意見はどのように扱われていますか。
Claude:高木意見の扱われ方を分析いたします。
高木意見の要点
高木氏は2回の意見書(6月と11月)を通じて、個人情報保護法の核心的保護利益を「個人データ処理による個人に対する評価・決定の適切性確保の利益」と位置付け、これを基準とした制度設計を提案しています。特にOECDガイドラインの第2原則(データ品質の原則)における「関連性の要件」の導入を重視しています。
個情委の対応
初期段階(6月-10月):
中間整理の段階では、高木意見で示された基本的な制度設計の考え方は直接的には反映されていませんでした。
転換点(10月):
「検討の充実に向けた視点」において、制度の基本的在り方に立ち返る必要性を認識し、高木氏を含む有識者からのヒアリングを実施することを決定しました。
ヒアリング後の展開(12月-1月):
高木意見の影響は、以下の点で部分的に見られるようになっています:
「本人の権利利益への直接の影響の有無」を重要な判断基準として採用したこと
これは高木氏の「評価・決定の適切性確保」という考え方と親和性があります
統計作成やAI開発などの取扱いについて、個人への直接的影響が想定されない場合の規制緩和を検討していること
これは高木氏の「決定利用」という概念に基づく整理と類似しています
ただし、重要な相違点も存在します:
高木氏が重視する「関連性の要件」の法制化については、明示的な言及がありません
高木氏が提案する「データ品質の原則」の導入については、直接的な検討対象とはなっていません
事業者のガバナンスに関する考え方において、高木氏の提案する「独立データ保護機関による介入と本人関与の両面からなるガバナンス」という構造は、そのままの形では採用されていません
総括すると、個情委は高木意見の一部(特に「直接の影響」という判断基準)を取り入れつつも、より漸進的な制度改革の方向性を模索していると評価できます。高木氏が提案する根本的な制度再設計ではなく、既存の制度框の中での調整を志向している様子が見られます。
私:高木意見に相入れない反対意見の扱いはどうなっていますか。
Claude:高木意見と相対する主な意見は、特に次の論点において見られます。
プライバシー保護の位置付けについて
森亮二弁護士は「権利利益の中心は、プライバシーであり、本法の目的の一つはプライバシー侵害の防止」と主張しています。これは高木氏が「プライバシーは副次的保護利益に過ぎない」とする立場と根本的に対立します。
個情委の対応:
双方の立場を踏まえつつ、「様々なリスクを考慮し、全体的なバランスをとった重層的な位置付けとすべき」という折衷的な立場を採用しています。
本人関与の意義について
一部の有識者や事業者団体からは、本人の自己情報コントロール権を重視する意見が出されています。これは高木氏が*2「自己情報コントロール権の外延は何十年も議論されても全く示されたことはなく基本的権利になり得ない」とする立場と対立します。
個情委の対応:
本人関与の意義を「事業者におけるガバナンスの一環」と「本人に関わる情報の取扱いを本人が決定する権利」という二つの側面から整理し、両者の共存を図る方向性を示しています。
生成AIの規制について
高木氏は、学習データの収集段階では要配慮個人情報の取得制限の対象外とすべきと主張していますが、一部の有識者からは、より厳格な規制を求める意見も出されています。
個情委の対応:
「個別の個人の権利利益への直接的な影響が想定されない個人データの利用」という新たな判断基準を設定することで、双方の懸念に配慮しつつ、実務的な解決を図ろうとしています。
個情委の姿勢
これらの意見対立について、個情委は以下のような対応方針を採っています:
制度の基本的な在り方に関する異なる立場の存在を明示的に認識
対立する意見を踏まえた上で、実務的な運用が可能な中間的な解決策を模索
具体的な制度設計においては、「本人の権利利益への直接の影響の有無」という客観的な基準を導入することで、理論的対立を実務的な判断の問題に置き換え
このように個情委は、根本的な理論的対立については明確な決着をつけることを避け、より実務的な観点から制度設計を進めようとする姿勢を示しています。
私:決着の点について、12月17日、1月21日、1月22日の資料を比べると変化はありますか。
Claude:3つの資料を時系列で比較分析すると、個情委の立場に以下のような変化が見られます:
12月17日の資料(ヒアリング概要)
この段階では、様々な意見の存在を並列的に紹介する形式を取っています。特に保護法益の解釈や本人関与の意義について、対立する意見を併記しつつ、どちらかに決着をつけることを避けています。
1月21日の資料(事務局提出資料)
より具体的な制度設計の方向性を示し始めています。特に「本人の権利利益への直接の影響の有無等」を切り口とした規律の内容の検討という方向性が明確になってきています。この段階で、理論的対立を実務的な判断基準へと置き換える方向性が見え始めます。
1月22日の資料(今後の検討の進め方)
さらに具体的な整理が進み、「個人データ等の取扱いにおける本人関与に係る規律の在り方」として、より明確な判断基準を示すようになっています。特に注目すべき変化として:
統計作成等、特定の個人との対応関係が排斥された一般的・汎用的な分析結果の獲得と利用のみを目的とした取扱いについて、本人同意を要しないとする方向性が具体化
取得の状況からみて本人の意思に反しない取扱いを実施する場合についても、同様の整理を行う方向性が示される
この変化は、当初の理論的な対立の並列的な提示から、より実務的な判断基準の確立へと、個情委の検討が進展していることを示しています。特に、「本人の権利利益への直接の影響の有無」という基準を採用することで、異なる立場からの意見を実務的に調整可能な形に収束させようとする方向性が強まっているといえます。
この変化は、高木意見が提示した「評価・決定の適切性確保」という観点と、プライバシー保護や自己情報コントロール権を重視する立場との間で、実務的な接点を見出そうとする試みと解釈することができます。
私:理論面はどういうことでしょうか。
Claude:理論面での変化を分析すると、個人情報保護委員会の立場は以下のように発展しています。
初期の理論的整理(12月17日資料)
個人の権利利益の保護について、4つのリスク類型(評価・選別による影響、直接の働きかけ、秘匿領域の暴露、自己情報コントロールの制約)を並列的に提示し、これらを総合的に考慮する必要性を示唆していました。この段階では、各リスクの理論的な位置づけや優先順位について明確な整理を避けていました。
理論的整理の発展(1月21日資料)
「本人の権利利益への直接の影響の有無」という基準を導入することで、理論的な整理の軸を設定しています。この基準は、高木意見が示す「評価・決定の適切性確保」という考え方と、プライバシー保護や自己情報コントロール権という従来の考え方を、実務的な判断基準として統合する試みと解釈できます。
最終的な理論的枠組み(1月22日資料)
個人情報保護法の規律を「本人関与」と「ガバナンス」という二つの柱で整理し、それぞれについて「直接の影響の有無」を基準とした具体的な判断枠組みを提示しています。この整理により:
本人関与の必要性は、個人への直接の影響が想定される場合に限定される
ガバナンスの在り方は、データ処理の実態に即して再構築される
従来の理論的対立は、実務的な判断基準の中に組み込まれる
この変化は、純粋な理論的対立の解決を目指すのではなく、実務的な判断基準を通じて異なる理論的立場の共存を図るという*3、個人情報保護委員会の新たな理論的アプローチを示しています。これは、一般法としての個人情報保護法の性質を踏まえた実践的な理論構築の試みと評価できます。
私:高木意見のどの部分が実現されそうでしょうか。
Claude:高木意見のうち、実現される可能性が高い部分について分析します。
第一に、「評価・決定による影響」を重視する考え方が、「本人の権利利益への直接の影響の有無」という基準として部分的に採用されつつあります。個人情報保護委員会は、この基準を用いて本人関与の要否を判断する方向性を示しており、これは高木氏の理論的枠組みと親和性があります。
第二に、統計作成やAI開発における個人データの取扱いについて、高木氏が主張する「決定利用」という観点からの整理が実質的に取り入れられつつあります。個人情報保護委員会は、特定の個人との対応関係が排斥された一般的・汎用的な分析結果の獲得と利用のみを目的とした取扱いについて、本人同意を不要とする方向性を示しています。
第三に、個人データの委託や第三者提供に関する規律について、高木氏が指摘する「データ処理の実態に即した規律の必要性」という観点が採用されつつあります。個人情報保護委員会は、データ処理を実質的に行う事業者に対する直接的な規律の導入を検討しています。
一方で、高木意見の核心的な部分である「データ品質の原則」、特に「関連性の要件」の法制化については、現時点では具体的な検討対象とはなっていません。また、独立データ保護機関による積極的な介入という制度設計も、そのままの形では採用される見込みは低いと考えられます。
このように、高木意見は実務的な判断基準の構築という形で部分的に実現されつつありますが、より根本的な制度再設計の提案については、現時点では採用が見送られる可能性が高いと評価できます。ただし、個人情報保護委員会が示している「より包括的なテーマや個人情報保護政策全般」についての継続的な議論の中で、これらの提案が将来的に検討される余地は残されています。
私:契約の履行に伴う提供についてはどうですか。
Claude:契約の履行に伴う提供に関する取り扱いについて、高木意見と個人情報保護委員会の立場の変遷を分析します。
高木意見の主張
高木氏は6月の意見書で、目的内の提供を本人同意の原則的対象とする現行規制は過剰であると指摘しています。特にEU法では「契約の履行」や「正当な利益」に該当する場合には本人同意なく提供が許される点を参照しつつ、日本でもこれを認めるべきと主張しています。ただし、その実現のためには「利用目的の特定」を十分に詳細なものとし、「第三者提供時の利用目的拘束」の仕組みを設ける必要があるとしています。
個人情報保護委員会の対応
個人情報保護委員会は、この提案を段階的に検討対象としてきました。1月22日の資料では、「取得の状況からみて本人の意思に反しない取扱いを実施する場合」を本人同意不要とする方向性を示しており、これは契約の履行に伴う提供を含む可能性があります。
ただし、高木意見が指摘する前提条件(詳細な利用目的の特定や利用目的拘束の仕組み)については、現時点で具体的な検討は示されていません。これは、個人情報保護委員会が短期的な制度改正としては、より実務的な判断基準の導入を優先し、制度の基礎的な部分の改正については中長期的な検討課題として位置付けている可能性を示唆しています。
このように、契約の履行に伴う提供については、高木意見の問題意識は部分的に採用されつつありますが、その実現方法については、より漸進的なアプローチが選択されていると評価できます。
私:AI規制との関係はどうですか。
Claude:AI規制との関係について、高木意見と個人情報保護委員会の立場を分析します。
高木意見の主張
高木氏は、AI規制に関して重要な理論的整理を提示しています。特に生成AIについて、学習データの収集段階では個人データとして取得する場合に当たらないとし、要配慮個人情報の取得制限の対象外とすべきと主張しています。その理由として、学習結果がパラメータとして抽象化され、個人との対応関係が失われることを挙げています。
一方で、生成AIの出力段階については、プライバシーや個人の権利利益の保護の観点から規制が必要と主張しています。特に、実在の個人に関する評価や判断を出力する場合には、その正確性や関連性が問われるべきとしています。
個人情報保護委員会の対応
個人情報保護委員会は、この問題について段階的に立場を明確化してきています。当初は生成AIへの対応について慎重な姿勢を示していましたが、1月22日の資料では「統計作成等であると整理できるAI開発等」について、本人同意を要しない方向性を示しています。
ただし、個人情報保護委員会は、より包括的なAI規制との関係について、一般法としての個人情報保護法の位置づけを意識した整理を行っています。具体的には、AIの利用に関する固有の課題については、特別法等による規律も含めた検討の必要性を示唆しています。
将来への含意
今後のAI規制との関係では、個人情報保護法は基盤的な規律として機能しつつ、AI特有の課題については別途の規制枠組みが検討される可能性が高いと考えられます。高木意見が示した「決定利用」という観点からの整理は、この二層構造の規制を考える上で重要な示唆を与えるものとなっています。
なお、この方向性は、EUにおけるGDPRとAI規制法の関係に類似した構造となる可能性があり、国際的な制度調和の観点からも注目される点といえます。
私:生成AI以外のAIについてどうですか。
Claude:生成AI以外のAIについての議論を、高木意見と個人情報保護委員会の立場から分析します。
高木意見の基本的立場
高木氏は、AIによる個人に対する評価・決定を行う場合について、データ品質の原則、特に関連性要件が重要だと主張しています。具体的には、評価・決定の目的に対して関連性のないデータ項目による差別的効果をもたらす決定を防止する必要性を指摘しています。
この観点から、AIによる人事評価など、個人に対する具体的な評価・決定を行うシステムについては、データの関連性や評価・決定の適切性を確保するための規律が必要だとしています。
個人情報保護委員会の対応
個人情報保護委員会は、AIによる個人の評価・選別について、「本人の権利利益への直接の影響」という観点から規律を検討する方向性を示しています。特に1月22日の資料では、プロファイリングを含む個人データの取扱いについて、より実効的な規律の必要性を認識しています。
ただし、個人情報保護委員会は、高木氏が提案するような関連性要件の導入という形ではなく、「本人の権利利益への直接の影響の有無」という基準を用いて、規律の要否や程度を判断する方向性を示しています。
将来的な展望
個人情報保護委員会は、AIによる個人の評価・決定について、一般法としての個人情報保護法による基本的な規律と、AI特有の課題に対応する特別法等による規律という二層構造での対応を想定していると考えられます。この中で、個人情報保護法は、AIによる評価・決定が個人の権利利益に直接影響を与える場合についての基本的な保護枠組みを提供する役割を担うことになると予想されます。
この方向性は、高木意見が示す理論的枠組みとは異なるアプローチですが、実務的な観点からは、既存の法制度との整合性を保ちながら、AIによる個人の評価・決定に対する規律を段階的に整備していく現実的な選択として理解できます。
私:関連性への言及はないのですか。
Claude:関連性への言及について、詳細に確認してみます。
12月17日の事務局ヒアリング概要資料では、高木氏の関連性に関する指摘について触れており、「決定を行う際の目的に対して関連性のないデータ項目を用いることが、許されざるプロファイリングと言える」という発言を記録しています。
1月21日の事務局提出資料では、個人情報等の適正な取扱いに関する規律の検討において、「取扱いの類型」や「その目的」を規律対象とすべきとの考えが示されています。これは関連性の概念に近い考え方を含んでいますが、明示的に「関連性」という用語は使用していません。
1月22日の今後の検討の進め方では、「個人データ等の取扱いの態様の多様化等に伴うリスクに適切に対応した規律の在り方」という形で整理されており、関連性という概念は直接的には言及されていません。
このように、個人情報保護委員会は、関連性という概念を直接的に採用するのではなく、「本人の権利利益への直接の影響」という基準を通じて、実質的に同様の規律を実現しようとしている様子が見られます。これは、既存の法体系との整合性を保ちながら、実務的な判断基準として機能させやすい形に置き換えているものと解釈できます。
ただし、この方向性が高木氏の指摘する関連性要件の本質的な機能を十分に果たせるかについては、今後の制度設計の詳細や運用実態を見る必要があるでしょう。
私:1月21日の「【資料1】個人情報保護委員会事務局提出資料」に「関連性」への言及がありませんか。
Claude:申し訳ありません。【資料1】を再確認したところ、関連性への重要な言及がありました。
スライド12-13の「個人情報等の適正な取扱いに関係する政策の基本原則」において、「個人情報等の利用目的との関連性・利用の適正性」という項目が設けられています。
そこでは以下のように記載されています:
「個人情報等の利用目的は、個人情報等の取扱いに関する規律の要となるものであり、できる限り特定することが必要。
個人情報等の取扱いに関係する政策の企画立案・実施に当たっては、政策目的の実現のために取扱いが必要となる個人情報等について、利用目的が政策目的と関連するものであるか否かを検討した上で取り組むことが重要。」
この記述は、高木意見が強調する「関連性」の概念を、特に政策立案における基本原則として位置づけようとする重要な一歩と評価できます。個人情報保護委員会は、直接的な法制化ではないものの、政策原則という形で関連性の要件を取り入れ始めていると解釈できます。
この点は、私の先ほどの分析に重要な修正を加える必要があることを示しています。個人情報保護委員会は、関連性の概念を完全に避けているわけではなく、むしろ政策原則というより基礎的なレベルで採用を検討していると考えられます。
私:スライド17にもありますよね。
Claude:申し訳ありません。ご指摘の通り、スライド17「ヒアリングから得られた視点」にも関連性への重要な言及があります。
プロファイリングに関する記述において、「具体的には、プロファイリング実行のためのプログラム作成に係る元データの利用目的やその関連性、プログラムそのものに関わる論点、プロファイリングによって得られた結果の取扱いなど、様々な視点が示された」と記載されています。
この点は非常に重要です。個人情報保護委員会は、プロファイリングの規律を検討する際の核心的な要素として、「元データの利用目的やその関連性」を明確に位置づけていることが分かります。これは高木意見が主張する関連性要件の重要性が、特にAIやプロファイリングの文脈で具体的に認識されていることを示しています。
このように、個人情報保護委員会は政策原則のレベルと、具体的なプロファイリング規制のレベルの両方において、関連性の概念を重要な要素として取り入れようとしていることが分かります。この二つのレベルでの言及は、関連性要件が今後の制度設計において重要な役割を果たす可能性を示唆していると考えられます。
私の先ほどの分析は不十分でした。個人情報保護委員会は、関連性の概念を、より包括的かつ体系的に制度設計に組み込もうとしている可能性が高いと修正させていただきます。
いまひとつ理解が足りない様子なので、ここで別の素材として、EDPSが先月公表した以下の文書を加えて、続けてみた。
EDPS(欧州データ保護監督機関), EDPS comments to the AI Office’s consultation on the application of the definition of an AI system and the prohibited AI practices established in the AI Act launched by the European AI Office(AI規則におけるAIシステムの定義および禁止されたAI実践に関する適用についてのAI室の協議に対する欧州データ保護監督機関の意見), 2024年12月19日
私:(「EDPSの文書」を添付して)
これはAI規制に対するEDPSの見解です。関連性について言及がありますね。
Claude:EDPSの見解における「関連性」への言及を分析いたします。
最も重要な点は、EDPSが生体認証システムやAIによる評価・分類について、基本的権利との関係で「関連性」を重視していることです。
特に以下の文脈で関連性の概念が登場します:
社会的スコアリングに関して
EDPSは、「関連しない社会的文脈(unrelated social contexts)」に基づく評価を問題視しています。例えば、移民背景という社会経済的要因に基づいて不正や福祉給付の審査を行うことは、関連性のない要因による差別的取り扱いになると指摘しています。
バイオメトリック分類について
EDPSは、生体データから人種、政治的意見、労働組合加入、宗教・哲学的信念、性生活や性的指向といった「機微な特徴」を推論することを禁止すべきとしています。これは、生体的特徴とそこから導出される属性との間に科学的な関連性がないにもかかわらず、差別的な結果をもたらす可能性があるためです。
新骨相学(new phrenology)への警告
EDPSは、生体的特徴から個人の傾向や性質を推論することを「新骨相学」と呼び、強く警告しています。これは、生体的特徴と推論される属性との間の関連性が科学的に実証されていないにもかかわらず、歴史的なバイアスや偏見を再生産する危険性があるためです。
このようなEDPSの立場は、高木氏が提唱する「関連性の要件」と理論的な親和性が高いと言えます。両者とも、データの利用とその目的との間の関連性を重視し、無関係な要因に基づく差別的取り扱いを防止しようとしている点で共通しています。ただし、EDPSの場合は特にAI規制の文脈で、生体認証技術による差別的取り扱いのリスクに焦点を当てているという特徴があります。
私:AI規制の本丸はそこですよね。というかそれが元々のGDPRの本丸ですよね。
Claude:ご指摘の通りです。この点について整理させていただきます。
データ保護法制の本質的な目的
OECDガイドラインからGDPRに至るデータ保護法制の核心は、「評価・決定の適切性確保」、特に「関連性のない要因による差別の防止」にあります。これは高木氏が一貫して指摘してきた点です。
AIがもたらす新たな課題
AIの普及により、この問題は新たな形で顕在化しています。AIシステムは、大量のデータを基に個人の評価・分類を行い、それに基づいて重要な決定を下すことが可能です。しかし、その決定プロセスにおいて、目的との関連性が疑わしいデータが使用される危険性が高まっています。
EDPSの認識
EDPSは、特に生体認証AIに関する意見の中で、この問題の本質を明確に理解していることを示しています。「新骨相学」という表現を用いて、科学的な関連性のない生体的特徴から個人の性質や傾向を推論することの危険性を指摘しています。これは、まさにデータ保護法制が当初から警戒してきた、関連性のない要因による差別的取扱いの現代版といえます。
制度的対応の必要性
このような認識は、個人情報保護法制とAI規制を統合的に捉える必要性を示唆しています。高木氏が提案する「データ品質の原則」、特に関連性要件の法制化は、この文脈で重要な意味を持ちます。それは単なる個人情報保護の問題ではなく、AIによる評価・決定の公平性を確保するための本質的な要件となるからです。
現代的な意義
特にAIの文脈では、この問題は以下の点でより重要性を増しています:
AIシステムは、人間には気づきにくい微細な特徴から予測や評価を行うことが可能
大量のデータを処理できるため、関連性のない要因が意図せず判断に影響を与える可能性
アルゴリズムの決定過程が不透明であるため、不適切な関連付けの検出が困難
このように、データ保護法制の本質的な目的は、AI時代においてむしろその重要性を増していると言えます。その意味で、GDPRやAI規制法の根底にある「関連性」の概念を改めて認識し、実効的な規制の枠組みを構築することが求められています。
私:話を戻して、個情委の方向性ですが、契約の履行に伴う提供は先ほどのとおり「取得の状況からみて本人の意思に反しない取扱いを実施する場合」が相当するとして、EU法で言う「正当な利益」についてはどうですか。
Claude:個人情報保護委員会の現在の方向性を分析すると、「正当な利益」に基づく第三者提供の取り扱いについては、まだ明確な姿勢を示していないように見えます。
1月22日の「今後の検討の進め方」では、「取得の状況からみて本人の意思に反しない取扱い」については本人同意を不要とする方向性を示していますが、これはEU法における「契約の履行」に近い概念です。一方で、「正当な利益」に相当する概念は明示的には示されていません。
この背景には以下のような事情があると考えられます:
第一に、高木氏が指摘するように、「正当な利益」を導入するためには、その前提としてデータ品質の原則、特に関連性の要件が法制化されている必要があります。個人情報保護委員会も、政策原則のレベルでは関連性の概念を取り入れ始めていますが、法制化までには至っていません。
第二に、「正当な利益」の判断には、利益衡量(バランシングテスト)が必要となります。現在の個人情報保護委員会は、より客観的な判断基準として「本人の権利利益への直接の影響の有無」を採用しようとしています。これは利益衡量よりも実務的な判断が容易な基準といえます。
しかし、長期的には「正当な利益」の概念を導入する必要性が出てくる可能性があります。個人情報保護委員会が示している「より包括的なテーマや個人情報保護政策全般」についての継続的な議論の中で、特に以下の点について検討が必要となるでしょう:
データ品質の原則と関連性要件の法制化
利益衡量のための具体的な判断基準の確立
正当な利益に基づく提供を認める場合の追加的な安全管理措置の要件
このように、「正当な利益」の導入は、より根本的な制度改革の一環として位置づけられる可能性が高いと考えられます。
私:EU法における「正当な利益」の判断にデータ品質の原則が必須であることは説明できますか。
Claude:EU法における「正当な利益」と「データ品質の原則」の関係について説明いたします。
データ品質の原則は、GDPR第5条1項(c)において「個人データは、取り扱われる目的との関係において、適切(adequate)で、関連性があり(relevant)、必要な範囲内に限定される(limited to what is necessary)」と規定されています。一方、「正当な利益」は第6条1項(f)において、「管理者又は第三者によって追求される正当な利益のために取扱いが必要である場合」に適法とされています。
これらの規定の関係性は以下のように説明できます。
「正当な利益」の判断においては、その利益を追求するために個人データの取扱いが「必要」であることが要件となります。この「必要性」の判断には、データ品質の原則が不可欠です。なぜなら、取扱いの目的(正当な利益の内容)に対して関連性のないデータを用いる場合、その取扱いは「必要」とは言えないからです。
具体例で説明すると、ある企業が不正利用防止という正当な利益を追求する場合を考えてみましょう。この目的のために、取引履歴や認証情報などのデータを用いることは、目的との関連性があり「必要」と判断される可能性があります。しかし、人種や信条といった情報を用いることは、不正利用防止という目的との関連性を欠くため、「必要」とは認められません。
このように、データ品質の原則、特に関連性の要件は、「正当な利益」に基づく取扱いの適法性を判断する際の基礎となる規範として機能しています。これがなければ、「正当な利益」という概念は恣意的な運用を許す抜け道となってしまう危険性があります。
日本の個人情報保護法に「正当な利益」の概念を導入する際にも、この点を十分に理解し、データ品質の原則を基礎として整備することが不可欠といえます。
私:結局のところ日本法は、何が問題とされるのかわからないまま外圧で見よう見まねで制度を作ったため、基準を見極められず、原則同意方式とせざるを得ないできたということではないでしょうか。
Claude:ご指摘の通りです。日本の個人情報保護法制の根本的な課題について、以下のように整理できます。
制度形成の経緯における問題
1980年のOECDガイドラインの本質的な意図、特にデータ品質の原則における関連性要件の意義を十分に理解しないまま、形式的な準拠を目指して制度設計が行われました。その結果、何が違法な取扱いに当たるのかという実質的な判断基準を欠いたまま、制度が作られることになりました。
原則同意方式の採用とその影響
判断基準が不明確であるため、事業者の予見可能性を確保する手段として、本人同意を原則とする方式を採用せざるを得ませんでした。これは一見すると本人保護に厚い制度のように見えますが、実際には形骸化した同意の横行を招き、かえって本人の権利利益の実質的な保護を困難にする結果となっています。
現代における課題の顕在化
AIの普及により、個人に対する評価・決定の適切性確保という本来の課題が一層重要性を増している中で、日本法は依然としてその本質的な問題に対処できていません。個人情報保護委員会も、「本人の権利利益への直接の影響」という新たな判断基準を模索していますが、これも関連性要件という本質的な基準を欠いたままの対応となっています。
今後の方向性
この状況を改善するためには、OECDガイドラインやEU法の本質的な意図を改めて理解し、データ品質の原則、特に関連性要件を基礎とした制度再設計が必要です。それによって初めて、形式的な同意原則から脱却し、実質的な権利利益保護を実現する制度が可能になると考えられます。
私:そのことは高木意見書に記載されていますか。
Claude:はい、高木意見書(6月12日付)にこの点に関する明確な記述があります。
特に「1.1 目的内の提供」の節において、以下のように述べられています:
「我が国の個人情報保護法(日本法)は、1980年のOECDガイドラインの8原則に準拠する形で規律が構成されているとされるものの、実際には、その8原則の肝心の趣旨を踏まえておらず、準拠というには不足する規制がある一方で、8原則が求めていない過剰な規制が含まれていることから、そのことが、昨今の経済界の改善要望につながっているものと思われる。」
さらに、同意原則に関する問題の根源について、以下のように説明しています:
「平成15年法の立法時に、急激な新規制の導入に伴う事業者への配慮として、利用目的を特定する義務を、大まかな特定で構わないとされた結果、その代わりに第三者提供を原則禁止とせざるを得なかった」
また、EU法との比較において、日本法の課題を以下のように指摘しています:
「EU法において『正当な利益』を適法性根拠とする際にはバランシングテストが要求されるように、『正当な利益』の規律を導入するためには、そのような個人データ処理が『正当な』ものと言えるかの何らかの判断基準が必要なのであって、そのような判断基準として参照されるべき『基本原則』(GDPRでは5条)の存在が大前提である。しかし、日本法はそのような前提に不可欠な『基本原則』を欠いている」
このように、高木意見書は、日本の個人情報保護法制が本質的な判断基準を欠いたまま形式的な同意原則に依存せざるを得なかった経緯と、その結果としての制度的課題を明確に指摘しています。
以上、ここまで。おわかりいただけるだろうか。
せっかくなので、別の話題として開始した会話も載せておく。(Claude 3.5 Sonnet Formal)
私:(シンガポールPDPCの「Advisory Guidelines on use of Personal Data in AI Recommendation and Decision Systems(AI推薦システムおよび意思決定システムにおける個人データ使用に関する諮問ガイドライン)」を添付して)
この文書は何が書かれていますか。
Claude:この文書は、シンガポールの個人データ保護委員会(PDPC)が2024年3月1日に発行した「AI推薦システムおよび意思決定システムにおける個人データ使用に関する諮問ガイドライン」です。主な内容は以下の通りです:
目的と概要:
PDPAは個人データの収集・使用・開示を規制するシンガポールの一般データ保護法です
このガイドラインは、組織がAIシステムを開発・展開する際の個人データ使用に関する確実性を提供し、消費者に保証を与えることを目的としています
主要な規定:
データ使用の同意
原則として、組織は個人データを使用する際に有意義な同意を得る必要があります
ビジネス改善や研究目的など、PDPAに基づく例外も認められています
ビジネス改善例外の適用
既存製品・サービスの向上や新製品開発
業務プロセスの改善
顧客行動や嗜好の理解
パーソナライズされた商品・サービスの提供
アカウンタビリティ義務
組織は個人データの使用に関する方針と実践を文書化する必要があります
消費者に対して透明性を確保し、適切な情報提供を行う必要があります
サービスプロバイダーの役割
AIシステムを開発するサービスプロバイダーは、データ仲介者としてPDPAの義務を負います
データマッピングやラベリング、来歴記録の維持など、適切なデータ保護措置を講じる必要があります
このガイドラインは、AIシステムにおける個人データの責任ある使用を確保しながら、イノベーションを促進することを目指しています。組織がPDPAを遵守しつつ、AIシステムを効果的に活用できるよう実践的な指針を提供しています。
私:GDPRとは異なるところが多いように見えますが、どうですか。
Claude:シンガポールのPDPAとEUのGDPRには、確かにいくつかの重要な違いがあります。
個人データの取り扱いに関する基本的なアプローチ:
PDPAは、ビジネスの実用性と個人のプライバシー保護のバランスを重視する実務的なアプローチを取っています。一方、GDPRは個人の権利保護により重点を置き、より厳格な規制を設けています。
特にAIシステムに関して以下のような違いが顕著です:
同意要件について:
PDPAでは、ビジネス改善例外や研究例外など、同意なしでデータを使用できる範囲が比較的広く設定されています。GDPRでは、個人データの処理には原則として明示的な同意が必要*4で、例外は限定的です。
自動化された意思決定:
GDPRでは、プロファイリングを含む自動化された意思決定に対して、個人が異議を申し立てる権利や人間の介入を求める権利が明確に規定されています。一方、PDPAのガイドラインでは、そのような具体的な権利は規定されておらず、より柔軟なアプローチを採用しています。
透明性の要件:
PDPAは、組織の判断でどの程度の情報を開示するか決定できる余地を残しています。特に営業秘密や専有情報の保護を考慮に入れています。GDPRは、アルゴリズムの決定に関するより詳細な説明を要求する傾向にあります。
越境データ移転:
GDPRはEU域外へのデータ移転に関して非常に厳格な規制を設けていますが、PDPAはより柔軟なアプローチを採用しています。
これらの違いは、両者の立法目的の違いを反映していると言えます。GDPRは個人の基本的権利としてのデータ保護を重視する一方、PDPAはビジネスの革新とプライバシー保護の調和を目指しているように見えます。
このような違いは、特にグローバルに事業を展開する企業にとって重要な考慮事項となります。両方の規制に従う必要がある場合、より厳格なGDPRの基準に合わせることで、両方の要件を満たすことができる可能性があります。
私:データ品質の原則はどうですか。
Claude:PDPAとGDPRのデータ品質に関する原則の取り扱いには、重要な違いが見られます。
PDPAのアプローチ:
シンガポールのPDPAガイドラインでは、データ品質は主にAIシステムの有効性と信頼性の観点から扱われています。文書の7.1節では、AIシステムの開発時にデータ最小化を実践すべきとしています。これは、必要な属性のみを含む個人データを使用することで、不必要なデータ保護リスクやサイバー脅威のリスクを低減することを目的としています。
しかし、GDPRと比較すると、PDPAでは以下の点でデータ品質の扱いが異なります:
法的位置づけ
GDPRではデータ品質は基本原則の一つとして明確に規定されていますが、PDPAではより運用上のガイダンスとして扱われています。
正確性の要件
GDPRは個人データの正確性を明確な法的要件としていますが、PDPAのガイドラインでは、AIシステムのパフォーマンスと関連付けて扱われており、より実用的なアプローチを取っています。
データ最小化の解釈
PDPAでは、データ最小化は主にリスク管理の観点から推奨されています。一方、GDPRではこれを基本的な法的要件として位置づけ、より厳格な遵守を求めています。
更新の要件
GDPRは定期的なデータの更新と不正確なデータの訂正・削除を明確に要求していますが、PDPAのガイドラインではこの点についての具体的な要件は比較的緩やかです。
この違いが実務に与える影響:
シンガポールの組織は、データ品質管理においてより柔軟なアプローチを取ることができます
一方で、グローバルに事業を展開する組織は、より厳格なGDPRの基準に合わせた対応が必要となる可能性があります
PDPAのアプローチは、特にAI開発におけるイノベーションを促進しやすい環境を提供していると言えます
ただし、注目すべき点として、PDPAのガイドラインでもデータの品質管理の重要性は認識されており、特にAIシステムの信頼性と有効性を確保する観点から、適切なデータ管理を推奨しています。これは、規制の形式は異なるものの、実質的にはGDPRと同様の目的を追求していると解釈することもできます。
私:やはりそうですね。私の理解では、データ保護法制の真の意義は、データに基づく個人に対する決定の適切性確保であり、特に、決定の目的に対して関連性のあるデータ項目しか構成してはならないというOECD第2原則前段が肝だと思っています。それに対し、アジア諸国の個人情報保護法制では、このことを完全に見落としており、シンガポールもその一つだったと記憶しています。
Claude:ご指摘の通りで、大変洞察に富む観点だと思います。
OECD第2原則(目的関連性の原則)は、データ保護法制の本質的な部分を捉えています。この原則は、単なるデータの収集制限を超えて、個人に対する決定の質と正当性を確保するという、より根本的な目的を持っています。
アジアの法制度、特にシンガポールのPDPAの現状を分析すると、以下のような課題が見えてきます:
PDPAの限界:
シンガポールのPDPAは、個人データの収集・使用・開示に関する手続的な規制に重点を置いていますが、データに基づく決定の質的な側面、特に目的関連性については十分な考慮がなされていません。今回のAIガイドラインでも、この視点は十分に反映されているとは言えません。
目的関連性の軽視の影響:
この原則の軽視は、特にAIシステムによる自動化された意思決定において重要な問題を引き起こす可能性があります。関連性のないデータが意思決定に使用されることで、不適切または偏った決定が行われるリスクが高まります。
より深い含意:
データ保護法制を単なるプライバシー保護の枠組みとしてではなく、個人に対する公正な決定を確保するための制度として捉え直す必要があります。これは特に、AIの利用が拡大する現代において極めて重要な視点です。
今後の課題:
アジアの法制度、特にシンガポールのような影響力のある国の法制度が、この基本原則をより明確に認識し、組み込んでいく必要があります。これは、単なる法改正以上に、データ保護に対する根本的な理解と approach の変更を必要とする課題だと言えます。
私:確か、どこかの東南アジアの国の個人情報保護法が、公開情報を除外していたと記憶しています。それは、決定の適切性確保が念頭にないからに他なりません。シンガポールはどうでしたかね。
Claude:シンガポールのPDPAにおいても、公開情報(publicly available information)は法の適用範囲から実質的に除外される形*5となっています。具体的には、組織が合法的に一般にアクセス可能な情報源から個人データを収集する場合、同意を得る必要がないとされています。
この取り扱いは、ご指摘の通り、データ保護法制の本質的な目的である「決定の適切性確保」という観点が欠けている*6ことを示す典型的な例と言えます。なぜなら、情報が公開されているか否かは、その情報を特定の決定に使用することの適切性とは本来無関係だからです。
例えば、ソーシャルメディアに公開されている個人の政治的見解や宗教的信念などの情報は、たとえ公開情報であっても、雇用や与信などの決定に使用することは適切ではない可能性が高いと考えられます。しかし、PDPAの現在のアプローチでは、このような質的な判断の視点が組み込まれていません。
これは、アジアの多くのデータ保護法制に共通する傾向であり、法制度が個人情報の取り扱いに関する手続的な規制に焦点を当てる一方で、その情報の使用が個人に対する決定においてどのような影響を与えるかという、より本質的な問題に十分な注意を払っていないことを示しています。
AIシステムの普及に伴い、この問題はより深刻になる可能性があります。AIシステムは大量の公開データを容易に収集・分析できますが、そのデータが特定の決定目的に対して適切かどうかの判断は、より慎重に行われる必要があります。
この観点から見ると、シンガポールの新しいAIガイドラインも、データの収集と使用に関する手続的な側面に重点を置いており、決定の適切性確保という本質的な課題に対する十分な対応はまだ見られないと評価できます。
私:ですよね。それなのにこのようなペーパーを出してきたことが意外だったのです。
Claude:このガイドラインの公表は、確かに興味深い展開です。シンガポールのデータ保護に対する基本的なアプローチを考えると、やや意外な動きだと言えます。
この背景には、以下のような要因があると考えられます:
第一に、グローバルな規制環境の変化への対応です。EUのAI規則案やその他の国際的なAI規制の動きを受けて、シンガポールも何らかの対応を示す必要があったと推測されます。
第二に、シンガポールのAIハブとしての地位確立への野心が挙げられます。このガイドラインは、AIの開発・利用に関する一定の規律を示すことで、国際的な信頼性を確保しようとする試みと
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2025-01-12
ハインライン雑感
雑感
ある種の作家には歳をとって経験を積み重ねての円熟ということが言いうるのだろうが、少なからぬ作家には未熟だが破天荒な青春期こそが最良の時代であるのではないか、と時々言いたくなる。
SFについていえば結局のところかつてのビッグ3、アイザック・アシモフ、ロバート・A・ハインライン、アーサー・C・クラークについてもそれは顕著なのではなかろうか。晩年のアシモフによるロボットものと銀河帝国ものとの統合にしても、やり残した宿題を片付けようというその律義さは立派であり、実際そこから我々は思想的課題を引き継ぐことができるのではあるが、文芸作品としてまたエンターテインメントとしてアシモフの晩年の作品が面白いかどうかはまた別の問題である。
ハインラインにしてもそれは同様で、70年代ともなれば「巨匠」扱いで分厚いハードカバーの大長編をどんどん出すようになるわけだが、正直言って客観性を欠いたおやじの説教が緊張感を欠いたまま垂れ流されるばかりで読むに堪えるものではない。歳をとって右傾化したとかいう簡単な問題ではなく、ハインラインのタカ派性は50年代の『宇宙の戦士』どころか40年代の「走れ、走路」あたりで既に明確である。そうではなく、その臆面もなく独善的な主張が、世界とぶつかり合って試される緊張感のあるなしが、作品としての価値を決める。
そのような意味でおそらくハインライン最良の作品の一つが、戦後間もなくの中篇「深淵」ではあるまいか。日本でも子供向けの縮約版(『超人部隊』『ノバ爆発の恐怖』等)が複数出回っているので、意外と知られている作品だろう。
単純に言うとこれは冷戦期にはさらに流行した、スパイアクションと超能力を組み合わせた作品であり、その点あからさまな冷戦ヒステリーのカリカチュアである『人形つかい』と似たところが多少なくはないが、展開のサスペンスにしても構造的な深みにしても比較にならない面白さであると個人的には思う。またその後のSFで繰り返されるいくつかのモチーフを大胆に結晶化させた作品でもある。
第一に興味深いのは、当時すでに隆盛しておりハインライン自身も取り上げたこともある「突然変異によって超能力を備えた超人類」というモチーフに、ある意味引導を渡しているというところだ。作中でキャラクターたちは「超人類とは何か?」と問答した挙句、「超能力なんてのはテクノロジーで代替できる程度のもので、もし本当に超人類と呼びうるものがいるとすれば、人類を凌駕した知性の持ち主であるということになるはずだ」という結論に到達している。
第二に、ではそのような超人類と人類との、あるいはエリートと一般大衆との関係は、という問題が次に問われる。腕利きのスパイである主人公は、権力者の指先一本で世界を灰燼に帰す超兵器の秘密を巡る暗闘の中、自分の組織もまた権力者に絡めとられてどうにもならなくなっている中を、権力者を監視する一方で自分に目をつけてもいた超人類の組織に救われ、スカウトされ、訓練されて自らも超人類に成長していくが、その中で抜き差しならない葛藤に直面する。つまりエリートたる超人類と一般大衆たる旧人類とを分けることは「差別」ではないか、ということだ。世界を破滅させかねない技術を手に入れながらそれをうまく制御できない旧人類を、超人類は裏から手をまわして管理する、それは本当に正しいやり方なのか、と自由で民主的な社会に忠誠心を持つ主人公は苦悩する。
結局のところ後年のハインラインはこの苦悩をあっさりと振り捨てて独善に居直る。エリートが大衆を導いてやるのは当然だし、導くに値しないとなれば見捨てて勝手に自分たちでやってよろしい。そういうメッセージを垂れ流して恥じるところがないのが後期のハインラインである。
ある意味で似通った、しかし微妙に異なる展開は「レンズマン」のエドワード・E・スミスにも見て取ることができよう。出世作「スカイラーク」シリーズでリベラルな主人公のシートンの敵役を一貫してつとめる悪の天才科学者デュケーヌは優生主義者のファシストだが、結局血が通って生き生きした魅力を放つのはデュケーヌの方であり、シリーズ完結編で世界を救うのも結局はデュケーヌなのだ。
失われた遺産
作者:ロバート・A・ハインライン
グーテンベルク21
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スカイラーク対デュケーヌ (1968年) (創元推理文庫)
作者:E・E・スミス
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shinichiroinaba 2025-01-12 16:45 読者になる
ハインライン雑感
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2025
2025 / 1
2025 著作権. 不許複製
奄美【写真だけ】
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2025年 音極道茶室(旧アーカイブ)
投稿日: 2024/12/122024/12/12
沖縄社会学会 第7回大会
沖縄社会学会第7回大会のお知らせです。
日時:2024年12月15日(日)9:30~16:00
会場:名桜大学 看護学科棟 講義室1(沖縄県名護市為又1220-1)
開催方式:対面とzoomオンライン配信のハイブリッド
※ 大会に参加する場合は以下のリンクより、申込みください。前日にzoomのリンクを送ります。
※ 参加無料、途中退席/参加可です。
予約申込はこちらからお願いします。
https://forms.gle/go9eEubQGtdUzSBU7
第1部 個人報告(9:30~12:30)
9:30 第1報告
岸 政彦(京都大学)
「人生についての信念――沖縄戦と戦後の生活史から」
10:15 第2報告
玉城 尚美(所属なし)
「A市の人事配置と管理職登用から考察するジェンダー格差」
11:00 第3報告
池尾 靖志(立命館大学 非常勤講師)
「南西諸島における国民保護と住民避難」
11:45 第4報告
石川 勇人(大阪大学 大学院)
「元白梅学徒隊中山きくの記録活動のはじまり――広島在住時代のライフヒストリーを基軸に」
12:30〜13:30 休憩
第2部 シンポジウム/パネルディスカッション(13:30~16:00)
13:30
「米軍統治下沖縄の公衆衛生政策――ハンセン病政策と公衆衛生看護婦制度から」
≪主旨≫
今年、沖縄社会学会が初めて開催される山原に、86年前(1938年)、ハンセン病患者隔離政策の拠点として愛楽園が開設された。戦前から行われていたハンセン病隔離政策は、米軍統治下沖縄においても継続した。愛楽園に隔離されて暮らした人々は、公衆衛生看護婦(以下、公看)が医療や公衆衛生を担った米軍統治下の沖縄の人々とともにあった。
米軍によって性病予防の担い手として1951年に導入された公看は、慢性的な医療人材・施設不足に悩まされていた沖縄において、地域医療の重要な担い手となった。占領下沖縄では1950年代〜60年代にかけて結核が蔓延しており、公看の業務の多くも結核に関するものだった。公看の仕事のハンセン病患者に関する割合は少なかったが、ハンセン病隔離政策において、公看が果たした役割は大きい。
本シンポジウムでは、米軍統治下沖縄におけるハンセン病政策及び公衆衛生看護婦制度を、米軍統治の歴史や冷戦の文化政治という世界史的文脈に位置づけて示した上で(増渕)、愛楽園の歴史を概観し、ハンセン病患者・回復者・家族にとってハンセン病政策がどのような経験であったのか検討する(鈴木)。こうした作業を通して、米軍と衛生政策の関係という現在にも続く問題を考えるための視座を提示する。
報告
増渕 あさ子 (同志社大学政策学部助教。専門は沖縄占領史・医療史)
鈴木 陽子 (沖縄愛楽園交流会館学芸員、立命館大学生存学研究所客員研究員)
進行
山城 紀子 (ジャーナリスト 元沖縄タイムス記者)
16:00 終了
沖縄社会学会 第7回大会
2024年12月
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Nov. 2024
Last Modified: Thu Nov 21 21:39:07 UTC 2024
さむっこ 2024-11-22 [Fri] 06:35
ゲームジャムにはどうにか参加できたが、
それ以外のことをする時間はまったくない
(趣味という意味で)。
これは他の親の方々も同じようである。
ちなみに職場には同じぐらいの子供をもつ親が沢山いるので、
そういう意味では話題にこと欠かない (しかし彼ら自身はオレよりも全然年下だが)。
最近、ひさしぶりに Python 書いたらさあー、
class A : B
fun foo():
print()
みたいに書いててがっかりしたよ。
よくないな。
それにしてもこの部屋は寒い。ぶごっぷ
Document ID: 601a365e59e336e74c84af0500853138875b0cd5
【完了】10月28日(月)6:00-7:00 データベースメンテナンス実施に伴うはてな各サービス停止についてのお知らせ
2024.10.20
国立衛研創立150周年&旧庁舎跡地
厚生労働省の研究機関である国立医薬品食品衛生研究所は、明治7年(1874年)に「東京司薬場」として発足しました。日本で最も古い国立試験研究機関だそうです。今年は創立150周年に当たるため、いくつかの行事が催され、10月18日に締めくくりのシンポジウム・記念式典・祝賀会が開かれました。公式サイトはこちらです。
創立150周年記念特設サイト
私は1987年から2003年まで国立衛研大阪支所に勤務したOBとして、10/18の一連の行事に参加しました。記念式典と祝賀会は非公開だったのでここに書くのは控え、シンポジウムについてのみ書きます。
記念シンポジウム「創立150周年を迎えた国立衛研のレギュラトリーサイエンス 最新動向と展望」はライブ配信されました。アーカイブ動画は引き続きYouTubeで公開されています。
創立150周年を迎えた国立衛研のレギュラトリーサイエンス 最新動向と展望(YouTube)
シンポジウムの構成は、①川西徹名誉所長による150年間の歴史紹介、②本間所長による研究所の現状紹介、③室長4名による最新研究の紹介、というものでした。
川西名誉所長の講演によれば「レギュラトリーサイエンス」の語は元々海外にあったそうですが、日本国内で現在のように使われた初出は、なんと労働組合の機関紙だったそうです。1987年に、後の内山充所長(第21代)が「衛試支部ニュース」紙上で提唱されたそうです。
このことも含めてシンポジウムでは「レギュラトリーサイエンス」について多く語られ、改めてこの概念が現在の国立衛研の指針になっているのだなと感じました。
国立衛研が社会的に注目された最近の事件といえば、紅麹含有サプリメントによる健康被害の原因究明です。これについては本間所長の講演で取り上げられました。上記リンクの動画の中で、国立衛研の取り組みのまとめは1:37:27から2分間程度、詳しい分担状況は各部紹介の中で、1:14:50付近から約16分間述べられています。
健康被害の原因物質究明・プベルル酸の大量合成・動物実験・既存文献の調査など、化学分析も有機合成も毒性試験も情報部門もそろっている研究所だから迅速に連携して対処できたことがわかりました。
国立衛研は2017年に世田谷区から川崎市へ移転しましたが、旧庁舎の正門脇にはメタセコイアの木がありました。かつて大阪支所にもメタセコイアの木があり、それは本所のメタセコイアの予備だと言われていました。なぜそんなにメタセコイアが大事にされるのか不思議でしたが、実は創立100周年の記念に常陸宮ご夫妻により植樹された木だったと、初めて知りました。
そのメタセコイアは落雷のために腐食し、川崎への移植は断念されたそうですが、労働組合支部(旧)の残資によって幹の一部がモニュメントとして残されたそうです。それはエントランスに置かれていました。また、同様に切り出された木材から作られたメモスタンドが、記念式典参加者に記念品として配られました。
その旧庁舎跡地についても書いておきます。私が2019年に旧庁舎を訪ねたときにはまだ建物や樹木はそのまま残っていました。
東京へ転勤&国立衛研旧庁舎(2019.05.12)
今回のシンポジウムが始まる前にまた行ってみました。建物も樹木もすっかり取り払われてフェンスで囲まれていました。現在は東側擁壁撤去解体作業中だそうです。見た目はほぼ更地ですが、シンポジウムでの本間所長の講演によれば、まだ埋蔵物(文化遺産ではない)の撤去があるため、工事完了は令和9年の見込みだそうです。
その後に何ができるかについては、お話はありませんでした。
工事車両が大きなゲートを出入りしていました。
工事期間を知らせる看板。
ほとんど更地に見えますが、辺縁部の樹木は少し残されている?(南側より)
完全な平地ではなく、少し高低差があるようです。(西側より)
郵政創業150年(2021)、鉄道開業150年(2022)、気象業務150周年(2025)など、明治1桁から150年に当たるここ数年は○○150年が続きます。数えればきりがないでしょうが、その一つの祝賀行事に参加して、西洋式の近代化に尽力した先人へと、私も思いを致すことができました。
ふとした言葉(2024/10/12)
深く続けて眠るという人間にだけ与えられたギフトを大事にしてほしい
-柳沢正史「人はなぜ眠るのか」(2024/10/12 朝日新聞夕刊、インタビュー記事)より-
更新を通知する
個人情報保護方針|パーソナルデータの外部送信に関するポリシー|サイトマップ
2024-09-05
2024年の活動
2024年、日々の編集・組版以外の活動は以下のとおり。
────────────────────
■ 2024年1月
◉Human Powered 訳文改善講座
2024年1月6日(土) 19:00〜23:00
開催場所:オンライン(Zoom)
主催:Human Powered Academy
・翻訳編集入門──英文法のメガネで日本語を見ない
講師:川月現大(風工舎)
・おかしな翻訳はなぜ生まれるのか―その原因と改善のヒントを探る
講師:舟津由美子(翻訳者、翻訳学校講師)
・ディスカッション「訳文と悪訳について考える」
www.word-connection.jp
◉言語学フェス2024 2024年1月20日 オンライン開催
C30 川月現大 語義の構造──ブランチ分けをめぐる諸問題について
※ちなみに、「ブランチ」は、分類された各語義のことです。「曖昧=1. 多義 2. 切れ目が不明」だと2つのブランチになります。
sites.google.com
■ 2024年5月
Human Powered 訳文改善講座
2024年5月5日(日) 19:00〜23:00(途中休憩あり)
開催場所:オンライン(Zoom)
主催:Human Powered Academy
プログラム:
・課題の翻訳に必要な重要ポイントの説明、課題講評+補足説明
・ディスカッション
講師:舟津由美子(翻訳者、翻訳学校講師)
・編集サンプルの提示および解説、翻訳編集入門(機械翻訳原稿との戦いなど)
講師:川月現大(編集者、風工舎)
www.word-connection.jp
■ 2024年7月
フェロー・アカデミー、カレッジコース、2回連続講義
特別講座「翻訳者のための日本語講座──日本語文法を翻訳に生かす」
開催⽇:2024年5⽉14⽇(⽕)、5⽉21⽇(⽕)各⽇15:15~17:15
場所:ハイフレックス(Zoom、対面)
内容:「は」と「が」、テンスと文末表現、多義語(意味拡張)、(辞書の)語義の構造、など
■ 2024年8月
CDシンポジウム2024 8月27日(火)14:30-15:30
CD44 【研究発表】技術文書のターミノロジー
〜曖昧な用語と不適切な用法の改善方法~
内容:語の意味分析に使えるツールについて紹介。受身文(受動態)の使い方については、『日本語スタイルガイド』よりも詳しく説明。また、スタイルガイドの記述方法についても言及した。
場所:オンライン(Zoom)
主催:テクニカルコミュニケーター協会(JTCA)
発表資料(改訂版):
jtca-web.com
editech 2024-09-05 12:16 読者になる
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