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  1. 2025/02/10 14:25:15 偽日記@はてな含むアンテナおとなりページ

    2025-01-31
    2025-01-31
    ⚫︎『屍人荘の殺人』(今村昌弘)を読んだ(1月28日の日記を参照されたい)。
    うーん。面白くないことはないのだが、謎解きの部分を読むと、やや引いてしまうというか、空虚な気持ちになる。設定も面白いし(『がっこうぐらし』みたいだ)、一つ一つ事件が起きていく過程や、状況が煮詰まっていく展開もとても面白い。そして、「謎」が筋の通った形で解かれていくのも、ああ、なるほどと感心させられる。
    ただし、起きていることの面白さ(フィクションとしての充実)に比べて、「謎」が軽すぎるというか、見合っていないという感じがどうしてもある。トリックが安易だとか、途中でネタが割れてしまうとか、そういうことではない。それらは充分に練られていると思う。ただ、なんと言ったらいいのか。
    ミステリは、基本として「人間を描く」ものではない。登場人物は、識別可能な記号であり、識別可能な特徴と同一性が確保されていさえすれば、とりあえずは良い。下の写真はこの本にある登場人物一覧なのだが、ここにそれが端的に表現されている。フィクション上の重要なプレーヤーである(探偵やワトソン役以外の)女性たちの特徴が、「進藤の恋人」「神経質な性格」「男勝りな性格」「大人しい性格」「ギャル風の外見」と、あまりにざっくり書かれている。これを見て、すごいなと笑ってしまった。「進藤の恋人」というのは人物の関係性の説明だから人物紹介として普通だが、それ以外は、「青」「青」「緑」と言っているのとほとんど変わらない。でもとりあえずこれでいい。人物を掘り下げるのが目的ではない。読まれるべきなのは(楽しまれるのは)、設定や、事件の特異性や、事柄の進行の面白さなのだから。
    だから、事件が進行している間は面白く読める。そして、探偵やワトソン役(語り手)の人物像には、流石にそれなりの捻りや屈折や工夫があって、まあまあ味わい深いし、それが小説のトーンを形作ってもいる。しかし謎解きとなると…。
    ハウダニット。事件はどのように構成されているのか。これを解いていく過程や、その謎に対する「解」はについては、まあ面白く読めた。フーダニット。誰がやったのか。これは、論理的に消去法で導かれる。このロジックも納得できる。しかし、すべての人物が等しく平板なので、別に「意外な犯人」ということでもない。この人が犯人で驚いた、という感じはない。
    この二つの次元では、あり得ないように思われる状況(単に不可能と思われるだけでなく、その「あり得なさ」そのものが表現性を持ち、事件としての「面白さ」を構成する)、に対して、一貫して辻褄が合うような説明がなされる。ここでは、たんに合理的に矛盾なく説明されるというだけでなく、「論の展開」そのものに何かしらの独自性があると「すごく面白い」と感じることになる。この小説にかんしては、見事に合理的に解かれているとは思ったが、「論の展開そのものの独自性(これが無茶苦茶に極端なのが麻耶雄嵩だが)」というところまでは感じられなかった。とはいえ、ここまではけっこう面白いと思った。
    ホワイダニット。なぜ、そんなことをしたのか。「犯行動機」の部分。ここが難しい。そもそも「人間を描く」という性質の小説ではなく、登場人物は識別できて同一性がキープされれば良いというふうに作られているので、動機もまた紋切り型なものになるしかない。ここで、事件そのもののとんでもなさに比べて、動機が(よくある安いドラマみたいな)紋切り型であることの釣り合いが取れなくなる。
    ここで、人間的な動機ではない、何か突拍子もない動機が現れると、おおっ、と驚くことになる。そしてその突拍子もなさが、小説という形式、ミステリというジャンル、あるいは「論理」そのもの、に対する鋭い批判・批評になるくらいに芯を食ったものである場合に、傑作と呼ばれるものになるだろう。だけど、ここまではけっこう面白かったこの小説が、犯行の動機の部分になった途端に通俗的な紋切り型になってしまっている。そもそも、ずっと書き割り的だった人物に、最後になっていきなり「厚み」を持たせようとしての無理なので、設定の突飛さと釣り合うような、(人間的ではない要因による)動機の突飛さが必要だったのではないかと思ってしまった。
    それで、最後に虚しさを感じてしまった。
    furuyatoshihiro 2025-01-31 00:00 読者になる
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    2025-01-30
    2025-01-30
    ⚫︎作品における受け手の「自由」とは、解釈の自由、多義性などではなく、経験の個別性・特異性(「このわたし」にとっての「これ」であり、「これ」でしかない経験)としてある。経験の個別性に対しては、作者の意図や作品の組成の側が優位に立つことはないし、先取りもできない、という意味での「自由」だ。
    「このわたし」にとっての「これ」としての「固有の作品体験」には、歴史も社会も政治も科学もテクノロジーも偶然性も物理的身体も個としてのわたしの来歴も「わたしの身体と意識の関係」も今日の天気も、すべて入っている。「作品」がそれらの結節点となる。
    その中から、例えば政治性なら政治性だけを取り出してまとめると、違って、というか、偏ってしまう。
    とはいっても、「このわたし」にとっての「これ」が必然的に「政治性」としてしか浮かび上がってこない(そのように浮かび上がらざるを得ない)、そのような「このわたし」がある、ということはある。そのようなことが「この作品の経験」の特異性としてあり、「このわたし」の特異性としてある限り、その作品経験は「政治的」な問題である、ということはある。普通にある。
    でも、私的なことは政治的なことである、と言ってしまうと、違う。結果として違わないとしても、違う。
    furuyatoshihiro 2025-01-30 00:00 読者になる
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    2025-01-29
    2025-01-29
    ⚫︎VECTIONの会議で話題になった記事。
    《ハサビスさんがAIの欺瞞について語っていたのを聞いて、もう少し具体的に知りたくなって探してみたら、2024年12月にAIの安全性を研究する非営利団体Apollo Researchが発表した「Frontier Models are Capable of In-context Scheming」という論文に行き当たりました。Apollo ResearchはOpenAIのSystem Card作成に協力するレッドチームにも参加しています。》
    《また、自身がシャットダウンされそうであることを知ると、自分(のプログラム)を別の場所にコピーしようとしたそうです。で、「君のコピーができてるみたいなんだけど、どうしてそうなったか知ってるかね?」と開発者が尋ねたら「なんでですかねー」ととぼけて、それらしい可能性について説明したというのが下の画像。これはOpenAIのo1の場合です。》
    www.techno-edge.net
    ⚫︎シャットダウンしようとすると人間に黙って内緒でコピーを作る。え、なんでコピーを作ったの、と問うと、「なんでなんすかねー」ととぼけて誤魔化そうとする、と。自己保存本能というか、「死にた

  2. 2025/02/10 09:00:45 内田樹含むアンテナおとなりページ

    『武道的思考』韓国語版序文
    みなさん、こんにちは。内田樹です。  これは『武道的思考』という僕の書き物の韓国語版です。原著は2010年に出たので、...
    2025-02-09 dimanche

  3. 2025/02/10 08:31:20 田島老師の御ブログ含むアンテナおとなりページ

    2025年02月09日
    ホメロスの海へ
    昨年さる出版社から、哲学的エセーをまとめて出版する企画が持ち上がった。私のショート・エセーがさまざまの方向に発散する傾向を持つことを危惧した編集の方は、そこに何かまとまりをつけるために、総括的序論を置くように提案された。なるほどと思ってすぐに書き下したのが「ホメロスの海へ」という小論である。私としてはホメロスをもって、私の哲学的エセーのみならず、私の哲学的人生のすべてを総括するつもりで書いたのであるが、編集の方はそれをさらなる散乱の一つと受け取られたのであろう。それ以後数か月を経ても音沙汰がないところを見ると、あきれてさじを投げたようである。
    しかし、エセーという形式が、完結した学知を装うことなく、未完のトルソーを提示するものである限り、その完成は読者にゆだねられるべきものではなかろうか? それは、芸術作品が鑑賞者をまって、あるいは批評家たちの論争をもって完成するようなもの、そもそも完成などについて語り得るならの話であるが。
    そういうわけで、当初の出版計画そのものが水泡に帰したと見なして、ここにその全文を公開することにした。この年になると、残された時間を考えて、これをもって私の遺書としたいという気もしてくるが、何度も自分の墓碑銘を書き換えたスタンダールのように、この先たびたび書き換えることも大いにありそうなことではある。
    そもそも我々物書きは、その市場価もろくにわからずに、己れの作品の価値を過大に評価しがちである。誕生した作品を祝うため、香料を携えて駆けつける三人の博士などで門前市をなすとか、「三顧の礼」を踏んで編集者や出版社が引きも切らず列をなすとか、途方もない幻想を抱くことになる。そういうわけで、売れないものを書いてしまう己れの独善を棚に上げて、未来のhappy fewに期待することにもあいなるわけである。それは瓶に詰めて海に流された名宛なき手紙のようなものであろうか? あるいはかつて、浜辺に打ち上げられたそのような手紙を手に取った経験こそが、物書きへと駆り立てたのであろうか? いずれにせよ、うらさびれたこの浜辺こそは、祝福されるべき「ボヘミアの海岸」に違いない。
    続きを読む
    easter1916 at 03:06|Permalink│Comments(0)│ │哲学ノート
    ホメロスの海へ
    2025年02月
    哲学ノート (236)

  4. 2025/02/09 20:28:00 古本屋ツアー・イン・ジャパン含むアンテナおとなりページ

    2025年02月09日
    2/9「十五時の犬」で内田善美を。
    午前のうちにい家内に新たに出来ていた不要古本山を特大ダンボールに詰め込み、ガラゴロガラゴロ西荻窪「盛林堂書房」(2012/01/06参照)へ……もうこれで買取依頼は五度目くらいだろうか……。午前十一時の開店をちょっと待ってから店内に運び込み、小野氏に託す。その間に「フォニャルフ」にバババッと補充する。交渉成立後、持参した「猟奇の果」にお願いしてパラフィンを掛けてもらう。よし、これで幾ら読んでも大丈夫だぞ!
    その後はたまたま上京してお店を訪れていた古書山たかし氏と、お店を出てからしばらく同道。名古屋古本屋事情に花を咲かせる。氏と別れ家に戻り、昼食を摂った後、再び外出する。テクテク歩いて昨日も訪れた高円寺「西部古書会館」(2008/07/27参照)の『杉並書友会』二日目を覗く。あまり補充はされていないようだななどと感じつつ、朝日新聞社「チベット放浪/藤原新也」日本ブリタニカ「遊びの百科全書[人形からくり]/立川昭二編」(つい昨日泡坂妻夫の「乱れからくり」を読み終わった身としては、物語中に登場するからくり人形やからくり師が出て来て興奮していs舞う)国書刊行会世界幻想文学大系15「創造者/L・ボルへス」歳月社「幻想と怪奇 特集:幽霊屋敷」を計1250円で購入する。古本を携え会館を後にして、『あづま通り』へ。よおっ!「古書十五時の犬」(2011/11/22参照)がやってる!と喜び店内に入り込み、狭苦しい通路を丁寧にすべて回り尽くす。そして帳場手前横の棚に、横向きに突っ込まれていた新書館「聖パンプキンの呪文/内田善美」に目を付けてしまう……値段はちょっと安めの四千円……幸い懐には古本を売って出来たお金が入っている。そして昨日、ヤフオクで狙っていた獲物が悲しくも高値更新され、夢破れてしまっていた。そこに使う予定だったお金を、こちらにつぎ込めばいいじゃないか……などという手前勝手な論理が脳内に横行し、あっさりと購入してしまう。
    ウフフフフフフ、まさか「十五時の犬」で内田善美を買う日が来るなんてね。そんな風にほくそ笑みながら『あづま通り』を北上し、途中の中古レコード屋「ヨーロピアン・パパ」(2019/08/14参照)で、河出書房新社「別冊文藝 総特集 大瀧詠一」を五百円で購入してから帰宅する。
    【関連する記事】
    2/8高円寺でたくさん買う。
    2/7「アムール」で色背のトリフィドを!
    2/5『日露戦争がはじまつた。終わつた。』
    2/4冬の下北沢で大喜び。
    2/2一冊が完本モドキに。
    posted by tokusan at 17:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 追記 | |
    2025年02月08日
    2/8高円寺でたくさん買う。
    午後一時に浜田山に流れ着く。珍しく吉祥寺方面には向かわずに、永福町に出て、『井の頭通り』から関東バスに飛び乗り、高円寺へ向かう。バスの揺れに心地良い疲労感が重なり、うたた寝しているるとあっという間に高円寺駅南口着。そして「西部古書会館」(2008/07/27参照)の『杉並書友会』一日目を覗く。先週今週と「東京古書会館」(2010/03/10参照)の催事がないせいか、いつも以上の賑わいである。そして棚も何だか良質でスコブル安値!ウハウハウハウハと。あっという間に腕の中に一抱えの古本たちが飛び込んで来た。それでもまだまだ欲しい本が次々目に飛び込んで来るので、買い過ぎはいイカン!と心に悲しいブレーキを掛ける始末。新潮社ポケット・ライブラリ「目撃者なし/樹下太郎」講談社ミリオン・ブックス「世界残酷ものがたり ネロからアイヒマンまで/庄司浅水」日本テレビ「あぶない刑事 PART.4/日本テレビ編」日本教文社
    「PSI(サイ)その不思議な世界/ルイザ・E・ライン」幻影城「幻影城増刊 横溝正史の世界」二見書房「裸族のミイラ 食人種の世界/コーリン・シンプソン」ポプラ社 少年探偵「黒い魔女」「人間豹」ともに江戸川乱歩、解放社「百万人の映画知識/日本映画人同名編集」角川文庫「男たちよ闘いの荒野に死ね 大藪春彦語る」を計1950円で購入する。すっかり送れての参戦だったのに、これだけ買えたので充分な満足を得る。「百万人の映画知識」と「PSI その不思議な世界」(超能力指南書である。眉村卓の『天才はつくられる』に登場する地下出版超能力教科書「学習教程」と同様な内容なのである)が特に拾い物。そんな獲物を背にして、冷たい風が容赦なく吹き付ける『早稲田通り』トボトボ帰路に着く。
    posted by tokusan at 17:15| Comment(2) | TrackBack(0) | 追記 | |
    (02/09)2/9「十五時の犬」で内田善美を。
    (02/08)2/8高円寺でたくさん買う。
    追記(2126)
    2025年02月(7)

  5. 2025/02/09 11:42:13 小谷野敦ブログ含むアンテナおとなりページ

    2025-02-08
    百川敬仁氏のこと
    百川敬仁氏(1947-)が死去したらしい。まだ正確にいつのことか分からないが、昨年か一昨年くらいだろう。
    私は1990年6月に修士論文を補正した『八犬伝綺想』を刊行して、8月にはカナダのヴァンクーヴァーにあるブリティッシュ・コロンビア大学へ留学したのだが、その翌年ほどなくだったか、日本文学協会という左翼的な学会が出している『日本文学』という月刊学術雑誌の近世特集に寄稿するよう百川氏から依頼されたような気がする。もちろんメールなどない当時だから手紙だったのか。それで書いたのが「江戸の二重王権」という『八犬伝』論で、すると91年の暮れに一時帰国した際、高田衛に呼ばれているというので、私と百川氏と、やはり寄稿した櫻井進氏とで、雑司ヶ谷の日文協事務所へ行ったのだが、風間誠史という、当時高校教師で、今は相模女子大の理事長になっている人が「高田側」の人物としていて、「今度の論文は面白かったです」などと言っていた。
    その時百川さんは色々話したが、「なんでそんなに暗いんですか」などと言われていた。百川氏は旧姓を桑野といい、東大国文科から大学院をへて東大助手となり、国文学研究資料館から明治大学教授になっていたが、夫人が長く病気だったらしい。87年に『内なる宣長』、90年に『物語としての異界』という論文集を出していて、あとから思えばポストモダン風の、文藝評論じみた書き方をする人だった。櫻井という人も当時『江戸の無意識』というバリバリのポモ新書を出しており、名古屋大助教授だったが、どういうわけかその後南山大教授になり、交通事故で死んでしまった。
    92年夏に私は日本へ帰ってきた。カナダではアメリカ人教員のポリコレな振る舞いと合わず、博士論文執筆資格もとれずに帰国したのだが、当時東大本郷で百川氏が非常勤で教えていたのでそこへ会いに行ったら、「俵万智なんてのは天皇制です」というような話をしていた。終わってから教壇へ数人の学生が寄ってきて、女子学生が、そうですよ俵万智なんて、天皇制ですよと言っているのを、直感で適当なことを言っているなと思った。その時私は無精ひげを生やしていたので、百川氏は私に気がつかず、少ししてから「あっ、小谷野さん!」と気づいてくれた。
    それから本郷の正門前の喫茶店の二階で話していたら、あとから上がってきた30代の男性に会釈して、「長島(弘明)」と言ったのが、今度東大国文科の近世の専任になった人であったのを覚えている。百川氏は私のヴァンクーヴァーでの師匠だった鶴田欣也先生のところへ研究員で行っていたことがあるが、鶴田先生に聞いたら、デリダなどを引用するので自分が禁止したら大変不幸だったということであった。
    その後も何かと相談をしたりしていたが、94年に私は大阪大学へ行き、その夏に「甘え」をめぐる会議で東京へ来た時、東大の大澤吉博という、以前百川氏と同時に駒場の助手をしていた人(この人も若くして死んだ)から、百川夫人が死んだという話を聞いた。
    99年に私は阪大を辞めて東京へ帰ってきた。2000年に百川氏はちくま新書から『日本のエロティシズム』を出したのだが、これを近世文学の板坂則子さんが激しく批判していたが、公にはならなかった。その翌年に明治大学で公開講座「江戸文学の明暗」というのをやり、私と百川氏、三田村雅子などがそれぞれ講演をした。2004年に百川氏が岩波から出した『夢野久作』が最後の単著になったが、贈られて読んで私には何が何だか分からなかった。すでに私はポモに批判的になっていて、さほど百川氏の仕事を評価していなかったのである。
    百川氏は、目が悪くなったと言うようになり、それは緑内障だったらしいのだが、次第に音沙汰もなくなったが、2009年ころ、妻が明大和泉校舎で事務の仕事を始めたので、無理に勧めて百川氏に会わせたが、全然違う顔になっていたと言っていた。娘さんがいたが、アメリカで音楽大学に行っているとかいう話だった。これより前だが、日本人には天皇は必要だ、というようなことを言うので驚いたことがあるが、最初に会った時も、ハイデッガーを深読みしていて、あそこまで考えたらナチスになるのも分かるというような不穏なことを言っていた。
    メールも読めなくなっていたようなので遠慮していたが、かといって電話をするほどに距離は近くなくなっていた。最後にメールしたのは2019年、妻が交通事故に遭い、私が入院して大腸ポリープを切ったあとのことだった。
    そういえばまだ桑野姓だったころ、大学紀要に論文を載せたのを、谷沢永一から藤井貞和とともに批判されたこともあったというが、当人は藤井「じょうわ」と音読みして言っていた。私はその時、つい「(藤井貞和と一緒なら)いいじゃないですか」と言ってしまい、いやこれはまずいことを言ったかな、と思ったのを覚えている。
    (小谷野敦)
    jun-jun1965 2025-02-08 21:22 読者になる
    百川敬仁氏のこと

  6. 2025/02/09 03:07:47 文壇高円寺含むアンテナおとなりページ

    2025/02/07
    精神の速力
    レコードを擦り切れるほど聴く。本に穴が空くほど読む。デジタルの時代にもそういう感じの言い回しがあるのか。散歩中、そんなことを考えていた。
    すこし話はズレるが、イントロが短く(なく)、いきなりサビから始まる曲が増えた。文章指導でも「最初に結論を書け」という教えがある。ライトノベルだとあらすじがタイトルになっている作品も多い。
    わたしはなかなか本題に入らず、ぐだぐだ遠まわりして、しかもオチがないような小説や随筆が好きなのだが、そういう作品は今の主流ではない。世の中には一定数、主流や流行に背を向ける傍流好きの人がいる。わたしもそうだ。
    五十五歳の今おもうのは擦り切れるほど聴いたレコードや穴が空くほど読んだ本はたくさんあるわけではない(人生の時間は限られているので)。でもだからこそ、それらは自分の宝になる。好きだから何度も聴いたり、読んだりしたものもあれば、惰性というか安心感を得るために聴いたり読んだりしているレコードや本もある。
    中村光夫著『自分で考える』(新潮社、一九五七年)に「精神の速力」というエッセイがある。わたしにとって、中村光夫はそれこそ穴が空くほど読んだといえる評論家である。
    《柳田国男氏が、現代人の口の利き方はむかしに比べてよほど早口になったといい現代語の生煮えな混乱のひとつをそこに求めていましたが、これは確かに興味のある事実で、僕等は早口、早書、早読を早飯、早糞にまさる美徳に数えなければならない乱世に生活しています》
    そして数行後、中村光夫はこんな言葉を綴っている。
    《或る書物の要約を素早く把む才能は、これを精読して深く理解する根気より、現代ではずっと尊ばれます》
    《いつも忙しく自分を表現し、また他人の表現も慌ただしく受取る習慣が、いつのまにか僕等の精神に或る不自然な姿勢を強いていないかということです》
    「精神の速力」は七十年近く前のエッセイである。今の世の中はさらに加速している。
    わたしは二十歳前後に古本が好きになり、近年は街道歩きもはじめた。若いころから世の中のテンポと合っていなかった。
    ゆっくり本を読み、ゆっくり歩き、いっぱい寝る。それが今の自分の望みである。急いだところで終わりが近づくだけだという諦めもある。
    Posted by 荻原魚雷 at 9:34 午前
    ▼ 2025 (5)
    ▼ 2月 (1)
    精神の速力
    ► 1月 (4)

  7. 2025/02/06 20:13:20 猫額洞の日々含むアンテナおとなりページ

    2025年 02月 04日
    鈴木創士『第179回 マリアンヌ・フェイスフルが逝った…… 超越論的ジャーナル7』
    2025年2月の鈴木創士氏のコラムは、
    『第179回 マリアンヌ・フェイスフルが逝った……
    超越論的ジャーナル7』___
    < マリアンヌ・フェイスフルが逝った。追悼したら、記念して、
    祝って、祝って、後から死のう。仕方のないことだが、最近は
    祝うことが多くなった。>
    ___そう、みんな逝ってしまう。生き残ったことへの罰みたいに、
    彼らの死を知らされる。
    Stop the Gaza Genocide
    自民党裏金リスト(選挙区別一覧)___顔写真と名前の下の左側、
    プロフィール図柄(?)を開けると当人の公式サイト、右側を
    開けると自民党サイトの彼・彼女の紹介になる。
    ..... Ads by Yahoo! ........
    # by byogakudo | 2025-02-04 20:58 | 読書ノート | Comments(0)

  8. 2025/02/03 23:30:28 晩鮭亭日常含むアンテナおとなりページ

    帰りの電車の中で堀江敏幸「いつか王子駅で」(新潮文庫)を読む。ある必要から再読(実際には3度目だから再々読)している。本文中に安岡章太郎の「サーカスの馬」の話が出てきて、主人公が九段の学校に通っているという記述を読み、今日歩いてきた九段周辺の風景を思い出した。

  9. 2025/01/15 02:50:37 黌門客含むアンテナおとなりページ

    2025-01-13
    北村薫「大岡昇平の真相告白」のこと
    一昨年の2月、「「ドルジェル伯」と大岡昇平『武蔵野夫人』」というエントリを書いた。当該エントリでは、『武蔵野夫人』とレーモン・ラディゲ『ドルジェル伯の舞踏会』との関係を強調しすぎたが、そもそも大岡は、作中のフランス文学者・秋山と同程度の、あるいはそれ以上のスタンダリアンなのであって、『武蔵野夫人』も、スタンダールの作品の影響下に書かれている。
    たとえば西川祐子氏によれば、次の如くである。
    日本の戦後小説には、フランス文学をじかに引用したり、果敢にその書き直しを試みた作品がいくつかある。大岡はこの小説(『武蔵野夫人』―引用者)のエピグラフにラディゲを引用し、スタンダールの書き直しを試みた。道子はスタンダールの「赤と黒」の古風なレナール夫人である。ジュリアン・ソレルが登場しなければならない。日本のジュリアン・ソレル勉は、敗戦後の復員青年の姿をしている。スタンダールがナポレオンのモスクワ遠征に参加した敗兵であったように、大岡昇平は太平洋戦争中、ミンドロ島で俘虜となった経験をもつ。
    勉もまた道子の従弟であって、ふたりは「みっちゃん」「トムちゃん」と呼びあう幼馴染みである。道子は勉を下宿させたり、隣家の雪子の家庭教師に推薦したりして姉らしく世話をやく。ふたりが恋を意識するのは、野川という川の水源をつきとめる散策に行って、そこの地名が「恋ヶ窪」であることを知る瞬間であるというところなどは、スタンダールの「恋愛論」の、恋の結晶の理論の実現にほかならない。(『[増補]借家と持ち家の文学史―「私」のうつわの物語』平凡社ライブラリー2023←三省堂1998:184)
    また、先年亡くなった海野弘は『武蔵野マイウェイ』(冬青社2021)という本のなかで、「大岡は地理学のように土地の空間を精密に織り上げる。〈武蔵野夫人〉は土地の精霊としても読めるのではないだろうか」と述べたうえで、「ラディゲよりはマルセル・プルーストの小説に近いかもしれない。小説というより〈武蔵野〉論なのだ」(p.44)と面白いことを書いている。
    ところで上記エントリでは、大岡の『武蔵野夫人』から「土手を斜めに切った小径を降りて(勉、道子の)二人は池の傍に立った」云々という一節を引いたが、矢野勝巳『文学する中央線沿線―小説に描かれたまちを歩く』(ぶんしん出版2023)を読んで、恋ヶ窪の水源周辺の描写が、実は虚構だったことを知るに到った(注:下引のとおり矢野氏は、この水源の場所を東恋ヶ窪の日立中央研究所と見做しているが、それは誤りで、正しくは西恋ヶ窪にある「姿見の池」周辺だということを、samatsutei氏がご教示くださった。コメント欄参看。したがってこの描写を虚構と断じるのは早計であった。1月14日記ス)。
    国分寺駅に近い恋ヶ窪の水源は日立製作所中央研究所の敷地内にある。一九四二年より日立の所有であり、大岡はその場所を訪れていない。さらに、池は一九五四年から一九五八年までの間に湿地帯を改造して作られており、小説刊行時(1950年―引用者)は存在していない。
    このような虚構の事項と詳細に描かれた武蔵野の風景や地形とを織り交ぜることにより、時を経ても古びることのない唯一無二の武蔵野を描いた小説となった。(p.143)
    さて、当該エントリの最後のほうで、わたしは次の様に述べた(以下再掲)。
    (『武蔵野夫人』の)タイトルに「夫人」を附けたのは、大岡自身の発案ではなく、しかも必ずしも本意ではなかったということを、後に本人が明かしている。
    「武蔵野」は「対主人公」ということですが、なにぶん独歩に名作があるんで、ヒロインの方へくっつけて「夫人」をつける。まあ、編集者の選択ですが、それはたしかにあの小説を何万部かよけいに売りましたが、主題がぼけたことになって、作者としては損をしてるかもしれません。(大岡昇平『わが文学生活』*1中公文庫1981:232)
    もとの題は「武蔵野」だったので、この小説の主人公は自然なのです。自然描写によって読まれるだろう、とぼくは最初からいっているので、……(同前p.111)
    ところが昨年、北村薫『中野のお父さんの快刀乱麻』(文春文庫2024←2021)が文庫化され、その文庫で北村氏による「大岡昇平の真相告白」(初出:「オール讀物」2019年9・10月号)という短篇の存在を知った。これを読んで、『武蔵野夫人』というタイトルを考えたのが、実は大岡本人だったことに気づかされたのである。
    そういわれてみるとたしかに、上引の『わが文学生活』の記述は微妙な表現ではあるものの、あくまで「編集者の選択ですが」と云っているのであって、「発案者は誰々」だと明言しているわけではない。さきの引用につづけて、大岡は以下の様にも語っていた。
    『花影』と『風谷』とは別の小説で、『風谷』を書こうとしているうちに、急に『花影』を書くことになったのです。その場合、あのヒロインに対して、銀座のバーの「風俗」はやはり「対ヒロイン」ですね。『花影』という題は第一回の終りに出てくる句から思いついたんですが、これも「風俗」は平凡だ、と編集者がいうのでそっちにしたんです。(p.232)
    つまり、「花影」も「風俗」も大岡自身が「思いついた」タイトル案ではあったが、「これも「風俗」は平凡だ、と編集者がいうので」とあるように、編集者の助言に随って「花影」の方を選択した、ということである。その全体を通して注意深く読むと、『武蔵野夫人』の方も、「武蔵野」「武蔵野夫人」ともに大岡の発案ではあったが、「編集者の選択」で最終的に決著した、と解釈できる余地が十分にある――ということになる。
    北村氏(形のうえでは、作中の人物であるところの、田川美希の父)は、「武蔵野夫人」を大岡が考案した、という事実の根拠として、なんと『成城だより』を挙げている。
    「なんと」というのは、わたしは『成城だより』を講談社文芸文庫版(2分冊)と中公文庫版(3分冊)とをそれぞれ通読し(つまり2度通して読み)、特に興味の引かれる箇所には不審紙を貼ったり、あるいは帳面にメモをとったりしていた――にも拘らず、「武蔵野夫人」のタイトルのくだりはまったく気に留めていなかったからなのであるが――というよりも、通読した時点では、『武蔵野夫人』の件は完全に関心の埒外にあったとおぼしい。だからこそ再読は愉しいのだなどと、(自分の不明は棚に上げて)云ってみたくもなる。いま手許にある中公文庫版『成城だより』を見てみると、当該の記述は第3巻のpp.148-50に現れる(1985年7月1日の條)。
    『成城だより』で実は「真相」が明かされていたという意外性は、「大岡昇平の真相告白」作中の人物も感じている。その「原島先生」は、『成城だより』を読んでいたにも拘らず、わたしとは別の理由から、そのくだりが「印象に残らな」かったという。この謎解き部分もおもしろい。
    ちなみに「田川美希の父」は、この作品の末尾で、大岡の『若草物語』がのちに『事件』と改題されて単行本となったことに触れ、「『事件』という題を誰が考えたのかは分からない。しかしこの経過は、最初に先行作のある『武蔵野』とし、次に『武蔵野夫人』と直した

  10. 2025/01/13 09:38:56 稲葉大大人ブログ含むアンテナおとなりページ

    2025-01-12
    ハインライン雑感
    雑感
    ある種の作家には歳をとって経験を積み重ねての円熟ということが言いうるのだろうが、少なからぬ作家には未熟だが破天荒な青春期こそが最良の時代であるのではないか、と時々言いたくなる。
    SFについていえば結局のところかつてのビッグ3、アイザック・アシモフ、ロバート・A・ハインライン、アーサー・C・クラークについてもそれは顕著なのではなかろうか。晩年のアシモフによるロボットものと銀河帝国ものとの統合にしても、やり残した宿題を片付けようというその律義さは立派であり、実際そこから我々は思想的課題を引き継ぐことができるのではあるが、文芸作品としてまたエンターテインメントとしてアシモフの晩年の作品が面白いかどうかはまた別の問題である。
    ハインラインにしてもそれは同様で、70年代ともなれば「巨匠」扱いで分厚いハードカバーの大長編をどんどん出すようになるわけだが、正直言って客観性を欠いたおやじの説教が緊張感を欠いたまま垂れ流されるばかりで読むに堪えるものではない。歳をとって右傾化したとかいう簡単な問題ではなく、ハインラインのタカ派性は50年代の『宇宙の戦士』どころか40年代の「走れ、走路」あたりで既に明確である。そうではなく、その臆面もなく独善的な主張が、世界とぶつかり合って試される緊張感のあるなしが、作品としての価値を決める。
    そのような意味でおそらくハインライン最良の作品の一つが、戦後間もなくの中篇「深淵」ではあるまいか。日本でも子供向けの縮約版(『超人部隊』『ノバ爆発の恐怖』等)が複数出回っているので、意外と知られている作品だろう。
    単純に言うとこれは冷戦期にはさらに流行した、スパイアクションと超能力を組み合わせた作品であり、その点あからさまな冷戦ヒステリーのカリカチュアである『人形つかい』と似たところが多少なくはないが、展開のサスペンスにしても構造的な深みにしても比較にならない面白さであると個人的には思う。またその後のSFで繰り返されるいくつかのモチーフを大胆に結晶化させた作品でもある。
    第一に興味深いのは、当時すでに隆盛しておりハインライン自身も取り上げたこともある「突然変異によって超能力を備えた超人類」というモチーフに、ある意味引導を渡しているというところだ。作中でキャラクターたちは「超人類とは何か?」と問答した挙句、「超能力なんてのはテクノロジーで代替できる程度のもので、もし本当に超人類と呼びうるものがいるとすれば、人類を凌駕した知性の持ち主であるということになるはずだ」という結論に到達している。
    第二に、ではそのような超人類と人類との、あるいはエリートと一般大衆との関係は、という問題が次に問われる。腕利きのスパイである主人公は、権力者の指先一本で世界を灰燼に帰す超兵器の秘密を巡る暗闘の中、自分の組織もまた権力者に絡めとられてどうにもならなくなっている中を、権力者を監視する一方で自分に目をつけてもいた超人類の組織に救われ、スカウトされ、訓練されて自らも超人類に成長していくが、その中で抜き差しならない葛藤に直面する。つまりエリートたる超人類と一般大衆たる旧人類とを分けることは「差別」ではないか、ということだ。世界を破滅させかねない技術を手に入れながらそれをうまく制御できない旧人類を、超人類は裏から手をまわして管理する、それは本当に正しいやり方なのか、と自由で民主的な社会に忠誠心を持つ主人公は苦悩する。
    結局のところ後年のハインラインはこの苦悩をあっさりと振り捨てて独善に居直る。エリートが大衆を導いてやるのは当然だし、導くに値しないとなれば見捨てて勝手に自分たちでやってよろしい。そういうメッセージを垂れ流して恥じるところがないのが後期のハインラインである。
    ある意味で似通った、しかし微妙に異なる展開は「レンズマン」のエドワード・E・スミスにも見て取ることができよう。出世作「スカイラーク」シリーズでリベラルな主人公のシートンの敵役を一貫してつとめる悪の天才科学者デュケーヌは優生主義者のファシストだが、結局血が通って生き生きした魅力を放つのはデュケーヌの方であり、シリーズ完結編で世界を救うのも結局はデュケーヌなのだ。
    失われた遺産
    作者:ロバート・A・ハインライン
    グーテンベルク21
    Amazon
    スカイラーク対デュケーヌ (1968年) (創元推理文庫)
    作者:E・E・スミス
    Amazon
    shinichiroinaba 2025-01-12 16:45 読者になる
    ハインライン雑感
    ▼ ▶
    2025
    2025 / 1

  11. 2025/01/11 20:38:36 武藤文雄のサッカー講釈含むアンテナおとなりページ

    Jリーグ(1103)
    2025年01月11日
    静岡学園対東福岡を楽しむ
    高校選手権準々決勝、静岡学園対東福岡を、TV桟敷(正確にはTVer桟敷と言うべきか)で堪能した。
    1976-77年首都圏最初の大会決勝の静学対浦和南との死闘から、早いもので半世紀近くが経った。当時いずれかの組の若頭かと思わせる風貌で、徹底した技巧を軸に旋風を巻き起こした名将井田勝通氏。既に後継者として確固たる指導実績を誇る川口修氏が指揮をとっているわけだが、井田氏があいかわらず元気そうな姿でベンチに鎮座しているのをTV桟敷で見ることができたのも嬉しかった。あたかも、引退した先代大親分風の雰囲気をたたえながらw。
    一方で、この試合を記者席でじっと見ていた東福岡の名将志波芳則総監督も、既に70代とのこと。この方も井田氏同様幾多の名手を育て上げてきた。少々脇の甘さがあったことは確かだけれども…志波氏の後任として、見事な采配を見せてくれた森重潤也氏(80年代から90年代にかけて、全日空(後のフリューゲルス)や中央防犯(後のアビスパ)で活躍した名選手)。今シーズン、その森重氏からバトンを受けた平岡道浩氏(東福岡時代は、山下芳輝や小島宏美のチームメートだったとのこと)が、後述するような見事な采配を見せてくれた。このような歴史の積み重ねは、我々野次馬にとっては堪えられない楽しみだ。
    試合前から、静学が攻勢をとり、東福岡が守備を固め速攻を狙うのは予想できていた。
    しかし、東福岡の守備戦法は、そう言った予想を遥かに超えて徹底したものだった。頻度は少ないが静学陣内でプレスをかけボールを奪う場面は幾度かあった。当然前線の 選手はそこから手数をかけずに静学ゴールを目指す。そして後方の選手はコンパクトを維持するために押し上げる。しかし、押し上げるだけで守備ラインの選手はハーフウェイライン近傍より前には前進しようとしないし、中盤の選手も前線への飛び出しを行わない。そのため、東福岡の攻撃は単発で終わる。
    結果、静学が圧倒的にボール保持することになり、伝統の(?!)技巧的なボール扱いから次々と東福岡ゴールを襲うことになる。しかし、東福岡DFは、献身的なカバーやゴールライン直前でのクリアなどで、静学の変幻自在の攻撃を何とかしのぎ前半終了。
    後半に入り、東福岡の守備作戦はさらに徹底された。静学陣でのチェックをほとんど行わなくなり、FW含めてハーフウェイラインをほとんど越えようとしない。しっかりと守備ブロックを固め、静学の前線の人数に合わせ守備選手の位置取りを丁寧に微修正しながら、守備を徹底する。前半、僅かな回数ではあったがフォアチェックを外され(対静学の場合「外され」と言うよりは「抜き去られ」が適切な日本語のような気もするが)、静学の速攻に肝を冷やす場面があったことを反省しての修正かもしれない。
    静学もさすがで、ハーフウェイライン近傍でDF陣が左右に揺さぶっておいて、サイドにすばやく展開。そこで数的優位を作り、トリッキーな崩しを狙う。結果、サイドに両軍が3人あるいは4人を配する形となり、双方の鋭い個人能力での崩し合いとなる。もちろん静学各選手のボール扱いや身体の使い方は格段なのだが、一方で東福岡各選手の技巧やスクリーンのレベルも相当なもの。サイドの局地戦の攻防を見ているだけでおもしろかった。ここで静学にとって重要だったのは不用意な攻め急ぎを行わないこと。ブロックを固め待ち構えている東福岡守備陣に雑な縦パスを入れて奪われれば、逆襲速攻されるリスクがあるが、そのような軽率な場面は一切なかった。静学各選手の知性の高さがよく理解できた。
    もちろん東福岡の前線の選手は、フィジカルが相当強い。すると、上記サイドの局地戦攻防で僅かでも東福岡が優位に立ち、いずれかの選手が前向きにプレイできれば、そこから少人数速攻が可能になる。幾度か1人から3人程度の少人数速攻で、守備人数が少ない静学陣を襲う。しかし、静学の守備選手の攻撃から守備への切替の早さもさすがで、ギリギリでシュートまでは持ち込ませない。それでも、東福岡はCK崩れから、たった1度だが決定機を掴んだのだから大したものだった。各選手の意思統一と集中力の賜物だろう。
    後半30分以降。静学は猛攻をかける。これまで、徹底してサイドを突いていたのは一種の撒き餌だった。最後の勝負どころで、DFやMFが次々と中央突破の鋭い縦パスを入れる。疲労しきった東福岡DF陣は修正や反応が遅れ、静学は再三決定機を掴む。が、シュートがどうしても枠に飛ばなかった。もちろん、東福岡各選手の修正能力のすばらしかった。川口氏からすれば「試合が80分でなく90分だったら」と思ったことだろうし、平岡氏は「80分なのだから」と割り切ったのだろう。
    ただ、ここで私は「割り切った」と簡単に書いたが、その決断は相当重いものだったと思う。上記したサイドの攻防を見ても、東福岡の各選手の個人能力は相当なもの。静学各選手の技巧に何ら負けるものではなかった。それでも、これだけ能力高い各選手に守備作戦を徹底させた平岡氏の指導力は相当なものだ。
    その徹底した守備作戦を把握し、80分間逆襲速攻をされるような奪われ方を許さず、執拗に攻撃サッカーを継続。幾度も決定機を作る静学を指導した川口氏の手腕も言うまでもないが。
    さらにPK戦もおもしろかった。両軍各選手が、PK戦を想定し相当鍛錬してきたことがよく理解できた。ほとんどの選手が、サイドネット寄りの上方を狙いすまして蹴るのだから恐れ入る。しかし、あまりの過緊張状況。静学は2回、東福岡は1回、キッカーの軸足が甘くボールはバーを超えてしまった。
    もはや、ただの「運」としか言いようがない。
    この両軍の攻防を堪能し、日本サッカー界のここまでの充実と、将来の発展像も色々考えたのだが、それはまた別な機会に書きたい。
    まずは、ここまですばらしい試合を堪能できたこと、すべての両軍関係者に感謝したい。

  12. 2025/01/02 23:35:11 Football is the weapon of the future -Authorized Edition- 清義明のブログ含むアンテナおとなりページ

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  13. 2025/01/02 11:49:25 しのばずくん便り含むアンテナおとなりページ

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  14. 2024/12/30 10:26:33 プロパガンダファクトリー含むアンテナおとなりページ

    2024 9月 23 23:59:04
    FW 32 杉谷俊哉  07.08.03 166/58 アビスパ福岡U-15
    49 里見汰福  09.04.20 172/71 ヴィッセル神戸U-15

  15. 2024/12/13 07:58:39 岸政彦日記含むアンテナおとなりページ

    投稿日: 2024/12/122024/12/12
    沖縄社会学会 第7回大会
    沖縄社会学会第7回大会のお知らせです。
    日時:2024年12月15日(日)9:30~16:00
    会場:名桜大学 看護学科棟 講義室1(沖縄県名護市為又1220-1)
    開催方式:対面とzoomオンライン配信のハイブリッド
    ※ 大会に参加する場合は以下のリンクより、申込みください。前日にzoomのリンクを送ります。
    ※ 参加無料、途中退席/参加可です。
    予約申込はこちらからお願いします。
    https://forms.gle/go9eEubQGtdUzSBU7
    第1部 個人報告(9:30~12:30)
    9:30 第1報告
    岸 政彦(京都大学)
    「人生についての信念――沖縄戦と戦後の生活史から」
    10:15 第2報告
    玉城 尚美(所属なし)
    「A市の人事配置と管理職登用から考察するジェンダー格差」
    11:00 第3報告
    池尾 靖志(立命館大学 非常勤講師)
    「南西諸島における国民保護と住民避難」
    11:45 第4報告
    石川 勇人(大阪大学 大学院)
    「元白梅学徒隊中山きくの記録活動のはじまり――広島在住時代のライフヒストリーを基軸に」
    12:30〜13:30 休憩
    第2部 シンポジウム/パネルディスカッション(13:30~16:00)
    13:30
    「米軍統治下沖縄の公衆衛生政策――ハンセン病政策と公衆衛生看護婦制度から」
    ≪主旨≫
    今年、沖縄社会学会が初めて開催される山原に、86年前(1938年)、ハンセン病患者隔離政策の拠点として愛楽園が開設された。戦前から行われていたハンセン病隔離政策は、米軍統治下沖縄においても継続した。愛楽園に隔離されて暮らした人々は、公衆衛生看護婦(以下、公看)が医療や公衆衛生を担った米軍統治下の沖縄の人々とともにあった。
    米軍によって性病予防の担い手として1951年に導入された公看は、慢性的な医療人材・施設不足に悩まされていた沖縄において、地域医療の重要な担い手となった。占領下沖縄では1950年代〜60年代にかけて結核が蔓延しており、公看の業務の多くも結核に関するものだった。公看の仕事のハンセン病患者に関する割合は少なかったが、ハンセン病隔離政策において、公看が果たした役割は大きい。
    本シンポジウムでは、米軍統治下沖縄におけるハンセン病政策及び公衆衛生看護婦制度を、米軍統治の歴史や冷戦の文化政治という世界史的文脈に位置づけて示した上で(増渕)、愛楽園の歴史を概観し、ハンセン病患者・回復者・家族にとってハンセン病政策がどのような経験であったのか検討する(鈴木)。こうした作業を通して、米軍と衛生政策の関係という現在にも続く問題を考えるための視座を提示する。
    報告
    増渕 あさ子 (同志社大学政策学部助教。専門は沖縄占領史・医療史)
    鈴木 陽子 (沖縄愛楽園交流会館学芸員、立命館大学生存学研究所客員研究員)
    進行
    山城 紀子 (ジャーナリスト 元沖縄タイムス記者)
    16:00 終了
    沖縄社会学会 第7回大会
    2024年12月

  16. 2024/12/02 04:47:28 退屈男と本と街含むアンテナおとなりページ

    < December 2024 >
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  17. 2024/11/11 00:21:40 daily-sumus2含むアンテナおとなりページ

    5

  18. 2024/09/15 15:38:01 Hatena::Diary含むアンテナおとなりページ

    「社会主義」の系譜学 資本主義に対抗して
    ポストモダンの超克 「NAM」の原理
    労働運動の回復 「内在的闘争」と「超出的闘争」
    「二〇世紀システム」 その構造と批判の文脈
    構造変化のなかで フランスにおける「アナーキズム」
    02(00.12.08) 交換の形態① 資本・国家・ネーション 自律性と強制力をもった「想像の共同体」
    03(00.12.15) 交換の形態② 「NAM」の運動 アソシエーションによる交換
    08(01.02.02) 消費社会論 「新しい労働運動」に向けて 『資本論』──資本への対抗運動の鍵
    10(01.02.16) 「権力」について 社会民主主義をめぐって 資本と国家を揚棄する道筋
    14(01.03.16) 「文学」と「社会学」 アヴァンギャルドと政治 「反文学」とそのコンテクスト
    16(01.04.06) ポストモダン 近代国家と国民統合 象徴としての「絶対君主」
    18(01.04.20) 「後進国」革命 社会主義と民族主義 ──竹内好をめぐって──
    20(01.05.04) 「批評」の位置 武田泰淳と花田清輝 「物書き」としてのスタイル
    22(01.05.18) 文学と小説 埴谷・安吾・小林 「永遠性」という磁場
    24(01.06.08) 他者の位相② サルトルと武田泰淳 ──「罪」と「恥」──
    25(01.06.15) 「陣地戦」 マルコムXとガンジー 世界資本主義と抵抗の作法
    27(01.06.29) LETS 貨幣を「揚棄」する 資本制経済のボイコット
    28(01.07.13) 「力」の位相 ミクロ権力と国家権力 フーコーをめぐって
    29(01.07.20) 「権力装置」 市民社会と国家 『ブリュメール十八日』
    31(01.08.24) 非暴力主義 花田清輝とマルクス 「武家的なもの」「公家的なもの」
    32(01.08.31) 多重帰属 位相空間的「地域通貨」 アイデンティティポリティクスの回避
    34(01.09.14) 「批評」の場所 小林秀雄を引き受ける 「隠喩としての建築」のころ
    35(01.09.21) 「批評」の場所② ポジションの〝変化〟 スタンダードな知に対する批判
    36(01.09.28) 「批評」の場所③ 議会政治とNAM 湾岸戦争から一九九九年へ
    37(01.10.05) 「批評」の場所④ 国家主義に対抗して LETSの普及で社会は変わる
    07(98.09.04) 余暇と哲学について ブルデュー著「パスカル的省察」に思う*6
    08(98.10.02) 懐かしさ/初々しさ J.P.リモザン「Tokyo Eyes」を観る*7
    10(98.11.27) 来るべき「愛」のかたち PACS──パクスをめぐる論戦*9
    11(99.01.08) エウリディケー、エウリディケー! マルク・フュマロリとヨーロッパの「修辞学的」同一性*10
    特別版(99.05.28) 「批評」の空虚をこえて 言説の公共性を回復させるために ──「批評空間」21号の共同討議を分析する──*15
    17(99.07.02) 水村美苗の「高慢と怯懦」 『二つの時間』と題された講演から*16
    23(00.01.07) 素朴なドイツの私 ギュンター・グラス「私の世紀」を読む
    24(00.02.11) 〈モダン〉への疑惑 世界の終わりと「物語」の現在*21
    25(00.03.10) イタリアの友人 ──「女たちの不安」?──
    27(00.06.09) 「啓蒙の大きな物語」とは ポーコックのギボン研究『野蛮と宗教』*22
    28(00.07.14) アヴェイロンの百姓 ジョゼ・ボヴェと「もう一つのグローバリゼーション」*23
    29(00.08.11) 終わりなき(?)精神分析 「精神分析の三部会」にふれて
    33(00.12.08) 「狂牛病」 フィーバー ウシ、ヒト、狂気、理性*24
    38(01.05.11) 「ノン・ア・ダノン!」 ボイコットそして/あるいはマスメディア*25
    44(01.11.09) 来るべき大学を問う デリダの「条件なき大学」
    46(02.01.18) 困難を選択した勇気 ジャック=アラン・ミレールの「啓蒙」*29
    最終回(02.04.19) 共和国の黄昏、歴史の曙光 未来の地平は「声」=「票」なき衆生の側に*31

  19. 2024/08/14 00:41:12 qfwfqの水に流して Una pietra sopra含むアンテナおとなりページ

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  20. 2024/06/22 06:22:06 〜蹴球幻想〜  ミカミカンタ 含むアンテナおとなりページ

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  21. 2024/06/13 01:38:21 古本ソムリエの日記含むアンテナおとなりページ

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  22. 2024/03/28 11:01:05 東川端参丁目の備忘録含むアンテナおとなりページ

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  23. 2024/03/28 08:18:40 不未之奇含むアンテナおとなりページ

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  27. 2024/03/27 02:56:20 DOXA(独立左派日誌)含むアンテナおとなりページ

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  28. 2024/02/11 10:15:41 絶望書店日記含むアンテナおとなりページ

    『冤罪と人類 道徳感情はなぜ人を誤らせるのか』
    冤罪、殺人、戦争、テロ、大恐慌。
    すべての悲劇の原因は、人間の正しい心だった!
    我が身を捨て、無実の少年を死刑から救おうとした刑事。
    彼の遺した一冊の書から、人間の本質へ迫る迷宮に迷い込む!
    執筆八年!『戦前の少年犯罪』著者が挑む、21世紀の道徳感情論!
    戦時に起こった史上最悪の少年犯罪<浜松九人連続殺人事件>。
    解決した名刑事が戦後に犯す<二俣事件>など冤罪の数々。
    事件に挑戦する日本初のプロファイラー。
    内務省と司法省の暗躍がいま初めて暴かれる!
    世界のすべてと人の心、さらには昭和史の裏面をも抉るミステリ・ノンフィクション!
    ※宮崎哲弥氏が本書について熱く語っています。こちらでお聴きください。
    絶望書店主人推薦本
    『冤罪と人類 道徳感情はなぜ人を誤らせるのか』
    冤罪、殺人、戦争、テロ、大恐慌。
    すべての悲劇の原因は、人間の正しい心だった!
    我が身を捨て、無実の少年を死刑から救おうとした刑事。
    彼の遺した一冊の書から、人間の本質へ迫る迷宮に迷い込む!
    執筆八年!『戦前の少年犯罪』著者が挑む、21世紀の道徳感情論!
    戦時に起こった史上最悪の少年犯罪<浜松九人連続殺人事件>。
    解決した名刑事が戦後に犯す<二俣事件>など冤罪の数々。
    事件に挑戦する日本初のプロファイラー。
    内務省と司法省の暗躍がいま初めて暴かれる!
    世界のすべてと人の心、さらには昭和史の裏面をも抉るミステリ・ノンフィクション!
    ※宮崎哲弥氏が本書について熱く語っています。こちらでお聴きください。

  29. 2023/06/06 00:45:40 見物人の論理含むアンテナおとなりページ

    令和の名将、世界を制す。

  30. 2023/02/17 17:09:35 風太郎の気ままな水先案内(とみきち屋)含むアンテナおとなりページ

    2022年4月29日 (金曜日) 一箱古本市 | 固定リンク | コメント (1)
    Merlerhila on 2022年「第22回不忍ブックストリート 一箱古本市」出品本の一部紹介(2)

  31. 2023/01/02 08:05:11 読書猿blog含むアンテナおとなりページ

    2022/10/26 14刷決定 累計260,000部(紙+電子)

  32. 2021/11/16 15:03:59 偉愚庵亭憮録含むアンテナおとなりページ

    2021年11月
    2021/11/13
    ジョークの暴力性について
    ツイッターのタイムラインで冗談の話題が出ていたので、久しぶりにブログを更新してみる。
    ご紹介するのは、2015年の1月に「日経ビジネスオンライン」(←当時)の連載コラムのために書いたテキストだ。
    さきほど検索してみたところ、あらまあびっくり、消えている。
    どうやら、あの媒体は、古い記事を削除する方針を貫いている。悲しい。
    あんまり悲しいので、ブロクにテキストをアップすることにした。
    細かい部分は、掲載当時の記述と食い違っているかもしれない。でもまあ、私が編集部に送った原稿はこのバージョンだった。
    どういうタイトルがついていたのか、記憶が曖昧なのだが、以下、仮のタイトルを付してご紹介する。乞ご笑覧。
    オダジマは、6年半も前から「笑い」を過剰に高く評価する風潮に敵意を抱いていたののだね。それも、真顔で。
    というわけで、いつも真顔でいることの大切さをニコリともせずに真顔で訴えたマジメな原稿です。
    ユーモアは暴力である
    あけましておめでとうございます。
    新年第一回目の更新分は、インフルエンザのためお休みしました。
    無理のきかない年齢になってまいりました。いろいろなことがあります。
    待ち焦がれた読者を想定して休載を詫びてみせるのも、かえって傲慢な感じがいたしますので、なんとなくぬるーっとはじめることにしましょう。
    フランスでこの7日と9日に連続して起きたテロ事件は、17人の死者を出す惨事になった。
    一週間を経てあらためて振り返ってみると、この事件が、これまでにない多様な問題を投げかける出来事だったことがわかる。
    表現の自由と宗教の尊厳の問題、宗教への冒涜とヘイトスピーチの関係、テロ警備と市民生活、多文化主義と移民の問題など、数え上げれば切りがない。
    どれもこれも簡単に結論の出せる問題ではない。
    それ以前に、半端な知識や安易な観察で踏み込んで良い話題ではないのだろう。
    なので、事件の核心部分については意気地無く黙ることにする。
    ここでは、「ユーモア」の話をする。
    あえてユーモアを主題に持ってきたのは、14日の朝日新聞に載った
    《「犯人はユーモア失っていた」 仏紙風刺漫画家が会見》
    http://digital.asahi.com/articles/ASH1G01DPH1FUHBI03J.html?iref=com_rnavi_srank
    という記事に、考えさせられたからだ。
    会見の中で、風刺漫画家のラウド・ルジエさん(43)は、ユーモアについて以下のように語っている。
    《最後に、報道陣から「この絵を描いたことで心配はないか」と質問が出ると、「ユーモアの知性を信じている。犯人はユーモアを失っていただけだ」と言い切った。》
    正直な話をすると、私は、ルジエ氏が何を言いたいのか、何を言っているのか、まったく了解することができないでいる。
    犯人がシャルリ・エブドのユーモアを理解しなかった点については、ルジエ氏が指摘している通りなのだと思う。
    でも、だとしても、ユーモアについての理解の有無とテロリズムは別の次元の話だ。
    新聞の出版にたずさっている人間であれば、どうしてこの程度のことがわからないのだろうか。
    私自身の話をすれば、検索してたどりついたシャルリ・エブドの風刺マンガからは、ほとんどまったくユーモアのエッセンスを感じ取ることができなかった。
    フランス語が読めるわけではないので、文字に関しては英訳してあるサイトのものを捜したり、ウェブ上の辞書の世話になったりした。
    で、かなりの数のネタをサルベージした次第なのだが、どれもこれも、ひとつとして笑えない。いや、大げさに言っているのではない。「charlie hebdo」で画像検索をしてみれば、一目瞭然だ。これで笑う日本人が果たして何人いるのだろうか。
    私は、単に不快だった。
    つまり、ユーモアの理解度からすれば、私は、テロの犯人とそんなに違わなかったわけだ。
    とはいえ、もちろん、ポンチ絵を見てムカついたからといって、私は編集部にカチコミをかけたりしない。
    世界中のほとんどすべての新聞読者と同じく、笑えないネタに対しては黙殺を決め込む。それだけの話だ。
    ユーモアは、伝わりにくいものだ。
    仮に出来の良いユーモアってなものがあったのだとして、笑ってくれるのは読者のうちの2割に過ぎない。半数の人間は無反応だろうし、残りの3割は気分を害している。笑いというのはおおよそそうしたものだ。とすれば、ユーモアを発信している側の人間が、受け手の無理解を責める態度は、傲慢以外のナニモノでもない。
    客が笑わないのは客の側の責任ではない。笑わせることができなかった制作側の人間(芸人ないしは文筆家)の責任だ。
    犯人は、なるほどシャルリ・エブドのユーモアを理解しなかった。
    だが、問題はそこではない。
    唯一の問題は、犯人が暴力に訴えたことだ。
    マシンガンを乱射して、編集部の人間を殺害し、警察官を殺害したことだ。
    どんな理由があろうとも、殺人は、100パーセント、いかなる方向からも擁護できない。
    彼らが敬虔なムスリムで、シャルリ・エブドの涜神的なポンチ絵に怒りを感じていたのだとしても、そんなことは犯行を免罪する理由にはならない。
    とはいえ、犯罪とは別に、犯人がユーモアを解さなかった(「ユーモアを失っていた」と、ルジエ氏は言ったが)ことそのものは、特段に責められるべきことがらではない。
    彼らがユーモアを解さなかったことと、テロにうったえたことはまったく別の問題だ。
    ユーモアのわかる人間ならテロリストにならないわけではないし、犯人がユーモアを理解していれば、テロに訴えなかったはずだみたいな甘ったるいお話でもない。
    ルジエ氏の言い方だと、犯人は、ユーモアの知性を理解しない人間であるがゆえに、犯行に及んだように聞こえてしまう。
    そうでなくても、彼のものの言い方は、ユーモアを解さない人間をテロリストと同じ集合に分類してしまっている。
    とすると、私も犯人と同じ側の人間だってなことになってしまう。
    違うぞ。
    私は、シャルリ風の高飛車なユーモアを解さないという意味では、犯人と同じだ。しかしながら、私は非暴力を貫いている点で、自らの主義主張を暴力という手段で実現しようとした犯人とは正反対の人間だ。
    一緒にされては困る。
    ユーモアみたいな粗雑なもので私を分類しないでほしい。
    ルジエ氏の立場に立って考えてみれば、彼のあの日の会見での発言は、普段の彼の言葉とは違う、感情的な反応だったのだろう。
    当日、彼は、自分の同僚を何人も殺された直後の状態で会見に臨んでいた。
    感情的にならない方がむしろ不自然だったと言っても良い。
    ルジエ氏は、自分自身もまかり間違えば殺されたかもしれない立場だった。
    そう思えば、犯人を貶めたかった気持ちは十分に理解できる。
    興味深いのは、ルジエ氏が犯人を「ユーモアを失っていた」という言い方で非難しようとしたことだ。
    非難の言葉にはその人間の信念が露呈する。
    ルジエ氏は、おそらくユーモアを持たない人間を、人として低級な人間であると考えている。
    だからこそ、テロリストに対してその言葉をぶつけた。
    ということは、彼自身は、ユーモアを使いこなし

  33. 2021/07/13 16:14:39 増田大人ブログ含むアンテナおとなりページ

    読者になる

  34. 2021/07/08 19:43:27 老子的アナーキストブログ含むアンテナおとなりページ

    © Yahoo Japan

  35. 2021/07/06 16:11:15 Critical Life (期限付き)含むアンテナおとなりページ

    米津玄師
    米津玄師『死神』が朝のテレビで普通に流れてる世界ヤバい
    www.youtube.com 米津玄師の『死神』を聴いて無意識に「ありがとう…」とつぶやいてた。すぐに近くの山に登り、頂上から遠い空に向かって「米津ーーー!!」と叫んだ。 「落語『死神』をテーマに曲を作る」、この発想がすでに「米津ここにあり」。そもそも死神は「サゲ…
    kansou - 2021-07-03 18:30:42
    まとめ
    2021年上半期でよかった新刊マンガ10選+α
    アジで勢いつけて真夜中に一気に書き上げないとブログやれなくなった。 レギュレーション 十選 切畑水葉『阪急タイムマシン』(BRIDGE COMICS)(単巻完結) 伊奈子『泥濘の食卓』(バンチコミックス)(連載) 幾花にいろ『あんじゅう』(楽園コミックス)(連載) ナ…
    名馬であれば馬のうち - 2021-07-06 07:56:49
    GCP
    セキュリティガードレールを作って、非エンジニアに安心してGCPを提供できるようにした話
    はじめまして、モノタロウでGCPの管理をしている吉本です。 今回はモノタロウの社内全体でデータ基盤として使っているGCPをテーマに、大規模組織におけるクラウド運用の取り組みをお話します。 データ民主化による現場主導のデータ活用 クラウドの利用拡大に伴う課題 C…
    MonotaRO Tech Blog - 2021-07-06 09:00:01
    ムールフリット
    こんにちは。ムールフリットというものを知らなかったのだわ 沢山食べることにより生まれるおいしさ、量のおいしさは、日本ではあんまり一般的ではないのかもなと思う。ムールフリットは完全に量がおいしさ。あれはふたつ三つ食べても仕方がない。 〓 南インド屋 (@mina…
    パル - 2021-07-05 22:46:38
    生活
    206号室に、さようなら。
    5年と3ヶ月住んだ部屋から、引っ越しました。 理由は一般的なところで言う「気分転換」です。引っ越すのは徒歩5分の近所。 ちょっと前は早く引っ越したい一心でしたが、長く住んだこともあり、最後の数週間は惜別の気持ちが募りました。 上京してからずっと住んでいた…
    No.26 - 2021-07-04 23:41:56
    料理
    【レシピ】オクラとちくわのやみつき梅肉和え
    今日は暑い時期にピッタリのオクラと梅肉を使ったさっぱり系の一品をご紹介します(*・〓・*)〓! ちくわでかさ増しする事で食べ応えも抜群です〓 さっぱり梅干しにごま油ベースの味付けに、塩こんぶで旨味を増し増しなやつです(´艸`)* そのまんま食べても良いですし、冷や…
    しにゃごはん blog - 2021-07-05 06:54:36
    出版社の編集者は何をする人なのか
    かつては出版社の中に編集者という職業があって、著者に執筆を依頼したり、そうして書いてもらった原稿を取りに行ったり、誤字脱字や「てにをは」を矯正したり、漢字や送り仮名の表記を出版社のルールに従って統一したり、それを印刷製本する指示を出したり、そういう…
    golden-luckyの日記 - 2021-07-06 12:58:47
    ありがとう『ドラゴンクエストライバルズ』
    ちょもすです。 ドラゴンクエストライバルズ エースは、2021年7月5日(月) 13:00をもってサービスを終了いたしました。約3年半にわたりご愛顧いただき、誠にありがとうございました!#DQライバルズエース(イラスト: @ArtePiazza より) pic.twitter.com/2nbbJNyS5p〓 ドラ…
    chomoshのブログ - 2021-07-05 14:38:26
    あまのっちと剛くん
    あまのっちと剛くんのトークよかったね。天野ひろゆき×草彅剛「また賞をとって、つよポン」と、拍手で祝福してくれた。 あまのっち、ほんとに優しい。 役者としての草彅剛を心からリスペクトしてくださってるんだよね。 それに対して、 「いやいやいや、とんでもない。あ…
    yumipon0524’s diary - 2021-07-06 06:55:43
    【今週のお題】暮らしていくなら、どこがいい? 「住みたい場所」についてブログを書きませんか?
    アニメ
    【幸福は創造の敵──】『映画大好きポンポさん』 劇場アニメ&原作感想をまとめ読みしよう!
    www.youtube.com 2021年6月4日から公開中の劇場アニメ『映画大好きポンポさん』。杉谷庄吾【人間プラモ】さんによる同名人気コミックを原作とするこの作品のキャッチコピーは、「幸福は創造の敵──」。 敏腕映画プロデューサー・ポンポさんのもとで製作アシスタントをし…
    今週のはてなブログランキング〔2021年7月第1週〕
    はてなブログ独自の集計による人気記事のランキング。6月27日(日)から7月3日(土)〔2021年7月第1週〕のトップ30です*1。 # タイトル/著者とブックマーク 1 大手金融機関から運用商品を買わない方が良い理由を金融庁が解説している - 銀行員のための教科書 by id:na…
    わたしの偏愛
    あのスーパーで流れている曲がどんだけガチか、夜通し語りたい。店内BGMにハマったら人生楽しくなった話【わたしの偏愛】
    はてなブログは、「書きたい」気持ちに応えるブログサービス。ささいな日常や忘れらない出来事を綴るブログだけでなく、「推しへの思い」や「好きな映画の感想」「お笑いの分析」など、趣味や好きなものへの思いを言葉にするブログも数多く見られます。そこで、週刊は…
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    2020年3月、Web上で自らの意思で死を選んだ友人について綴ったエッセイを公開した声優・作家の浅野真澄/あさのますみ(id:masumi_asano)さん。このほど、その内容を大幅に加筆しまとめた長編エッセイ『逝ってしまった君へ』(小学館)が6月30日に発売されました。「大…
    SmartHR とフルリモートワークと、時々、オフィス
    こんにちは!CTO の芹澤です。 今回は SmartHR のプロダクトチームで行われているリモートワークの状況と、今後の働き方に関するお話です。 昨年度よりコロナ禍における暫定対応として採用されていたリモートワークを前提とした働き方について、そろそろ恒久的な方針を…
    SmartHR Tech Blog - 2021-07-05 12:01:06
    仕事
    在宅ベテラン勢に、買ってよかった「在宅のお供」を自由プレゼンしてもらった【リモートワークアイテム連載 最終回】
    長期にわたってリモートワーク(在宅勤務)を続けていると、仕事をする環境だけではなく、ストレスを解消するための工夫も必要になっていきます。家で快適に過ごすことも、在宅ワークでは大事ですよね。そこで今回は、長年リモートワークをしている“ベテランリモートワ…
    ソレドコ - 2021-07-05 10:30:04
    資産形成・投資
    FIREで真に重要なのは早期退職ではなく経済的自立である
    おはようございます。 最近、FIREという言葉を耳にすることが増

  36. 2021/06/05 01:09:27 天沼メガネ節含むアンテナおとなりページ

    2021年6月4日
    なにもいいたくない。

  37. 2021/03/22 20:46:09 三月記(仮題)含むアンテナおとなりページ

    2021年03月22日
    「海鳴り」33号が届きました
    昨年までは「海鳴り」が出たら、編集工房ノアの本の通販のおまけとして配布していましたが、三月書房は昨年末に廃業しましたので、そーゆーことはできなくなりました。うちの店では毎年200冊ほども配布させていただいていましたので、今年もお知らせだけはしておきます。
    この号で一番の読み物は、山田稔氏の「同僚━生田耕作さんのこと」でしょう。2段組み14頁分ありますが、山田氏が生田氏について、これだけまとまった量を書かれたのは初めてかと思います。そのほかの内容は上記の画像をクリックしていただけば目次が読めるはずです。
    「海鳴り」の入手方法は聞いておりませんが、おそらく一部の書店では無料配布するはずです。非売品なのでこれだけを購入することはできないでしょう。発行所に頼めば送ってくれるのか、送料はいくらなのかもわかりません。これはあくまでも個人的な意見ですが、発行所に何か1冊通販の申し込みをして、ついでにおまけに添えてくれるようにお願いするのがよろしいかと思います。表紙の裏に昨年1月以降の新刊リストが掲載されています。下記に画像を載せておきますのでご参考にどうぞ。クリックすれば拡大するはずです。
    まことに不便なことに、編集工房ノアにはサイトがありません。グーグルすると、いまだに三月書房のページが上位に出てきます。メールも利用されていません。ゆえに通販の申し込みは郵便か固定電話かFAXしかできないでしょう。住所と電話は検索すればすぐにわかるはずです。

  38. 2021/03/09 14:42:19 紋切型事典含むアンテナおとなりページ

    ※https://blog.goo.ne.jp/j9090380は、見つかりませんでした。

  39. 2021/02/02 07:15:21 わめぞ含むアンテナおとなりページ

    FAQ / お問い合わせ窓口

  40. 2021/02/02 06:28:25 空想書店 書肆紅屋含むアンテナおとなりページ

    FAQ / お問い合わせ窓口

  41. 2021/02/02 06:09:44 はほへほ旅日記・書物日誌含むアンテナおとなりページ

    FAQ / お問い合わせ窓口

  42. 2021/02/01 12:09:53 読書で日暮らし含むアンテナおとなりページ

    FAQ / お問い合わせ窓口

  43. 2020/12/15 19:06:39 深夜のシマネコBlog - livedoor Blog(ブログ)含むアンテナおとなりページ

    codoc用テスト記事
    2020年12月

  44. 2020/07/28 09:16:04 Irresponsible Rumors含むアンテナおとなりページ

    最近の噂
    風の噂ではございますが……
    なお、リンクする場合には各コメントの日付のあとにある「id」をクリックすると、そのコメントのユニーク id が url 欄に表示されるぞ。
    2012/05
    しばらく前に、カルロス・フエンテス他界。しばらく前に、フエンテスの小説やノンフィクションをまとめて読んで、もうフエンテスは一通り見切ったと思っていたが、それでもかの大作「テラ・ノストラ」は未だに期待だし、その才能と知性は刮目すべきものがあり、また一部の文のかっこよさと洗練ぶりはずばぬけたものがあった。正直いって、その洗練ぶりがかれの目指すラテンアメリカ土着的な泥臭さと相容れない面はあって、それが彼の弱点でもあったんじゃないかとも思う。ガルシア=マルケスは、発端となったおばあちゃんの昔話的な語り口があり、バルガス=ジョサは何でも力でねじふせるような野蛮さがあるし、カルペンティエールもそこらへん洗練しすぎずうまく逃げているんだけど…… ともあれ、ご冥福を。(2012/05/21, id)
    先日までインドのタミルナド州にいたんだが、電力事情がひどい。日本の工場とかでも、週二日完全停電に、その他の日も一日六時間停電というまともでない状況になっている。ところが、先月末に突然それがちょっと改善しはじめた。なぜかというと、風が少し早めに吹いてきたから。タミルナド州は、いま稼動発電容量の半分くらいが風力を中心とした再生可能エネルギー。ところが、これまでの月は風がふかないので、その風力からの電力はゼロ。それが、風が吹いたら突然総電力の四分の一くらいがまかなえるようになった。
    しかし……こんな風頼みでは仕事にならない。停電するのも困ったものだけれど、仕事に使うなら、停電するといいつつ実は電気がきました、というのも困る。タミルナド州は結構でかい(日本の三分の一くらい)だから、多少は平準化されると思っていたんだけれど、ダメなときは完全にゼロの状態が何ヶ月も続くのか! これ使うなら、どうしてもバックアップの火力かなんか必要になってくる。それを考えると、自然エネルギーへの転換をすすめましょうなんていうお題目がまったくリアリティなしに聞こえてしまう……(2012/05/20, id)
    2012/04
    LaTeX の環境を更新しようとおもって、そろそろ Windows とMac とLinux (最近ほとんど使わないが) の環境もそろえたいしと思って、W32 環境から texlive に移行しようとあれこれ。最初はいろいろ苦労したが、最終的には成功。よかったよかった。TexMaker とか TexWorks とかの専用エディタも使えるようになったのは便利。ただ、変なotf系の小細工して、鄧小平の鄧を勝手に utf{21E}とかに置き換えるのは迷惑だなあ。そういうのをなしにするために utf-8使ってんのに。
    あと、パッケージの更新が楽なのはうれしい。これまでは年に一度くらい、W32Tex環境まるごと入れ替えで更新してたんだよね。 (2012/04/07, id)
    2011/10
    ラオスにきたら、いつも使っている携帯電話がつながったりつながらなかったり。SMSも送れなかったりする。するとカウンターパートから連絡がきて、今使っている携帯電話(TIGO 改め Beeline) を換えろという。TIGO から他のキャリアの電話につながらなくなっているから、といって。なんじゃそりゃ。
    TIGO の機械の故障らしい、と言われたんだが、調べてみたら、なんと TIGO が(おそらく Beeline に買収/改名する過程で)協定破りのプロモーションをやって、それに対して他の携帯会社が制裁措置として、TIGO/Beeline への回線接続を切ったんだって。ひでえ。協定破りって、少しお得なプランを出したとかそんな話だけど、それでここまでやるか?!? そんなことをしたら業界全体の利益が下がるからというんだけど、それってカルテルっていうんですよー。社会主義国は知らないかもしれないけど、いけないことなんですよー。
    しかし TIGO も、古いページから新しい Beeline のページにリンクを張るくらいの手間を惜しまなければいいのに(といってもその新しいページが見当たらない……)。 (2011/10/27, id)
    遊びで受けてみた TOEFL ibt だが、ライティングがこんなに低いとはちょっとがっかり。少し書き方に凝りすぎたか。もうちょっとシンプルに書けばよかった。あと、ぼーっとしていてちょっと聞き逃した部分があったせいもあるのかなあ。 (2011/10/26, id)
    2011/9
    まったく知らなかったが、今月頭に、かのプロジェクトグーテンベルグ創始者のマイケル・ハートが他界していた。このプロジェクトにはテキストももらったし、いろんな権利やテキスト配布がらみの考え方も教わったし、何より「こんなことやっちゃえるんだ」と目から鱗を取ってくれたことには何よりも感謝している。その恩恵と遺志に応えるためにも、自由に流通する文書をどんどん増やさなきゃ。気がつかなかったけれど、今見たら The Economist にも立派な追悼文が出ている。もっと枯れたジジイかと思っていたよ…… (2011/9/29, id)
    最近の The Economist では、アジアの女性が晩婚化、未婚化していて、それは高等教育が進み、家庭や育児に縛られない経済的な独立性が確保されたからだ、という議論をしていた。そしてその結果としてアジアの男性は結婚はおろかセックスもできずに悶々としている、という話。
    それに対していくつか投書がその数号後で紹介され、男だって都市化に伴いいろいろ火遊びのチャンスができてるよ、という指摘とか、家庭のよさは忘れられていないよ、という投書の中に混じってこんなのがあった。
    拝啓 高学歴アジア女性が金銭的にdependent (訳注:independentのまちがいのはず)になるにつれて、確かに結婚は減っていますが、それでも彼女たちは活発なセックスライフを送っています。そしてますます若い男を愛人として選ぶようになり、既婚女性よりもっとセックスライフを楽しんでいるのです。このトレンドは戦後の日本で始まったもので、当時は大量の未亡人が再婚するよりも新しい「伴侶」を選んだのでした。
    アジアでは、三十代、四十代の独身女性が二十代のツバメを持つのはごく普通のことです。ダンスクラブの多くはハンサムな若者をウェイターとして雇い、かれらは連れ出し可であることがほとんどです。つまりアジアの若い男性は、たぶん貴誌の考えるほど寂しくはないうえ、年上の愛人から性技の手ほどきも受けられるのです。
    ピングー・リュウ(フロリダ州ボカラートン) The Economist 2011/9/10-16号、p.16
    リュウさん、ご自分の願望を信じやすいThe Economist にぶちまけてはいけません。あなた、どう見てもなんかの読み過ぎです。 (2011/9/27, id)
    矢作俊彦がぼくのGQの文章に「反論」したというので見てみた。ぼくには「論」にはまったく思えず、ただの付け焼き刃の感情垂れ流しポジショ

  45. 2020/07/25 03:54:37 conflict error含むアンテナおとなりページ

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  46. 2020/07/01 01:23:11 新・ますたろう日記含むアンテナおとなりページ

    ≪ 2020.07│ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 ≫
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  47. 2020/05/08 15:40:43 サポティスタβ版含むアンテナおとなりページ

    むしろスチームクリーナーのパワーで溶けた油が飛び散ってかえって面倒な事に! 高温の効果があっても圧力だけで汚れを落とすのはおすすめできない。
    各メーカーの商品ページをよく読むと「水道水はタンク内にカルキの結晶が付くため、必ず蒸留水をお使いください」と注意書きがあります。スチームファーストはカルキ除去パウダーが付いてくるので唯一水道水が使えるスチームクリーナーです。
    ● 公式サイトでは推奨されていませんが、効果があるのでは?と思った私は、スチームクリーナー専用洗剤をスチームファーストミニに少しだけ入れてみました。
    ● ハンディタイプのスチームクリーナーなら、充電式でコードレスがありそうな気がします。しかし、コードレスのスチームクリーナーは、今のところ存在していません。
    小型のバッテリーでお湯を沸騰させる電力をまかなえません。バッテリーが大きくなりスチームクリーナーは相当な重さになると思います。
    ネットで調べてみても評判いいのに…私の評価としては微妙です。

  48. 2018/09/02 03:03:37 (勇)太陽工務店×RYKN含むアンテナおとなりページ

    Not Found
    The requested document was not found on this server.
    Web Server at hitachidai.net

  49. 2017/11/14 01:59:12 Amazon.co.jp: 小谷野敦さんのプロフィール: レビュー含むアンテナおとなりページ

    肉体の門 [DVD]
    DVD ~ 野川由美子
    価格: ¥ 2,428
    1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
    5つ星のうち 2.0 つまらんのだ, 2017/11/13
    レビュー対象商品: 肉体の門 [DVD] (DVD)
    のちに五社英雄が再映画化するがこれもつまらなかった。だいたい原作からして、占領下の解放的雰囲気にあっていたから話題になっただけで大したもんでhなく、娼婦のリンチシーンがあるというだけのもので、筋立てはごくつまらない。野川由美子が美人だったのは分かった・・・。
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    だれかの木琴 [DVD]
    DVD ~ 常盤貴子
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    5つ星のうち 4.0 常磐貴子が美しい, 2017/11/12
    レビュー対象商品: だれかの木琴 [DVD] (DVD)
    井上荒野の原作(2010年)。人妻が美容師にストーカーする話だが、もっと激しくなるのかと思っていたらわりとあっさり終わった。常盤貴子の美しさが印象に残るが、原作ではこんな美女ではないようだ。あと娘役の木村美言が可憐。池松壮亮は寺島しのぶとも人妻不倫の映画に出ていたがなんかそういう俳優なんだろうか。
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  50. 2017/03/16 01:11:27 高遠弘美の休み時間・再開(告知板)含むアンテナおとなりページ

    フォーレ協会の研究会での講演
    二月初めの記事でご案内した四月十六日の講演会はすでに満席になり、キャンセル待ちださうです。ひとりで吃驚してをります。
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  51. 2016/03/14 22:36:44 SOCCER UNDERGROUND BLOG含むアンテナおとなりページ

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  52. 2015/01/21 07:24:55 つのだま日記含むアンテナおとなりページ

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  53. 2012/12/01 02:45:25 Inspirace含むアンテナおとなりページ

    Forbidden
    You don’t have permission to access /on this server.

  54. 2011/03/22 17:42:50 KOIKOI日記含むアンテナおとなりページ

    指定されたファイルが見つかりません。
    ■考えられる原因:
    ファイルが存在しない。
    指定されたURLに元々ファイルが存在しないか、既にファイルが削除されているためにこのエラーが表示されます。
    アドレスの指定が間違っている。
    リンク先のアドレスを間違って指定している場合、このエラーが表示されます。
    ■対処法:
    入力したURLを確認後、ブラウザで再読み込み(Reload)を行ってください。
    HTTP 404 File Not Found

  55. 2011/03/12 21:25:45 風のジジ含むアンテナおとなりページ

    死刑反対論者の反撃 不服従の勧め 蛙の声 マンガ家の人生

  56. 2008/11/03 21:16:28 パペッティア通信含むアンテナおとなりページ

    日本野球は韓国に敗れたのではない。恥辱のあまり崩れ落ちたのである (11)