小野不由美『残穢』(新潮文庫)
澤村伊智『さえづちの眼』(角川ホラー文庫)
比嘉姉妹シリーズに連なるホラー中編集です。
阿泉来堂『骸ノ時計』(産業編集センター)
欲望を抱える人間の前に現れる金の懐中時計。時計に刻まれた髑髏に血を吸わせると、持ち主の願いを必ず叶えてくれるといいますが…。
願いを叶える金の懐中時計をめぐる連作ホラー作品です。時計を手にした人間たちが、それぞれ願いをかけることになるので
剥がれ落ちてゆく私、あなた、
『真鶴』(川上弘美 文藝春秋)を読んだ。読むかどうか迷って、結局は読んだ。このひとの本を読むと、自分がうすく剥がれ落ちていくような気がして、不穏な気持ちになる。嵐の直前のような、波の高い海を見ているような、そういう気持ち。波立つ冬の冷たい海を覗いている気持ちもに近い、...