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『おせち』
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豊崎由美(書評家・ライター)
『超空洞物語』
(講談社)
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2025年01月30日
『室町無頼』
映画館で予告編を見る限り、大泉洋の時代劇は、さほど観たいとも思わなかったし、そもそも、あまりよくわからない室町時代が舞台であること。ポジティヴな期待をかきたてる唯一の要因といえば、それは入江悠監督・脚本の映画だということだった。
だから強く観てみたいと思わせるような映画ではなかったが、公開前に、この作品を絶賛しているネット記事にめぐりあったこともあり、どんな映画なのか俄然興味がわいてきた。
そこで公開まもない頃に映画館に足を運んだが、期待にたがわずというか、期待以上の映画であることが確認できた。
大泉洋も、いつもの、よく出会う役柄とはちがっていたし、NHK大河ドラマの源頼朝ともちがっていて、一見何の衒いもなく策もなく飄々と生きているかにみえて、残酷で無策な権力者への怒りを秘めつつも冷静で、敵の眼をあざむく策と用意周到な計略をもってしてことを進めるなど、一筋縄ではいかない端倪すべからざる人間性を誇る、まさにヒーローと無縁であるかにみえて、もっとも正統的なヒーローであった。
ちなみに私の祖母(私に将棋を教えてくれたが決して勝たせてくれなかった)は、剣道の心得などないはずなのに、テレビの時代劇をみてはいつも、俳優の剣の持ち方が悪いとか、腰が入っていないをはじめとして、ありとあらゆる文句をつけていたが、『室町無頼』におけるCGと組み合わされているがCGくささを感じない殺陣には、おそらく文句は言わないだろうと思った。実際、大泉洋をはじめとした演者たちの剣さばきには、映画特有の殺陣の伝統を見事に継承しているように感じた。
物語のなかで、蓮田兵衛/大泉洋の弟子ともいえる才蔵/長尾謙杜の棒術は、クライマックスにおいては地上から屋根の上へと展開する剣戟をみせるのだが、CGと協調するその殺陣は優雅であり力強く、決まった動きと予想外の動きとを見事に合体させて、たとえば映画『八犬伝』(2024)における天守閣の屋根での決闘をしのぐものがあった。
昔、セルゲイ・ボンダルチュク監督のソ連映画『戦争と平和』を映画館でみたとき、戦闘場面(ボロジノの戦いだったと思うが)において、画面の隅々から隅まで戦う兵士たちの動きが認められて大いに圧倒された記憶があるが、12万もエキストラを使った『戦争と平和』に比べれば数こそ少ないものの、強度においてそれに匹敵するほどの一揆の場面が展開していたことは特筆に値しよう。一揆に参加した民衆たち/エキストラたちが誰一人として手を抜くことなく、その絶望と怒りを発散させ、最後には祝祭的な興奮を一丸となって伝えることができていた。
おそらくそこには、黒澤明監督の『七人の侍』にみられたような、勝利をもたらしたのは農民/庶民の力だということの画像的メッセージが意図されているのだろうが、『室町無頼』においては、庶民の力の全面的肯定だけでなく、指導した蓮田兵衛/大泉洋の力もまた等しく顕彰されているように思われた。
『七人の侍』を思い出したついでに、『七人の侍』がアメリカ映画の西部劇の世界をモデルにしていたとしたら、『室町無頼』も西部劇的な世界だが、その音楽からもわかるように、アメリカの西部劇というよりもマカロニ・ウエスタンの世界である(英語ではスパゲッティ・ウェスタンという――こちらのほうが和製英語みたいだが、マカロニのほうが和製英語)。ただ西部劇もマカロニ・ウェスタンも荒野あるいは原野のなかに忽然と姿をあらわす宿場町のようなところが舞台となるのだが、『室町無頼』では、世界は荒野とか原野ではない、ただ荒廃した、累々たる死体の山が連なる地獄のようなところというか地獄そのものとなっている。その意味で、この世界は核戦争後の荒廃した世界を舞台にした『マッド・マックス』シリーズの世界、アフターアルマゲドン的世界に近い。だが、『マッド・マックス』の世界では主人公が戦う相手は地獄の大王というよりも地方の豪族みたいな連中であって、その世界の支配者や国家権力ではない(そもそも『マッド・マックス』の世界線においては国家は崩壊し世界の支配者はいない)。
映画では荒廃した京都が舞台だが、その京都は東山文化の時代ということのようだが、日本文化は御所あるいは幕府の建物以外にはもはや存在しない。これは中心部にだけ文明化されていても、その周囲にひろがるのは荒野でしかないという世界、そう映画『グラディエーターII』がみせる古代ローマ(紀元後の世界だが)の世界を強く連想させる。ただし『グラディエ―ターII』が貴種流離譚であるのに対し、『室町無頼』の蓮田/大泉は、あくまでも無頼の徒である。無頼の徒が実は将軍の落胤だったというような設定ではないところがよい。
ただし『室町無頼』から強く連想される最近の映画は、方向性が正反対で敵と味方が真逆でありながら、どこか似ている『はたらく細胞』である。戦争アクション映画はローテクであればあるほど迫力をます。そこに肉弾戦の要素が入るからである。ハッカーが戦争を起こし、ハッカーが戦争を防ぐという現代の戦争に映画的みどころは存在しない。『はたらく細胞』は、人体における生理的・化学的反応をすべて擬人化しているため、白血球も、キラーT細胞も、NK細胞もどれも、細菌をナイフで殺す――飛び道具は使わない。そしてそれは『室町無頼』における剣を使うアクションと何ら変わりない。
ただ、『はたらく細胞』との比較は、『室町無頼』の世界を照らすというよりも、『室町無頼』によって『はたらく細胞』の世界のイデオロギー的限界があぶりだされるのであって、この点は深追いしないでおくが、ただ、『はたらく細胞』と『室町無頼』は、両極にあるというか、同じ図柄を共有している絨毯の裏と表という関係にあることは明記しておきたい。
【たとえば室町幕府からみれば、一揆は、ガン細胞の増殖みたいなものである。しかし、がん細胞がいくら増殖して人体をのっとっても、人体をコントロールする力はない。それどころか人体を破滅させるしかない。一揆勢力はそれをわかっているから、国家権力に歯向かうとはいっても、農民や庶民を苦しめる証文を破棄するというかたちでとどまっている。国家転覆を目指しているわけではない。】
一揆という反乱は最後には祝祭となって終わる。庶民や農民の歓喜の踊りがそこにある。しかしまた犠牲者も多い。無血革命ではなく流血革命である。そしてそこには責任問題も生まれる。もちろん現実には、そのような成功した革命の指導者あるいは成功したテロのリーダーが責任をとらないことは多い。イスラエルの首相にもなったメナヒム・ベギンは、キング・デイヴィッド・ホテル爆破というテロ行為やデイル・ヤシーン村での虐殺事件などに関与した過激派のシオニスト=テロリストだったが、1978年にノーベル平和賞を受賞している(過去の違法なテロ行為を反省したからではない)。
文学・演劇・映画では、そのような非道を許すことはない。あるいは許さないからこそ、文学の存在価値がある。これは勧善懲悪とは違う。人を殺したら、自らもその責任をとらねばならない。いわゆるPoetic Justice(詩的正義)の問題である。ハムレットがあやまって人を殺したとき、ロミオが友人を殺した人間を激昂して殺したとき、この主人公たちは、同情に値する優れた人間であるけれども、劇の最後には死ぬのだろうと観客は予想し、そのとおりになる。だが、死による代償を払うことによって、その行為は高貴さと崇高さをまとうことになる。
『室町無頼』でも、多くの死に関係する者たちがのうのうと生き延びることはしない。生き延びてほしい人物も含めて、関係者には死の代償が訪れる。だが、それによって、行為(一揆)が無駄であったということではなく、むしろ一揆の精神が魂が後世に生き延びて行けるのである。その意味でも、けっこう正統的な時代劇であった。
【追記:私がはじめて読んだ本格的時代小説は、井上靖の『風林火山』だった。その作品が収録されている本には、さらにもうひとつ井上作品(長編)が収録されていて、それが『戦国無頼』であった。『風林火山』には史実に基づく人物が登場していたが、『戦国無頼』の主要人物はすべて虚構の人物だった。彼らの愛憎劇が主流であり、そのため子供の私にはあまり面白くなかった。またこの『戦国無頼』は映画化されていた。私が生まれるまえに制作された映画(1952年、稲垣浩監督、三船敏郎、三國連太郎、山口俶子ほか)で、いまでもDVD とか配信でみることができるのかどうかわからないが、この小説あるいは映画と『室町無頼』は関係あるのだろうか。まあ、関係ないようだが。
『国民の文学20 井上靖 風林火山 戦国無頼他』(河出書房)】
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『ボーダーランズ』
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『六人の嘘つきな大学生』
『ヴェノム』2
『ヴェノム ザ・ラスト・ダンス』
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『八犬伝』3
『八犬伝』2
『八犬伝』1
『来るべき世界』
『チャイコフスキーの妻』
『エイリアン:ロムルス』
『関心領域』
『ミッシング』
『ゴジラ-1.0』
『ペナルティループ』
『アーガイル』
posted by ohashi at 12:08| 映画 |
2025年01月28日
『ボーダーランズ』
TVガイドWeb によるストーリー(Web2025.1.27)
最旬!動画配信トピックス
「ボーダーランズ」見どころを紹介! ケイト・ブランシェットら個性派チームのぶっ飛び逃避行
世界中で愛される大人気ゲームを原作に、惑星・パンドラで繰り広げられるスリルとユーモアの旅を描いたアクションアドベンチャー映画「ボーダーランズ」がPrime Videoで配信中。ホラー映画の名手であるイーライ・ロスの監督最新作としても、名優のケイト・ブランシェット主演作としても話題の本作に、注目が集まっている。
物語の始まりは、主人公の賞金稼ぎ・リリス(ケイト・ブランシェット)が宇宙一の大物実業家・アトラス(エドガー・ラミレス)に娘の捜索を依頼されるところから。彼の娘であるタイニー・ティナ(アリアナ・グリーンブラット)が惑星・パンドラで行方不明になったようで、彼女を見つけ出して連れ戻すよう指示される。報酬に満足して依頼を受けたリリスは、自らの故郷でもあるパンドラへ。だが、簡単に思えた任務の裏には、宇宙を揺るがす壮大な陰謀が潜んでいた――。【以下略】
まあ、観てみて面白かったのだが、しかし、アメリカでの評判はすこぶる悪い。今年度の栄誉あるゴールデンラズベリー賞にノミネートされていて、3月1日には受賞するかもしれない。記事にあるように人気のビデオゲームの映画化なのだが、そうした映画としては歴代最悪から二番目の興行収入らしい。
アマゾンのプライムビデオをパソコンとかテレビの画面、タブレットや携帯の画面などで観ていると、充分に面白いのだが、映画館の大きなスクリーンで観ると、さすがに安っぽさが目についてしまうのだろうか。
配役にも問題があるかもしれない。ゲームでは22歳という設定のリリス(主人公)を、映画では55歳のケイト・ブランシェットが演じている。映画のなかではもう若くないというようなことをケイト・ブランシェットは述懐するし、また中高年の女性が主人公で悪いということはないが、ただ、どうみても若い女性という設定のようなので、中高年の女性が女子高校生のコスプレをしているような痛々しさがある。ケイト・ブランシェット自身は、このハードなアクション役をけっこう気に入っているようなのだが、しかし、誰もが、彼女に対して仕事を選んだらと言いたくなる。あるいはケイト・ブランシェットの無駄遣いという気がしてならない。
もう一人の無駄遣いはケヴィン・ハートである。Netfixオリジナルの映画『Lift/リフト』(2024)ではお笑いを封印した役柄で、それはそれでよかったのだが、今回は、お笑いが中途半端。一輪車ロボットのクラップトラップが、ケヴィン・ハートが演じてもいい、う
【菓子】「きのこの山」「たけのこの里」に異変 「チョコ」がいつの間にか「準チョコ」に...明治が明かしたその経緯 [シャチ★]
人気のお菓子「きのこの山」「たけのこの里」について、「チョコレート菓子」だったのが、いつの間にか「準チョコレート菓子」になっていると、ネット上で話題になっている。
カカオ分の割合で、「チョコ」か「準チョコ」かの表示になるが、発売元の明治(東京都中央区)は、商品パッケージの表示変更を発表していなかった。どんな事情があったのだろうか。
■「実質サイレント値上げ」「しれっとカカオ減らした」との声も
バレンタインデーの2025年2月14日が近づき、デパ地下などのチョコ商戦が活発だが、今回は、異変が起きているともテレビ番組などで伝えられている。
原料となるカカオ豆の価格が高騰し、チョコの値段も上がって、クッキーとのミックス商品などが人気だというのだ。
そんな中で、1月28日ごろ、「きのこの山」「たけのこの里」が「準チョコレート菓子」になっているとX上で報告があり、2月2日になって、ネット掲示板やまとめサイトで、そのことが取り上げられ、大きな話題になった。
準チョコレートとは、業界で定めている「チョコレート類の表示に関する公正競争規約及び施行規則」によると、カカオ分が全重量の15%以上含まれるなどのものを指す。これに対し、チョコレートとは、カカオ分が全重量の35%以上含まれるなどのものだ。チョコレート生地が全重量の60%未満なら、「チョコレート菓子」「準チョコレート菓子」と菓子が付く。
明治のサイトでも、準チョコについて解説があり、「カカオの風味はチョコレート生地よりも弱くなります」「コスト面と風味のバランスを考えて作られている」などとあった。
カカオ豆高騰などから、明治は1月17日、5月20日発売分から「きのこの山」「たけのこの里」の内容量を1割ほど減らすと公式サイトで発表した。しかし、この中では、準チョコへの変更は触れられていなかった。
この変更が話題になると、ネット上では、様々な意見が寄せられた。
「品質も下がっちゃうのか...」「実質サイレント値上げ」「しれっとカカオ減らした」と厳しい声も上がった。もっとも、原材料高などから理解を示す声も出て、「気づくか気づかない程度の差しかないの企業努力を感じる」との意見もあった。(以下ソースで
2/5(水) 10:51配信 J-CASTニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/36b734e6de90f8a178aaea2a8c57db6265d40f42
画像 きのこの山
https://news.yahoo.co.jp/articles/36b734e6de90f8a178aaea2a8c57db6265d40f42/images/000
2025/02/05(水) 15:01:17.82 ID:A8K/BwsM9
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ゼレンスキー大統領 核兵器の保有言及「何が私たちをこの悪から守ってくれるのか」 [お断り★]
ウクライナのゼレンスキー大統領は、NATO=北大西洋条約機構の加盟が認められるまでの間はロシアの脅威から安全を確保する手段が必要だとして、核兵器の保有にも言及しました。NATO加盟の必要性を強く訴えるねらいとみられます。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、4日に公開されたイギリスのジャーナリストのインタビューに対して、NATO=北大西洋条約機構の加盟まで時間がかかるとして「何が私たちをこの悪から守ってくれるのか」と述べ、加盟が認められるまでの間、ロシアの脅威から安全を確保するための手段が必要だと訴えました。
そのうえで、旧ソビエト時代に核兵器がウクライナに配備されていたことを念頭に
詳細はソース NHK 2025/2/5
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250205/k10014713011000.html
2025/02/05(水) 14:44:43.47 ID:Kdik0hb39
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トランプ大統領「ガザ地区を所有する」住民は移住を ★3 [どどん★]
アメリカのトランプ大統領はパレスチナ自治区ガザについて、アメリカが所有し、経済開発を進める考えを示しました。
アメリカ トランプ大統領
「アメリカはガザ地区を掌握する。私たちが所有する。不発弾や武器など危険なものすべてを責任をもって解体する」
トランプ大統領は4日、イスラエルのネタニヤフ首相と会談しました。
トランプ大統領は会談終了後の記者会見で、ガザを巡るイスラエルとハマスの停戦の維持を望むとしたうえで、荒廃したガザは住むのに適さず、住民は別の場所に移住すべきという考えを改めて示しました。
また、アメリカが戦闘で倒壊した建物や不発弾を撤去して「経済開発」を進め、長期にわたってガザを所有する考えを示しました。
安全確保のため、ガザにアメリカ軍を派遣することも否定しませんでした。
テレビ朝日
https://news.yahoo.co.jp/articles/a7e41c87674ee3061ff0bf6ededf2df9006bf412
前スレ
トランプ大統領「ガザ地区を所有する」住民は移住を ★2 [どどん★]
https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1738727301/
2025/02/05(水) 14:42:15.46 ID:BjdOylSn9
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【外食】餃子の王将 2月14日から値上げ 餃子1皿が341円→363円、炒飯は627円→693円に(いずれも東日本エリア、税込) [シャチ★]
「餃子の王将」が去年に続き、値上げです。餃子1皿が、東日本では341円から363円に値上げされます。
「餃子の王将」を展開する王将フードサービスは、今月14日から餃子やチャーハンなどの定番商品を値上げすると発表しました。
▼「餃子」は東日本では341円から363円(税込)に、西日本では319円が341円(税込)に価格を引き上げます。
▼「炒飯」は東日本では627円から693円(税込)に、西日本では572円から638円(税込)に引き上げられます。
値上げは去年6月以来となります。
王将フードサービスは、値上げの理由について「原材料費、物流費、光熱費等の高騰分を補うまでには至らなかった」とコメントしています。
TBSテレビ
https://news.yahoo.co.jp/articles/e8f585ac0eaf9713118751fcaa5a963aeb53b5c4
2025/02/05(水) 14:04:18.01 ID:A8K/BwsM9
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こども家庭庁、前年度比約2兆円増の7兆3270億円 この組織は少子化の歯止めになってる? 本当に必要なのか ★3 [お断り★]
こども家庭庁 少子化の歯止めに役立っている?
こども家庭庁という組織は本当に必要なのだろうか。
昨年末に閣議決定された同庁の2025年度予算案は、前年度比約2兆円増の7兆3270億円にもなるという。
詳細はソース 2025/2/2
https://mainichi.jp/articles/20250202/ddm/012/070/013000c
前スレ
https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1738680734/
2025/02/05(水) 13:47:29.80 ID:Kdik0hb39
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トランプ大統領「ガザ地区を所有する」住民は移住を ★2 [どどん★]
アメリカのトランプ大統領はパレスチナ自治区ガザについて、アメリカが所有し、経済開発を進める考えを示しました。
アメリカ トランプ大統領
「アメリカはガザ地区を掌握する。私たちが所有する。不発弾や武器など危険なものすべてを責任をもって解体する」
トランプ大統領は4日、イスラエルのネタニヤフ首相と会談しました。
トランプ大統領は会談終了後の記者会見で、ガザを巡るイスラエルとハマスの停戦の維持を望むとしたうえで、荒廃したガザは住むのに適さず、住民は別の場所に移住すべきという考えを改めて示しました。
また、アメリカが戦闘で倒壊した建物や不発弾を撤去して「経済開発」を進め、長期にわたってガザを所有する考えを示しました。
安全確保のため、ガザにアメリカ軍を派遣することも否定しませんでした。
テレビ朝日
https://news.yahoo.co.jp/articles/a7e41c87674ee3061ff0bf6ededf2df9006bf412
前スレ
トランプ大統領「ガザ地区を所有する」住民は移住を [どどん★]
https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1738720345/
2025/02/05(水) 12:48:21.16 ID:BjdOylSn9
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【八潮市道路陥没】運転手の救出活動を再開…作業用スロープが完成し重機でがれきの撤去始める ★34 [Ailuropoda melanoleuca★]
2025/02/01 13:42
埼玉県八潮市で起きた県道の陥没事故で、穴にトラックごと転落した70歳代の男性運転手の救出に向け、重機の作業用スロープが1日昼に完成した。重機を穴に投入してがれきの撤去も始め、救出活動を再開した。現地では2日朝から雨や雪が予想されているため、消防などは土砂やがれきの撤去を急ピッチで進める方針だ。
穴の深さは約15メートルあり、底から8メートルの高さまで土砂やがれきが 堆積たいせき している。穴につながるスロープは幅が約4メートル、長さが約30メートルで、県は1月30日午後から造成を進めていた。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20250201-OYT1T50097/
※追加ソース
八潮の道路陥没、トラック運転席部分は不明のまま…下水道管の応急復旧には1週間かかる見通し
https://www.yomiuri.co.jp/national/20250201-OYT1T50202/
八潮道路陥没、穴の中で水あふれ救出作業の中断続く…下水管に障害物詰まり逆流の可能性
https://www.yomiuri.co.jp/national/20250202-OYT1T50067/
八潮の道路陥没、スロープ拡幅で水の湧出部分を迂回へ…潜水可能なドローンで下水道管内を調査
https://www.yomiuri.co.jp/national/20250203-OYT1T50061/
八潮陥没、「水中ドローン」投入も速い流れで調査難航…県は120万人に「可能な限りの節水」要請
https://www.yomiuri.co.jp/national/20250204-OYT1T50168/
【ライブ・9日目】救助阻む水 再び 節水要望の可能性も / 新たなスロープ着工 埼玉・八潮市の道路陥没 現地最新映像 空撮も【LIVE】(2025年2月5日) ANN/テレ朝
https://www.youtube.com/live/_EfoNYNitqQ
【最新情報まとめ】水の使用制限も「期待ほど効果なかった」 周辺の節水要請を数日続ける可能性 埼玉・八潮市の道路陥没
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/900017531.html
前スレ
https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1738708310/
2025/02/05(水) 12:03:45.71 ID:a3P8S5qt9
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特定技能バス運転手誕生へ、岡山 インドネシアの男性初合格 [どどん★]
外国人労働者を中長期的に受け入れる特定技能制度の対象にバス運転手が新たに追加され
1日前
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3日前
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4日前
4日前
19時間前
19時間前
2025年02月03日
立春寒波
仕事で外出したが、まあまあ歩けた。年齢なりの回復状況かな。太ったかも。
『シャンパンは死の香り』 レックス・スタウト 論創社 読了
「死の香り」シリーズ第二弾(笑)。面白かった。
衆人監視下の毒殺で、本格ミステリ的には、どうやって(いつ)投入したのか、どうやって確実に標的に飲ませる(食べさせる)のかが謎になり、本作でもそこはきちんと、ウルフにより説明される。
それはそうなのだが、ネロ・ウルフ(&アーチー・グッドウィン)のミステリとしての面白さは、事件が生じることとなった動機について、「ああ、そういうことがあるかも」と思わせる人物描写にあると思う。
最近のミステリでは「そんなことで殺すかな」と思うようなことがあるけど、このシリーズを読んでいると、ほとんどの人物が隠し事をしているのだが、彼ら彼女らにはそうしたい事情があるし、見え見えの噓を言ったり、苦し紛れの言い逃れをする人物にも、それなりの理由がある。
そんなジャングルをかき分けてウルフが明らかにする真相は、苦いというかやるせないというか、いかにも人間ぽい、動機というか気持ちが見えてくる。
それを覗き見たくて、怖いもの見たさで、読んでおります。はい。
2
3
日本人が知らない遊廓の世界
4
日本人はこのまま絶滅するのか…2030年に地方から百貨店や銀行が消える「衝撃の未来」
「家畜化」が進む人類…考える気力をジワジワ奪う「環境管理」という「ヤバすぎる手法」
意外と知らない「子どもの体験」の実態、一番格差が大きいのは「水泳」だった
「日本の初代天皇」とされる「神武天皇」のお墓がどこにあるか知っていますか
日本人は「死ぬまで働かないといけない」のか…意外と誤解している「定年後の実態」
関西圏の「ひとり負け」…意外と知らない「人口激減の実態」
「日本の初代天皇」とされる「神武天皇」のお墓がどこにあるか知っていますか
東京へ一番若者を送り出している道府県はどこか…故郷の年老いた親を呼び寄せている実態
リベラルアーツという芸術
投稿日 2025年2月3日投稿者 TANAKA Jun
論考を寄稿しました。書誌情報は、田中純「リベラルアーツという芸術──リスクのある自由へ向けて」、石井洋二郎+鈴木順子編『リベラルアーツと芸術』、水声社、2025年、241〜256頁。
カテゴリー Essays
リベラルアーツという芸術
2025年2月
0402
陳舜臣『桃源亭へようこそ 中華料理店店主・陶展文の事件簿』(徳間文庫)
陳舜臣の短篇集『桃源亭へようこそ 中華料理店店主・陶展文の事件簿』を読む。副題にもあるように名コックにして名探偵・陶展文の活躍をまとめた一冊である。
「くたびれた縄」
「ひきずった縄」
「縄の綳帯」
「崩れた直線」
「軌跡は消えず」
「王直の財宝」
「幻の百花双瞳(ひゃっかそうどう)」(ノンシリーズ)
▲陳舜臣『桃源亭へようこそ 中華料理店店主・陶展文の事件簿』(徳間文庫)【amazon】
収録作は以上。「幻の百花双瞳」のみ陶展文が登場しないノンシリーズだが、料理繋がりの傑作ということでボーナストラックとして収録されている。
しかし浅学にして知らなかったのだが、実はこの一冊で陶展文シリーズの短編はすべて読めるらしい。いや、ここまで少ないとは思わなかった。確かに一般的には中国を舞台にした歴史小説の大家というイメージだろうが、初期はもっぱら本格ミステリ専業であり、ミステリファンにとってはやはり昭和を代表する本格ミステリ作家の一人である。ミステリ関連の短篇集だけでも少なくないはずだ。
ただ、なんとなく理由はわからないでもない。思うに作者は書きたいテーマを何より優先した作家なのだろう。歴史小説へ移行したのはもちろんその表れだろうし、ミステリにしても重いテーマのものが多い。それらのテーマを表現するためには、そもそも型にハマる本格ミステリはそぐわなかったのだろう。ましてやシリーズもの、しかもページ数が限られる短篇においては。
まあ管理人の勝手な想像ではあるけれど、そんなことを頭におきながら読んでみると、本作の方向性も何となくぼんやりと見えてくる。
正直いうと、本格ミステリとしてはそこまで注目すべき点はなく、作者が描きたかったのは昭和の神戸を中心にした華僑たちの暮らしや文化なのだろう。日本人がなかなか知ることのない華僑の世界を舞台に、陶展文がどのように犯罪とかかわり解決に導いていくのか、その過程にも華僑独自の視点などがあったりして興味深い。そんな独特の空気に浸るのがおすすめである。
本書中もっとも印象に残ったのは、ノンシリーズの「幻の百花双瞳」。幻の料理を追求する男の生き様を描く作品だが、意外なところでミステリ的な面白さを持ってきており、この一作だけでも本書を読む価値がある。
あとこれは個人的な好みにもなるが、タイトルの『桃源亭へようこそ 中華料理店店主・陶展文の事件簿』は流石にいかがなものか。字面だけ見ているとコージーやラノベを連想してしまい、あまりに内容と雰囲気が違いすぎていてちょっと残念。
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Date: Tue 04 02 2025 Theme: 推理小説・ミステリー Genre: 本・雑誌
Category: 国内作家 陳舜臣 Tags: -
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陳舜臣『桃源亭へようこそ 中華料理店店主・陶展文の事件簿』(徳間文庫) (02/04)
★国内作家 陳舜臣 (6)
03
前日の外でのベランダ作業が長かったせいか、風邪をひいてしまったらしい。寒いなか、歩いて10分ちょっとのところに安くて美味い定食屋があるってことで昼休みの間に行ってみたところ、列ができてて萎える。11時半開店で第一陣の対応で大変だったのかなー、回転イマイチよくない感じ。韓国からの旅行者と思しき方がちらほら。旅行ガイド的にもおすすめの店らしい。30分ほど待って入店、速攻でチキン南蛮定食をかき込み何とか13時の会議に間に合う。
夜は即興でキャベツとツナのパスタ。さくっと作って食べたところでメールチェックしたら、超レアキャラ出現の報。とても良い夜となった。明日から雪の予報だけど、どうなるんかねー。
02
奥の小ベランダを掃除、加えて鳩よけスパイクを手摺に設置、巣になってると思しきスペースを覆うネットの調整など。1ヶ月でここまでやるか!ってな荒れ具合に堪忍袋の緒が。さらに東京から送った荷物が届いたので、食材買いに行ってカレーを作ってみるなど。50代も残り少ないので、"男は40を越えると"の残り科目を潰しているw ちなみにカレーは味付けと段取りを失敗。いきなり野菜カレーは不相応だったかな。何回か調整したらまともに作れるようになりそう...ってことで人々がハマるのがよくわかった。
『モナ・シーフィの物語』ペガーナ・コレクション第2期第1巻
ガールフレンド 伊藤人誉ミステリ作品集
2,300円
黒い獣 渡辺啓助ジュヴナイル作品集
3,520円
2025年02月04日
古書の格差
2月に入って当番も終わっているのに、今日も朝から洋書会に出かけたのは自身の出品、カーゴ4台の仕分けがあったからです。
土曜日にお引き取りした、英米演劇関係を中心とした和洋書。値がつくのは、そのうち1台分くらいではないかと思ったのはすでにお伝えしたとおり。
店主の予測は当たらずとも遠からず。ただ最終的には、経費を清算したうえで、僅かなりとも先生に、買い取り代金をお支払いできる結果となり、ホッとしております。もちろん、小店の手間賃も頂戴したうえでです。
ただかなり疲れました。カーゴ4台の本というのは、冊数としてみるとかなりのものです。特に今回は90年代を中心とする演劇雑誌だけでも500冊以上ありました。万が一にも興味を示す業者がいないかと引き取っては来たのですが、買い手は付かず、結局は潰さざるを得ませんでした。
とにかく引き取ってもらいさえすればということで、大きな山を悲しいほどの値で売り渡しています。それでも最悪の予想よりはましだったわけで、持って瞑すべしと言わねばなりません。
その一方で、店主の懇意な同業から洋書会へダンボール9箱の出品があり、開けて見てみると、英文学や詩集の初版本が次々に現れました。
役員で協議の結果、3週後の特選市に出品することにいたしました。というのもこの先2週間、洋書会がないからです。来週は祝日、再来週は中央市会大市のため。
この出品のなかには、1点だけで今日の店主4カーゴの総売上より高い値がつきそうなものが、複数見つかっております。古書はおそるべき格差の世界です。
konoinfo at 20:18|Permalink│Comments(0)│
古書の格差
2025-02-03
「近代出版史探索」番外編 終了のお知らせ
小田光雄亡き後も続けてきた「古本夜話」=「近代出版史探索」番外編の旅もいよいよ終わりを迎えます。
「出版・読書メモランダム」のもう一方の柱である「出版状況クロニクル」は2024年の190回でストップしました。
本人も「最後まで見届けられなくて気がかり」という言葉を3月の入院の際に発しておりました。
昨年の正月には色々な出版企画も考えており、どんなにか心残りだっただろうと思います。
ブログ「出版・読書メモランダム」は2009年から16年間に及ぶ長い旅路でした。
今日までのご愛読、まことにありがとうございました。
「荒地出版社」という今はなき小出版社の翻訳出版事情を記した原稿が、掉尾を飾るのにふさわしく思われますので、こちらを掲載して終わりにしたいと思います。
なお、論創社で連載のコラム「本を読む」を単行本化した『近代出版史探索外伝Ⅱ』が今月末に刊行予定です。
未発表原稿も10編ほど加えていますので、お手に取っていただければ幸いです。
また月刊『日本古書通信』に掲載中の「古本屋散策」はまだしばらく連載が続きます。
戦後の様々な写真集について書かれています。
こちらも合わせてお読みいただければ幸甚に存じます。
実は書庫を片付けていましたら、50年前の「同人誌」が数冊出てきました。
20代前半に書かれた、タイプ印刷の小品です。
本人の承諾もありませんが、小田光雄の原点がここにあるように思われます。
一編を何回かにわけて月曜日と木曜日に掲載することにしました。
よろしければ、引き続きお付き合いください。
小田啓子
2025/02/03 New! 第19回総会記念集会「八ッ場ダム5年目の報告 地質の専門家より」ー3/2、東京
2025年2月 (2)
宝探しⅡ
2025-01-25 06:22:27 | 腐乱死体 ごみ屋敷
5月から書き始めた本ブログ。
半年余が経ち、結構な量になった。
同時に、書いたことと書いていないことの記憶が薄くなってきた。
まだ書いていないことを書いたものと勘違いしたり、またその逆もでてきそう。
その辺のボケは寛容に受け止めてもらえると、ありがたい。
その昔、私が、モノを捨てられない子供だったことは、以前のブログにも書いたかと思う。
親にとってはゴミ同然に思えるようなモノであっても、子供にとっては宝物みたいに大事なモノってある。
私があまりに妙なモノ(玩具の類)を溜め込んでいたものだから、親が勝手に整理して捨てたことがあった。
私は、悔しくて悲しくて、しかも腹が立って仕方がなく、泣き叫んだのを憶えている。
大事なモノって、人それぞれなんだよね。
特掃の仕事をする場は、死体現場であることが多いが、たまに不用品の片付けもやることもある。
「不用品の片付け」と言っても、特掃でやる現場は特別なもの、いわゆるゴミ屋敷が少なくない。
ちなみに、腐乱現場がゴミ屋敷になっていることもかなり多い。
ゴミ屋敷にも色々あり、ゴミの量やゴミの中身も千差万別。
床が隠れる程度の所もあれば、天井近くまでゴミが積み上げられているような所もある。
色々なゴミがゴチャ混ぜになっている所もあれば、新聞・雑誌や空缶など特定の物ばかりがやたらと多い所もある。
ある現場。
腐乱死体現場ではあったが、そんなことよりゴミ山の方がインパクトがあった。
汚染箇所もゴミに埋もれており、遺族も完全にお手上げ状態。
ゴミを片付けることはもちろんながら、貴重品を探し出すことも遺族の強い要望だった。
遺族の欲しがる貴重品とは、預金通帳・カード・印鑑・保険証券・年金手帳etc、金になりそうなものばかりだった。
しかも、小さくて探しにくそうなものばかり。
「考えていても仕方がないんで、とにかく、やるしかないですよねぇ」
私は、見つからなくても責任は持てないことを条件に作業に着手した。
まずは、玄関のゴミから袋詰めをスタート。
中腰姿勢の作業は、なかなかキツい作業だった。
「故人は、なんでここまでゴミを溜めてしまったんだろう」
そう思いながら、ひたすら手を動かした。
「なんとか探し出して下さい!」
遺族は切望していた。
「んー、なかなか見つかりませんねぇ」
期待に応えたいのは山々だったが、いつまでゴミを漁っても一向にでてこない。
それどころか、あまりのゴミの量に疲れてきた私は、探し物をする気力がなくなってきた。
かなりのゴミを片付けると、床に敷かれた汚腐団が姿を現してきた。
「でたなー」
私は、敵の大将でも見つけたかのように、テンションを上げた。
そして、染み付いた特掃本能がムクムクと頭をだし、肝心の探し物はそっちのけで汚腐団との格闘に入った。
汚腐団については過去ブログに頻出しているので、今回は詳細記載は省略するが、例によってこの汚腐団もかなりヤバイ代物だった。
敷布団を上げると何かがあった。
茶色い腐敗粘土がベットリ着いていたので、それが何かはすぐには分からなかった。
よく見るとカードが見え、更によく見ると預金通帳が見えた。
「大事なものを布団の下に隠しておくとは、なかなかの知恵者だな」
「しかも、汚腐団の下じゃ、俺以外は誰も盗めないし」
「抜群の防犯対策じゃん」
私は、何冊かの通帳と何枚かのカードを手にとって叫んだ。
「ありました!通帳とカードがありましたよ!」
「え!?ありました?」
遺族も嬉しそうに応えた。
私は、別室の遺族のもとへ行き、それを差し出した。
「やっと見つかりましたよ」
「え゛っ!?」
「通帳とカードです・・・」
「・・・」
絶句した遺族は、鼻と口を押さえながら眉をひそました。
モノを何と説明したら分かり易いだろう。
んー、表面がドロドロに溶けた板チョコに味噌をからめた感じ・・・かな。
(また食べ物に例えてしまって申し訳ない。)
そんなモノが、探し求めていた預金通帳・カードだと言われても困るのは分かる。
しかし、せっかく探し出したモノを捨てられるのは悲しい。
私は、チョコ通帳と味噌カードをビニール袋に入れて、遺族に手渡した。
「これ、銀行に持って行ってもいいものですか?」
「さぁ・・・銀行の人もビックリするでしょうねぇ・・・やはり、やめといた方がいいと思いますよ」
その後、遺族がそれをどうしたか・・・まさか、銀行には持ち込んでいないと思うが、私が知る由もない。
宝を得るためには、相応のリスクや困難も克服しなくてはならない。
いい教訓を得た。
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2006-11-23 15:28:54
投稿分より
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歴史・社会 「隷属への道」の亡霊は今も 前編
YBSラジオ『マキタ課長 ラジオ無尽』出演のお知らせ
本社が東京都江東区・有明地区から、同青海地区へ移転致しました。詳細は下記よりご覧ください。
BS-TBS『中村勘九郎親子のよくわかるSDGs』出演のお知らせ
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楽しく拝読致しました。貴..
by madamegrimm at 20:35
聴かず嫌いのヘンリク・シェリング ちょっと隣町へ食材を買い...
今野雄二の遺著にその才能を惜しむ 昨夜のこと遅い入浴を済ま...
フェイスフル「20世紀ブルーズ」は「.. 月が更まってしまったが、...
風を見た人、誰かいる? たまたま執筆の必要から脇...
遂に明かされた石井桃子、その生涯の「.. 七年前の2007年3月の...
マリアンヌ死す マリアンヌ・フェイスフル...
# by s_numabe | 2025-02-02 07:37 | 読書 | Comments(1)
2025年02月04日
映画/ 敵
今年映画館で見た13本目の映画
鑑賞日 2月1日
テアトル新宿
評価 ★★★
吉田大八監督・脚本作品、108分、モノクロ、筒井康隆の原作は未読。東京国際映画祭で三つの賞を受賞した作品。
70代も終わり近い年齢の渡辺儀助(長塚京三:画像右)は、かつては名が知れたフランス文学の教授だったが、定年退職して妻に先立たれ、子供もいないため、親から受け継いだ古い屋敷でひとり暮らしをしていた。現役教授だった時代の教え子である女性編集者(瀧内久美:画像左)が時々訪ねてくるのを始め、むかしの人間関係もいくらか続いてはいたが、日本国内ではフランス文学にかつてのような需要がなくなってきたこともあり、仕事に追われているわけでもなかった。
そんな中、渡辺のパソコンには「敵に注意」というメールが定期的に送られてくるようになる。最初はいたずらだと思い読まずに消去していたが、不審な出来事が起こるようになったこともあり、読んでみたところ……
最初は、老人の一人暮らしの模様を淡々と描いているが、徐々に不審な出来事が起こり、老人の妄想か或いは……という展開になる。ただ、現実と奇怪な出来事と妄想の境界線が曖昧になって混沌として……というほどにはなっていない。その辺、どうなんだろう。
あと、主人公は預金の残額から自分が生きていける年数を割り出しているのだが、大学教授の給料や年金なんてタカが知れているというのはそのとおりだけど、預金の残額から余命を割り出さなければならないほどにお金に不自由するというのはちょっとリアリティを欠くのではないか。よほど贅沢な暮らしをしているなら別だけど、この映画を見る限りではそんなに出費がかさんでいるようには思われない。途中で立教・仏文の現役女子学生(河合優実)が授業料が払えないというので立て替えたりしているけれど、私大文系の一年分の授業料は、元教授の預金残高をゼロ近くにするほど高額ではないと思うな。
新宿・初台でオペラ見物のあと、なおホテルに行くには早かったので、久しぶりにテアトル新宿で映画を見た。東京は万事に変化のスピードが速いけれど、ここは以前と変わっていなかった。午後6時40分からの回で、客の入りは半分くらいか。
東京では1月17日の封切だったが、新潟県では長岡市で同時封切なのに新潟市には来ないと思って東京で見てみたわけだけど、その後、イオンシネマ新潟西で2月半ばからの上映が決定した。県内ではほかに上越市のJ-MAXにも上映予定が入った。
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映画
by amiur0358
2025年02月04日
オペラ公演/ ワーグナー: さまよえるオランダ人 (新国立劇場)
2月1日(土)午後2時開演
新国立劇場 オペラパレス
4階2-39、Cランク・シニア 9405円、パンフ1200円
この日は上京して新国立劇場で標記のオペラを鑑賞。このオペラに生で接するのはやっと2回目。前回は2007年3月に同じ国立劇場でのこと。今回の公演も同じ演出によります。ただ、ドイツのオペラハウスでパンフを買うと、この演出での初演はいつで、今回は何回目の公演になるといったことが記載されているのですが、新国のパンフにはそれがないので、見習って欲しいと思います。
ついでに、ゼンタ役のソプラノの名をエリザベートと表記していますけれど、エリーザベトが正しい。もっともこの人はスウェーデン人で、スウェーデン語でどう発音するか実は私も知らないのですが、ドイツ式の発音ならエリーザベト。少なくともエリザベートという発音はあり得ないので、オペラ制作に関わる人は知っておくべきだと思います。最低限、エリザベトならまだしもですが。
今回は残念ながら主役のオランダ人を演じるはずのエフゲニー・ニキティンが体調不良のため出演できず、カヴァーが代役を務めました。二、三日前にメールで通知が来て、またこの日も開演前に劇場支配人がお詫びの言葉を述べました。
なお、ニキティンの降板について、その健康管理には新国にも責任があるのではという意味のことを書いた、オペラに詳しい方の記事が以下にあります。私はこないだ東フィルの長岡公演を二度にわたってキャンセルしたバッティストーニに立腹したわけですけれど、オペラでも「病気だから仕方がない」で済ませないこういう意見があることは知っておくべきでしょう。
https://ameblo.jp/classic-journey/entry-12884357828.html
オランダ人: 河野鉄平(バリトン)
ダーラント: 松位浩(バス)
ゼンタ: エリーザベト・ストリッジ(ストリッジ)
エリック: ジョナサン・ストーン(テノール)
マリー: 金子美香(メゾソプラノ)
舵手: 伊藤達人(テノール)
演出: マティアス・シュテークマン
再演演出: 澤田康子
舞台監督: 高橋尚史
合唱指揮: 三澤洋史
指揮: マルク・アルブレヒト
東京交響楽団(コンマス: グレブ・ニキティン)
新国立劇場合唱団
主要な歌手4人では、代役だから仕方がありませんが、オランダ人が、歌唱そのものはたくみではあるものの、声の迫力はイマイチで、残念でした。他の3人はそれなりだったと思います。オケの東京交響楽団の演奏は申し分ありませんでした。
(なお、上でURLを記したブログ記事にもありますが、ヨーロッパの場合だと主役級の代役でも力量的に問題ない場合が多いようです。私のヨーロッパでのオペラ体験はごくわずかですけど、以前ベルリン州立歌劇場で『トリスタンとイゾルデ』を鑑賞したときイゾルデが代役になりましたが、「これで代役か?」とびっくりするような出来でした。むろん、ヨーロッパと日本では事情が異なりますが。)
演出面でいうと、第2幕で室内で糸巻きの仕事に打ち込む女たちの糸巻き車がいくつも出てきますが、そこでも船(=オランダ人とその運命)の象徴である円形の舵が背景に出ている。舵と糸巻き車の持つ共通した性質がそれとなく示されているのかな、と思いました。
少し前にNHK・FMのオペラ番組でこの作品がかかったのですが、ワグネリアンだという解説者は「長すぎず、印象的なメロディーに富んでいて、ワーグナー入門にちょうどいい」と言っていました。たしかにそのとおりなので、休憩1回を入れて2時間半強ですから、こちらの集中力も途切れませんし、5時間もかかる作品のように聴き終えてぐったりということもありません。
今回考えさせられたのは、筋書き面ではゼンタの位置づけです。最近のフェミニズムに浸食された解釈だと「男性の犠牲になる女性像」みたいな捉えられ方になりがちですけど、第2幕で登場した時点ではオランダ人との関係を予感してそれに憑かれた人物として描かれています。そもそもオランダ人の呪われた運命自体が超絶的なものであり、したがってそれを救う女性も超絶的になる――そういうお話だと思いました。
ただし第3幕になるとゼンタと狩人エリックとの過去が問題になるわけで、少なくともエリックの言葉を信じる限り、ゼンタはかつてエリックに愛を誓ったはずなのです。それを知ったオランダ人はゼンタによる自分の救済はあり得ないと発言するのですが、ゼンタは自分の身をもってオランダ人への愛を証明しようとする。この辺、「男2人・女1人」という三角関係が含まれていて、そういう意味ではありがちなストーリーとも言えることになる。超絶性とありきたりの部分が混ざり合っているオペラなのかな、という印象を受けました。
4階2列目で聴いたわけですが、舞台はほぼ問題なく見えるし、オケや指揮者は全然見えませんけど音楽を聴く分には申し分ないので、これで十分。しかしCランクでシニア料金でも9400円ですから、やはりオペラは高い。(おまけに私の場合は新幹線料金とホテル代もかかっているし。)なお、左隣の中年男のマナーが悪く、しばしば身を乗り出したり(これをやられると真後ろの客が視界を妨げられる)、オペラグラスを落として大きな音を立てたり、感心しませんでした。私のすぐ前の若い男性客はそういうこともなく、しかも休憩後の後半は姿を消してくれたので、舞台がよく見えて助かりました(笑)。昨秋に新国に来たときもそうでしたが、座席にクッションが置かれるようになり、尻が痛くなることもなくなりました。
パンフの最後には賛助会員と維持会員の名が記載されています。個人の賛助会員は年10万円、維持会員は30万円ですから、やはり高いんですよねえ。いや、出して下さっている方々には感謝しなければ。ちなみに法人の賛助会員だと年100万円から。
お金持ちと法人は、オペラを支援しましょう! 私も助かりますので(笑)。
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クラシック音楽
by amiur0358
2025年02月03日
映画/ 室町無頼
今年映画館で見た12本目の映画
鑑賞日 1月30日
イオンシネマ新潟西
評価 ★★★
入江悠監督・脚本作品、135分、垣根涼介の原作小説は未読。
室町時代、応仁の乱の起こる数年前の京都。権力者に虐げられ、借金のカタにと家を奪われる民衆。そんな状況に立ち向かう無頼の武士・蓮田兵衛(大泉洋:画像左)を描いている。
蓮田はふとしたことから知り合った少年・才蔵(長尾謙杜:画像右)を人に預けて特訓し、かつては盟友で現在は権力の犬になっている骨皮道賢(堤真一)と対立しながら世の中を根底から変革しようと……
おごれる権力者vs.虐げられる民衆、という図式がきわめて通俗的。というか、通俗的過ぎて恥ずかしい、という意識すら監督は持っていないんじゃないかな。そういう理屈を言わずに何も考えないで楽しめばいい映画かも知れないけれど、私は最近の日本人映画監督の知的レベルは下がっているという見解なので(他に石井裕也、藤井道人など)、エンタメを作るにしてももう少し何とか……という気分でスクリーンを眺めていた。
ちょっと面白いのは才蔵がシゴかれて戦闘能力を向上させていくあたり。こういう面白さがもう少しあれば。
最近は時代劇に復権のきざしがあるけれど、これはその中にあって不出来なほうだろう。『侍タイムスリッパー』や『十一人の賊軍』に遠く及ばない。エンタメであってもそこにとどまらない何か――それを監督には考えてもらいたい。
新潟市では全国と同じく1月17日の封切で、市内のシネコン4館すべてで公開中、県内他地域のシネコン3館でも上映している。
私は予告編であまり食指が動かなかったこともあり、第2週木曜日の午後の回にやっと足を運んだのだが、十人に満たない入りだった。
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映画
by amiur0358
森の端のところにいた少女がひとり、ハンスのほうを振り返った。このときようやく彼には勝ったのだという気持ちが湧いてきて、彼女に投げキスをするという真似をした――もっとも少女には連れがいたのだが。彼女は金髪で、帽子はかぶらず、労働者の女たちのように暗色のスカーフを身につけていた。しかしスカートは現代風で、ハイヒールの小さなエナメル靴をはいていた。彼女の連れは、機械操作員のような青いリンネルの服を着ていたが、その上にしゃれたサマーコートをはおっていた。
映画/ 敵
オペラ公演/ ワーグナー: さまよえるオランダ人 (新国立劇場)
映画/ 室町無頼
映画 (1835)
クラシック音楽 (531)
2025/2/2 COMITIA151参加者向け
カタログ(ティアズマガジン151)発売中です
詳しくはカタログ販売情報をご覧ください。
TBS落語研究会、さようなら京須偕充
追悼秋山和慶:近衛版ベートーベン3番秋山和慶指揮日本センチュリー交響楽団(2)
2025-02-04
AI に『人情話キックとチョップ』を生成してもらった
153784文字あるので注意 質問: ものすごいキックをしてくる人がいるんですがチョップを徹底的に鍛えてやっつけようと思います。できますか? 回答: それはまるで漫画のようなお話ですね!すごいキックをする人を、徹底的に鍛えたチョップでやっつけることが…
AI に『人情話キックとチョップ』を生成してもらった
2025 / 2
連載中 15話
2025年2月3日更新
連載中 15話
2025年2月3日更新
山形県
24年結婚トレンド調査、山形・宮城の式費用と招待客は増加傾向
結婚情報誌ゼクシィを発行するリクルート(東京)は2024年結婚トレンド調査の結果をまとめた。23年度に行われた山形、宮城両県の結婚式の招待客数は平均50.7人で前年度比3.6人増、費用は平均328万7千円で25万4千円増だった。新型コロナウイルス禍で小規模化が進んだが、コロナ禍が明けて増加傾向に転じている。
招待客数は22年調査の36.7人を下限に回復。全国平均52.0人に比べ1.3人少なかった。構成比をみると60~70人未満が12.8%で最も多く、50~60人未満11.7%、30~40人未満11.2%、20~30人未満10.1%と続いた。10人未満は5.6%になり、160人以上も0.6%あった。
調査は2023年4月~24年3月に結婚式を挙げた全国の夫婦5973組を対象に、24年4~5月に行い、3656組から回答を得た。回答率は61.2%。山形・宮城両県からの回答者は197組。
なかなか面白いデータで、山形・宮城両県からの回答者197組のうち招待客160人以上が0.6%ということは、1組そういう大きな結婚式があったということだな。
ご祝儀総額は11万7千円増の188万1千円になり、全国平均205万6千円を17万5千円下回った。
費用の自己負担額は平均173万8千円(全国平均は161万3千円)だった。
祝儀の総額と自己負担額が連動しているようだが、170万円の出費は厳しい若者も多そうだ。
式費用と招待客は増加傾向にあるとあるが、物価高が押し寄せており、今後はどうなるだろな。それと、増加傾向とはあるが、結婚式の数自体はどうなんだろうか。結婚するカップルは減少しているはずで、この記事では触れられていないようだが、負担額の上昇は結婚へのハードルにもなると思う。
◎この頃から一人で遊ぶのか好きだったのかな。
画用紙を切って直径10センチほどの円盤を作り、その円周に
沿って1センチ間隔くらいで、これも1センチほどの切り込みを
入れていく。そしてその各部分を、円盤を水平に持った場合
にはだが、上、下、上、下と、交互に折っていく。そうやって
折り終えると円盤は垂直に立つようになり、これを風が吹いて
いるとき道路に立ててやると、その力を受けて回転走行しだす。
小学校低学年の新潟時代、友達に教えてもらったのか、
それとも自分で偶然「発見・発明」をしたのか、風の強い日に
それを作って試したことがある。
当時のことで道路は舗装されていなかったが、雨の降らない
日がつづいていたのだろう、土の表面は乾いてカチカチに
なっていた。そこを小さな円盤が予想以上のスピードで走り
だし、こちらもそのあとを小走りに追っていく。途中で倒れる
こともなく、倒れたとしても二度か三度くらいだったと思うが、
立ててやればまたくるくるまわって走りつづけ、となりの町内、
さらにまたそのとなりの町内へと進んでいく。人通りがなく、
車など元来ほとんど通らない道だったから、延々とまわり
つづけ、追いつづけ、遂にバスや車の通る道路につながって
いる場所へまで行ってしまったのだ。
小学校低学年の自分には遠出であり、さすがにその先は
危ないからそこでストップしたのだが、夕方に近い時刻、風の
強い無人の道路を、ひたすら回転円盤を追って走っていく子供。
その姿を想像すると、それだけで短編が一本書けるとわかる。
昭和30年代初めのことであるが、時代と主人公を現在の子供
にしても書けるのか、それともやはり設定を当時にしなければ
不自然になり、雰囲気なども伝えにくくなるのか。そこは検討
しなければならないが、何かを象徴または暗示するような、
情感のこもった作品になると思うのだ。
misuzuno.18 | 2025年2月号
2025年2月号
2
no.18 | 2025年2月号
ゆれる水脈――写真 表象のさきに2
揺らめく(2)
2025年2月3日
なぜ人は自然を守りたいのか?――進化と生態で迫る深層2
生物多様性保全のカギ① 生態学
深野祐也
2025年2月3日
心理学の現在地を読み解く3
連載記事
より良い定義、より良い結果?
平石界
2025年2月3日
咬んだり刺したりするカフカの『変身』25
連載記事
グレーゴル、見つかる!
頭木弘樹
2025年2月3日
表紙写真・赤木遥
注目記事
バックナンバーより
山本和夫『現代詩人研究』山雅房、昭和16年(pp.248-251に詩の引用と評言あり)
2025年2月25日発行
3月刊行予定
2025-02-01
カン拡張ラムダ計算化 方針
雑記/備忘
「カン拡張ラムダ計算化計画」より: この記事ではこれ以上の内容は述べませんが、引き続く記事達でカン拡張ラムダ計算化計画をちょっとずつ実行する予定です。 というわけで、ちょっと書きます。内容: 使う道具・技術・枠組み 使う具体例 使う道具・技術・…
カン拡張ラムダ計算化 方針
2025 / 2
自費出版のご案内
メディア掲載情報
2025.01.21
【1月21日】『アマネクハイク』(神野紗希・著)「愛媛新聞」掲載
【メディア掲載情報】 2025年1月21日、「愛媛新聞」で『アマネクハイク』(春
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2025.01.21
【1月21日】『アマネクハイク』(神野紗希・著)「愛媛新聞」掲載
【メディア掲載情報】 2025年1月21日、「愛媛新聞」で『アマネクハイク』(春
『アマネクハイク』
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2月の気になる新刊
2月2日刊 ジャック・ケッチャム『冬の子 ジャック・ケッチャム短篇傑作選』(金子浩訳 扶桑社ミステリー 予価1320円)
2月12日刊 R・F・クァン『バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 上下』(古沢嘉通訳 東京創元社 予価上3300円・下2750円)
2月12日刊 森瀬繚『ラヴクラフト語辞典 H・P・ラヴクラフトにまつわる言葉をイラストと豆知識で禍々しく読み解く』(誠文堂新光社 予価2200円)
2月13日刊 岡本綺堂『旅情夢譚』(光文社文庫 予価880円)
2月19日刊 D・M・ディヴァイン『こわされた少年』(野中千恵子訳 創元推理文庫 予価1320円)
2月19日刊 ジョーン・エイキン『月のケーキ』(三辺律子訳 創元推理文庫 予価1100円)
2月25日刊 近藤健児『世界文学全集万華鏡 文庫で読めない世界の名作』(青弓社 予価2640円)
2月26日刊 シルビナ・オカンポ/アドルフォ・ビオイ・カサーレス『愛する者は憎む』(寺尾隆吉訳 幻戯書房 予価2970円)
2月26日刊 牧原勝志編 紀田順一郎・荒俣宏監修『新編 怪奇幻想の文学6 奇蹟』(新紀元社 予価2750円)
ジョーン・エイキン『月のケーキ』は、イギリスの作家エイキンのファンタジー短篇集の文庫化。ダークなタッチのものが多いので、怪奇小説ファンにも楽しめるのでは。
『愛する者は憎む』は、アルゼンチン幻想文学の作家オカンポとビオイ・カサーレス、夫婦が合作の探偵小説とのこと。これは面白そうですね。
『新編 怪奇幻想の文学6 奇蹟』は、名アンソロジーの新版として刊行されてきたシリーズの最終巻。新しい定番アンソロジーとして完結を喜びたいところです。
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【2025/02/01 20:21】 | 雑記 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) |
死者の集う駅 山田正紀『サブウェイ』
山田正紀『サブウェイ』(ハルキ・ホラー文庫)は、地下鉄の駅に行けば死者に会える…、そんな都市伝説を信じて駅を訪れる人々の姿を描いたホラー小説です。
地下鉄「永田町」の駅に行けば、死人に会える…。そんな都市伝説を信じた人々が駅を訪れ、それぞれが体験する心霊現象が描かれていくというホラー作品です。
クラスメイトを事故で大量に失った女子学生、子どもが行方不明になってしまった夫婦、愛人と死に別れた女、天涯孤独で定年間近の駅員、妻を自殺で亡くした男など、身近な人間を亡くした人々が、駅や電車内で不可思議な現象に出会う様が群像劇的に描かれていきます。
死者や幽霊現象そのものよりも、残された人間の悲哀や後悔、罪の意識がメインで描かれていくということで、かなり重苦しい雰囲気になっていますね。しかも、駅を訪れた人々はほとんどが死に引き寄せられてしまうようで、命を落としてしまう…という展開もかなりダークです。
それぞれの身近な死者をめぐるエピソードは、それだけでも人間ドラマとして読み応えがあります。特にいじめっ子の女生徒を生前憎みながらも、事故で死んだ後にも彼女に会いたいと願う少女をめぐるエピソードと、子どもが行方不明になり、それにより生まれた夫婦間の齟齬と愛憎が描かれるエピソードは興味深く読めますね。
ひたすら陰鬱なので、ホラーとしての爽快感はほとんどないのですが、駅に突然出現する霊現象であるとか、電車内で絶望に襲われて突如自殺してしまう男であるとか、ところどころで非常に怖いシーンもあり、恐怖小説としては秀作ではないかと思います。
ただ、後味は非常に悪いので、読者によって好みの分かれそうな作品ではありますね。
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テーマ:怪談/ホラー - ジャンル:小説・文学
【2025/02/01 08:49】 | 日本の作家 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) |
恐るべき名作たち 『名著奇変』
柊サナカ、奥野じゅん、相川英輔、明良悠生、大林利江子、山口優『名著奇変』(飛鳥新社)は、日本文学の名作をテーマに構想されたホラー小説を集めた、書き下ろしアンソロジーです。
見知らぬ女性から奇怪なメッセージが届き続けるという「SNSの中の手紙」(柊サナカ)、殺人のあった廃屋を訪れた少年たちが謎の怪物に襲われる「影喰い」(奥野じゅん)、憧れていた少女の失踪の謎が明かされる「Under the Cherry Tree」(相川英輔)、死者の魂を運ぶ列車に乗り込んでしまった少年の物語「カムパネルラの復讐」(明良悠生)、少女の面倒な行為を「代わって」くれる謎の少年が現れる「せりなを書け」(大林利江子)、人間関係で行き詰った少女がVチューバーになるものの、それを友人に見破られるという「山月奇譚」(山口優)を収録しています。
日本文学の名作をテーマにしたホラー小説を集めたアンソロジーです。モチーフのみを流用している作品もあれば、オマージュ的な作品もあり、原型をとどめていない作品もありと、その「本歌取り」具合は様々です。
元になっている作品は、それぞれ、葉山嘉樹『セメント樽の中の手紙』、谷崎潤一郎『陰翳礼賛』、梶井基次郎『櫻の樹の下には』、宮沢賢治『銀河鉄道の夜』、太宰治『走れメロス』、中島敦『山月記』とのこと。
一番原作からの改変度が高いというか、全く別の作品になっているのが、「影喰い」(奥野じゅん)。
逆恨みした男によって、一人を除き一家全員が殺された事件の起こった家に、取材に訪れた少年二人。部屋を見て回っているうちに、影のような奇妙な怪物が現れ、襲われそうになりますが…。
原作がなんと、谷崎潤一郎のエッセイ『陰翳礼賛』です。サスペンスたっぷりの怪物ホラーとなっていて、とても面白いです。影と部屋をめぐって超自然的な法則を見出しながら危機を避けようとする少年たちの冒険にはハラハラ感がありますね。同時に、過去の殺人事件に隠された謎についても展開されるあたり、読者サービスも満点です。
パロディ度が高いのが「山月奇譚」(山口優)。タイトルから分かる通り、中島敦『山月記』が原作です。
作家の「私」は女性新人編集者の袁田から、友人の話だとして、ある話を聞くことになります。それは、学業優秀でありながら、人間関係に行き詰まり、Vチューバーとして再起を狙う女性の話でした…
友人の名前が『山月記』そのままの「李徴子」(読み方は「りみこ」らしいです)だったり、物語そのものも原作をなぞっていたりと、原作を読んでいるといろいろ楽しいですね。ホラー的な捻りも入っており、ブラック・ユーモアも強烈です。
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テーマ:怪談/ホラー - ジャンル:小説・文学
【2025/02/01 08:43】 | 日本の作家 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) |
死が覆う町 ブリジット・オベール『ジャクソンヴィルの闇』『闇が噛む』
ブリジット・オベールの長篇『ジャクソンヴィルの闇』(香川百合子訳 ハヤカワ・ミステリ文庫)は、平和な田舎町が超自然的な災厄に襲われるというモダンホラー作品です。
アメリカ南部の田舎町ジャクソンヴィル。夏を迎えた町では、ゴキブリの異常発生が続いていました。そんななか、切り刻まれた少女の死体が発見されます。猟奇的な殺人事件はその後も続き、残された死体には損壊のみならず、人肉食の跡さえもがあったのです。
親友同士の12歳の少年ジェレミーとローリーは、信じられないような事態に度々遭遇することになります。二人は、一連の事件には、先ごろ両親と共に命を落とした少年ポール・マーティンが関わっているのではないかと疑っていました…。
アメリカの田舎町で猟奇的な殺人が多発し、町全体が災厄に巻き込まれていく…というホラー小説です。
見つかった死体には、残虐な行為が加えられているのみならず、その損壊具合は、人間によって可能なのかどうかさえ分からなくなるほどのものでした。折しも町ではゴキブリの異常発生が続き、それらも事件と何らかの関係があるようなのです。
親友同士の少年ジェレミーとローリーを視点人物として、町中で多発する異常現象が描かれていきます。
序盤から超自然味が濃厚です。ローリーが使うコンピュータが超自然的な予言をするほか、ローリーの母親セルマや法医学者ルイスの様子など、明らかに様子のおかしい人物が描かれたりと、町がなんらかの災厄に巻き込まれつつあることが示されます。殺人に関しても、人間には不可能なレベルの犯行が描かれ、「犯人」が超自然的存在だろうことはうすうす分かるようになっています。
序盤はじわじわと町に異変が起こりますが、段々と事態が明らかになるにつれて、その災厄も大がかりなものになり、後半では町が阿鼻叫喚になってしまうという、モダンホラーの見本のような作品で、エンターテインメントとして非常に面白いです。
主人公の少年二人のほか、インディアンの血を引く地元警察署長ハービー・ウィルコックス、警察に協力するベトナム帰りの老人ビッグ・T・バーガー、一見知的な障害があるかに見えるハンサムな青年ダック・ロジャーズ長身の黒人FBI捜査官マーヴィン・ヘイズとその相棒の美女サマンサ・ウェスタートンなど、登場するキャラクターたちも非常に濃いです。後半の大災厄では誰が生き残れるのか? といったサバイバル的な興味もありますね。
超自然的な怪物が現れる「怪物ホラー」といえるのですが、その現れ方も特殊、事件の「真相」もなかなか予測の付かない意外なもので、ミステリ的な興趣もありますね。起こる事件がグロテスクかつ派手なのですが、そのテンションが非常に高く、「陽性」であるため、常時楽しく読める、爽快感のあるホラー作品となっています。
ブリジット・オベールの長篇『闇が噛む』(香川由利子訳 ハヤカワ・ミステリ文庫)は、同著者の『ジャクソンヴィルの闇』の直接の続編となるホラー小説です。
ジャクソンヴィルを襲った大災厄から二年、生き残った六人の人間たちはそれぞれの生活を送っていました。祖父を失い、暮らしていた孤児院から脱走したジェムは、幼い少女と少年がホームレスの女性を襲うのを目撃します。ジェムは、ラスヴェガスにいるはずの、共に生き残った高齢の女性ルースに助けを求めようと考えます。
ジェムの失踪を知った、元警察署長ウィルコックス、FBI捜査官サマンサとマーヴィン、そしてジェムの親友ローリーもまたジェムの跡を追うことになります。
一方、ジェムが殺人犯だと信じ込んだ陰謀論者のアグネロ警部補もまた、ジェムを追跡することになります。闇の神「ヴァーサス」から、ジャクソンヴィルの生き残りの人間を殺せと言う命令を受けたマクマレン親子もラスヴェガスに現れることになりますが…。
前作で生き残ったジャクソンヴィルの人々を、更なる災厄が襲う…というホラー作品です。
闇の神「ヴァーサス」の力により甦った、死者であるマクマレン親子が、猟奇的な殺人を繰り返しながら、生き残りの人々を狙う、というお話になっています。直接的な「敵」はマクマレン親子の三人だけなので、前作の町全体の災厄に比べると規模が小さいのですが、今作ではそれ以外にも陰謀論者で思い込みの強いアグネロ警部補が登場し、物語をかき回します。
ジェムを追って、別の場所にいた他の生き残りたちが集まろうとする中、マクマレン親子やアグネロがそれらをさらに追う、という形で、ハイテンションな追跡劇が繰り広げられます。
また、六人組の協力者となるゲイのミュージシャン、バディ・コール、闇の力により甦った死者サリー・ケラーマンなどのキャラクターが加わり、物語はスラップスティックな度合いを強めていくことになります。
全体にコメディ度が高いのが特徴で、前作同様残虐なスプラッターシーンも多いのですが、それらが人体損壊をめぐるブラック・ユーモアを持って語られるので、後味は意外に悪くないですね。
闇の力の化身である「ヴァーサス」とその手下であるマクマレン親子が、主人公たちの敵となっているのですが、単純な善対悪、という構図にならないのも面白いです。というか、後半では、個人や町レベルを超えて、何と世界
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佐野広実『氾濫の家』
『SF詩群 評論と実作』2024年度版
『冒険家クラブの冒険談』
森下雨村『赤い塔の家』
佐野広実『氾濫の家』
『SF詩群 評論と実作』2024年度版
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森下雨村『赤い塔の家』
January 31, 2025
Carr Graphic 44th(blog-22) 青ひげの花嫁/別れた妻たち / My Late Wives (1946)
(画像をクリックすると大きく見られます)
〈あらすじ〉
ペローの〈青ひげ〉よろしく、幾人もの女性と結婚し、そのたび妻が行方不明となって、連続殺人鬼と噂されながらも捕まることのなかった男ロージャー・ビューリー。そのビューリーを題材にした舞台劇の脚本を何者かから送られた俳優ブルースは興味をひかれ、演出家の提案によって、田舎町でビューリーの真似をして若い女性を誘惑するドッキリを仕掛けて、芝居の演出プランの手ごたえをはかることになった。ところが当地でブルースはビューリー本人だと誤解され私刑を免れないような雰囲気に陥る。かつてビューリーを取り逃がしたことに悔恨の念を抱くマスターズ主任警部、そしてH・M卿が当地を訪れるころには、本当に事件が起きて……。
〈会員からのコメント〉
「連続殺人鬼は死体をどうやって始末したか」というのが謎として提出されるが、これが前面に押し出されることはなく、物語はH・Mのドタバタ喜劇と俳優のブルース・ランソムを中心にしたブラックユーモア風の展開で進む。まあ、カーもこれを書きたかったのだろう。
連続殺人鬼は前面には出てこない。この物語が始まる時点で連続殺人は終っているのである。その後、十一年間も悪いことはしていない。変な戯曲さえ送りつけなければ捕まる心配は無かったのだ。
死体の隠し場所はミステリを読み馴れた人や勘の良い人には分かるのではないかと思うし。
文庫化に際して題名が『青ひげの花嫁』に変わったが、私は『別れた妻たち』のままほうが良かったと思う。まあ正確には『死んだ妻たち』だろうが。【谷口】
---
早川ミステリ文庫版(小倉多加志訳)を再読。初読はポケミス版で、『別れた妻たち』という邦題だった。
カーには珍しいサイコ・シリアル・キラー物で、結婚しては妻を次々と殺して、死体を隠蔽してきたビューリーという男が、最後の殺人から10年以上鳴りを潜めている。彼がある村に隠れているらしいということが分かり、H・M達が乗り込んでくる。
村民にもう少し容疑者っぽい人を混ぜればよいのにと思ってしまうほど、犯人の見当はついてしまうし、死体の隠し場所もゴルフを知っていればそれ程意外ではないので、作品の評価は、カーの中では下の方の印象。
ただ読み直してみると、本作で言及されている実在の殺人鬼が、『眠れるスフィンクス』の殺人鬼の仮面の連中と被っているのに気付く。
これも年代順で読んでいる醍醐味。【角田】
---
文庫版内容紹介にある様な怪奇色がそれほど色濃いとは思わないが、カーが意外な犯人にこだわっていることがよくわかる秀作。【沢田】
---
ハヤカワ・ミステリ文庫を再読。
11年前の青ひげ事件を題材にした戯曲が俳優のもとに送られてきた。作者は青ひげ事件の犯人なのか?裏表紙には「怪奇色濃い本格推理」とあるが、死体を抱え込んだ俳優が右往左往するドタバタコメディ風のスリラー。『盲目の理髪師』タイプのファルスだなと思って読んでいると、終盤はグロテスクなまでに緊迫した展開に。小倉多加志の訳文には、「三尺高い木の上」、「緊褌一番」等時代劇のような古い言い回しがあるのだが、ドタバタコメディ調の展開には妙に合っていておかしかった。
青ひげが名乗る偽名が「ロージャー」・ビューリー、「ロージャー」・ボードイン、リチャード・「バークリー」。メイ探偵ロジャー・シュリンガムの作者アントニー・バークリーにひっかけたカーのお遊びだろうか。青ひげネタも、カーやバークリーをはじめとする黄金時代のミステリ作家が愛した英国犯罪実話の定番だし。【奥村】
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カーがシリアルキラーものを書くなんて! と驚くけれど、一応死体消失のトリックはある。実行はちょっと厳しいと思うが。俳優ブルース・ランサムの正体を終盤まで隠しているのはご愛嬌だが、対決シーンはなかなか盛り上がる。殺人鬼から送られてきた脚本に書かれた犯行の目撃シーンの矛盾には気付いたが、そういうこととは思わなかった。ミルドレッドが哀れ。H・Mの活躍は今ひとつだが、たくさんの人殺しをする犯人は殺人の合間合間に一緒に暮らす女がいるという犯罪心理学顔負けの説には感心した。【青雪】
---
ヘンリー・メリヴェール卿もの17作目の長編。テキストはハヤカワ・ポケミス(372番)、小倉多加志訳。訳題は『別れた妻たち』。
3人の妻を殺害した殺人鬼ロジャー・ビューリー。4人目の妻の死体をタイピストのミルドレッド・ライオンズに目撃されるが、その死体も消失し、事件は迷宮入りする。ビューリーは「青ひげ」のようで、それゆえに本書には『青ひげの花嫁』という訳題もある(原題はMY LATE WIVES)。
その11年後、俳優のブルース・ランソムの元に脚本が送られてきた。それはビューリーの事件を題材にしたもので、犯人しか知らない情報も含まれていた。脚本に触発されたランソムは、自分はビューリーになりすますと宣言した……。
ランソムは妙に事件に詳しく、行動も怪しげで読者を惑わせる。このあたりのカーの書きぶりはうまい。犯人は意外だが、残念ながら他作品のような納得性は薄い。あとビューリーの死体の隠し場所も警察が調査すれば発見されるのでは、と疑念を持った(死体の隠蔽があまりにも見事なので、筆者はビューリーの妻たちは、実は死んでいないのでは? という迷推理をしてしまった)。
本書では、H・M卿がゴルフ好きであることが話題となる。翻訳当時の日本ではゴルフは知られていなかったのか「クラブ(ゴルフの打球棒――訳者)が十二本も入った重たいバッグ」(98頁)のようにティー、グリーン、バンカー等のゴルフ用語に訳注が入っている。ゴルフ場が、事件解決に重要な役割を果たすので、読者に理解させる必要があると考えた訳者も配慮したのだろう。ちなみに、日本の最初のゴルフブームは本書が出た昭和32年に起こったようなので、翌年以降であれば訳者は楽だったかもしれない。【廣澤】
---
次回blog掲載は「時計の中の骸骨」です。
Continue to ... : The Skelton in the Clock (1948)
crossgully at 23:47|Permalink│clip!│Carr Graphic
Carr Graphic (22)
Carr Graphic 44th(blog-22) 青ひげの花嫁/別れた妻たち / My Late Wives (1946)
January 2025
2025.02.02 更新
次号は3月2日ごろに登録の予定です。
2/2 THATTA ONLINE 最新号を登録しました。内容は、
みだれめも(水鏡子)
みだれめも・出納記録(水鏡子)
ISSUE THATTA ONLINE 最新号です(25/02/02)
NUMBERS THATTA ONLINE のバックナンバーです(25/02/02)
SERIAL INDEX 連載記事の索引です(25/02/02)
INDEX 書評などレビューの索引です。作品名から引けます(25/02/02)
REVIEW INDEX(作家別) 書評などレビューの索引です。作家名・編集者名から引けます(25/02/02)
ライブカメラ
机に向かう作業中に、ライブカメラの映像をよく見てる
車や人の往来と、時々電車が通るような日本の景色がよい
できれば行ったことのある場所だとなお良い
東京の町中を映したやつがなんだかんだ安定感ある
昔、東京湾の中央防波堤という埋立地にある風力発電所の
ライブカメラをウェブ上で見ることができて
それが好きで時々見に行っていた
今みたいに画質は良くなく、ぼそぼその小さい画面だったけど
風車が回っている様子はしっかり見ることができた
発電所の敷地だから、一般人が映り込むことはなかったが
ときどき風車の下に作業の軽トラックみたいなのが通りかかると
おお、と思ったりする、 その程度の情報量だった
おもしろかったのは、画面越しにカメラを操作できたことだ
「操作権を得る」といったかんじのボタンがあって
押すと、間を置いて上下左右やズームの操作をすることができた
恐らくインターネット上の他の誰かとかち合わないように
順番にカメラの操作権利を管理していたんだと思うけど
別なだれかが操作しているところに遭遇したことは一度もなかった
操作したからといって、べつに見える内容が大きく変わるものでもなく
風車がいくらか画面右に行ったり左に行ったり
ちょっと大きくなったり小さくなったりするだけだ
それでも、はるか遠い中央防波堤に設置されたカメラが
左右に振れたり、レンズが伸び縮みしているところを想像すると
茫漠たる生中継景色がちょっと確かなものに感じられた
もう15年以上も前のことだが
一度実物を見に行ったこともある
その頃はまだ東京ゲートブリッジもなく
徒歩で中央防波堤に渡る手段も存在しなかったので(今あるのかは不明)
埋立地で働くひとを乗せる朝のバスに乗り込み訪れた
小雨が降っていて、予想通り殺風景でいいところだった
思い出の土地のひとつだ
いつしか風車のライブカメラを見ることもなくなっていった
まさかまだ同じような設備で映像を流してはいないと思うけど
もしかして新たな機器にアップデートされて
見ることができるようになっているかもしれないと
思って調べてみたら
なんと昨年の1月末でもって、風力発電所自体が撤去されていた
自然エネルギーの利用促進の広告塔のような役割で
20年間運用するという計画のもと、稼働していた風車であったらしく
期間の満了に伴い、予定通り解体されたのだという
そうでしたか
グーグルマップで中央防波堤を見てみたら
南西側の地名が「令和島」となっていた
埋め立てで出来た土地をどこの区のものにするかという
問題が決着したことで、新たにつけられた地名なのだという
今まさに、最新の景色があるんだろうと思わせるネーミングだ
低画質のライブカメラの映像は、遠い記憶にふさわしい
もう見れないけど
1/31/2025 雑記
Last update : Feb. 1, 2025
クラシック音楽CDの雑談 (2025.2.1 update)
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2025.01.30コラム
カラサキ・アユミ氏 コラム 子連れ古本者奇譚 第37回「料理と古本」
以前、アト坊(3歳 約16キロ)を背負って、田園風景広がる長閑な田舎道……
3週間前
3週間前
easter1916 at 03:45|Permalink│Comments(1)│ │批評
萩原朔太郎・室生犀星 『二魂一体の友』 (中公文庫)
「けれども私共は、始から「思想のための友人」もしくはその共鳴者ではなかった。私共が互にその対手(あいて)に認めて崇敬しあったものは、思想でもなく哲学でもなく、ただ「人間として」のなつかしい人格であった。極めて稀にみる子供らしい純一無垢な性情と、そして何よりも人間としての純潔さを、私共は互に愛し悦びあった。」
(萩原朔太郎 「愛の詩集の終りに」 より)
萩原朔太郎
室生犀星
『二魂一体の友』
中公文庫 は-28-2
中央公論新社
2021年8月25日 初版発行
362p+2p
文庫判 並装 カバー
定価:本体1,000円+税
カバー:中央公論新社デザイン室
本書「編集付記」より:
「本書は、萩原朔太郎と室生犀星の互いに関するエッセイを集成し、巻末に萩原葉子と室生朝子の対談を付したものである。中公文庫オリジナル。」
「正字旧仮名遣いを、新字新仮名遣いに改め、明らかに誤植と思われる語句は訂正した。難読と思われる語句にはルビを付した。」
目次 (初出):
Ⅰ さびしき友・室生犀星 (萩原朔太郎)
室生犀星の印象 (『秀才文壇』1918年6月号)
さびしき友 (『讀賣新聞』1925年5月18日)
田端に居た頃 (『驢馬』1926年5月号)
移住日記 (『都新聞』1927年6月14日~17日)
室生犀星君の心境的推移について (第一次『椎の木』1927年9月号)
室生犀星に与う (『新潮』1928年1月号)
室生犀星君の飛躍 (『文藝春秋』1928年4月号)
室生犀星に就いて (『春陽堂月報』1929年10月号)
室生犀星君の人物について (『オルフェオン』1929年12月号)
室生犀星の小曲詩 (『伴侶』1930年8月号)
詩壇に出た頃 (『日本詩』1934年10月号)
所得人 室生犀星 (『文藝』1936年6月号)
小説家の俳句 (『俳句研究』1938年3月号)
室生犀星の詩 (『日本』1942年4月、5月号)
孝子実伝 [詩] (『詩歌』1915年1月号)
別れ [詩] (『日本詩人』1922年2月号)
室生犀星に [詩] (未発表)
Ⅱ 砂丘を登る人・萩原朔太郎 (室生犀星)
赤倉温泉 (『改造』1921年9月号)
萩原と私 (『魚眠洞随筆』新樹社 1925年刊)
芥川龍之介と萩原朔太郎 (『中央公論』1925年2月号)
萩原朔太郎論のその断片 (『日本詩人』1922年7月号)
萩原朔太郎 (『文学時代』1930年3月号)
萩原朔太郎君を哭す (1942年5月 初出未詳)
『卓上噴水』の頃 (『四季』1942年9月萩原朔太郎追悼号)
詩人・萩原朔太郎 (『新潮』1954年6月号)
萩原葉子『父・萩原朔太郎』初版あとがき (筑摩書房 1959年刊)
萩原に与へたる詩 [詩] (『新潮』1954年6月号)
供物 (『四季』1942年9月萩原朔太郎追悼号)
Ⅲ 詩集に寄せて
室生犀星『抒情小曲集』序 (萩原朔太郎) (『感情』 1916年7月号)
健康の都市 (室生犀星) (萩原朔太郎『月に吠える』アルス社 1917年3月 跋)
室生犀星「愛の詩集」に就て (萩原朔太郎) (『感情』1917年11月号)
愛の詩集の終りに (萩原朔太郎) (室生犀星『愛の詩集』聚英閣 1918年1月)
室生犀星『新らしい詩とその作り方』序に代えて (萩原朔太郎) (室生犀星『新らしい詩とその作り方』文武堂書店 1918年4月)
珍らしいものをかくしている人への序文 (室生犀星) (萩原朔太郎『純情小曲集』新潮社 1925年)
『室生犀星詩選』推薦文 (萩原朔太郎) (『室生犀星詩選』アルス社 1922年3月 新聞広告)
室生犀星『青き魚を釣る人』序 (萩原朔太郎) (室生犀星『青き魚を釣る人』アルス社 1923年4月)
室生犀星詩集の編選について (萩原朔太郎) (萩原朔太郎編『室生犀星詩集』第一書房 1929年11月)
野性の叫び (萩原朔太郎) (『室生犀星全集』非凡閣 1936年9月 内容見本)
Ⅳ 詩への告別
詩よきみとお別れする (室生犀星) (『文藝』1934年8月号)
詩に告別した室生犀星君へ (萩原朔太郎) (『文藝』1934年10月号)
悲しき決闘 (萩原朔太郎) (1934年11月 初出未詳)
詩への告別に就て萩原君に答う (室生犀星) (『時事新報』1935年1月5日~8日)
犀星氏の詩 (萩原朔太郎) (『東京朝日新聞』「槍騎兵」1936年12月29日)
巻末対談
わたしの朔太郎 わたしの犀星 (萩原葉子×室生朝子) (「第九回犀星忌の集い」1987年3月/『犀星とわたし 室生犀星生誕百年記念出版』ペップ出版 1988年)
◆本書より◆
萩原朔太郎「田端に居た頃」より:
「鎌倉へうつってからは、毎日浪の音をきくばかりでさむしい。訪問者も絶えて無いので何だか昔の厭人病者の物わびしい遁世(とんせい)生活を思います。西行という昔の詩人は、特別にこういう生活の情趣を好んだらしい。「鴫(しぎ)立つ沢の秋の夕ぐれ」などという歌をよむと、昔の厭世主義者の詩境がよくわかる。しかしあれは茶の湯や禅味と関聯した「侘しさ」のあわれであって、現代人たる僕等の気分とはぴったりしない。近代の厭人病者は、むしろ都会の雑閙(ざっとう)中に孤独で居ることは好んでも、こういう閑寂の自然の中に孤独でいることは好まないだろう。
しかし僕の厭人病も、年と共に益々ひどくなって行って、今では病がコーコーに達した感がある。訪問者のないのは此方から逃げているからで、自分で孤独を求めているようなものである。尤も「人嫌い」は一つの惰性的の習慣で、つまり交際がおっくう(引用者注:「おっくう」に傍点)になるのである。」
「田端にいた頃は、毎日室生犀星と逢っていた。犀星とは私は、昔から兄弟のような仲ではあるが、二人の気質や趣味や性情が、全然正反対にできているので、逢えば必ず意見がちがい、それでいてどっちが居なくも寂しくなる友情である。田端に住むようになったのも、実は室生の親切な世話であったが、私が土地を讃めない上に、却って正直な感想をもらしたので、甚だ犀星の機嫌を悪くした。
「君はどこに居たって面白くない人間なのだ。」
これがその時の応接だったが、言われてみると全く私はそんな人間なのだ。「どこにいても満足しない」、恐らくこれが私の生涯の運命だろう。」
「鎌倉へ移る少し前、初冬の風のうす寒い日に、僕等二人は連れだって活動写真を見に行った。日暮れに近く、上野に電車を待つプラットホームを、寒い冬の風が吹きさらしていた。
ふと何かのことで、また僕等は口論をし始めた。始めから犀星は強情で我がままを張り通していた。彼は自分の意見を主張し、文句なしに私を圧倒しようと企てている。」
「私もたいていの場合は彼の発議にしたがっているが、あまり対手が独断的に出てくるので、時には意地悪から故意に反対することもある。」
「「君もずいぶん強情の男だな。」
「君こそ我がままだ。」
長い不愉快の沈黙の後、両方から吐き出すように言い合った。それから友はくるり(引用者注:「くるり」に傍点)と背後を向き、いかにもすげ(引用者注:「すげ」に傍点)ない冷やかな顔付をして、一人でずんずんと歩いて行った。その様子には
「もう貴様のような奴は友人でない。」
という冷たい感情がありありと現われていた。
「ざまあ見ろ!」
背後姿を見ながら、私も心の中でそう叫んだ。
冬近い夜の風が、薄暗いプラットホームを吹き渡っていた。見ると友はホームの反対の側に立って、遅い夜行列車のくるのを待っている。黒く悄然と、さびしそうな影をひいて。
ホームを越えて、遠い夜空に上野あたりの街の灯火が浮んでいた。暗い霧のかかった空で、地平のあたりが桃色にぼんやりしていた。いつか雨さえ降ってきた気ぶりである。友はまだじっと立っている。
「何という孤独の男だろう!」
黒く悄然としている友の背後姿をみている中に、何とも言えないいじらしさ(引用者注:「いじらしさ」に傍点)が、湧然として私の胸にわきあがってきた。そうした彼のさびしい様子は、明らかに彼の心中を物語っていた。
「友さえも私を容れない。」
今、室生は明らかにそれを考えている。すべてに於て、彼ほどに自己を知っている男はない。そのくせまた彼ほどに自己を反省しない男もない。彼の我がままも、彼の一国も、彼の自己を押して行くエゴイズムも、彼は皆自分でよく知りながら、そのくせまた一方では知らないのである。室生はいつも自然のままの野生的な子供である。何故にエゴが人生に容れられないか? そういう反省をする理智はどこにもない。彼の知り、彼の感ずるすべての思想は本能である。その原始本能が、理智の能わない不思議の智慧を彼に教える。
今も彼は寂しげに考えている。何物も私を容れない。友さえも私を容れない。私はいつも孤独である。どうして私はこうなんだろうか? 私はさびしい。なぜこの世の中は、すべて私の思う通りにならないだろうと、(中略)いじらしい宿命を嚙みしめている。」
「室生はどんな場合に於ても、決して人に詫びはしない。また自分自身にも詫びはしない。いつまでもいつまでも、彼は心の底から苛だたしく腹を立ててる。その怒は人にも向い自分自身にも向っている。意識上では彼は確かに怒っている。意識上では自分の正しきを信じていて、あくまでも他人の反抗を憎んでいる。しかるにその反省のない心の影に、不思議な本能的な反省が忍んでいるので、それが潜在意識として態度に現われ、世にもしおらしくいじらしい善人の悲哀を感じさせる。その悲哀はどうにもならない悲哀である。世界のあらゆる人間がもつ、宿命の底知れぬ悲哀である。」
萩原朔太郎「室生犀星に与う」より:
「あの頃の君の生活は、言わば「街に放された野の獣」であった。君は自然の森林から這い出してきて、二十世紀の文明都市に迷いこんだ、不幸な寂しい野獣だった。君はあらゆるものを破壊した。夜おそく、東京市中の電灯を門並に叩き壊し、交番の巡査に石を投げて留置所に入れられた。」
「君の過去の逸話について、僕は書きたいことを沢山もってる。君のそうしたあらゆる行為と性情とは、僕にまでアナアキズムの第一原理を感じさせた。君は僕にとっての「英雄(ヒーロー)」だった。何よりも人間の自然性がいかに「方則」の上に超越するかと言うことを、君は僕に教えてくれた。」
「どんなに長い間、君が自分自身を征服すべく、自己叛逆の長い苦闘をつづけて来たか。僕はそれを知ってる。第一に、君は先ず酒を廃した。酒が、あらゆる場合に於て人間の野性を暴露し、先祖の自然獣にまで我々を逆行させるということを、君は自ら最もよく自覚していた。人が文明紳士になるためには、先ず以て酒を廃しなければならない。(中略)そこで君は酒を廃した。それから次に一切の無節制と放縦を。」
「丁度その時、君の求める理想の人物が、君の友人として発見された。芥川龍之介(引用者注:「芥川龍之介」に傍点「●」)氏である。僕はどんな宇宙の対照からも、君と芥川(引用者注:「芥川」に傍点「●」)君とにおける如き、それほど鮮明なコントラストを見たことがない。一方は「自然人」の代表であり、一方は「都会人」の代表である。一方は「本能派」の親玉で一方は「理智派」の象徴だ。そして尚且つ、君の習俗を超越した放縦無礼の野蛮に対し、芥川君のいかに礼節正しき人物であることだろう。」
「しかしながら僕は、そうした君の完成を寂しく思う。なぜならば僕の「英雄」は、君の自ら羞恥して克服した所の、昔の天馬空を行く自然性にあったのだから。」
萩原朔太郎「所得人 室生犀星」より:
「世には二種属の人間がある。一方の種属の者は、いつもムダな死金を使い、時間を空費し、無益に精力を消耗して、人生を虚妄の悔恨に終ってしまう。彼等は「人生の浪費者」である。反対に他の者は、物質上にも精神上にも、巧みにそれの最高能率を利用して、人生を最も有意義に処世する。彼等は「人生の所得者」である。
と
2025-02-01
『図書館を建てる、図書館で暮らす —— 本のための家づくり』読了
評
橋本麻里・山本貴光
(2024年12月20日刊行、新潮社、東京, 240 pp., 本体価格3,300円, ISBN:978-4-10-355991-7 → 版元ページ)
ゆるゆる読了。 “図書館に住む” 人生はうらやましいかぎり。以前から、某 “魔窟” の行く末をヒソカに案じていたのだが、こういうハッピーエンドになるとは。著者らのプロデュースによる〈世界を変えた書物〉展が上野の森美術館で開催されたときは、くり返し足を運んでショップでトートバッグやら風呂敷やらあれこれ買い込んでしまい、フトコロがさみしくなった覚えがある:山本貴光(著)・橋本麻里(編)『世界を変えた書物』(2022年10月23日刊行,小学館,東京, 175 pp., 本体価格2,500円, ISBN:978-4-09-682410-8 → 目次|版元ページ)。
leeswijzer 2025-02-01 08:16 読者になる
『図書館を建てる、図書館で暮らす —— 本のための家づくり』読了
2025 / 2
この三点が議論の中心になる。現代の一般読者に子供騙しだと冷笑される❶❷のトリックだが、発表時、❶のhow toを知った読者は絶対「おお~」って驚嘆した筈。ハンス・グロス文献からの頂きだったにせよ、百年も前、つまり1927年(昭和2年)の話であることに留意しなきゃいかんぜよ。❸もきっと物的な推理対象だけじゃ物足りず、もう一手ダメ押しすべくヴァン・ダインはこんなシーンを終盤に挿入したんだと思う。
旧世紀のクラシックな佇まいを好む私でさえ批判したくなる本作の問題点は、トリック等を全部とっぱらった物語の部分が絶望的につまらないところ。語り手=ヴァン・ダインの存在が100%空気状態であってもさほど気にはならないが、全体の半分以上を占めるフィロ・ヴァンス/マーカム検事/ヒース(本書の役職表記は警部)のやりとりに人間味や温度が殆ど感じられないため退屈。主人公のヴァンスがひたすら皮肉/気取り/イヤミしか口にしていないように映ったら、読者にシンパシーや親近感は生まれ得ない。時代の趨勢を考えれば、謎の提示をこのレベルまで実践できたことは評価に値する。でも面白くないものは何度再読しようがやっぱり面白くない。
マガジン
6か月前
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井上筑後守に関する覚書
ここ半年間、このブログにいろいろ書いてきたが、専門である16-17世紀の日欧知識交流について、ほとんど何も書いていないことに気が付いたので、井上筑後守にまつわる先行研究をまとめてみる。 16世紀に始まる日欧知識交流の歴史の中で、幕府大目付・井上筑後守政重(清兵衛尉、号は幽山 15...
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「ロング・スリープ」粕谷知世
by TakatukiMaki • 2025年1月30日
湖の底から浮かび上がってくるように、拡散していた意識の焦点が合った。 そうだ、…
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「サーヴァント・ガール2第1章第4話「アリアの探索②」」山口優(画・じゅりあ)
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<登場人物紹介> <「サーヴァント・ガール」のあらすじ> 岐阜県の「…
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移転しました
長い間ありがとうございました
2025-01-26
温泉図書館で古本を一冊
朝ご飯はやはり宿で。
またもや迎えに来てもらう。とりあえず山代温泉へ向かう。
魯山人寓居
順調に進み、パラリと雨が降るが到着。魯山人が逗留していたという寓居を見学。JAFの割引があったのには驚いたが、けっこういい展示内容だった。お茶もサービスしてもらう。なかなか楽しかったが、そうそう、目的の場所へ、とて出る。
途中、廃墟的巨大ホテルなどを見たりしながら、温泉図書館みかんへ向かう。
みかんでは予想外に長居してしまった。お茶を三煎も淹れてもらったり、イベント的講演を聞いたり。本も一冊買ってしまう。いろいろ勉強になったので持参した本を送る。あっと、この時だったか、むかし聞いた、もったいない図書館の話が出たのは。
むかしもったいない図書館ができた時、図書館界の人々は選書がなってないなどと批判したが、むしろ、市民(?)がゼロから本のたまり場を作るという個体発生が系統発生を繰り返す式ではないかと。そんなことを言われましたね、と言った本人に話すと、うーん、そんなこと言ったっけなどと返されアハハとなる(^-^*)楽しかったねぇとて金沢に帰る。
shomotsubugyo 2025-01-26 00:00 読者になる
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2025-01-30
犬飼公之ほか『古代のコスモロジー』
最近読んだ本
犬飼公之/緒方惟章/立花直徳/山田直巳『古代のコスモロジー―日本文学の枠組み』(おうふう 2000年)
執筆陣の一人犬飼公之の『影の古代』を以前読んで面白かったので(2023年8月20日記事参照)、買っておいたもの。古代日本人の心性について理解が深まるものと読んでみました。4人がそれぞれ各章を担当し、古代日本人が存在をいかに捉えていたかを問題とする第一章(犬飼公之)、禁忌、恥、モラルといったエートス(慣習・雰囲気)を問題とする第二章(山田直巳)、古代の認識のあり方を視覚、知覚の観点から考える第三章(立花直徳)、古代日本人の時間・空間の幻想のあり方を問う第四章(緒方惟章)、という構成になっています。
各章に共通するテーマもいくつか見られました。例えば、視覚の問題については、第一章、第三章で、恥についても、第二章、第三章に共通して取り上げられています。全体を通して論調を整えるためか、各自、途中で簡単なまとめを入れながら書き進め、最後に、要旨を「むすび」として念押しするという体裁になっています。また巻末に、注釈代わりにか、「各章へのアプローチ」として、主要な用語について、新たに解説も掲載していて、読者の理解を容易にする努力が見られました。
第一章では、以前、『影の古代』で読んでいたことと重複するようなところがあるように思えましたが、すっかり忘れてしまっているので、新たな感激を受けることができました。もっとも印象深かったのは、「遠くあれば姿は見えず常のごと妹がゑまひは面影にして」(『万葉集』)という歌で、これを読んで、一瞬、千数百年前の一人の女性の微笑みが生々しく感じられて、この歌の作者の脳裏のイメージとわたしの頭の中のイメージが共振したような気がしました。
この章で論じられている主な点は、次のようなもの。→以下は私の感想。
①古代日本人の表現では、「あり」は、現われていること、目に見えることであり、「ゐる」は、肉体的・物理的に存在することであった(「ゐ」は腰や膝を意味することば)。霞や雲も「ゐる」と表現された。
②夜は、神の領域、魂の領域で、それに対し、「現(ウツツ)の領域」は、目に見える領域として捉えられており、眼の機能が保証されるためには、光が必要であった。ニニギノミコトは闇に閉ざされていた地上に、まず光を与えたが、これは『旧約聖書』の天地創造神話において、神が「光あれ」と言った話に似ている。
③眠ることは目の機能を抑止することに他ならない。
→考える機能も抑止すると思うが、夢を見ることは抑えられない。少し話は変わるが、見ることと考えることは両立しないと思う。本を読みながら考えたり、物を観察したりしながら考えることはあるが、それは本や物をなぞって考えているだけであり、本当に考える時には、それから離れてぼんやりするものである。瞑想や座禅では、眼を開けることはない。
④古代日本人にとって魂の姿こそ、存在の真形であった。古代人は、魂の姿である影・面影を存在感をもって見ていた。やがて、物理的な存在が意識を占めるようになり、影・面影は、実際には目に見えないものとして、放逐されることになる。なおも現われ出る影は、怪異な現象として受けとめられるようになり、魂の姿を求める人々は、夢に唯一の手だてを求めようとした。
第二章では、いくつか細かい情報を得ることができました。「たわけ」というのは近親相姦など正規の婚姻外の関係をさす言葉だったこと、近親相姦が現実では罰せられたのに、神話ではイザナキとイザナミの交わりは愉快に語られているということ、日本で罪と言われたのは死・病気・傷など不潔不浄のことで、キリスト教のように肉の欲求を罪悪視する態度はなかったことなど。
第三章で、もっとも印象深かったのは、高市黒人の短歌で、このところ私がよく引用していた「古(イニシヘ)の 人にわれありや ささなみの ふるき京(ミヤコ)を 見れば悲しき」がこの人の歌だったということを意識しました。他の歌も、独特の情緒に溢れています。これを著者は、次のように分析しています。
黒人の歌は旅の不安を背景にしている。それは「宿り」への不安であり、また風景に対する不安もある。自らの心象の不安定性を反映した風景を見ている。だから風景も慰めとはなりにくい。風景を見ては悲しみにひたる。その感傷のあり方が黒人の歌の最大の特徴である。
その他の論点は、視覚を中心としていて、次のようなものです。
①古代の人々は視覚に重きを置いていた。記紀説話においては多くの人物が見ることによって行動を展開している。イザナミの黄泉神話で、イザナキに自分の姿を見られて「吾に辱見せつ」と言ったが、相手の視線によって自らの状況を確認し、恥を感じたのである。恥ずかしい時に目を覆うのは、自らの視線をふさぐことで相手の視線を消そうとしているのだ。
②記紀歌謡において、「―見れば―見ゆ」という表現が見られるが、「見ゆ」というのは主体的に見ているのではなく、対象から見せられるというニュアンスがある。ところが万葉集になると、そうした表現は少なくなり、「見ゆ」は、「―らし―見ゆ」という形で主体的に判断にかかわる語「らし」と併用されることが多くなる。「らし」という語には心のゆらぎがあり、詩の表現が拡大することになった。
③神功皇后の神託、西方に國ありに従い、山に登り西の方を望んだ仲哀天皇は、「國土は見えず。唯大海のみ有り」と口にし、そのために死ぬことになる。現実的視覚の下で主体的に生きようとする仲哀天皇の認識のあり方は神話的論理とは相入れなかった。古代の帝王の資格として、神話的視覚をもつことが条件であったのである。
④古代律令体制が確立する中で、官人たちが地方官として任地に赴く機会も増え、旅が一般化しはじめた。旅で生まれた表現に、「―とか(とや)見らむ」というのがある。これは旅先で自分が地の人と間違われるのを懸念した表現で、見る主体は他者であり、他者の目を介して自分を客観視している。「―らし―見ゆ」も、同時期に、旅という状況を契機に生まれた表現であった。これらは、もともと国見歌の伝統をうけつぐもので、国を歌うものが詩的趣きを歌うものに変化しているのである。
第四章では、日本神話における南方からの影響を論じています。
①月読命、須佐之男命は、海原を生活の場とする「南方海洋性文化」の所有者たちが奉じていた神である。須佐之男命はヤマタノヲロチを退治し、中から出てきたクサナギノタチを天照大神に奉献したが、これは出雲国を舞台とする、南方系の人々の皇室の祖先への帰順の歴史を神話化したもの。
②須佐之男命が赴くことを切に希求しつつ叶えられなかった妣の国は、「南方海洋性文化」を所有する人々にとっての「本つ国土」であった。因幡の白兎の神話も、因幡・出雲・隠岐において創成されたものとされているが、実は、この物語の淵源と見られる兎と鰐の組み合わせの物語が、カンボジア、安南地域を中心としたヴェトナムにおいて多数発見されている。
③彼方の世界をあらわす「根の国」の「根」という漢字の起こりは「地下に入って行くもの」であるが、我が国の「ネ」は「出発点とも中心点とも」解すべきものである。南方の島々のニライもしくはニルヤと呼ぶ海上の霊地の名は、この「ネ」と語源を共有している。
ikoma-san-jin 2025-01-30 07:21 読者になる
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犬飼公之ほか『古代のコスモロジー』
最近読んだ本 (697)
2025-01-28
疑うとはべつの仕方で――逆井卓馬『よって、初恋は証明された。』論
雑記 感想
【※本記事には逆井卓馬『よって、初恋は証明された。―デルタとガンマの理学部ノート1―』の内容に一部踏み込んでいるところがあります。ご注意ください。】
よって、初恋は証明された。 -デルタとガンマの理学部ノート1- (電撃文庫)
作者:逆井 卓馬
KADOKAWA
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〈日常の謎〉と呼ばれる世界観について
逆井卓馬『よって、初恋は証明された。―デルタとガンマの理学部ノート1―』(電撃文庫)は2024年に発表されたライトノベル、いわゆる〈日常の謎〉ジャンルの系譜にあるタイプの学園青春ミステリです。
もちろん〈日常の謎〉といっても個々のスタイルは作者や作品、発表年代などに左右されますし、読者によって喚起されるイメージもまた異なります。ですから、たんにサブジャンルの名前を述べたからといって、作品の特徴をそのまま言い当てていることにはなりません。だとしても、まずは本論がどのような言説を前提にしてこの小説を捉えようと思っているのか、そのスタンスを示すところからはじめたいと思います。
さしあたって、筆者の本棚から〈日常の謎〉を説明している文章を引いてみましょう。米澤穂信『さよなら妖精』(創元推理文庫、二〇〇六年初版)の解説では、鷹城宏が次のように〈日常の謎〉を説明しているのが確認できます。
ミステリといえば殺人事件がセットと思われがちだが、現代日本ミステリの中には人殺しを扱わない作品の系譜もある。日々の暮らしに転がる小さな謎にスポットをあて、そこに意外な真相を読みとるこの作風を「日常の謎」派と呼ぶ。北村薫の短編集『空飛ぶ馬』を筆頭に、加納朋子、倉知淳、光原百合など、東京創元社からデビューした小説家に作風が多い。
さよなら妖精 (創元推理文庫)
作者:米澤 穂信
東京創元社
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簡潔な説明です。しかしこの文章には、違和感(あるいは矛盾でしょうか)が含まれていることにも、ある程度のミステリファンなら気づけるはずです。
なぜなら北村薫『空飛ぶ馬』からつづく〈円紫さんと私〉シリーズは、三作目『秋の花』で長編となり、そこでは「女子高生の墜落死」を正面から解くべき謎として扱っているからです。すくなくともこれは(主観的には)小さな謎といった雰囲気ではありません。これが「人殺し」として発展しうるかについては、読者のみなさんでじっさいに確認してみてください。
さて。にもかかわらず、というべきでしょうか。
右に引用したような「小さな謎にスポットをあてる」といったイメージは読者/作者を問わず広く伝播しているようです。現代のわたしたち(というと語弊があるかもしれませんが)は、多くの〈日常の謎〉風味をうたった作品の帯や惹句に、このあたりのテーゼをさらに抽象化させたであろう「人が死なないミステリ(―)」といった言い回しを簡単に見つけることができるからです。
たとえば書籍通販サイトのネットオフには、〈日常の謎〉スタイルの作品を紹介しているページがあります*1(2025年1月現在)。そのページの文章では、次のような説明がなされています。
日常の謎とは、「さっき脱いだ服が消えた!あっ、あんなところに。でも、どうしてあんなところに??」というような、日常生活の謎を紐解くジャンルです。
血なまぐさい殺人事件などではなく、「人が死なない」日常の謎を描いた作品は、ほのぼのだけれど、ほんのりとブラックさもある!
これがジャンルの定義として適切であるかは措いておくとして、やはり〈日常の謎〉=「人が死なない」といった言説がパブリックイメージとして採用されていることについては、さほど疑われていないようです。では逆井卓馬『よって、初恋は証明された。』では、どのような文言が使われているでしょうか。書籍の表四(裏表紙)に書かれているあらすじを確認すると、このあたりのスタンスが見て取れます。
失われてしまった恋愛成就の桜の謎。部活勧誘の小さな違和感。巨木の樹齢に秘められた物語。密室で消えたハムスター。壊れかけの生物部に捧げられた、高校生たちの切実な決断。
(…)
これは、科学をこよなく愛する高校生たちが日常で直面する数々の謎に挑む、綱長井高校「理学部」のささやかな活動記録。
「小さな」「ささやかな」といったワードから連想されるように、やはり本作もある程度までは、世界に「小さな謎」がぽつぽつと「転がって」おり、そこに登場人物が「スポットをあて」ていく、という鷹城宏が述べてみせたような謎解きイメージを共有している印象があります。
しかし本作をじっさいに読んでみると、従来のそれらに代表されるような「日々の暮らしに転がる小さな謎にスポットをあて、そこに意外な真相を読みとる」作風というのはあくまで形式の話であって、内容がどのようなものであるかは保証してくれないことに気づかされます。
これからわたしが考えていきたいのは、後者が立ち上げようとする、物の見方、つまり登場人物たちや物語が描き出そうとしている世界観についてです。
自己を規定する世界観について
大人になって一定の立場を持つとつい忘れてしまいがちですが、思春期の少年少女にとって(あるいは青春小説において)、自己存在をどこに置いて生きるべきか、という問いはシンプルでありながら、どこまでも迫ってくる呪いのようなものとして機能しています。
なぜならそれは「将来の夢」や「進路」といった定期的あるいは形式的にプリントに書かされるような未確定の問いだけでなく、現在進行形で展開される人間関係においても効力が発揮されるタイプの呪いだからです。
本作を特徴づけている要素のひとつに、主人公である出田樟(通称デルタ、デルちゃん)による一人称の語りが挙げられます。前述した問いのイメージを裏づけるかのように、たとえば序盤、彼は自分を「日陰者」や「陰キャ」と規定しつつ、対して入学とともに話すことになったクラスメイトの岩間理桜を「日向を行くタイプ」と見なしたうえで、彼は互いの関係に線を引こうと考えます。
もちろんこの人間関係は次第に変化していくわけですが、だからといって、一巻のなかでそうした線引きがすべて否定されてしまうわけでもありません。またいっぽう、物語が進むにつれ、出田と同様に岩間もまた「優等生」の枠のなかに自分を規定し、対人関係の線引きをしていたことが明かされます。
つまり、主要人物のふたりとも、他者からの視線や比較されることへの意識によって、個々の世界観をつくりあげているのです。日向の人間がいなければ「日陰者」は生まれませんし、劣等生や問題児、変人がいなければ、「優等生」というイメージもまた醸成されません。本作はこうした個々の世界観が出会い、相互に影響しあうことによって青春という群像をつくりあげるところにひとつの魅力が生まれています。
謎解きの世界観について
本作で語られるミステリの態度については、くり返し言及され、強調される「じゃあ検証してみようか……科学的に!」という岩間理桜の台詞によく表れています。ですがその言葉の持つパブリックイメージに反して、作中で出会う謎はその原因が解明されても、それらを構築する世界観がすべて退けられるわけではありません。
たとえば仮に「幽霊の正体見たり枯れ尾花」というタイプの謎解きがあったとしても、本作では最終的に「幽霊」の存在じたいを云々するのではなく、幽霊を信じる人々の在り方のほうにまなざしを向けていくのです。
どういうことでしょうか。
表四のあらすじにあったとおり、本作におけるミステリ要素は「日常」ベースの世界に転がっている「小さな謎」に見えますが、細かく読んでみると、それらの謎が発生している状況と、その深い起点には大きなタイムラグがあるとわかります。
顕著なのは、第一章「薄紅が切り取る領域で」で語られる、二本の桜がハートマークをつくるという恋愛成就の伝説でしょう。それだけだとただのラブコメ要素にしかなりませんが、注目すべきはそれが「一九年連続」の奇跡だと述べる水崎の弁です。
一九年。
早い話が、ここで語られる伝統なり伝説なりができたのは、出田たちが在籍する綱長井高校の生徒たちが、この世界に生まれるより前だったということです。在校生の最年長が一八歳であるとするならば、一九年という時間の根元はまったく干渉不可能な領域です。そして、そこで生まれた世界観が、いまなお現在に影響を及ぼしている。謎解きを通して歴史に触れながら出田も岩間も、それがただの迷信かもしれないことを理解しつつ、しかし成立背景を根本的に誤った態度だとはみなしません。
よってここには、「科学的」なアプローチが正しく迷妄を振り払うような、啓蒙や理性の光といった世界像の不可逆なアップデート的イメージは、あまり用いられていないのです。むしろ、そうした迷信が存在するという世界観を受け入れたうえで、それらが構築されていく状況や背景を見通していこうとする態度が立ち上がってきます。
三章で語られる巨木の伝説*2にしても、四章の手引き書にしても、それらがかたちづくられたのは、出田たちが関わりようもない時間や場所においてのことです。
だからこそ出田たちは、謎が横たわっていた過程そのものを否定しません。というよりは、否定できないといったほうが正しいかもしれません。なぜならそこには、彼らとは違う歩み方をしていた人々の営みがたしかに見えているからです。
お話の後半でそうした謎の正体に立ち会った出田は「巨人の肩から自分の暮らしている街を見下ろすとは、こういうことなのか。」と先人の積み重ねてきた知見を活用し、科学と日常を橋渡しすることに深い感慨を抱きます。それはおそらく、日々の勉強のなかで自己をまだ確立しきれていなかった人間が、ようやく等身大の視座を得るきっかけに至れた喜びだったのではないでしょうか。
ですからそれは、たったひとつの客観的かつ排他的な真理を探究するというよりも、自分と他者の見方が重なり合っていくイメージに近いはずです。そこではコインの裏表がひっくり返るような、あるいは図と地を反転させて「意外な真相」を発見していくような、観察者が世界を一意に確定させるタイプの謎解きではなく、表でも裏でもない、世界の厚みそのものの内部に自分を置こうとする、生活者の手触りのように思われます。
マニピュレート的世界観と足掻きについて
むろん生活者の手触り、といっても過去の〈日常の謎〉において、そのような世界と自分との連続性を見出す試みがなされていなかったわけではありません。けれど本作においてとりわけ顕著なのは、その世界の厚みの内部にいることを登場人物が自覚したうえで取っていこうとする態度そのものにあります。
本作で何度も示される人間関係の構図は、いくつものキャラクターたちによる影響や誘導、もっと露骨にいえば、マニピュレート的な欲望につながっています。それは善意からのコミュニケーションでなされることもあれば、無意識の発言によって他者を左右することもありますし、あるいは意識的に自己の世界観に他者を呑み込もうとする支配関係として現われる場合も語られています。
ひとつの世界観のなかに置かれる印象的なエピソードとしては、主人公である出田樟が、植物生態学の研究者である父親に大クスを見せられ「お前はいつかこれになるんだぞ」と告げられたことを思い出すくだりが挙げられます。
彼は樟という陰樹と陰キャである自分をどこか重ねています。彼の父親の真意がどこにあったのかはわかりませんが、人の名づけに、そうあってほしい、という願いが仮にあるとするならば、日向に出ることのない植物の名に、日陰者として、主人公は一定の含みを抱いたかもしれません。そう読者が受け取るのはさほど突飛なことではないでしょう。
加えて終盤、とある人物は終盤、「小さな巨人」の存在を伝えることで、マニピュレートの欲望をてらいなく語ってみせます。ここにはたしかに登場人物らを支配しようとするような上位からの力が見えますが、しかし改めて考えてみると
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2025-01-29
田辺青蛙・木根緋郷『岐阜怪談』(竹書房怪談文庫)に栗田英彦編『「日本心霊学会」研究』(人文書院)登場
「グーグルブックス」で「神保町のオタ」を検索したら、田辺青蛙・木根緋郷『岐阜怪談』(竹書房怪談文庫、令和7年1月)がヒット。試し読みすると参考文献リストに、
『「日本心霊学会」研究:霊術団体から学術出版への道』栗田英彦(編集)/石原深予・一柳廣孝・菊地暁・神保町のオタ・平野直子・吉永進一・他*1(著) 人文書院
と出ていた。早速、冒頭に写真を挙げたように購入。本書は、岐阜県内で体験したり聞いたりした怖い話を取材してまとめたもの。ここに京都にある人文書院の前身である日本心霊学会の本が参考文献に挙がるのは不思議だ。
しかし、178~182頁の「写真」が千里眼事件を扱っていて、福来友吉、三田光一や当時高山に出現した念写小僧に言及している。福来と密接な関係にあった日本心霊学会の研究書を参考文献に挙げたということかもしれない。なお、参考文献リストには一柳廣孝『〈こっくりさん〉と〈千里眼〉:日本近代と心霊学 増補版 』(青弓社)も挙がっている。通常本の編者名だけを挙げる場合が多いが、執筆者名も挙げていただいたおかげで、今年も早々に「神保町のオタ」が紙の本に登場した。ありがとうございます。
*1:栗田英彦、渡勇輝各先生
#岐阜怪談 #日本心霊学会 #人文書院 #竹書房怪談文庫
jyunku 2025-01-29 07:31 読者になる
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2025-01-27
昭和21年詩を朗読する臼井喜之介と製本所真英社(真柄真吉創立)
昨年10月京都新聞に「ウは「京都」のウ」ファイル30「“京都”をつくった男」が掲載された(樺山聡記者)。遺族が所蔵する臼井喜之介(臼井書房・白川書院の創立者)の日記を活用したものであった。また、私が「『書物礼讃』を印刷した唐舟屋印刷所の堀尾幸太郎・緋紗子兄妹ーー高橋輝次『古本こぼれ話〈巻外追記集〉』への更なる追記ーー - 神保町系オタオタ日記」などで紹介した唐舟屋印刷所(現からふね屋)の創業者の妹堀尾緋紗子と夢野久作との関わりについても大きく取り上げていた*1。書評以外で夢野が京都の新聞に載るのは珍しいだろう。
さて、日記は昭和4年から13年までのもので戦中・戦後の分は残ってはいないようだ。昭和21年分があれば見たかった。というのも、「京都時代の金尾文淵堂と製本所真英社 - 神保町系オタオタ日記」で紹介した真英社製本所の社内誌『新影』第1巻第2号(昭和21年11月)に同年11月2日成田*2宅で開かれたレコードコンサートに集まった臼井ら若人集団の寄せ書きや式次第が載っていて、その日の様子が日記に書かれていると思われるからである。臼井は自作の「茶房風景」など4編を朗読したようだ。
真英社製本所の創立者は真柄真吉と言って、金沢文圃閣から復刻*3された『製本業者名鑑』(製本界社、昭和13年7月)の「附経歴写真鑑」から経歴を要約しておこう。
真柄真吉
出身地 福井県武生
創業 明治37年
京都製本界における王座を占める。
明治36年東京で製本業を修め、修業僅か1年で37年東京芝で開業。
大正6年帝国地方業勢学会印刷部と合併し、11年京都に移住。内外出版部*4の製本を一手に引き受けた。
昭和6年組合長の重職に就き、12年再選。
また、『50年の歩み:京都紙截同盟より京都府製本工業組合まで』(京都府製本工業組合、昭和48年9月)の宮川一男「組合創立五十周年の回顧と私」によれば、真吉は昭和20年7月22日死去。同書の座談会で宮川は息子も戦死され、弟*5がやっていたが、中村計理士へ養子にいっていた人で全然製本のことは分からなかったとも発言している。確かに、『新影』の奥付を見ると、編輯人・印刷人は中村静雄となっている。
*1:現在も続く臼井喜之介が創刊した雑誌『京都』(白川書院)の印刷を一時期からふね屋が行っていた関係である。「からふね屋印刷所の堀尾幸太郎と白川書院の臼井喜之介 - 神保町系オタオタ日記」参照
*2:『新影』第1巻第2号(真英社製本所、昭和21年11月)の木村義雄「誠実」に「内外印刷の成田氏」とある。
*3:『近代製本関係人物事典:製本業者・社の歴史第2巻』(金沢文圃閣、平成29年5月)
*4:正しくは内外出版印刷。 京都帝国大学の学知を支えた須磨勘兵衛の内外出版印刷ー井上書店の追悼にー - 神保町系オタオタ日記」参照
*5:真柄真吉の弟とも読めるが、『新影』第1巻第1号(真英社製本所、昭和21年10月)の中村静雄「新影になる迄」に「父を十万億土に送り敗戦を喫した昨年」とあり、「息子」(長男真柄清)の弟である。
#臼井喜之介 #臼井書房 #白川書院 #真英社製本所 #真柄真吉 #京都府製本工業組合
jyunku 2025-01-27 18:26 読者になる
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田辺青蛙・木根緋郷『岐阜怪談』(竹書房怪談文庫)に栗田英彦編『「日本心霊学会」研究』(人文書院)登場
昭和21年詩を朗読する臼井喜之介と製本所真英社(真柄真吉創立)
イベントのお知らせ:ACUT 2024 × ソノ アイダ #東京大学 talk_04《記憶と再生のあいだ——エステティクス再考1》
2025年 1月 29日
来る2月3日、東京大学アートセンター(本郷キャンパス)で開かれるトークイベント「ACUT 2024 × ソノ アイダ #東京大学 talk_04《記憶と再生のあいだ——エステティクス再考1》」に、小社刊行『調査的感性術:真実の政治における紛争とコモンズ』(マシュー・フラー+エヤル・ヴァイツマン著)の訳者、中井悠先生が登壇されます。
中井先生のほか、「ヒロシマ・アーカイブ」や「記憶の解凍」など、出来事の記憶をテクノロジーによって追体験可能にするプロジェクトを手がけてきた渡邉英徳先生と、2人の研究室で学ぶ冨田萌衣氏との3名で、個人的な記憶と社会的な記録が交差する場におけるリアリティの創出・再生や、その過程で浮かび上がる感性/美的判断の共有について語りあいます。
当日は対面(先着20名)+オンラインでの配信となります。奮ってご参加ください。
ACUT 2024 × ソノ アイダ #東京大学 talk_04《記憶と再生のあいだ——エステティクス再考1》
日時:2025年2月3日(月)17時00分~18時30分
会場:東京大学アートセンター 01_ソノ アイダ(本郷キャンパス・通信機械室)
参加方法:対面+オンライン配信(入場無料、要事前申込み、対面は先着20名)
登壇者:渡邉英徳(工学者、東京大学大学院情報学環・学際情報学府教授)、冨田萌衣(東京大学文学部3年、考古学専修)、中井悠(東京大学総合文化研究科准教授、副産物ラボ主催)。
主催:東京大学芸術創造連携研究機構(ACUT)
共催:ソノ アイダ
詳細・お申し込みは、下記のGoogleフォームを参照してください。
https://rb.gy/fdkmo7
イベントのお知らせ (76)
2025-01-29
『メシアン:世の終わりのための四重奏曲』 タッシ
猫と聴く近現代音楽
『メシアン:世の終わりのための四重奏曲』
タッシ
Tashi plays Messiaen
Quartet for the End of Time
CD: RCA Red Seal
Sony Music Labels Inc.
シリーズ:Great Recordings 1000/名盤コレクション1000
SICC 1830 (2015年)
定価¥1,000+税
Made in Japan
24ビット・マスタリング
期間生産限定盤
帯文:
「メシアンの傑作を世界に知らしめた1枚。」
帯裏文:
「「世の終わりのための四重奏曲」は20世紀フランスの大家メシアンが第2次世界大戦中に収容所内で作曲、初演も同じ収容所で行われた。そうした経緯から、楽器編成はピアノ、ヴァイオリン、チェロ、クラリネットという風変わりなものである。73年に結成された現代音楽アンサンブル「タッシ」は、ピーター・ゼルキンをはじめとする当時の気鋭の演奏家がこの現代音楽の名作を演奏する目的で結成された。本作が彼らの初録音であり、作品を世界に知らしめた1枚でもある。」
メシアン
Ollivier Messiaen (1908-1992)
世の終わりのための四重奏曲
Quartet for the End of the Time
1.第1楽章:水晶の礼拝 2:23
I. Liturgie de Cristal
2.第2楽章:時の終わりを告げる天使のためのヴォカリーズ 5:33
II. Vocalise, pour l'ange qui annonce la fin du Temps
3.第3楽章:鳥たちの深淵 7:44
III. Abïme des oiseaux
4.第4楽章:間奏曲 1:53
IV. Intermède
5.第5楽章:イエズスの永遠性に対する頌歌 7:42
V. Louange à l'éternité de Jésus
6.第6楽章:七つのラッパのための狂乱の踊り 6:27
VI. Danse de la fureur, pour les sept trompettes
7.第7楽章:世の終わりを告げる天使のための虹の混乱 7:16
VII. Fouillis d'arcs-en-ciel, pour l'ange qui annonce la fin du Temps
8.第8楽章:イエズスの不死性に対する頌歌 8:06
VIII. Louange à l'immortalité de Jésus
Total Playing Time: 47:08
タッシ
Tashi
ピーター・ゼルキン(ピアノ)
Peter Serkin, Piano
アイダ・カヴァフィアン(ヴァイオリン)
Ida Kavafian, Violin
フレッド・シェリー(チェロ)
Fred Sherry, Cello
リチャード・ストルツマン(クラリネット)
Richard Stolzman, Clarinet
[録音]1975年9月8&9日、千葉、柏市民会館、1975年12月19日、ニューヨーク、RCAスタジオA
Recording: September 8 & 9, 1975, Kashiwa City Bunkakaikan Hall, Chiba, Japan. December 19, 1975, RCA Studio A, New York
Producers: Max Wilcox & Peter Serkin
Recording Engineers: Richard Gardner & Masaki Ohno
◆小杉圭子による解説より◆
「「世の終わりのための四重奏曲」はピアノ、ヴァイオリン、チェロ、クラリネットという変則的な楽器編成に加え、8楽章という見慣れない楽章構成を持つ。「8」とは、6日間の天地創造ののち、第7日目の安息日が永遠へと延長し、不変の平和の第8日目が訪れることを示すのだと、メシアンはのちに記している。」
「タッシ
1973年にアメリカで結成。「世の終わりのための四重奏曲」を演奏するために、特殊な編成で結成された室内楽ユニット。メンバーは20‐30代の若手4人。ピアニストは巨匠ルドルフ・ゼルキンの愛息ピーター・ゼルキン。ヴァイオリンのアイダ・カヴァフィアンとチェロのフレッド・シェリーはともにジュリアード音楽院出身だ。のちにジャズ即興とのクロスオーヴァー音楽に入っていくクラリネットのリチャード・ストルツマンは稀代の名手と名高い。いずれもアメリカで活動し始めた新進の技巧派だった。
出端からクラシックの伝統を打ち破った。結成しても「四重奏団」「室内楽団」と名乗らない。燕尾服は着ない。タッシとはチベット語で「幸福」という意味だが、ピーター・ゼルキンの飼い犬がまさにその名だった。犬の名前をユニット名につけ、Tシャツや赤いズボンで演奏するタッシ。1970年代のニューヨークのミュージック・シーンを彷彿とさせるいっぽうで、演奏の実力も高く評価されていく。
まもなく、当時をときめく作曲家がタッシのメンバーに楽曲を提供しはじめた。武満徹は1975年に「カトレーン」、1977年に「カトレーンⅡ」を作曲するが、いずれもタッシによる演奏を想定している。」
◆本CDについて◆
ジュエルケース(黒トレイ)。二つ折りブックレット(内側はブランク/デザインはLPの表裏ジャケットを再現)。投げ込み(十字折り/片面印刷)にトラックリスト&クレジット、小杉圭子による解説。
オリジナルLPは1976年に米RCAよりリリースされました。本CDは2006年版CD(紙ジャケ)の廉価盤です。他に『Tashi Plays Takemitsu』(1980年)から「カトレーンⅡ」を追加収録したCD(BMGジャパン/1997年)も出ています。ちなみにタッシと小澤/ボストン響による「カトレーン」は『武満徹:カトレーン/鳥は星形の庭に降りる 他』(1980年)に収録されています。
四重奏、三重奏、二重奏、クラリネット独奏など、楽章によって編成や演奏スタイルが変わるので飽きさせないです(第6楽章は全員によるユニゾン)。タッシによる演奏はアール・ゾイやユニヴェル・ゼロといったアヴァンギャルド・ロックに影響を与えているかもしれないです。
★★★★★
nekonomorinekotaro 2025-01-29 17:15 読者になる
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『メシアン:世の終わりのための四重奏曲』 タッシ
猫と聴く近現代音楽 (220)
2025年01月28日
農林水産省主催令和6年度第2回日系農業者等連携強化会議 1月31日から2月1日サンパウロ市で開催
「令和6年度第2回日系農業者等連携強化会議」が来る1月31日から2月1日、ブラジルのサンパウロ市で開催される。1月31日は在ブラジル宮城県人会会館で令和6年(2024年度)訪日事業の実施結果報告を中心に、今後の意見交換会を開催し、2月1日は農業現場視察でサンパウロ市郊外へ足を伸ばす。
(昨年2023年度(2024年2月)アスンシオンにての連携強化会議)
オンライン参加も可能なハイブリッド形式で、参加者はブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ボリビア、ペルー、コロンビア、メキシコなどの中南米諸国の日系農業者及び農協関係者、在外公館、JICA、農林水産省、日本企業などである。さらに、今回は中南米農業技術交流プログラム参加企業①株式会社 黄金の村(ゆず生産企業 ブラジルでの柚子生産とヨーロッパ・アメリカへの販売) ②株式会社パルサー・インターナショナル(葉面散布肥料オルガミン販売)も現地で参加する。使用言語は日本語、ポルトガル語、スペイン語で、同時通訳で開催される。この事業の重要な目的は、日本と日系農業者間や日系農業者同士の交流を促進することであり、農林水産省からの委託で中央開発株式会社(CKC)が実施する事業「令和6年度中南米日系農業者等との連携強化・ビジネス創出委託事業」で、中南米日系農業者同士の連携強化および、日本・中南米間のビジネス創出を目指すものの締めくくりとなる。
Orgamin
Fertilizante organico foliar
https://www.nikkeiagri.jp/R6/doc/Pulsar.Tropical_Orgamin_2025.pdf
Yuzu
Projeto de producao de yuzu no Brasil
https://www.nikkeiagri.jp/R6/doc/Ogonnomura_Yuzu_2025.pdf
1月31日午前9時から、農林水産省挨拶 からの挨拶、組織紹介、南米の大使館関係、現地の日系社会からの歓迎の辞がおこなわれ、本年度の中南米日系農業者等との連携強化・ビジネス創出委託事業のオンラインセミナーや対面イベントなどの実施報告、そして去る10月から11月に行われた訪日研修の実施報告を行う。さらに次年度事業内容についての意見交換も行われ、訪南米日本企業2社の紹介が1130まであり質疑応答、そして、昼食休憩をはさんで、14時から1520までに訪日研修に参加した参加者がそれぞれの活動を報告する。またウェビナー[女性部活動] も紹介される。ここまでがオンライン参加者に共有される。それぞれの分科会の時間が設けられている。1630に終了するが18時まで交流会で、南米それぞれの地域での自社製品もしくは農業の特産品やそれぞれの国の嗜好品という食品を持ち寄りで提供しながら談笑する機会である。1月31日オンライン参加希望者はリンク(https://nikkeiagri.jp/R6/cooperation.html#02)から登録できる。
2月1日はサンパウロ市近郊ピンドラーマ(モジ市)にて農村観光や、果物や水耕栽培の農場を視察する。
詳細問い合わせは、中央開発株式会社(担当:余川、nikkeiagri@ckcnet.co.jp)まで。プログラムはこちら(https://www.nikkeiagri.jp/R6/doc/Programa_2025.01.pdf)から
モジダスクルーゼス市
2 月 1 日(土)
7時半にリベルタージを出発
9:30 にピンドラーマ日伯協会 Associacao Rural de Pindorama (Kaikan)に集合
Associacao Rural de Pindorama: Rodovia Engenheiro Candido do Rego Chaves, km 57 - Pindorama MAPA
ピンドラマ商店 - イケモリ
ピンドラマ商店-イケモリは 60 年以上の歴史があります。道路沿いに位置するこの商店は日々旅行
者や周辺の労働者を受け入れています。飲料から食品までブラジルの様々な商品を取り扱っていてい
ます。メニューでは日替わりで中身が変わるコロッケのようなホットスナック(タラやひき肉卵な
ど)やホットドッグ、豊富な種類のパステル(肉チーズと肉野菜が人気)などが特に人気です。
セグチ農園
玉レタス、リーフレタス、キャベツ、白菜、エスカロール、パクチーを専門に栽培しているセグチ農
園は 12ha の面積のうち 10ha は自家栽培で、ほか 2ha は貸し出しています。1995 年に生産を開始、
はじめは根菜を栽培、後に葉物野菜へ移行しました。サンパウロ州のグリーンベルトに位置してお
り、国内でも突出した野菜の生産地です。
ヤマカワ農園
2004 年からヤマカワ農園は地域有数の水耕栽培を行っている農園で栽培面積は 5ha、水耕栽培を行っ
ています。主にルッコラ、クレソン、レタス、紫レタス、パセリ、パクチーを栽培効率と品質に注視
して栽培しています。
センザキ農園
1950 年代、ブラジルでの醤油生産の先駆けでいまだに工場跡地が見られます。現在農園はリノベーシ
ョン中で、再生林のなかでミョウガ、ハヤテ瓜、タケノコなどの栽培を行っています。さらに、自然
保護やアグロフォレストリー、農産食品加工、森林浴などのウェルネスツーリズムなどにかかわるプ
ロジェクトにも参加しています。
07:00 (オプショナル : 青葉市場) 宮城県人会
07:30 リベルダージ出発 Leques Brasil Hotel
07:30-09:30 120 バス移動(ピンドラマ-モジダ
スクルーゼス市)
ピンドラーマ日伯協会へ移動
Rodovia Engenheiro Candido do Rego Chaves,
km 57 - Pindorama
09:30-10:00 30 休憩・コーヒーブレイク Venda Pindorama (Michi no Eki – Ikemori)
Rodovia Engenheiro Candido do Rego Chaves,
Estr. do Maeda - Quatinga, Mogi das Cruzes -
SP, 08751-300
10:00-11:00 60 野菜(レタス、キャベツ等) Seguchi Farm
8QVM+998 Taiacupeba, Mogi das Cruzes - SP
11:00-12:00 60 水耕栽培(レタス、クレソン
等)
Yamakawa Farm
(ao lado do Seguchi)
12:00-14:00 120 昼食・交流会 ピンドラーマ日伯協会
14:00-15:00 60 農村観光・ブランディング Senzaki Farm
Estr. Misao Kinoshita - Pindorama, Mogi das
Cruzes - SP, 01528-020
15:00-17:00 120 果物(いちご、ぶどう、ライ
チ等)
Arakawa Farm
Rod. Eng. Candido do Rego Chaves, km57 -
Pindorama, Mogi das Cruzes - SP, 08751-300
17:00-19:30 150 バス移動 Leques Brasil Hotel 解散
(一部 Guarulhos 空港移動)
La 2a Reunion de Fortalecimiento de los Agricultores Nikkeis del Ano Fiscal Reiwa 6 Un proyecto del Ministerio de Agricultura, Silvicultura y Pesca de Japon, en la Asociacion de Miyazaki en Brasil, el dia 31 de enero, y para nuestro Dia de Campo en Pindorama/Mogi das Cruzes el 1 de febrero de 2025. Invitan especialmente a los agricultores nikkeis de America Latina a unirse a otros agricultores y profesionales de Japon y de la region para compartir conocimientos y estrechar lazos en el sector agricola.
Hay participaciones especiales desde JAPON.
Orgamin
Fertilizante organico foliar
https://www.nikkeiagri.jp/R6/doc/Pulsar.Tropical_Orgamin_2025.pdf
Yuzu
Projeto de producao de yuzu no Brasil
https://www.nikkeiagri.jp/R6/doc/Ogonnomura_Yuzu_2025.pdf
Los costos de viaje y otros gastos corren a cargo de cada participante. Sin embargo, existe la posibilidad de cubrir los gastos de hospedaje en Sao Paulo. Para ello, les pedimos que se pongan en contacto con la organizadora CKC, que ofrece esta facilidad para los participantes.
Las inscripciones pueden realizarse a traves del siguiente formulario, tanto para la modalidad presencial como en linea:
https://forms.gle/6mJkZXtGx2AhZEQP8
Para mas informacion, comuniquese con Yokawa san al correo electronico: nikkeiagri@ckcnet.co.jp
El programa tentativo es https://www.nikkeiagri.jp/R6/doc/Programa_2025.01.pdf Las fotos del ano pasado en Asuncion, Paraguay https://www.facebook.com/camarajaponesapy/posts/pfbid02vUjHxsNVo5ceG8Fn938ybxg24mjaW1uRxqQ8R4qVuZaCbuPvBzgThqbYoixXw56gl
CKC=日系農業者等連携強化会議を開催=ハイブリッド形式、31日からサンパウロ市で https://www.brasilnippou.com/2025/250110-23colonia.html
tomokoar at 04:52|Permalink│Comments(0)│
mixiチェック │アルゼンチン農業・農産業事情 | 食品関係
農林水産省主催令和6年度第2回日系農業者等連携強化会議 1月31日から2月1日サンパウロ市で開催
アルゼンチン農業・農産業事情 (39)
食品関係 (2)
104.ジャック・マリタン, ライサ・マリタン 共著 ほか 須賀敦子訳『典礼と観想』,エンデルレ書店,1967. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2940754 (参照 2025-01-27)
2025.01.28
【記事で紹介】『沖縄では海を見ない』
2025.01.27
矢口英祐のナナメ読み #093 『小泉郁子教育論集 第四巻 戦時下北京からの発信 Ⅰ』
2025.01.27
【書評】服罪
2025.01.28
【記事で紹介】『沖縄では海を見ない』
2025.01.27
【書評】服罪
2025.01.27
矢口英祐のナナメ読み #093 『小泉郁子教育論集 第四巻 戦時下北京からの発信 Ⅰ』
夜のロボット その5 ロボット大戦争 十四話目「拘置所南壁」
匙田
2
ダイジェスト 包丁人味平 カレー戦争 第一話
ビッグ錠
5
寄宿学校 嬰館 〜映画「エコール」より〜
谷口敬
8
第1話「なんでもない」後編
佐藤菜生
10
講座やワークショップの様子 (505)
2025.01.26 Sunday
author : ヨンネ
202501 本の修理と手製本アドバンスクラス
本の修理と手製本アドバンスクラス、2025年、今年もはじまりました。
壊れた本を直す、綴じたいものを綴じる、テーマを決めて製本する、これは製本できるかな、を進めるクラスです。
今年の手帳の表紙をお好みに
かわいい折本と紙ものを納める夫婦箱
解体、補修、綴じ直し、裏打ち、丁寧に工程を重ねて絵本の修理やっと完成
無線綴じの小説、かがり綴じの辞書、四つ目綴じの和本、形態は異なるけれどすべて解体と紙の補修からスタートしている修理本たち
糸だけで中身と表紙をかがり綴じ合わせる構造のドラポルテ製本
そのほか、お気に入りのカレンダーをアルバム製本にする、和本をテーマに和綴じのすべてを網羅していこう!なども。
アドバンスクラスは基礎123を終えた方が中心ですが、内容によってはご相談に応じます。お気軽にご相談ください。
・・・
*本の修理と手製本のお問い合せについて→★
*手製本講座やワークショップのお知らせ→★
*『はじめて手でつくる本』ヨンネ著 発売中→★
*YONNE BOOKBINDING WEBSHOP→★
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| 講座やワークショップの様子 | 22:22 | comments(0) | - | pookmark |
午前 10:30-13:00(残席4名様)
午後 14:30-17:00(満席です)
202501 本の修理と手製本アドバンスクラス (01/26)
2025.01.26
長野駅前の通り魔殺人の犯人が捕まったそう。良かった。
ミシェル・ヨー主演の『startrek section 31』が、24日に、アメリカで公開された模様。日本では4月らしい。
好評につき1/23深夜再放送 やくしまるえつこが毎年語りを担当 人気経済ドキュメント「欲望の資本主義」2025最新版
JR三鷹駅の有隣堂 アトレヴィ三鷹店が閉店に
2025/01/24(金) 21:14:50 |
新刊書店
JR三鷹駅利用の本好きには残念な知らせです。
JR三鷹駅の駅ビル、アトレヴィ三鷹内にある書店、有隣堂アトレヴィ三鷹店が2/24で閉店とのことです。同店の公式X(ツイッター)と公式サイト上で公表されています。
【“JR三鷹駅の有隣堂 アトレヴィ三鷹店が閉店に”の続きを読む】
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JR三鷹駅の有隣堂 アトレヴィ三鷹店が閉店に (01/24)
2025-01-26
■
カモガワGブックス主催「第2回カモガワ奇想短編グランプリ」一次通過作品に加筆修正した短篇「大ガールズバンド時代」を公開しました。
https://kakuyomu.jp/works/16818093092429399751
kkkbest 2025-01-26 09:08 読者になる
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カモガワGブックス主催「第2回カモガワ奇…
『メロディック・ブラックメタル・ガイドブック』が完成したので、中身を紹介します
2025年1月23日 書籍
藤澤正樹さんと近藤知孝さんによる『メロディック・ブラックメタル・ガイドブック』が完成したので、中身を紹介します …
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金田アツ子個展「みそらのかなた」
2025.01.23 Thursday
2007年のアラビク開店以来、お客様との語らいの場となってきたカウンターを
絵画展スペースへとリニューアルした「Arabiq Monthly Board」。
2025年から本格的に月替わりで運営いたします。
記
Arabiq Monthly Board
金田アツ子個展「みそらのかなた」
会期:2025年1月23日(木)〜2月3日(月)
会期中水曜定休
13:30-20:00
[オンライン販売]
作品問い合わせを、1月23日(木)20時から承ります。
→ 出展作品掲載ページ(予定)←
ご購入希望の方は、http://www/arabiq.net/contact からご連絡ください。
<会場・連絡先>
珈琲舎・書肆アラビク
530-0016
大阪市北区中崎3-2-14
tel/06-7500-5519
web: http://www.arabiq.net
Twitter( X ): @arabiq_allstars
Instagram: @arabiq_allstars
Youtube: アラビク時報
以上
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20:03 - comments(0) -
金田アツ子個展「みそらのかなた」 (01/23)
January 2025 (1)
(C) 2025 ブログ JUGEM Some Rights Reserved.
[テーマ]2024年SF回顧「国内編」&「コミック編」
↓「事前参加申込フォーム」にてご登録お願いします。
※折り返しメールにて当会参加用の「Zoom招待URL」と
「ID&パスワード」をお送りいたします。
■事前参加申込フォーム↓
https://ssl.form-mailer.jp/fms/3ab965d6812669
[申込締切]定員に達し次第終了となります。
「9割甘え」のTwitterアカウント「山野浩一@koichyamano」はSF作家・競馬評論家の山野浩一氏とは無関係です
2025/01/21
10:32
CM:0
以前も同様の訂正を出したことがありますが、ふだんから全方位的に差別発言を繰り返し、「地方は車がないと生活できないというのは9割甘え」などという暴言で大炎上しているTwitter(現X)のアカウント「山野浩一@koichyamano」(写真)は、SF作家・競馬評論家として知られる山野浩一氏とはまったくの無関係です。 意図的に混同させて嘲弄する向きすら現れた状況を重く受け止め、再度アナウンスをいたします。...
続きを読む
山野浩一の公式サイトです。氏と生前から交流のあった岡和田晃(文芸評論家・作家、東海大学講師)が、ご遺族の許可のもと管理・運営を担当しています。ご連絡は、akiraokawada@gmail.comまでお願いします。
「9割甘え」のTwitterアカウント「山野浩一@koichyamano」はSF作家・競馬評論家の山野浩一氏とは無関係です (01/21)
2025/01 (3)
ニュース (43)
訂正 (3)
https://sekaibivouac.jp/古書ほうろうも緊急お助けパックお受け取りスポットです。 地獄祭り前夜祭 2025.01.23 19:00〜
『アナログゲーム産業年鑑2024』 (松岡梨沙)
2025年1月21日
『独りぽっちの人生(せいかつ)―東京大空襲により心をこわされた子たち The Struggling Children of the Tokyo Air Raids』 (浅見洋子)
2025年1月20日
Bluesky
作文の論理
渡邉雅子『論理的思考とは何か』岩波新書,2024年
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『「論理的思考」の文化的基盤』の普及版かと思っていたら,『納得の構造』『「論理的思考」の社会的構築』『「論理的思考」の文化的基盤』の三冊にわたる研究の成果をコンパクトにまとめたものだった。
主旨は冒頭からわかりやすく説明されている。
さまざまな文化のもとで論理的とみなされる情報提示の形式,具体的に言えば,評価される作文の書きかたはどのようなものか。
本書では,4つの作文のパターンとして,日本の感想文,アメリカのエッセイ,フランスのディセルタシオン,イランのエンシャーを取り上げる。
もちろん,これが論理的思考のすべての型というわけではなく,これまでの研究の結果から類型化できるのがこの4つということであり,日本には感想文しかない,アメリカはエッセイしか扱わないということでもない(しかし,それぞれの文化において典型的であるとは言える)。
また,これらの作文の型がそれぞれ,社会,経済,政治,法技術のレトリックを代表するという見立てである。
最初に論理学やレトリックなどの思考法について整理し,論理的思考の類型についての枠組みが説明された後,4つの型について順に説明される。
その後,それぞれの思考の型の立場に立ちつつ,その型から見てなぜ他の型が非論理的に見えるのかを論じる。
かなりシステマティックな構成で,それぞれの思考の型の根拠となる作文の例などももう少し見てみたかった気もするが,新書版のボリュームだとこのくらいが適切なのかもしれない。
システマティックに比較したおかげで,よく批判の的となる日本の感想文にもいい面があるのだと感じることができる。
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日本の感想文はなじみがあるし,アメリカ式のエッセイについても作文技術として学ぶ機会はあったが,ディセルタシオンやエンシャーは聞いたこともなかったので面白かった。
フランスのディセルタシオンは同じ西洋文化でもアメリカとはずいぶん違う。
エッセイの基本構造は,序論,本論,結論である。
最初に結論となる主張を提示し,本論ではその主張を支持する根拠を挙げて読み手を説得し,結論では再び主張を繰り返すことになる。
一方,ディセルタシオンの基本構造は,導入,展開,結論である。
導入部分で問題提起を行うことには驚きはないが,展開部ではなんと弁証法が求められる。
いったんある主張を行った後,それに対立する意見を述べ,さらに両者を統合しなければならない。
それを終えた後ではじめて結論を述べることができる。
このようなエッセイとディセルタシオンの要素の並べ方の違いは,エッセイは序論で宣言する「結論(主張)」を重視するのに対して,ディセルタシオンは<正-反-合>の議論の展開に沿って見方が変化し押し広げられていく「過程そのもの」を重視することに起因する。(p. 91)
渡邉雅子『論理的思考とは何か』
議論の過程そのものを重視するとか言われると,日本的な,皆で共有することが大事といったフレーズが頭をよぎるが,ここで求められるのはそういうものではない。
むしろ,しっかりと意見をぶつけ合って,その上で結論を出したという事実,その過程が重要なのである。
政治領域のレトリックは,慎重な政治的判断を行うために「十分な審議が行われたか否か」が重要な観点となる。(p. 83)
渡邉雅子『論理的思考とは何か』
こうした論理の型が求められるようになった理由として,フランス革命をはじめとする歴史的な背景に言及される。
論証の証拠として使えるのも書き手個人の感想や経験ではなく,「古今の著名な思想家や作家による作品の厳密な引用のみが根拠になる」(p. 91)。
つまり,ディセルタシオンを書くためにはそうした基礎的な教養があることが前提とされる。
あまりに高度であるため,この型の論述が求められるバカロレア試験はエリート主義と非難され,それにかかるコストも常に問題視されているという。
その一方で,こうした高度な教育にフランスの教師は誇りを持っており,知識人や政治家も擁護しているとのこと。
イランのエンシャーもまた独特である。
基本構造は,序論,本論,結論だが,結論は最初から決まっている。
序論で主題の背景を述べた後,本論では主題を展開したり具体例を並べたりし(なるべく全体から細部へ),全体をまとめて最後にことわざや詩の一節,神への感謝などで結ぶことが好まれる。
この型が法技術領域と呼ばれるように,はじめから決まっているルールを適用し,前例を思い起こさせるという点で確かに法律文書のような雰囲気を感じさせる。
これはもちろんイスラム教におけるコーランに基づく論拠づけが背景にある。
このように見てくると,日本の感想文の文化はいかにも頼りないもののように思えてくる。
主人公の気持ちや自分がどんな感想を持ったのかについて書くというのはいかにも曖昧である。
ところが,このような論理の型が重視されるようになった背景が本書ではかなりしっかりと論じられる。
このような感想文の本懐は他者との共通感覚や道徳を養うことにあったというのである。
感想文の基本構造は,序論,本論,結論である。
序論で感想の対象について述べた後,本論では書き手の体験を述べることが求められる。
そして,結論では,体験から得られた書き手の成長や今後の心構えを書くことが期待される。
このような体験を通しての変化を書かせることによって「体験を通した自己の成長の軌跡を描かせ,その体験を今後どう自己の行為や生き方に生かすのかを考えさせる目的がある」(p. 114)からである。
だから,国語教育においてやたらと主人公の気持ちを考えさせ,それを意見として発表させることにも意味がある。
主人公の意図の解釈には,解釈する者の価値観が反映されやすく,解釈に紐づいた児童生徒たちの多様な価値観が示されるからである。(p. 116)
渡邉雅子『論理的思考とは何か』
ここでは,意見の共有が求められているが,フランスの弁証法のような徹底的な討議ではなく,共有することそのものが目的であり,児童生徒の共同体への参加が重視される。
そう考えると伝統的な国語教育のやりかたにも意味があったのだなと思う。
ただ,これが形骸化すると妙な具合にもなる。
国語教育における文学の取り扱いを歴史的に分析した幸田国広によれば,かつて文学の鑑賞によって行われた人間形成は,一九八〇年以降物語の「正しい読み」を目的とする「読解」に重点が移ることで,「登場人物の心情の変化を場面の展開に即して読み取る授業が一般化し」,この定型化された正しい読みの方法と徳目が結びつくことで国語教育は「「隠れた道徳教育」を内に抱え込」むことになったという(幸田 2021: 194-195)。(p. 116)
渡邉雅子『論理的思考とは何か』
リテラシーの教育であるはずの国語が道徳の教育を含みこむことになっていく。
だが,そのこともまた日本社会が市民の教育に求めるものであった。
道徳の起源は,共感を通じて他者の苦しみや喜びを理解することであるとは,古代ギリシアのアリストテレスから現代の哲学者にも共通する普遍的な認識だが,こうした共感の感覚を養う訓練に,感想文は大きな役割を果たす。心が動く契機となった場面に焦点化して書く感想文の構造は,まさに感情が喚起された「場に注目させ」,その場と自己の感情の相互作用を道徳的な感情にまで高める一連の過程を,書く過程に体現させているのである。(p. 119)
渡邉雅子『論理的思考とは何か』
共同体になじむことのできる市民を育てることを第一に考えるのであれば,登場人物の気持ちやまわりの同級生の意見に寄り添えるようになる教育を施すのはもっともである。
感想文の歴史的な背景は精神修養のための綴方に求められる。
実生活からの実感を綴ることで,児童は自ずから自然の摂理と融和することが期待された。
そのような考えが背景にあるため,現代の作文教育でも教師の励ましのことばを添えるのみで,添削や点数評価を行わないというやりかたになる。
一方,描写する対象は時代の要請を反映して変化していった。
戦後にはそれが「与えられた課題本の主人公に共感し,読書体験によって児童が自己変革を遂げる読書感想文と,級友たちとの共通体験を通しての個々の心の成長を描写する行事感想文」(p. 126)となっていく。
だから,感想文,作文にはいまでも自己修養的な側面があり,そうであるがゆえに,身近で当人の実感に即した内容が求められ,論理性や表現の技巧よりも,道徳的,共感的なまとめが好まれるのである。
感想文にもそれ相応のの“論理”があるのだなと伝統的な国語教育に若干の共感をおぼえるようになったところで筆を置く。
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2025.01.20 Mon l 思想 l コメント (0) トラックバック (0) l top
作文の論理 (01/20)
2025/01 (2)
思想 (31)
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2025年1月20日
『死の貝 日本住血吸虫症との闘い』 小林照幸 新潮文庫を、読む。
1980年代、90年代と、出張で山梨全域へよく行っていた。当時、地場業者が強く、商売をしにくいところとは聞いていたが、「雨宮」という姓のおかげで、少し助かっていた。
いや、ご先祖様は山梨なんだろうけど、海老名雨宮氏の末裔であり、いまは東京である。そんなことをあえて言うまでもなく、にこにこしていれば、なんとかなったものである。出張はよく車で行っていた。勝沼を過ぎ、一宮御坂から甲府南までの直線路が好きだった。一宮御坂で降りて笛吹市から、富士山を背に、甲府盆地を見下ろすと、今の時期、凛と凍り付くような空気のなかで、その雄大な風景は忘れられない。
中巨摩郡の櫛形山で、蜂を追わされたり、蜂の子をご馳走になったりしました。台風一過のあと、大きい岩がゴロゴロしていて、その荒れ模様に驚愕したりしました。
笛吹川で、道に迷い、土手を走るはめになってしまい、いまのようにナビがあるわけじゃなく紙の地図とにらめっこしていたが、なかなか脱出できず、その草ぼうぼうの水路に立ち入り禁止の標識があり、「ああ、こんなところ誰が入るんだ」と思ったが、いま、思うと、死の貝がいたところだったんだと思い至った。
土地のひとから直接、聞いた記憶はないが、人づてに聞いたことはあった。
今回読んで、つい最近のことなんだと驚かされる。土地にある病との闘いの記録はすさまじく、また長い物語なんだと思う。接待をしながら、気のいいひとたちだなと思いながら、酒を飲んでいた頃に知っていたならば、もう少し違っていた気持ちを持っていたろうと思う。それと同時にご先祖様の闘いもあったであろうことは、想像がつく。素晴らしい作品だ。
amazon 死の貝
2025年01月18日
テスト
中尊寺金色堂
2025-01-18
綾辻行人『霧越邸殺人事件』B、内田康夫『贄門島』B
【最近読んだ本】
綾辻行人『霧越邸殺人事件』(ノン・ノベル、2002年、単行本1990年)B
山奥に建つ洋館・霧越邸。この謎めいた屋敷に、ある大雪の夜<偶然>に迷い込んだ人々が、凄惨な連続殺人事件に巻きこまれる。
本書の特性として、トリックや犯人を考えること以上に問題になるのが、「たまたま」居合わせただけの彼らはいったいなぜ殺されるのか、そこで殺される「必然性」とはなんなのか――ということがあげられる。
その答えは、参考文献にライアル・ワトソン、ルパート・シェルドレイクをはじめとするニューエイジ・サイエンスの本があげられているところに示されている。本文でもはっきりと言及されており、本書を読み解く重要な鍵であるのは間違いない。
ニューエイジ・サイエンスとは何かというと、もちろん一言で説明することはできない。しかし本作を読むための要点をあげると、「私たちが見ている世界の背後に、大きな流れのようなものがあって、それが人類の歴史や生物の進化を支配している」という考え方があげられる。
これが、霧越邸で起こる奇怪な現象――主人公たちがその屋敷を訪れることや、いずれ起こる殺人事件の内容や、犯人が誰なのか、といったことを、屋敷が壁のひびわれや意匠といった形で「予告」するという現象――に、「理論的な説明」を与えることになっている。
ニューエイジ的にみれば、そこで起こる現象は決して偶然ではなく、大きな流れの中で起こっていることであり、逆らうことは罪になるともいえるのだ。
終盤で、犯人と探偵が対決し、犯人が明かすニューエイジ的世界観を背景にした動機を、探偵は最後まで否定する。これは犯人と探偵の倫理的・論理的な対決である以上に、ニューエイジ的な世界観を受け入れる者と受け入れないものの対立なのである。
そしてそれは、読者が探偵と犯人のどちらの立場に与するか、という問いかけでもある。理屈の上では探偵に味方しても、心のどこかには犯人に肩入れしてしまっているのではないか――いつのまにか読者が「共犯」にされてしまうその構造こそ、本書の恐ろしさだろう。
内田康夫『贄門島』(角川文庫、2009年、単行本2003年)B
内田康夫はなぜか今まで機会がなくて、実は初めて読んだ。
最初は、ある島に伝わる風習――死んだ人を舟に載せて海に送り出し豊漁祈願する――が出てきて、実は豊漁を招くためにわざと人を殺して送り出すということを今もしているのではないか、という不穏な話を暗示しながら進んでいくが、途中からこの風習に、北朝鮮の拉致問題や不審船といった問題が絡んだ社会派的な背景が見えてくる。いわば、「現代の横溝」と思って読んでいたらいつのまにか「現代の清張」の世界に迷いこんでいる、という仕掛けである。
この構造の巧みさにはちょっと感心したのだが、あとがきによると、いつも作者はプロットを立てずに書いているという。本作も、横溝と思いきや清張へ、という構造がうまいと思っていたら、特になにも決めずに書き始めたというのだからすごい。
連載小説でなにも決めずに書き始めるというから強気なものだが、考えてみればその書き方が、浅見光彦があちこち歩きまわっていろいろな人と接触するうちに次第に真相が見えてくる、という行き当たりばったりな筋には見事にマッチしているともいえる。
だがその副作用として、どうにも長いのはいただけない。別に上下巻である必要はなかったのではないか。
霧越邸殺人事件<完全改訂版>【上下合本版】 (角川文庫)
作者:綾辻 行人
KADOKAWA
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合本 贄門島(にえもんじま)【文春e-Books】
作者:内田康夫
文藝春秋
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nukuteomika 2025-01-18 22:45 読者になる
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綾辻行人『霧越邸殺人事件』B、内田康夫『贄門島』B
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2025
2025 / 1
それから以下は今週仕事帰りに仕事先の古本屋に立ち寄って買ったもの。
生田耕作「るさんちまん」(人文書院)昭和50年4月30日カバ帯1000円
ライク「緑色革命」(ハヤカワ文庫)昭和58年5月31日カバ500円
「緑色革命」はもう20年くらい前に単行本を古本で買って持っている。これで単行本は処分。生田のはケチケチと帯欠しか買ってなかったので、これで入れ替えと。なんだか入れ替えで処分する本ばかりになってしまっている。
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2025-01-12
山種美術館・幸福な日本画を集めた展示
近況
自分が正しいと思っていると、それが大きな罪だということに気づけない。言い換えると、誰かを軽蔑していると、それが大きな罪だということに気づけない。ドストエフスキーもベルイマンも小川先生も、そういうことを言い続けて、一生を終えた。(2025/01/14、文章の一部を書き換えました。)
昔、北浜の三越劇場でベルイマンの「ファニーとアレクサンデル」を観た。それ以前に、一回、ベルイマンの別の映画をベルイマンのことを何も知らずに観た。ベルイマンの何の映画だったか忘れたが、観たところ、全然理解できなかった。今回もダメだろうと思って観た。なぜ観たのかといえば、新聞などでベルイマンは凄いという人が何人もいたからだ。そういう不純なというか、アホな理由でわたしはついふらふらと観たのである。
「ファニーとアレクサンデル」という映画ではプロテスタントの牧師が強迫神経症のヘンタイみたいに描かれていて、そのヘンタイの牧師の家にカトリックの家で育った(記憶あいまい)ファニーという少女とアレクサンデルという少年がもらわれていき(理由は忘れた)ひどい目に遇い、牧師から逃げ出し、もうこりごりだと思いながら自分の育ったカトリックの家に帰るという話なのである。そして、最後はカトリック万歳、というような感じで終わる(これも記憶あいまい)。
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謹賀新年。
本年もどうぞよろしく、お願いいたします。
当方、この1月で何と「喜寿」を迎えます。
それを機に、今年からは「紙の」賀状に代えて、
メールでの御挨拶とさせていただきたく、この段、
あしからず御了承のほど、お願い申し上げます。
賀状をくださった皆様、ありがとうございました。
昨年10月からnoteにも原稿を書いています。
ご購入は画像から
ご購入は画像から
2024-12-18
mixi2よりはてなハイク3!!!!!!!
mixi.social mixiがmixi2として復活したんだからはてなハイクもはてなハイク3として復活してもいいじゃない、という気持ちとはてなにはサービス維持のために堅実経営して欲しいという気持ち。心がふたつある。news.yahoo.co.jp 2024年12月16日、新しいSNSサ…
mixi2よりはてなハイク3!!!!!!!
年末年始お休みのお知らせ
お知らせ
2024年12月14日
『コケのすきまぐらし』中国語版
投稿日時: 2024年12月12日 投稿者: mushi-bunko
たくさんのふしぎ『コケのすきまぐらし』田中美穂 文 / 平澤朋子 絵 (福音館書店)が中国の接力出版社より中国語簡体字に翻訳されて発売されました。『苔蘚的奇妙生活』訳は田秀娟さん。構成などはほぼそのままですが、紙質がちょっと違ってしなやかでこちらも素敵です。日本版は2021年10号の月刊誌なので版元の福音館書店ではすでに品切れですが、蟲文庫にはまだもう少し在庫があります。
カテゴリー: —おしらせ
『コケのすきまぐらし』中国語版
2024年12月 (1)
—おしらせ (33)
▶『日めくりジャズ365 2025年版』
2024年12月
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(12/09)『西村賢太の愛した短編』発売
日記(552)
2024年12月(1)
2024年12月09日
『西村賢太の愛した短編』発売
2025年1月、幻戯書房さまから
『西村賢太の愛した短編』が発売されます。
編集をお手伝いしました。
ご興味あれば、是非、お買い求めください。
https://genkishobo.exblog.jp/30547440/?fbclid=IwY2xjawHDcPpleHRuA2FlbQIxMQABHRE-aFCTWGSLd1wKc_eLATFpvTmsvEOnQLQqrCiLBqJFd6wYNa2TqrwN1A_aem_QwyOolGYB0jNiojKtcTT1g
「武井武雄刊本作品逍遥」発売
posted by りき at 18:15| ロンドン ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | |
2024年07月09日
「武井武雄刊本作品逍遥」発売
呂古書房さまにて、「武井武雄刊本作品逍遥」発売中です。
https://locoshobou.co.jp/book/61879
レックス・スタウト『シャンパンは死の香り』が刊行
レックス・スタウト『シャンパンは死の香り』(1958。Champagne for One)が論創海外ミステリから刊行されました。
未婚の母たちをもてなすパーティーに、知り合いから代わりに出席してくれと頼まれたアーチーは、雇い主のウルフの制止も振り切って出席する。毎年開かれるそのパーティーには、四人の未婚の母がゲストとして招待され、パートナーを務める男たちも社交界から四人招待されていた。
ところが、ゲストの娘の一人がアーチーに、フェイス・アシャーという別の娘が、ハンドバッグにいつも青酸の入った小瓶を忍ばせていて、仲間たちに自殺の可能性をほのめかしていたが、今夜のパーティーにもその瓶を持ってきているようだと告げ、この華やかな場で自殺を決行するのではないかと不安を漏らす。
アーチーは、なにも起きないよう自分が目を光らせているからと、娘を安心させるが、フェイスは、ダンスのパートナーが持ってきたシャンパンをひと口飲むと、そのまま絶命してしまう。死因は青酸中毒だった。
パートナーが彼女に渡したシャンパンのグラスは、バーのカウンターに並んでいたグラスの中から無作為に選んで持ってきたグラスであり、彼は自分用のグラスをもう片方の手に持っていたため、持っていく途中も含めて、グラスに毒を仕込むことは不可能だった。
現場にいた誰もが、フェイスは自殺に違いないと証言するが、アーチーは、自分はずっと目を光らせていたし、彼女が毒をグラスに入れたとは考えられず、これは殺人に違いないと主張する・・・。
「ウルフは博識だが、彼の才能は人間の行動の理解にある。彼が犯罪を解決するのは、クラーレの毒の症状やボルネオの吹き矢の音を知っているからではなく、瀬戸際にある人間がどう行動するかを理解しているからだ。」(ロバート・B・パーカー)
多くの読者の皆様に楽しんでいただけることを願っております。
Amazon 楽天ブックス TSUTAYA 紀伊國屋 HMV e-hon セブンネット ヨドバシ.com
http://fuhchin.blog27.fc2.com/blog-entry-643.htmlレックス・スタウト『シャンパンは死の香り』が刊行
2024-12-10(18:38) :
レックス・スタウト『シャンパンは死の香り』刊行 :
このページのトップへ
レックス・スタウト『シャンパンは死の香り』刊行 (3)
【抽選販売C】申し込みは〆切ました。たくさんのご応募ありがとうございました。
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2024年12月前半 「12月のそら」展
参加作家 綺朔ちいこ・桑原聖美・林千絵・井関周
会期 : 2024年12月6日(金)7日(土)8日(日)、12日(木)13日(金)14日(土)
Open 13:00~19:00 (最終日 17:00まで)
SOLD OUT
2024-11-28
今度はごま(18歳、オス猫)の具合も悪い
日記
26日、火曜日の深夜、それまで元気にしていたゴマの調子が急に悪くなる。
身動きが取れないような感じで、少し歩いてはうずくまる。少しづつ動いて、涼しいところへ移動しようとする。頭をあげることができない。目は、自分に何が起こっているのか分からない感じ。その状態が、オシオとマメちゃんが亡くなるときの様子に似ていて、覚悟をした。もうお年寄りでいつその時がきてもおかしくないと思っていたので。息子を起こして、一緒にゴマの様子を見守る。
2時間くらい経った後、急に元気になって、最後だから、と出した牛乳を一気に飲み干す。元気といってもちょっと調子は悪いみたいだけど、それでも、さっきまでとは全然違う。
妻は、様子をみて、朝まで起きていて、自分たちも一応布団に入ったけれども、まんじりともできずに朝。
翌日は、かかりつけの動物病院が休みで、そして、ゴマがある程度元気なので、遠くにある普段いかない動物病院に行くよりは、家で様子を見た方がいいと判断して、その翌々日に行くことに。
そして、今日、動物病院で聞いた話によると、間違いなく心臓発作ということ。
2時間くらいして治ったのは、自力で回復したということらしい。
気圧や気温の変化の激しい日はそういうことが起こりやすいということで、そういえばあの日は爆弾低気圧だった。
(気圧図の急に下がってるところが発作のあった時間)
人間でも、お年寄りがトイレとかお風呂でヒートショックでなくなることが多いですが、それと同じことらしい。
また、発作が起こるかもしれないし起こらないかもしれない。それに関しては何にもわからないということ。
(写真は2017年頃のシニア入りたてのゴマにゃん)
心臓発作が起こったときにできることは何もないということ。そっとしておいてあげるのがいい、ということでした。その時病院に行っても基本どうしようもない。薬はあるけれども、できるだけ出したくない、ということでした。その薬が止めになってしまうことも多い、ということだったので。
体重は2.0kgで、8月に測ったときから500グラムくらい減ってました。肝臓の数値がよくなかったので、薬をそれまでもらってたのですが、それもまあ、もう、いいでしょうということになって、好きなもの食べさせてあげて下さい、ということに。
もう、お年寄りゆえの色々だしね~ということ。
家では元気だし、ずっと起きてて足元について来たりするので(人間が食べ物を持ってるときだけ)気にしてもどうしようもないし、このまま暮らしていく感じ。
(写真は2021年頃、ドラム式洗濯乾燥機の上で暖をとるごまにゃん。)
ごまは、今年の5月くらいにすごく調子が悪くなった時があった。足に力が入らないで、歩いているときにもよろけて、うまくジャンプができない感じ。病院に連れて行ってみてもらっても特に何かが原因というわけではなく(血液検査をしても、特に悪い数値は出なかった)(この時体重は2.4くらい)もう、お年寄りで、これは仕方のない事だと言われて、そして(多分、お医者さんも長くはないと思ったようで)もう好きなものを食べさせてあげて下さい、と言われた。
それまではずっと健康に気を使っておやつとかも節制していたのだけれども、ささみとか食べたいものをあげることに。そうしたらぐんぐん調子がよくなって、2か月後には体重も2.8キロくらいまで回復した。動きも活動的になって、この歳の猫はずっと寝てばかりなのに、昼夜家の中をうろついたり、人間が物を食べてるとにゃーにゃーいって食べ物をねだってきたりして、体重はともかく、すごく元気になった。
そんな感じで、それから少しずつ体重も減ってはいったけれども、元気よくくらしてて、先生に、その状態のことを話して、そして、ささみは腎臓に悪いのですこし控えた方がいいですね、とかそういう話もしてた。
そういう感じの時に急に起こったことだったので、すごく、驚いてしまった。何が起こったのかと思った。さっきまで元気だったのに、と。
それから、2つ日間、嫁も自分もずっと緊張状態で寝れてなくて、そして、今日、心臓発作ですね、といわれて、なんというか、『安心してしまった。』もう、気にしてもしょうがない、お年寄りだからねっていう感じで。できることは何もないし、もう美味しいもの食べたいものを食べさせて、機嫌よく暮らしていく以外にないっていう。とりあえず、家の中で温度差を作らないようにするように気を付けるけれども、それ以外にできることはないっていう。
とにかく、残りの時間を、人間も、猫も、機嫌よく暮らしていこうと思いました。
追記:先日の日記のイリは、ステロイドを3日間打ってもう元気になりました。まっすぐ歩けるし、めまいも無くなった感じ。首傾げが残るとも言われたけれども、そういうのもなく、普通に暮らしています。モリモリとゴマとおやつを分け合って食べてる。持ってみた感じ、少し目方も増えたような気がする。打ったステロイドが聞いたのか、眼球の肥大もマシになったみたいで、まあ、元気に暮らしています。
orangestar 2024-11-28 13:55 読者になる
2024-11-28
今度はごま(18歳、オス猫)の具合も悪い
日記
26日、火曜日の深夜、それまで元気にしていたゴマの調子が急に悪くなる。
身動きが取れないような感じで、少し歩いてはうずくまる。少しづつ動いて、涼しいところへ移動しようとする。頭をあげることができない。目は、自分に何が起こっているのか分からない感じ。その状態が、オシオとマメちゃんが亡くなるときの様子に似ていて、覚悟をした。もうお年寄りでいつその時がきてもおかしくないと思っていたので。息子を起こして、一緒にゴマの様子を見守る。
2時間くらい経った後、急に元気になって、最後だから、と出した牛乳を一気に飲み干す。元気といってもちょっと調子は悪いみたいだけど、それでも、さっきまでとは全然違う。
妻は、様子をみて、朝まで起きていて、自分たちも一応布団に入ったけれども、まんじりともできずに朝。
翌日は、かかりつけの動物病院が休みで、そして、ゴマがある程度元気なので、遠くにある普段いかない動物病院に行くよりは、家で様子を見た方がいいと判断して、その翌々日に行くことに。
そして、今日、動物病院で聞いた話によると、間違いなく心臓発作ということ。
2時間くらいして治ったのは、自力で回復したということらしい。
気圧や気温の変化の激しい日はそういうことが起こりやすいということで、そういえばあの日は爆弾低気圧だった。
(気圧図の急に下がってるところが発作のあった時間)
人間でも、お年寄りがトイレとかお風呂でヒートショックでなくなることが多いですが、それと同じことらしい。
また、発作が起こるかもしれないし起こらないかもしれない。それに関しては何にもわからないということ。
(写真は2017年頃のシニア入りたてのゴマにゃん)
心臓発作が起こったときにできることは何もないということ。そっとしておいてあげるのがいい、ということでした。その時病院に行っても基本どうしようもない。薬はあるけれども、できるだけ出したくない、ということでした。その薬が止めになってしまうことも多い、ということだったので。
体重は2.0kgで、8月に測ったときから500グラムくらい減ってました。肝臓の数値がよくなかったので、薬をそれまでもらってたのですが、それもまあ、もう、いいでしょうということになって、好きなもの食べさせてあげて下さい、ということに。
もう、お年寄りゆえの色々だしね~ということ。
家では元気だし、ずっと起きてて足元について来たりするので(人間が食べ物を持ってるときだけ)気にしてもどうしようもないし、このまま暮らしていく感じ。
(写真は2021年頃、ドラム式洗濯乾燥機の上で暖をとるごまにゃん。)
ごまは、今年の5月くらいにすごく調子が悪くなった時があった。足に力が入らないで、歩いているときにもよろけて、うまくジャンプができない感じ。病院に連れて行ってみてもらっても特に何かが原因というわけではなく(血液検査をしても、特に悪い数値は出なかった)(この時体重は2.4くらい)もう、お年寄りで、これは仕方のない事だと言われて、そして(多分、お医者さんも長くはないと思ったようで)もう好きなものを食べさせてあげて下さい、と言われた。
それまではずっと健康に気を使っておやつとかも節制していたのだけれども、ささみとか食べたいものをあげることに。そうしたらぐんぐん調子がよくなって、2か月後には体重も2.8キロくらいまで回復した。動きも活動的になって、この歳の猫はずっと寝てばかりなのに、昼夜家の中をうろついたり、人間が物を食べてるとにゃーにゃーいって食べ物をねだってきたりして、体重はともかく、すごく元気になった。
そんな感じで、それから少しずつ体重も減ってはいったけれども、元気よくくらしてて、先生に、その状態のことを話して、そして、ささみは腎臓に悪いのですこし控えた方がいいですね、とかそういう話もしてた。
そういう感じの時に急に起こったことだったので、すごく、驚いてしまった。何が起こったのかと思った。さっきまで元気だったのに、と。
それから、2つ日間、嫁も自分もずっと緊張状態で寝れてなくて、そして、今日、心臓発作ですね、といわれて、なんというか、『安心してしまった。』もう、気にしてもしょうがない、お年寄りだからねっていう感じで。できることは何もないし、もう美味しいもの食べたいものを食べさせて、機嫌よく暮らしていく以外にないっていう。とりあえず、家の中で温度差を作らないようにするように気を付けるけれども、それ以外にできることはないっていう。
とにかく、残りの時間を、人間も、猫も、機嫌よく暮らしていこうと思いました。
追記:先日の日記のイリは、ステロイドを3日間打ってもう元気になりました。まっすぐ歩けるし、めまいも無くなった感じ。首傾げが残るとも言われたけれども、そういうのもなく、普通に暮らしています。モリモリとゴマとおやつを分け合って食べてる。持ってみた感じ、少し目方も増えたような気がする。打ったステロイドが聞いたのか、眼球の肥大もマシになったみたいで、まあ、元気に暮らしています。
orangestar 2024-11-28 13:55 読者になる
2024年
2025年予定
2025年1月16日:【英訳】イギリス〈Pushkin Vertigo〉で雨穴『変な絵』の英訳 Strange Pictures (Jim Rion訳)発売予定。
2025年5月8日:【英訳】イギリス〈Pushkin Vertigo〉で芦辺拓『大鞠家殺人事件』の英訳 Murder in the House of Omari (??訳)発売予定。
2025年7月3日:【英訳】イギリス〈Pushkin Vertigo〉で雨穴『変な家』の英訳 Strange Houses (Jim Rion訳)発売予定。
2025年8月14日:【英訳】イギリス〈Pushkin Vertigo〉で西澤保彦『七回死んだ男』の英訳 The Man Who Died Seven Times (Jesse Kirkwood訳)発売予定。西澤作品の英訳はこれが初。
2025年9月11日:【英訳】イギリス〈Pushkin Vertigo〉で横溝正史『黒猫亭事件』の英訳 Murder at the Black Cat Cafe (??訳)発売予定。
横溝正史の英訳書は7冊目。Pushkin Vertigoでの刊行順は、『本陣殺人事件』『犬神家の一族』『八つ墓村』『獄門島』『悪魔が来りて笛を吹く』『悪魔の手毬唄』。(最初に英訳出版されたのは『犬神家の一族』であり、Pushkinの犬神家は同じ訳者のものの復刊)
2025年10月9日:【英訳】イギリス〈Pushkin Vertigo〉で綾辻行人『時計館の殺人』の英訳 The Clock House Murders (Ho-Ling Wong訳)発売予定。
時計館は館シリーズの第5作だが、英訳書としては第4弾となる(シリーズ第4作、『人形館の殺人』がスキップされている)。
2025年春?:【英訳】川上未映子『黄色い家』の英訳 Sisters in Yellow (David Boyd訳)発売予定。
最終更新:2024年11月15日 20:12
2024年 11月 18日
注目新刊既刊:武田崇元/横山茂雄『霊的最前線に立て!』国書刊行会、ほか
★注目新刊書および既刊書を列記します。
『死の瞬間――人はなぜ好奇心を抱くのか』春日武彦(著)、朝日新書、2024年11月、本体900円、新書判並製232頁、ISBN978-4-02-295287-5
『編集宣言――エディトリアル・マニフェスト』松岡正剛(著)、工作舎、2024年10月、本体1,600円、四六判変型上製152頁、ISBN978-4-87502-569-6
『霊的最前線に立て!――オカルト・アンダーグラウンド全史』武田崇元/横山茂雄(著)、国書刊行会、2024年10月、本体3,600円、A5判上製462頁、ISBN978-4-336-07638-0
『Outlying――僻遠の文化史』武邑光裕(著)、rn press、2024年10月、本体3,600円、四六判並製452頁、ISBN978-4-910422-19-0
『美術の物語 ポケット版』エルンスト・H・ゴンブリッチ(著)、天野衛/大西広/奥野皐/桐山宣雄/長谷川宏(訳)、河出書房新社、2024年10月、刊行記念特価本体3,990円(2025年1月末まで、かつ、初回生産分限定)、46変形判上製1048頁、ISBN978-4-309-25746-4
『シュレーディンガー詩集――恋する物理学者』エルヴィン・シュレーディンガー(著)、宮岡絵美(訳・編)、書肆侃侃房、2024年9月、本体1,900円、四六判並製96頁、ISBN978-4-86385-637-0
『口に関するアンケート』背筋(著)、ポプラ社、2024年9月、本体550円、A6変型判並製63頁、ISBN978-4-591-18225-3
★『死の瞬間』は、精神科医の春日武彦(かすが・たけひこ, 1951-)さんが様々なフィクションやドキュメント、映画やコミックを含む作品群を引き合いに「死」を論じたもの。「死ぬ瞬間」「「永遠」は気味が悪い」「見知らぬ世界」「取り返しがつかない」「死体の件」「死と悪趣味」の6章立て。「本書でわたしは、ヒトが「死」に好奇心を寄せるその有りようを図鑑のように挙げ、論じてみたい。そのようなことをする背景には、死には三つの大きな要素が絡んでいると思っているからである」。春日さんはその三つの要素を〈グロテスク〉〈呪詛〉〈根源的な不快感〉とまとめておられます。
★『Outlying』は、メディア美学者の武邑光裕(たけむら・みつひろ, 1954-)さんによる初めての自伝。本文が序盤、中盤、終盤と違う色で刷られており、銀色の表紙とあいまって存在感が抜群です。装丁は藤田裕美さんによるもの。中盤中ほどにはカラーの図版頁もあります。特別付録として宇川直宏(DOMMUNE)さんと若林恵(黒鳥社)さんの対談「サイケデリックの行方」という投げ込み小冊子(24頁)が付いています。
★「マンハッタンに廃墟の住処がなくなろうとする80年代後半に至るまでの、ほぼ10年間にわたるNYでの経験から、そこから90年代以降のサンフランシスコ、そして京都、東京、札幌を挟み、ベルリンとヨーロッパへと向かうことになる私の約40年以上に及ぶ旅の記憶を紡いでいこうと思う。〔…〕インターネットの普及後、コミュニケーションの利便性は圧倒的に変化したが、自身が世界で出会う人物との遭遇は、e-メールやSNSで済まされるものではない。世界が縮小し、出会うべき人との距離が短縮されたとしても、リアルな出会いと対話の記憶を超えることはない。〔…〕この旅のほぼすべてを開示することで、僻遠の異界との関わりをめざす人々に、何らかの刺激を届けられれば幸いである」(序章、19頁)。
★同書の刊行記念に、著者と若林恵さんによるトークイベントが来たる11月29日(金)、青山BC本店にて行われます。詳細はリンク先をご覧ください。版元の株式会社rn press(アールエヌ・プレス)は、2021年に設立。書店への卸は、直取引かトランスビュー経由とのことです。代表の野口理恵(のぐち・りえ, 1981-)さんは複数の出版社を経て独立した編集者であり著述家。自社から今年5月に『私が私らしく死ぬために』という実用エッセイを上梓されています。「何か「学び」に関する本をずっと作りたいと思っていました。それならば第一弾は「死に方かな」と思い、死をいろいろな角度から取り上げることにしました。死を想うことで、強くなると信じて」(まえがきより)。出発点がすごい。
★『編集宣言』は、8月12日に逝去された松岡正剛(まつおか・せいごう, 1944-2024)さんが工作舎の月報「土星紀」で連載されていた「エディトリアル・マニフェスト」(1979年8月号~1981年12月号)を中心に、『遊』誌時代の「編集」をめぐるエッセイ2本「遊学する編集」「「別の仕事」との関係から」と、工作舎編集長の米澤敬さんによる「編集者あとがき」が収められています。このあとがきでは米澤さんの前口上に続いて松岡さんによる「遊線放送局」第一回が抄録されています。
★1979年の「エディトリアル・マニフェスト」第1回から引用します。「編集は闘争でもあった。/そこで、「編集」を「エディトリアル・ワーク」と言い換えておくことにする」(18頁)。「いわゆる“編集者”が著者と版元の間を守る芸者を演ずる時代は終わった。H芸〔編集芸〕からE闘争〔エディトリアル闘争〕へ」(19頁)。この言葉から45年経過した今も、編集は闘争であり続けています。真実と嘘が見極め難い時代に、編集は諸刃の剣としていよいよ危うい段階に入りつつあります。「ただ私が何を言いたかったのか、そのことを手短かにまとめておくことにする。「君たちはようするに何をしているのかね?」「いや、別のことをしているのさ!」」(136頁)。こうした「別のこと」の可能性について自問したいと思います。
★『霊的最前線に立て!』は、八幡書店社主の武田崇元(たけだ・すうげん, 1950-)さんと、英文学者で作家の横山茂雄(よこやま・しげお, 1954-)さんの対談本。目次は書名のリンク先をご覧ください。附録として『復刊 地球ロマン』と『迷宮』の2誌の総目次を併録。400頁を超える大著ですが、巻末には人名索引があるので、興味があるところから拾い読みで始めることもできます。武田さんと横山さんが出会ったのは70年代半ばとのこと。日本のオカルト・ムーヴメントを振り返りつつ、お二人の自伝的側面もある一冊です。先述した松岡正剛さんとの関わりでは第5章「横山茂雄の遍歴」に「松岡正剛と工作舎の近辺」(156~160頁)という興味深いパートがあります。横山さんは工作舎に出入りし、大学院生時代にバラード『残虐行為展覧会』(法水金太郎名義、工作舎、1980年、現在品切)を上梓しています。
★『美術の物語 ポケット版』は、オーストリアに生まれ英国で活躍した美術史家エルンスト・H・ゴンブリッチ(Sir Ernst Hans Josef Gombrich, 1909-2001)のベストセラー『The Story of Art』(Phaidon, 1950/…/1995)の訳書で、日本での出版事業から撤退したファイドンが2011年に刊行したポケット版の再刊となります。ファイドンのポケット版は単行本版よりも古書市場で高額希少本となっていたため、今回の再刊を待望していた読者は多かったことでしょう。「累計800万部突破、35ヶ国で翻訳、世界一読まれている美術史の本」(帯文より)。日本ではまず、友部直訳『美術の歩み』(上下巻、美術出版社、1972年、改訂新版1983年、改訂3版1992年)が出版され、その後、ファイドンより現行訳(単行本版2007年、ポケット版2011年)が出て、それを河出書房新社が再刊(単行本版2019年、ポケット版2024年)した、という流れです。奥付には「本書は2011年10月にファイドン株式会社より刊行された同タイトルの本を一部修正のうえ、新装したものです」とあります。序文が差し替えになり(出版者リチャード・シュラッグマンの文章からゴンブリッチの孫レオニー・ゴンブリッチの文章に。長谷川宏訳)、いくつかの誤植訂正を行った、と版元さんから聞きました。
★「Web河出」2024年8月14日付特設ページ「【800万部超!世界で一番読まれている美術の名著】『美術の物語』、幻の「ポケット版」が、装いを新たに今秋発売決定!」によれば、本体3,990円は刊行記念特価で「2025年1月末まで、かつ、初回生産分限定」とのことでした。現在版元在庫はなしで重版中ですから、書店店頭で並んでいる在庫のみが特価なのだろうと思います。重版(マレーシアで印刷製本)では通常価格の本体4,990円になるはずです。版元さんの公式Xでも、11月12日付のポストで「【お詫び】世界一売れている美術の本の画期的なコンパクト版『美術の物語 ポケット版』。遂に全ネット書店で完売です。もう1,000円安い特価で買えるのは、いま店頭にある分だけです。想定より1年くらい早かったので河出の在庫はゼロです…。迷っている方、今のうちに書店にお出かけを!!!」と告知されています。
★『シュレーディンガー詩集』は、オーストリア出身の理論物理学者エルヴィン・シュレーディンガー(Erwin Rudolf Josef Alexander Schrödinger, 1887-1961)の唯一の詩集『Gedichte』(1949年)を初めて訳したものです。恋愛を歌った作品が多いことに驚きを覚えます。彼が自身の思索について語った『わが世界観』(中村量空ほか訳、共立出版、1987年;ちくま学芸文庫、2002年、現在品切)を理解する上でのヒントが、この詩集には含まれているように思われます。
★『口に関するアンケート』は、『近畿地方のある場所について』(KADOKAWA、2023年8月)や『穢れた聖地巡礼について』(KADOKAWA、2024年9月)とヒット作を次々と飛ばしているホラー作家の背筋(せすじ)さんによる小品。手のひらサイズで、小さな本が大好きな方々にも刺さるのではないかと思います。ネタばれナシで最低限の注意を促しておくと、巻末の「アンケート」を最初に見ては絶対にいけないということと、自分がしたこととの関連性を考えすぎない方がいいということです。割と硬い紙で作られていて開きにくいので、紙版を大切にしたい方は保存用と読書用に2冊買うか、電子書籍も買った方がいいかと思います。電子書籍版を確認したことがないのですが、本文の色はどうしているんでしょうか。
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# by urag | 2024-11-18 03:19 | ENCOUNTER(本のコンシェルジュ) | Comments(0)
注目新刊既刊:武田崇元/横山..
at 2024-11-18 03:19
2011年12月20日発行 本体 2,200円+税 【2024年10月重版出来】
2013年4月8日発行 本体 3,800円+税 【2021年9月重版出来】
2012年10月10日発行 本体 2,400円+税 【2020年12月重版出来】
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2024年08月09日17:00
by 東京創元社
Web東京創元社マガジン移行のお知らせ
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東京創元社便り
2018年よりライブドアブログを使用してお届けしてきた「Web東京創元社マガジン」ですが、このたびプラットフォームをnoteへ移行することになりました。
新たなURLはこちらです。
https://note.com/tokyosogensha/
今後の更新方針については下記のとおりです。
・新たな記事の公開はnoteでおこないます。ライブドアブログでの更新は原則ありません。
・過去の記事はすべてnoteに移行する予定です。閲覧可能な状態になりしだい順次公開していきます。
・移行作業が完了したのち、一定の期間をおいてライブドアブログはすべて非公開となります。
今後とも東京創元社とWeb東京創元社マガジンをよろしくお願いいたします。
2024年8月9日 東京創元社
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#東京創元社
2024年08月08日17:00
by 東京創元社
荻堂顕『不夜島』、柴崎友香『続きと始まり』…紙魚の手帖vol.15(2024年2月号)書評 瀧井朝世[文芸全般]その1
カテゴリ
一般文芸
書評
戦後の与那国島(よなぐにじま)を主な舞台に、身体の大部分を機械化された密売人が謎のミッションに挑むサイバーパンク。荻堂顕(おぎどう・あきら)の新作『不夜島(ナイトランド)』(祥伝社 一八〇〇円+税)である。
不夜島(ナイトランド)
新潮ミステリー大賞出身の荻堂だがミステリーにこだわっているわけではないようで、前作『ループ・オブ・ザ・コード』は文化や言語が〝抹消〞された架空の国を舞台にしたSF大作だった。本作もSFで、アクションあり、頭脳戦ありの冒険活劇だ。
主人公の武庭純(ウー・ティンスン)は台湾出身の密売人。幼い頃にアメリカ軍に命を救われ、電脳を含め身体の大半を機械化されているが、見た目は生身の人間だ。アウトローのようにふるまう彼だが、アメリカ軍からの指令には逆らえず、ある時コンタクトしてきたアメリカ人女性から、〈含光(ポジティビティ)〉なる謎の代物を手に入れるよう言い渡され、仲間を集めて行動を起こすのだった。
当時、台湾との密貿易が盛んだった与那国島の港付近には料亭や飲み屋、商店などが密集していたようで、猥雑(わいざつ)な町の空気が丁寧(ていねい)に描写されていく。そこを身体の一部を機械化した人間たちがうろついているわけだが、一方で、戦争や暴力で身体の一部を欠損しても機械化を拒む青年らも登場し、次第に〝自分が自分である〞とはどういうことか、アイデンティティを巡るテーマが浮かび上がる。そしてそれはそのまま、歴史に翻弄(ほうろう)された琉球(りゅうきゅう)や台湾自体にも重なっていく。思えば『ループ・オブ・ザ・コード』も故郷を捨て根無し草のように生きてきた男が主人公だった。自己の同一性の揺らぎというのは、この著者にとって大きなモチーフなのだろう。
柴崎友香(しばさき・ともか)『続きと始まり』(集英社 一八〇〇円+税)はコロナ禍の二年間の、別々の場所で暮らす三人の日常を綴(つづ)っていく長篇。
続きと始まり (集英社文芸単行本)
大阪出身で一時期は東京で働き、今は滋賀で夫と子供二人と暮らす三十代の優子(ゆうこ)。東京で妻と幼い子供を育てているが、勤務先の飲食店が休業状態の三十代の圭太郎(けいたろう)。東京のフリーのカメラマンで、知人のヘアメイクが作った写真館の仕事を手伝っている四十代のれい。それぞれ異なる立場で、緊急事態宣言など感染症拡大の影響を受けている。
読んでいるとあの時期の出来事を久々に思い出したりもするのだが、しかしこれはもちろん、単なるコロナ禍の日常の記録書ではない。三人の個人的な事情やそれによる心の揺れが丁寧に描かれて読ませる。そのなか、遠い昔の苦い思い出や過去の震災当時の記憶も、彼らの胸を去来する。
いろんな出来事が起きて、なにも終わっていないのに次々とまた何かが始まっていく。それは一人の人生の中でも、人の歴史の中でもいえることだ。戦争、災害、社会制度、古い価値観と更新された価値観……。何かが続いているなかの今という時点に自分たちは生きており、自分たちの行動の先に未来がある。それをじわじわと実感させる内容である。作中には何度もポーランドの詩人、シンボルスカの作品が象徴的に引用される。
最後にははっとさせる〝いつか〞の場面が出てくる。自分たちの人生はいつでも、何かと繫(つな)がっていると思わせる。
■瀧井朝世(たきい・あさよ)
フリーライター。1970年東京都出身。文藝春秋BOOKS「作家の書き出し」、WEB本の雑誌「作家の読書道」ほか、作家インタビューや書評などを担当。著書に『偏愛読書トライアングル』『あの人とあの本の話』『ほんのよもやま話 作家対談集』、編纂書に『運命の恋 恋愛小説傑作アンソロジー』がある。
紙魚の手帖Vol.15
今村 昌弘ほか
東京創元社
2024-02-13
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#書評
#瀧井朝世
#紙魚の手帖
Web東京創元社マガジン移行のお知らせ
荻堂顕『不夜島』、柴崎友香『続きと始まり』…紙魚の手帖vol.15(2024年2月号)書評 瀧井朝世[文芸全般]その1
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ラベル: 木曜日 0
コメント 時刻: 11:05
自由、尊厳、友愛――TVアニメ『ガールズバンドクライ』感想
TVアニメ『ガールズバンドクライ』についての感想です。
このアニメが描いたのは自由、尊厳、友愛のバランスだったのではないかと考えました。
2024.07.01公開
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Amazonとか楽天とかQoo10とかで売っている認証済みKF94マスク(+贋物情報)
投稿日 2023年9月1日2023年9月4日投稿者 ブースカちゃん
Amazonとかで売られているKF94マスク、中国製などの不正品があるようなので、韓国の当局認可を受けていることが確認できているものをまとめていきます。また、最後には不正品の情報も載せています。 (2023年9月4日:レ … “Amazonとか楽天とかQoo10とかで売っている認証済みKF94マスク(+贋物情報)”の続きを読む
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スモールランプをLEDに交換しました
投稿日 2023年8月23日2023年8月23日投稿者 ブースカちゃん
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カテゴリー 自動車スモールランプをLEDに交換しましたにコメントする
仙台へ出かけてきました
投稿日 2023年5月31日2023年6月19日投稿者 ブースカちゃん
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4kizの本山さんが発信者情報開示を請求
投稿日 2023年3月31日投稿者 ブースカちゃん
note運営事務局から以下のメールが来ました。 4kizの本山さんが発信者情報の開示を求める裁判を申立てたようです。 要するに、僕を「名誉権の侵害」で訴えたいので、note事務局は僕の発信者情報を開示しろ、という訴えだと … “4kizの本山さんが発信者情報開示を請求”の続きを読む
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【読書】オーバースペック(未須本有生)
投稿日 2023年3月23日2023年5月31日投稿者 ブースカちゃん
著者はFS-X設計チーム(FSET)で一緒だった人で、これまでにも何冊かの小説を上梓しています。 今回の『オーバースペック』は、自衛隊のT-4練習機をモチーフにして、これに戦闘機能を与える改修を試みるというストーリーです … “【読書】オーバースペック(未須本有生)”の続きを読む
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ハッピーバースデー
puhipuhi 2024-05-06 06:15 読者になる
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2024-05-06
ハッピーバースデー
2024 / 5
【刑事キャレラ/10+1の追撃】
4月21日発売 発売中
エド・マクベインの87分署シリーズ『10プラス1』を、南仏ニースに舞台を移して映画化。超望遠ライフルによる謎の連続殺人を追うキャレラ刑事らの活躍を描く。
1845円 [amazon]
【Blu-ray】 2280円 [amazon]
【犯罪河岸 4Kレストア】
4月26日発売
パリの下町。年下の歌手ジェニーと結婚したモーリスは、裕福で好色な老人ブリニョンとの関係を疑い、拳銃を手に彼の邸宅に向かった。しかし待っていたのは何者かに殺害された老人の死体だった。S・A・ステーマンの原作をアンリ=ジョルジュ・クルーゾーが映画化。
5280円 [amazon]
【パトリシア・ハイスミスに恋して】
4月26日発売
パトリシア・ハイスミス生誕100周年を経て発表された秘密の日記やノート、本人映像やインタビュー音声、元恋人たちや親族へのインタビューで明かされる、多くの女性たちから愛された作家の素顔とは。彼女の謎に包まれた人生と著作に新たな光を当てるドキュメンタリー。
4400円 [amazon]
【ザ・スカル サド侯爵の頭蓋骨】
4月26日発売
サー・マシューズが所有するサド侯爵の頭蓋骨は呪われているという。オカルト研究家のメイトランド(ピーター・カッシング)とマシュー・フィリップス卿(クリストファー・リー)は、その恐るべき秘密を解き明かそうとするが、恐ろしい出来事が次々と襲いかかる。原作ロバート・ブロック「サド侯爵の髑髏」。別邦題《がい骨》(1965)。
2178円 [amazon]
【アビー ブラック・エクソシスト】
4月26日発売
牧師の娘アビーが悪魔に憑依される恐ろしい物語。黒人女性アビーは悪魔の力によって支配され、その恐るべき姿を隠しながら家族との戦いに臨む。《エクソシスト》の翌年に製作されたブラック・エクスプロイテーション・ホラー映画(1974)。
2178円 [amazon]
▼5月発売
【シン・ゴジラ:オルソ】
5月1日発売
《シン・ゴジラ》(2016)のモノクロ映像版。
3300円 [amazon]
【Blu-ray】4400円 [amazon]
【ゴジラ-0.1 3枚組】
5月1日発売
大戦終結後、焦土と化した日本に、突如現れたゴジラ。残された名もなき人々に、生きて抗う術はあるのか。山崎貴監督作品。
4950円 [amazon]
【Blu-ray 2枚組】 5500円 [amazon]
【Blu-ray 3枚組】 9900円 [amazon]
【ゴジラ-0.1 豪華版 4K Ultra HD Blu-ray 4枚組】 12,100円 [amazon]
【ゴジラ-1.0/C】
5月1日発
モノクロ映像版。
2973円 [amazon]
【Blu-ray】 4400円 [amazon]
【哀れなるものたち Blu-ray+DVDセット】
5月8日発売
風変わりな天才外科医、ゴッドウィンによって死から蘇った若い女性ベラは、世界を知るために、放蕩者の弁護士ダンカンと共に大陸横断の冒険の旅に出る。時代の偏見から解き放たれ、真の自由と平等を知ったベラは驚くべき成長を遂げていく。原作アラスター・グレイ。
5390円 [amazon]
【特ダネ三十時間シリーズ Vol.1】
5月8日発売
新聞記者清水浩平が、特ダネを求めて事件の真相に迫る姿を描いた「特ダネ三十時間」シリーズ、初ソフト化。《特ダネ三十時間 第三の女》《特ダネ三十時間 深夜の挑戦》(1959)を収録。
【人類危機一髪!巨大怪鳥の爪 カラー版】
5月31日発売
海上や陸上で続発する事故を調査するうちにモンスターの存在が浮上する。ついにその姿を現した巨大怪鳥がニューヨークを襲う。1957年公開のSF怪獣映画《The
Giant Claw》をカラー化。
2178円 [amazon]
▼6月発売
【スーパージャイアンツ アトムAB団編】
6月5日発売
繰り返される原水爆実験の影響は遠く宇宙の星々にも及んでいた。危機を感じた宇宙人会議は、地球に核爆弾開発の中止を呼びかけるため、エメラルド彗星のスーパージャイアンツを派遣した。地球に到着したスーパージャイアンツは、世界征服を目論むアトムAB団の計画を察知して動き出す。《鋼鉄の巨人》《続
鋼鉄の巨人》(1957)を収録。石井輝男監督作品。
4180円 [amazon]
【スーパージャイアンツ カピア人編】
6月5日発売
全国各地に円盤が出没。東京周辺では原因不明の奇病が流行する。この円盤を研究していた天文学者が異様な怪人に襲われ、スーパージャイアンツが撃退するが、彼らの正体は月の裏側の小惑星カピアに棲む邪悪な怪星人だった。《怪星人の魔城》《地球滅亡寸前》(1957)を収録。石井輝男監督作品。
4180円 [amazon]
【日曜恐怖シリーズ ベストセレクション3】
6月28日発売
1978-79年放映のホラー・サスペンスドラマ《日曜恐怖シリーズ》から《お雛様の亡霊》(原作山岸凉子)、《呪われた大時計―ネジの叫び―》(原作山岸凉子)、《死霊の島》(原作西村京太郎)を収録。
9680円 [amazon]
▼7月以降発売
【テラー博士の恐怖 4Kレストア版 Blu-ray】
【探偵マーロウ】
7月3日発売
私立探偵フィリップ・マーロウの事務所を訪ねてきたブロンド美女クレア。「突然姿を消した元愛人を探してほしい」という依頼だったが、映画業界で働いていたというその男はひき逃げ事故で殺されていた……。原作ベンジャミン・ブラック(ジョン・バンヴィル)『黒い瞳のブロンド』、監督ニール・ジョーダン。
4400円 [amazon]
【Blu-ray】 5500円 [amazon]
【スーパージャイアンツ 黒い衛星編】
7月3日発売
正体不明の人工衛星を発見したスーパージャイアンツ。その頃各地の天文台で原因不明の故障が相次いでいた。秘密国家〈黒い衛星〉の暗躍に、彼らの狙いを見抜いたスーパージャイアンツが立ち上がる。。《人工衛星と人類の破滅》(1957)《宇宙艇と人工衛星の激突》(1958)を収録。石井輝男監督作品。
4180円 [amazon]
【スーパージャイアンツ 闇の組織編】
7月3日発売
宇宙からの使者スーパージャイアンツが宇宙怪人や魔女、暗躍する悪の集団と戦う。《宇宙怪人出現》(1958)《悪魔の化身》(1959)《毒牙王国》(1959)を収録。石井輝男監督作品。
4180円 [amazon]
【オオカミの家 Blu-ray】
山々に囲まれた集落で暮らす、動物好きの少女マリアは、ある日ブタを逃がしてしまい、厳しい罰に耐えられず集落から脱走する。逃げ込んだ一軒家で出会ったニ匹の子ブタを「ペドロ」「アナ」と名付け、世話することにしたマリア。だが、安心したのも束の間、森の奥から彼女を探すオオカミの声が聞こえ始める。チリの"ホラー・フェアリーテイル"アニメーションを、本編未使用ショット集、日本未公開短編を含む約50分の映像特典と共にBlu-ray化。、
7480円 [amazon]
【鈴木清順「浪漫三部作」 4Kデジタル完全修復版 UHD+Blu-ray BOX】
鈴木清順監督生誕100年記念、〈清順美学〉の頂点であり、日本映画界が誇る名作『ツィゴイネルワイゼン』『陽炎座』『夢二』が4Kデジタル完全修復版で甦る。
6枚組 20,440円 [amazon]
※分売
【ツィゴイネルワイゼン】 [amazon]
【陽炎座】 [amazon]
【夢二】 [amazon]
【東海道非常警戒】
4月3日発売 発売中
刑事の山内と週刊誌の記者京子が乗った特急こだまで、財閥東山家の令嬢が誘拐され、一千万円の身代金を要求する電話が。特急列車で起きた誘拐、そして殺人事件をスピーディな展開で描いたサスペンスアクション。
【男の世界だ】
4月3日発売 発売中
新人王を賭けた試合を間近に控え、猛練習に励む大学ボクシング部主将の猛に悲報が届く。港湾争議の最中、組合の委員長である兄が殺害されたのだ。海港都市を舞台に激突する男たちの意地と復讐、そして巨悪との戦いを描くアクション快作。
【フランス映画パーフェクトコレクション 失われた楽園】
3月18日予定 発売中
《賭はなされた》《失われた楽園》《麗しのモーツァルト嬢》《ドン・カミロ頑張る》《弾痕》《浮気なカロリーヌ》《巴里の気まぐれ娘》《果てしなき地平線》《ファーブル》《キュピドン酒場》
10枚組 2200円 [amazon]
【鈴木清順生誕100周年記念シリーズ ブルーレイBOX 其の弐 セイジュンと女たち】
3月6日発売 発売中
《河内カルメン》《肉体の門》《春婦傳》《関東無宿》《悪太郎》《裸女と拳銃》+特典ディスク
7枚組 33,000円 [amazon]
【トラウマ 鮮血の叫び 4Kレストア完全版 Blu-ray】
3月6日発売 発売中
デヴィッドは車を運転中、橋で投身自殺を図る美少女オーラを救った。彼女は自宅に連れ戻されるが、その晩、両親が開いた降霊会で怨霊に憑依された霊媒師の母親は錯乱して豪雨の森へ迷い込み、父親と共に何者かに首を切断されてしまう。怯えるオーラを匿ったデヴィッドは、殺人を重ねる首狩り魔の謎を追うが……。ホラーの巨匠アルジェントが娘アーシアを主演に起用した意欲作。
5500円 [amazon]
【怪奇!二つの顔の男】
精神科医マーロウ博士は発明した新薬を自ら実験するが、その結果、邪悪なモンスターになってしまう。クリストファー・リー、ピーター・カッシング共演の「ジキルとハイド」ホラー(1971)。
1945円 [amazon]
【一度は観たい!名作映画コレクション 運命の饗宴】
2月19日発売 発売中
《運命の饗宴》《結婚クーデター》《陽気な中尉さん》《ミスター・ラッキー》《結婚相手見つけます》《フットライト・パレード》《美人は人殺しがお好き》《天国への階段》《春を手さぐる》《グッド・ニュース》
10枚組 2200円 [amazon]
【世にも怪奇な物語 4Kリマスター版】
エドガー・アラン・ポーの短篇(メッツェンガーシュタイン/ウィリアム・ウィルソン/悪魔に首を賭けるな)を三人の名匠が映像化したオムニバス映画。《黒馬の哭く館》(ロジェ・ヴァディム)、《影を殺した男》(ルイ・マル)、《悪魔の首飾り》(F・フェリーニ)。
【Blu-ray】 6380円 [amazon]
《廉価版再発売》
2月7日発売 発売中
【本陣殺人事件】 [amazon]/【Blu-ray】 [amazon]
【不連続殺人事件】 [amazon]
【名探偵ポアロ ベネチアの亡霊 Blu-ray+DVD】
1月17日発売 発売中
ベネチアに隠遁していたポアロは、霊媒師のトリックを見破るために、子供の亡霊が出るという屋敷での降霊会に参加する。しかし、その招待客が人間には不可能と思われる方法で殺害される。ケネス・ブラナー監督・主演。原作A・クリスティー『ハロウィーン・パーティ』
4174円 [amazon]
【イタリア映画コレクション 二通の匿名の手紙】
1月15日発売 発売中
《二通の匿名の手紙》《ベンガジ》《トラヴェット氏の苦悩》《非難》《アリーナ》《マッダレーナ、操行ゼロ》《第119収容所のクリスマス》《初聖体拝領》《仮面の令嬢》《メッサリナ》
10枚組 2200円 [amazon]
【鈴木清順生誕100周年記念シリーズ ブルーレイBOX 其の壱 セイジュンと男たち】
1月10日発売 発売中
《殺しの烙印》《けんかえれじい》《野獣の青春》《俺たちの血が許さない》《勝利をわが手に―港の乾杯―》《素ッ裸の年令》《らぶれたあ》+特典ディスク
7枚組 33,000円 [amazon]
【怪異談 生きてゐる小平次】
1月10日発売 発売中
旅役者の小平次と囃し方の太九郎、その妻おちか。幼馴染の三人の関係は小平次がおちかへの思いを口にしたことからぎくしゃくし始
あまりもの消息・更に
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コラム ライター一覧
ライターをご紹介します! アイウチ インテリアと観葉植物と絵本が好きなアラサー主婦です。レジャーは専ら山や川などのアウト・・・
『冤罪と人類 道徳感情はなぜ人を誤らせるのか』
冤罪、殺人、戦争、テロ、大恐慌。
すべての悲劇の原因は、人間の正しい心だった!
我が身を捨て、無実の少年を死刑から救おうとした刑事。
彼の遺した一冊の書から、人間の本質へ迫る迷宮に迷い込む!
執筆八年!『戦前の少年犯罪』著者が挑む、21世紀の道徳感情論!
戦時に起こった史上最悪の少年犯罪<浜松九人連続殺人事件>。
解決した名刑事が戦後に犯す<二俣事件>など冤罪の数々。
事件に挑戦する日本初のプロファイラー。
内務省と司法省の暗躍がいま初めて暴かれる!
世界のすべてと人の心、さらには昭和史の裏面をも抉るミステリ・ノンフィクション!
※宮崎哲弥氏が本書について熱く語っています。こちらでお聴きください。
絶望書店主人推薦本
『冤罪と人類 道徳感情はなぜ人を誤らせるのか』
冤罪、殺人、戦争、テロ、大恐慌。
すべての悲劇の原因は、人間の正しい心だった!
我が身を捨て、無実の少年を死刑から救おうとした刑事。
彼の遺した一冊の書から、人間の本質へ迫る迷宮に迷い込む!
執筆八年!『戦前の少年犯罪』著者が挑む、21世紀の道徳感情論!
戦時に起こった史上最悪の少年犯罪<浜松九人連続殺人事件>。
解決した名刑事が戦後に犯す<二俣事件>など冤罪の数々。
事件に挑戦する日本初のプロファイラー。
内務省と司法省の暗躍がいま初めて暴かれる!
世界のすべてと人の心、さらには昭和史の裏面をも抉るミステリ・ノンフィクション!
※宮崎哲弥氏が本書について熱く語っています。こちらでお聴きください。
10巻収録分の漫画に取り掛かるまでなかなかお待たせしてしまったのですが、最初にネームを一気に100ページ書いてそこから1話ずつ区切り、ページを足して、コミックス1冊分にしました。
gomi-box 2022-07-08 15:44 読者になる
domperimottekoi 2022-06-05 04:10 読者になる
domperimottekoi 2022-03-05 23:29 読者になる
domperimottekoi 2022-02-12 23:45 読者になる
domperimottekoi 2022-02-12 12:56 読者になる
domperimottekoi 2022-02-06 21:34 読者になる
shinimai 2013-04-23 00:00 読者になる
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shinimai 2012-11-14 00:00 読者になる
文フリに現代の「文学とは何か」を見た
2023年11月16日
posted by 藤谷 治
11月11日(ポッキーの日)、かねてより見物したいと思っていた「文学フリマ」に参加した。おのぼりさん感覚、文化祭感覚、そしてかつて開いていた僕の本屋「フィクショネス」感覚を、存分に味わうことができた。誘っていただいた破船房の仲俣暁生さん(当「マガジン航」の編集発行人)に、まずは感謝する。現場でも仲俣さんは大奮闘なさって、おかげで僕は楽ができた。
開場は12時の予定で、準備は10時からということだったが、僕たちが到着した時(つまり開場2時間前!)には、すでに来場者が行列を作っていた。東京流通センターをフルに使った会場は広かったが、個々のブースは狭かった。破船房もひとつのテーブルを半分だけ使うことができて、そこに仲俣さんや僕の本を、なるたけ見栄えよく並べて客を待った。
テーブルの残り半分を占める隣のブースは、11時を過ぎても人が来なかった。大きな段ボールがいくつも積んであるばかりで、他人事ながら大丈夫なのかと心配になったが、開場20分くらい前にようやく段ボールが開かれた。中からは表紙に可愛い男女の描かれた、B5サイズの300頁くらいある本がどかどかと出てきた。
寒風の中で待ち続ける来場者たちを慮ってか、開場を10分早めるというアナウンスがあった。僕たちのブースはすっかり準備が整っていたが、となりは段ボールを開くので精一杯の様子である。間もなく開場となった。すると来場者たちは、はっきりとなりのブースを目指して集まり、そのぶ厚い本を中心に次々と買いあさっていくのである。たちまち行列になり、僕たちのブースの前を覆い始めた。仲俣さんは行列に向かって、通路の中央に並んでくださいと何度も声を上げたが、行列は伸びる一方、ついには文フリのスタッフが人員整理をしなければならない仕儀となった。
僕も驚いたが、そのブースの人たちにもこの人気は意想外だったらしい。印刷所から届いた本の帯封を切るのさえもどかしげに、ばんばん本を売っていった。千円札や一万円札が飛び交い、空になった段ボール箱を片づけることすらできず、開始10分で売れ切れた本もあったようだ。
そのブースの人たちはとても礼儀正しく、僕たちに御迷惑をおかけして申し訳ありませんと、何度も言ってくれた。中の一人は僕のことを知っていたばかりか、数年前にご挨拶もしてくれていたという。文芸畑の人なのだった。他の方々も僕たちに終始気をつかってくれた。その間も本は売れ続け、金庫代わりにしているクリアファイルは紙幣で膨れ上がり、ラグビーボールみたいになっていた。
そうなると僕としてはもはや羨ましくすらない。そういう現象を目の当たりにしたという、お祭り見物みたいな愉快な気持ちであった。そしてもちろん、彼らの売りまくっている本の内容が気になる。覗いてみるとどうやらそれは、ビジュアルノベルの批評集なのだった。
少し客足が落ちついてきたころに、僕は訊いてみた。
「ビジュアルノベルっていうのは何ですか? ラノベみたいなもんですか?」
「むしろゲームですね。コンピューターゲームなんだけど、小説として楽しめるというか」
「ああ」僕は必死に貧弱な知識を動員して理解しようとした。「つまり『ポートピア連続殺人事件』みたいな?」
「あのへんが起源ですね」
のちに知ったのだが、僕の出した例も完全なトンチンカンでもなかったにしろ、むしろ『ときめきメモリアル』と言ったほうがよかったようだ。恋愛シミュレーションゲームである。
なるほど、と僕は思った。彼らはあれを「ノベル」=「小説」と見なしているわけか。
論争のない世界
破船房のブースの売り上げが悪かったとは思わない。仲俣さんがさかんに声を出してくれたおかげもあって、破船房から出してもらった『新刊小説の滅亡』は50冊近くも売れたし、仲俣さんの本には完売も出た。知り合いにばかり売れたのでもなかった。我々は我々なりに奮闘し、成果を上げたと言える。
僕たちが売った本には写真集もあるが、大半が「純然たる小説」とそれに関わるものだった。「純文学」のことではない。「ビジュアルノベル」に較べれば純然、という意味である。ビジュアルもなければ音も出てこない、文章だけで出来ている小説を僕たちは売っていた。
水と油である。ビジュアルノベルから見たら僕たちのやっていることなどは、殆ど遺跡の発掘も同然だろう。一方で僕から見ればビジュアルノベルは果たして「ノベル」なのか、と問いたくなる。
だが僕は問わなかったし、彼らも僕らを嗤わなかった。それどころか彼らは僕らに気を配ってくれたし、僕も彼らに好感を持った。僕たちはお互いに笑みを交わし、気持ちよく別れた。
それはこの「文学フリマ」全体を象徴する光景に、僕には思える。店番の合間に会場を回ることもできたが、そこには多種多様な、あまりにも多種多様な「文学」があった。詩集あり海外文学あり、ラノベあり二次創作ありフォトエッセイあり、マイナーな趣味のエッセイあり政治的提言あり短歌あり旅行記ありエロあり創作文藝ありと、細分化していけばまだまだいくらでも広がるジャンルの「文学」が、幾千の著者によって書かれていた。ブースからブースへ渡り歩く人たちはそれらの小冊子や本でエコバッグをぱんぱんにしていた。つまりここで売られている「文学」はただ幾千の著者が書いているだけでなく、幾万の読者に読まれているのである。ちなみに著者と読者が重複するのは当たり前のことで、今に始まったことでも、論じて何かになることでもない。
そんな、収拾のつけようもない「文学」の乱切りポトフが「文学フリマ」であり、「文学」なのだと、僕はその巨大な空間を呆気にとられながら思い知った。
かつて文学には論争があった。お前の文学は間違っているとか、こんなものは文学じゃないとか、そんな言葉が真剣に応酬されていた。そこでは恐らく、弁証法が信じられていたのだろう。相容れない二項を対立させれば、そこに止揚が、アウフヘーベンが現われるという希望があったに違いない。
だがもはやそんなことは希望すべくもない。なぜなら対立するのは二項ではなく、百項、千項であり、これをアウフヘーベンするなんて芸当は非現実的だからだ。これら「文フリ」に広がる百項を統合し、二項か三項くらいにまとめあげようとすれば、そこにはどこか権力志向を思わせる雑駁さ、図々しさが露呈するだけではなかろうか。
人はもはや「文学とは何か」を共有しようとはしていない。『新刊小説の滅亡』と「ヴィジュアルノベル」は水と油なのかもしれないが、この二項が対立するには、まずお互いへの基本的な理解が必要になる。そしてその「基本的な理解」に至る道は、なんと遼遠なことだろう。私たちは勉強をしなければならない。その勉強の先に、もしあるとすれば「対立」は生まれるかもしれないが、対立するためにする勉強など、どこが面白いのか。そもそもそんな対立は生じることなんかなくて、互いへの理解を深める可能性だって小さくはない。水と油は、どちらも液体という共通項を持っている。それで充分という結論に達する可能性だってある。
だったら最初から相手に深入りしなければいいのだ、というのが「文フリ」なのかもしれない。実際、ヴィジュアルノベルの人たちに限らず、言葉をかけあったどのサークルの人とも、私たちは礼儀正しく振る舞うことができたし、人々も礼儀正しかった。そしてお互いのやっていることや目指していることにはほぼ抵触せず、ポッキーの話や来場者の多さを語り合って別れたのである。それは居心地のいい空間であり、居心地がいいのは悪いことでは決してない。それに私たちは、自分らの本を買ってくれる、自分らに関心を持ってくれる人たちとは、短いながらもしっかりと対話をすることができたのだ。
「判る人だけ判ればいい」と「仲良きことは美しき哉」。これが「文フリ」の空間を支えている不文律だった。表現芸術全般にとって「判る人だけ判ればいい」は、今に始まったことではない。僕が現代性を感じたのは「仲良きことは美しき哉」の方である。実際それは美しい。機会があればまた訪れたい。「文フリ」は魅力的で祝祭的な場所である。
だがその「美しさ」は、何かを隠蔽してはいないだろうか。その何かを突き止めるのは、批評の重大な役割ではないだろうか。
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書くことの道具箱 (26)
2023年01月 (1)
2023.01.15 人工知能(ChatGPT)と対話してレポートを書いてみた
書くことの道具箱
Reading Monkey
ChatGPTについてブログ記事を書こうと思います。アドバイスしてください。
ChatGPT
ChatGPTは、自然言語処理タスクのためのトランスフォーマー・ベースのモデルで、大量のテキストデータを学習しています。
ブログ記事を書く際には、ChatGPTの特徴や使用方法について説明し、実際に使用した例や、改良の余地などについても触れることが有益でしょう。また、ChatGPTが扱えるタスクや利用可能な言語についても説明することで、記事の内容を充実させることができます。
Reading Monkey
ChatGPTの特徴を5歳の子供にも分かるように説明してください
ChatGPT
ChatGPTは、大量の文章を読んで、人間のように文章を書くことができるコンピュータープログラムです。 例えば、あなたが「私は犬が好きだ」と言ったら、ChatGPTは「なぜ犬が好きなの?」と質問したり、「私も犬が大好きです」と答えたりすることができます。それがChatGPTの特徴です。
Reading Monkey
私は大学生です。ChatGPTは何に使うことが出来ますか。
ChatGPT
ChatGPTは自然言語処理タスクに使用することができます。
具体的には、以下のようなタスクがあります。
文章生成: ChatGPTを使用することで、人工的に文章を生成することができます。例えば、新聞の見出しや話題の記事を自動生成することができます。
文章の要約: ChatGPTを使用することで、長い文章から重要な部分を抽出して要約することができます。
質問応答: ChatGPTを使用することで、質問に対して自然な回答を生成することができます。
チャットボット: ChatGPTを使用することで、人工知能チャットボットを構築することができます。
文章の自動翻訳: ChatGPTを使用することで、自動翻訳が可能です。
それらタスクを実現するために、大量のテキストデータを学習させることが必要で、それがChatGPTの特徴です。
Reading Monkey
私は大学生です。ChatGPTはレポートを書くのに活用できますか?
ChatGPT
ChatGPTは自然言語処理タスクに使用することができますが、レポートを書くためだけでは使用することはできません。
ChatGPTは大量のテキストデータを学習しているため、文章を生成することができますが、それは人工的な文章になります。また、ChatGPTは自分自身の知識を持っていないため、特定の分野についての文章を生成することはできません。
しかし、ChatGPTを使用することで、文章の要約や、質問応答などのタスクに役立つことはあるかもしれません。
大学生がレポートを書く際には、自分自身の知識と理解をもとに文章を書くことが重要で、ChatGPTを使用することはあくまで補助的な手段と考えることが望ましいです。
Reading Monkey
分かりました。自分の力でレポートを書くので、その手助けをしてください。まずレポートはどんな構成で書けばいいでしょうか?
ChatGPT
レポートの構成は様々ですが、一般的には以下のような構成になります。
アブストラクト: レポートの概要を簡潔にまとめる部分。
はじめに: レポートの目的や研究の背景、研究の方法などを説明する部分。
研究内容: 研究の詳細を説明する部分。ここでは、データや実験方法、結果などを述べる。
結論: 研究の結果をまとめる部分。また、今後の研究の方向性を示す。
参考文献: 使用した文献などを記載する部分。
附属資料: 図表、写真、表などを記載する部分。
これらは一般的な構成になりますが、研究テーマによっては、構成が異なることもあります。また、各部分の詳細については、指導教員や指定されたフォーマットに従って記述することをおすすめします。
Reading Monkey
メディア・スタディーズの授業で、フェイクニュースをテーマにレポートを書くつもりです。やるべきことを箇条書きにしてください。
ChatGPT
フェイクニュースとは何かを明確に定義し、その特徴や影響について調べる。
フェイクニュースが生まれる背景や、どのような要因があるかを分析する。
フェイクニュースが問題となっている現状や、それがもたらす影響を調べる。
フェイクニュースの拡散を防ぐために、政府やメディア、個人が取るべき対策について調べる。
自分自身がフェイクニュースかどうかを判断する方法についても提示する。
参考文献を豊富に引用し、自分の研究の中で使用した方法やデータについても明確に述べる。
研究の結論を述べ、今後の研究の方向性を示す。
Reading Monkey
フェイクニュースとは何か、説明してください。
ChatGPT
フェイクニュースとは、偽の情報や虚偽の記事を偽の出所として報じることを言います。これはインターネットの普及やSNSの影響により、簡単に作成・拡散されるようになったため、近年注目を集めています。
フェイクニュースは、真実性のない情報を真実だと信じ、それに基づいて意思決定をすることで、政治的な混乱や社会的な不安を引き起こすことがあります。また、フェイクニュースは、社会の信頼性や倫理観を損なうことがあります。
フェイクニュースは、報道の自由やジャーナリズムに対する批判も呼び起こしています。
現実には色々な形態を取り、政治的な目的や利益を追求するために偽の情報を拡散する場合もあるため、個人の辨別力も求められます。
Reading Monkey
フェイクニュースが生まれる背景には、どんなものが考えられますか?
ChatGPT
フェイクニュースが生まれる背景には、様々な要因が考えられます。以下に一部を紹介します。
情報操作: 政治やビジネスなどの利益を追求するために、偽の情報を拡散することで、特定のメッセージを浸透させることができる。
無断転載:インターネット上で公開されている情報を、報道機関や個人が無断で転載し、自分の出所に偽装することでフェイクニュースを作成することができる。
わかりにくい情報: 情報の源や真偽を判断するのが難しい、あるいは複雑な情報を扱うことで、誤った情報を拡散することができる。
アルゴリズムによる情報の選別: SNSなどでは、アルゴリズムによって情報が選ばれ、特定のグループに向けられることがあり、それが偏った情報を流す原因にもなる。
人々の欲求に応えるため: 人々が望むような情報を提供するために、偽の情報を拡散することがある。
これらの要因は、互いに関連しあっていることが多く、複数の要因が重なってフェイクニュースが生まれることもあります。また、現代においては、SNSやインターネットの普及により、情報が簡単に拡散されるため、フェイクニュースが生まれる環境も変化しています。
Reading Monkey
フェイクニュースは、現在、どのような問題になっているのでしょうか? どのような影響があるのか、教えて下さい。
ChatGPT
フェイクニュースは、近年、様々な問題になっています。以下に一部を紹介します。
情報の正確性: フェイクニュースは、真実性のない情報を拡散するため、真実を知ることができなくなることがあります。これは、個人や社会全体にとって重要な影響を及ぼします。
政治的な混乱: フェイクニュースは、政治的な混乱を引き起こすことがあります。特に選挙期間中や重要な政治的な出来事が起きた際には、偽の情報が拡散されることがあり、選挙結果に影響を与えることがあります。
信頼性の損ない: フェイクニュースは、報道機関やジャーナリズムに対する信頼性を損なうことがあります。これは、ジャーナリズムに対する信頼性を損なうことがあり、真実を伝えることができなくなることがあります。
社会的な不安: フェイクニュースは、社会的な不安を引き起こすことがあります。特に、災害や事件などに関連した報道においては、不安を引き起こし、社会の安定に悪影響を与えることがあります。
個人の辨別力の低下: フェイクニュースは、個人の辨別力を低下させることがあります。偽の情報を信じることで、正しい判断をすることができなくなり、間違った意思決定をすることがあります。
これらは、フェイクニュースがもたらす一部の影響です。政治、経済、社会、個人の面で問題になっていることが多く、現代社会においては、フェイクニュースの問題は重要な課題の一つです。
Reading Monkey
フェイクニュースの拡散を防ぐために、政府やメディア、個人が取るべき対策について、それぞれに箇条書きしてください
ChatGPT
政府:
法的な手段を講じることで、フェイクニュースの拡散を制限する。例えば、偽の情報を拡散する者に対して罰金や刑事処分を科すことができる。
正しい情報を提供することで、フェイクニュースを正しい情報で覆すことができる。
教育活動を展開し、個人が正しい情報と偽の情報を判断する能力を養うことができる。
メディア:
正確な情報を提供することで、偽の情報を正しい情報で覆すことができる。
報道の規制を厳格に適用し、フェイクニュースの拡散を防ぐことができる。
個人が正しい情報と偽の情報を判断するための情報を提供することができる。
個人:
情報の源を確認することで、偽の情報かどうかを判断することができる。
情報を確認するためのツールを使用することで、情報の正確性を確認することができる。
正しい情報を伝えることで、偽の情報の拡散を防ぐことができる。
教育を受け、偽の情報を見分ける能力を養うことができる。
個人の判断力を養うことで、自分自身が偽の情報を流さないようにすることができる。
これらは一例ですが、政府やメディア、個人が取るべき対策は多岐にわたります。政府やメディアは法的手段を講じることでフェイクニュースを防ぐことができます。しかし、個人も自分自身が正しい情報を伝え、偽の情報を見分ける能力を養うことが重要です。
Reading Monkey
今まで説明してもらったことを要約してください。
ChatGPT
フェイクニュースとは、偽の情報や虚偽の記事を偽の出所として報じることを指し、近年注目を集めている。その生まれる背景には、政治やビジネスなどの利益を追求するための情報操作、インターネット上で公開されている情報を無断転載し、自分の出所に偽装することでフェイクニュースを作成することができる、わかりにくい情報、アルゴリズムによる情報の選別、人々の欲求に応えるためなどが考えられる。
そして、フェイクニュースは、真実性のない情報を真実だと信じ、それに基づいて意思決定をすることで、政治的な混乱や社会的な不安を引き起こすことがあり、信頼性や倫理観を損なうことがあります。
そこで政府やメディア、個人が取るべき対策としては、法的な手段を講じることでフェイクニュースの拡散を制限すること、正しい情報を提供することで偽の情報を覆すこと、教育活動を通じて個人が正しい情報と偽の情報を判断する能力を養うこと、報道の規制を厳格に適用し、情報の源を確認すること、正確な情報を伝えること、自分自身の判断力を養うことなどが考えられます。
これらの対策を講じることで、フェイクニュースの問題を解決することができるでしょう。
Reading Monkey
今まで説明してもらったことをレポートにするとして、レポートのタイトルを考えてください。候補を5つ挙げてください。日本語でお願いします。
ChatGPT
"フェイクニュースの成長とその社会への影響"
"誤った情報の拡散を防ぐための戦略と解決策"
"フェイクニュースとその影響における政治と民主主義"
"デジタル時代を生き抜くために:フェイクニュースを見分け、避ける方
HiGH&LOW と私とHiGH&LOW THE WORST X
龜鳴屋本
第三十二冊目
最新刊
天上の櫻
宮崎孝政詩選集
芝雪編
大正末から昭和前期の中央詩壇にかすかな刻印をのこし、『風』や『鯉』などの名詩集を置土産に消えた能登七尾の抒情詩人の小さな精華。龜鳴屋本第一冊目『宮崎孝政全詩集』からの五十五編。
龜鳴屋本
第三十一冊目
最新刊
上井正三詩集
梅
伊賀上野の無名詩人の私家版詩集(1970)を新装復刊。
在庫あり
更新記録
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エッセイ (202)
小説 (26)
OPINION&Critic (85)
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新収品紹介/花衣ぬぐや纏はるひもいろいろ 久女
一昨日の市場で入手した短冊のうちから何枚かをご紹介。 「花衣ぬぐや纏はるひもいろいろ 久女」杉田久女初期の代表句で、大正8年『ホトトギス』誌に投稿され、高浜虚子をして「女の句として男子の模倣を許さぬ特別の位置に立つてゐる」と言わしめた一句です。久女をモデルとした小説のタイトルにもなっていますね。(田辺聖子著『花ごろもぬぐやまつわる・・・わが愛の杉田久女』)昭和9年『ホトトギス』同...
14, 2019
書肆 遅日草舎 店主
大原散歩/里の駅から寂光院まで
お天気に誘われてふらふらと、今年初めての大原。 昨年9月の颱風一過の大原街道、山林の倒木が道を塞ぐように覆いかぶさっていました。今もまだ名残が見られます。『里の駅大原』で野菜を仕入れ、冬枯れの田んぼの間を抜けて寂光院への道を。川面を青いものが過ったので追うと、カワセミでした。民家の塀の屋根に咲く苔が綺麗です。 寂光院門前の漬物屋で辛子漬を買って引き返します。すでに陽は傾いて田面を銀色に輝...
14, 2019
散歩
自宅勤務
今日も宝ヶ池国際会議場近くで古美術市場が開かれていますが、そちらは長男に任せて小生は自宅勤務。「市場は寒いだろうな…」などと想像しながら、ヘンデルのリコーダー・ソナタ(ミカラ・ペトリ & キース・ジャレット)が流れる温かい部屋で、ノンビリと短冊の整理などをしていると、大きな聲では言えませんがつくづくと心地良く、入札を頼んだ短冊コレクション二点は居ながらにしていずれも無事落札、陰な...
12, 2019
書肆 遅日草舎 スタッフ"R"
初市に凍える
今日は今年最初の道具市場の日でした。午後から入札に参加して、安永年間の日付のある高松季眠和歌草稿や遊女桜木和歌短冊、最後に「露探」斬首の光景などを含む日露戦争関係の写真帖を手に入れました。こうした古写真は最近人気が高く、落札はしたもののなかなかよいお値段でした。仕事になるのかな…などと。 雪こそまだまともに積もっていませんが、寒さはいよいよ本番、比叡山を近くに望む暖房のない道具市場での四時間の...
11, 2019
書肆 遅日草舎 店主
新収品紹介/河東碧梧桐肉筆扇面色紙
昨年末の仕入れでしたが、久しぶりの碧梧桐です。絹本扇面と紙本色紙がそれぞれ2点。いつ見ても楽しい河東碧梧桐の筆です。 2月は1日が碧梧桐の命日ですが、9日から17日まで、神戸のギャラリー「MORIS」(https://moris4.com/)に於いて恒例にともいえる「碧梧桐展」が開催予定です。今回は碧梧桐門の俳人麻野微笑子氏旧蔵になる河東碧梧桐作品の数々が展示され、なかでも全紙に書かれた大幅「飲中八仙歌」は必見の価値...
11, 2019
書肆 遅日草舎 店主
昨夜はSAKUYAで
昨日は小雪の舞う寒い日でした。夕方までは引き籠ってヤフオクへの出品作業、この日の出せたのはエンタイアの山2点と斎藤茂吉の旧蔵資料。やがて日も暮れれば寒さもなんのその、この夜は予約していた西陣の小料理屋へ家内の運転で出かけました。美味い酒と肴の数々、たまに手に入る幸せ且つ贅沢な時間です。 「SAKUYA」さん、ごちそうさまでした。(2019/01/10)...
10, 2019
書肆 遅日草舎 店主
新収品紹介/文化七年、上田秋成はまだ生きていた?
上田秋成の画賛幅です。昨年の末、ある道具市の「出し売り」(下見がないので競り台の上に載せられた品を一見して価値を判断せねばなりません)で、余斎の署名頼りに落札した品なのですが…。いざ持ち帰って見てみるとなんだか引っかかります。画家が記した日付が「文化七庚午正月元日」。たしか秋成の没年は…と気になって調べてみると、やはりどの資料を見ても文化六年六月二十七日。ということは? 翌文化七年の正月元日、上...
09, 2019
書肆 遅日草舎 店主
初詣
今年の初詣は元旦に、まずはわが家の氏神さま岡崎神社へ、その足で今年の干支亥に因み「いのしし神社」こと「護王神社」へ詣でて一日の歩数は12,539歩。 3日は四条への道すがら平安神宮へ詣でました。この日の歩数は12,974歩。 次いで6日は石清水八幡宮へ。毎年お詣りしますが、今年は車は止して京阪電車で行き、ケーブルカーも使わず歩いて登り、下りも歩いて一日の歩数は13,498歩。そして今日は伏見稲荷大社へ。こ...
09, 2019
書肆 遅日草舎 店主
「だいせんじがけだらなよさ」
明けましておめでとうございます。三が日も過ぎて今日で今年も四日目、世の中のほとんどは常態に復するようです。そういえばなんとなく朝の空気を伝わって来る音に、人の動きの気配があります。空は青空。カルメン・マキの『真夜中詩集』などを聴きながら、井伏鱒二を読んだり、まだ道具市場も正月休み、なにをするでもなく、いつのまにか日は暮れて、一日は終わります。 「だいせんじがけだらなよさ」と寺山修司。「さよなら...
08, 2019
書肆 遅日草舎 店主
花朝堂漫録 十 勤王歌人・伴林光平の短歌と筆跡
勤王歌人・伴林光平の短歌と筆跡 伴林光平は「ともばやし・みつひら」とも、「ばんばやし・みつひら」とも呼ばれていて、確定していない。辞典にも双方書いている。 ところで、光平の短冊がよく売れるのは何故だろう。比較的安く入手できるせいもあろうが、なぜか売れ残る率が少ないみたいだ。天誅組の隊士であったからなのか。 伴林光平(1813~1864)は、幕末の国学者・山陵研究家・歌人・勤王志士。河内国南河内郡道明寺(...
12, 2017
花朝堂漫録
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2021年03月22日
「海鳴り」33号が届きました
昨年までは「海鳴り」が出たら、編集工房ノアの本の通販のおまけとして配布していましたが、三月書房は昨年末に廃業しましたので、そーゆーことはできなくなりました。うちの店では毎年200冊ほども配布させていただいていましたので、今年もお知らせだけはしておきます。
この号で一番の読み物は、山田稔氏の「同僚━生田耕作さんのこと」でしょう。2段組み14頁分ありますが、山田氏が生田氏について、これだけまとまった量を書かれたのは初めてかと思います。そのほかの内容は上記の画像をクリックしていただけば目次が読めるはずです。
「海鳴り」の入手方法は聞いておりませんが、おそらく一部の書店では無料配布するはずです。非売品なのでこれだけを購入することはできないでしょう。発行所に頼めば送ってくれるのか、送料はいくらなのかもわかりません。これはあくまでも個人的な意見ですが、発行所に何か1冊通販の申し込みをして、ついでにおまけに添えてくれるようにお願いするのがよろしいかと思います。表紙の裏に昨年1月以降の新刊リストが掲載されています。下記に画像を載せておきますのでご参考にどうぞ。クリックすれば拡大するはずです。
まことに不便なことに、編集工房ノアにはサイトがありません。グーグルすると、いまだに三月書房のページが上位に出てきます。メールも利用されていません。ゆえに通販の申し込みは郵便か固定電話かFAXしかできないでしょう。住所と電話は検索すればすぐにわかるはずです。
21.01.09 同人活動ページを更新
無限コンティニューで目指す最強勇者 〓みんなの命がひとつの世界で、オレのパーティーだけ不死身〓(1) (裏少年サンデーコミックス) ラ研出身、kt60さんの新刊
クリスマスどうすんのー!
クリスマスどうすんのー!
クリスマス、どこいればいいのー!
あたし泣く子も黙るカド部屋なんですよ。
いるか、いないかが一目瞭然なんですよ。
く、クチの野郎ー!
口は災いのモトとは、よく言ったもので、
昨日のクリスマスはずーっと電気消して、家に居ました。
東京のくせに、結構、星がキレイでした。
とか、しんみり言おうと思ってたんだけど、
この日を宮崎駿コンプリートデイとして、「おもひでぽろぽろ」「となりのトトロ」「魔女の宅急便」「天空の城ラピュタ」「耳をすませば」「風の谷のナウシカ」「ハウルの動く城」などなどを、暗い部屋で、もうひっきりなしに見まして、
こうね、「彼氏」とかね「もこみち」とかね、
だからなんだっつーの?
くらいの、でっかい気持ちになってみました。
クリスマスなんて、ちょろいちょろい。
2005年12月26日 人気blogランキングへ
12月の詰め将棋
友達に新しい彼ができたので
じゃあ写真見せろや って言ったら
得意げに出してきた。
いやー、すこぶる用意周到過ぎて確信犯。
その写真が、まぁ・・、ディズニーランド?らしきところで軽くツーショット写真。
(いや、つーか絶対ディズニーランドだけど、
つーかこの後ろに写ってるマルっぽいオブジェは
ディズニーシーであることは間違いないけど、
そんくらい私だって一目でわかるけど、
絶対「これディズニーシー行ったの?」って聞きたくない!)
で、友達としては、早く聞いて、これディズニーシー行ったの?って聞いて!っつー顔まんまん。
でも私は絶対聞きたくない、
しかしそれ以外にこの写真に対し何の感想も浮かばない、
でも言いたくない、
これ言ったら負ける気がする。
という、女同士の緊迫する一瞬の中、
後輩の女の子が無邪気にこの前戦に突入してきて、
「わぁーこれディズニーシーですよねー!」
って、もうあんた!
これだら、二十歳前後の子ってのは、
こういう女同士の話したい!聞きたくない!の攻防が全然わかってない!
「あーわかっちゃったぁー?そうそうシーに行ったんだぁー」
ほらー、始まっちゃったじゃない!
シー話。
もうこれから、彼女の口からハーバーサイドクリスマスがこれでもかっつーほどのパレードを繰り広げちゃうよー。
って思った瞬間
「実は、私もこないだ彼氏と行ったんですよ、シー。もう超きれいで、超感動ですよねー。でーミッキがぁー」
馬
鹿
な
!
2人は一気に団結し、ディズニシーの素晴らしさに付随(ふずい)した形で、冬に彼氏のいる素晴らしさを存分に語り尽くしたあげく
「ハイネも絶対行きなよシー、すごいから、価値観変わるから」
馬
鹿
な
!
行ったことあるよ。
つーか、今、目をキラキラさせてるあんたと行ったはずだけど。
そしてカップルの波と抱擁に引き裂かれながらブラヴィッシーモを見て、
もう二度と来ねぇシィー!
って叫びあったはずだけど。
でも、なんか、写真に写ってた彼氏が、なんかレーザーラモンのマネっぽい、でもなりきれてない、土壇場で自分を捨てきれてない素振りで写ってたので、
ちょっとだけ微笑ましく見守っていくつもりです。
2005年12月20日 人気blogランキングへ
イブの采配
正直、こんなにモテナイとは思わなかった。
団体戦(合コン)はおろか、一騎打ち(紹介)に至るまで、
全ての面において、伸び悩み。
洋服の襟元に間違ってウンコでも付いてるんじゃないかって疑うくらいの防御率。
これはもうね、絶対におかしい。
裏に政治的なものすら感じている。
そのくらい、国会レベルでモテナイ。
「好きな人に告ったけど振られてしまった」
というモテナイレベルを超え、
ついに、先日告ってない人にまで振られた。
や、地元の飲み会の最中、
私はさ、最近見た「ハリーポッターと炎のゴブレット」について、なんと炎のゴブレットらしきものの演技つきで解説してたわけ。
「でね、対抗試合も終盤!ハリーが勝つと思うじゃん?ところがどっこい、ハリーはそのすべてがワナだったことに気がつくわけ!でっ!」
みたいな、紙芝居屋でいえば、子どもたちが息を呑むであろう、その瞬間だったと思う。
地元の男友達の一人が
「ごめん、今気づいたけど、おれ加藤にほんと興味ねぇや」
今、気付いちゃったーーーーー?
いやー、気付くにしても、もうちょっと先か、もうちょっと、せめてこの話が終わった段階で気付いて欲しかったー。
つーか、今気づくべきは、ハリーをワナにかけようとしたのが誰かっつーことだし。
そんな赤裸々な地元の男女関係についてじゃないし。
むしろ私がいない場所で気づくのがエチケットだし。
しかも、今してたの私の話じゃないし、ハリーポッターの話だし、あいつの話だし、おめぇが興味ないのは、私じゃなくてハリーなんじゃないかっつーことについて、ちょっとは考えてくれたー?
つーか、このタイミングで私にハリーの話つづけろって、すげぇ過酷な使命だし、
でも打ち切るには、すげぇ中途半端だし、あたしゴブレットの顔真似の途中だし。
でさ、地元の他の方々も、思わずシンとしてるわけですよ。
で、思いっきり発言権が私のターン。
みんなが私の動向に(ハリーポッター以外の話題で)注目。
ライフカードを広げたくなる瞬間。
あー「webに続く」って、なりてぇー。
でも、まさにリアルタイム。
今、今の心境を求められてる。
どう出る?
どう出る私。
「いいって!いいんだよー!
あたしたち友達なんだから興味なくて全然いいんだよー!
で、炎のゴブレットの奴がさー」
乗り切りました。
このセリフを、今年度のMVPにしたいと思います。
いやー、そうそう言えたセリフじゃないと思うんですよ。
告白する場において、振られる事ってのは想定の範囲内で、
その返しのセリフ、
例えば「今まで通り友達でいいから」とかはね、
大体シュミレーションとして構想されてるんですよ。
でもね、告ってもいない相手から突発的に振られる場合ってのは、
まぁ女性にしてみれば非常事態ですよ。
それをね、すげぇ優雅に、ある意味エグゼクティブに、私は乗り切っちゃったわけですよ。
私のレベルもここまで達したかと、まさに感無量です。
で、気付いちゃったんですけど、
モテナイ生き方というのは、実はすげぇテクニカルだなあと。
なんつーの、難易度って言うんかな。
あれが、すげぇ高けぇ。
例えば、「ぷよぷよ」にしても「マリオカート」にしても、難易度を設定するわけだけど、
モテナイっていうことは、まさにすげぇ難易度がハードなわけですよ。
そのステージを体感してから、
まあキムタクとかをね、見るわけ。
したっけ、もうクスって出る、クスって。
ちょっと口元で小指立ててクスですよ。
なにあれ、すげぇぷよぷよ落ちてくんの遅せぇー!
クッパ全然あたりが甘めー!
で、自分の面に戻ると、もうすげぇ おじゃまプヨとか振ってくるし、
ドンキーとかコーナーに一列でバナナの皮とか置いてくるわけ。
あのピーチ姫ですら、すげぇ性格わりぃ。
でも、そんな中で結構いい勝負をしてる自分がいたりして、
まさに自分の技量に酔う瞬間でした。
つーか、その後、例の地元の友達から電話があって、
「おまえのさ、ゴブレットのモノマネ、似てねぇ」
「あ、見に行ったの?」
「ゴブレットって、魔法の木杯のことじゃん」
結構、ゴブレットの奴が大暴れしてた。ってのが、私のハリーポッターの感想だった。
つーか、ハリーポッター、まだ見に行ってなかった段階で、解説を求められたので、ついつい調子に乗って自分なりのハリーを表現しちゃってた。
でも、わざわざ見に行くなんて、こいつ・・もしかして・・あたしのこと・・
「・・な、なんだ、言ってくれれば、私も見に行きたかったのに」
「は?彼女と行ったし」
テクニカル。
___________________________
あたしのマリオカートはとりあえずシューマッハとかライケネンとか出てくる。
でも、結構、負けてない、と思う。
2005年12月10日 人気blogランキングへ
発進!
ちょっと、そこの君、んーってしてみ、んーって。
昨日、地元の友達と飲んでたら、
その子がいきなり
「あたしの彼氏さー、キスするときの顔が変」
っつー話になって、
つーかキスの時の顔なんて一々チェックしてねぇっつー話になって、
そういえば、あたしたちもどんな顔してんだか自分じゃわかんねぇなってことになって、
「キス待ち顔」選手権(うちわ)が急遽開催されることになったんですが、
私はこっそり席を立ちました。
こないだ仕事場の後輩に合コンに誘われました。
私は、まあ仕方なく、あくまで可愛い後輩たちの引率として、
「ちょっと、悪いけど、今日だけ同期ってことで」
(後輩たちは思いっきり親指立ててグーなんつって)
そう、引率してきたわけですが、
男の子「いやー22歳なんてめっちゃ若くねぇー?」
後輩達「あははー」
男の子「で、ほんとのとこ加藤さんはいくつなの?」
後輩達「加藤先輩も22ですよー!」
ああ、可愛い後輩。
おもいきり先輩言っちゃってる。先輩言っちゃってる。
したっけ、場の盛り上がりもそこそこに
「ポッキーゲーム!!」
なんつって、出ました。
ポッキーゲーム・・・っ!!!!
あの20?にも満たない棒菓子の先端と先端から、男女で折らずに食べ合ってくあのゲームっ?!
だって、それは、だって、き、キス、じゃないですか。
知り合ってまだ数分も経たないのに、キス、じゃないですか。
私は、こんな汚らわしいゲームにうちの可愛い後輩達が餌食になったら大変と、この身をはって立候補するしかないじゃない
最近の噂
風の噂ではございますが……
なお、リンクする場合には各コメントの日付のあとにある「id」をクリックすると、そのコメントのユニーク id が url 欄に表示されるぞ。
2012/05
しばらく前に、カルロス・フエンテス他界。しばらく前に、フエンテスの小説やノンフィクションをまとめて読んで、もうフエンテスは一通り見切ったと思っていたが、それでもかの大作「テラ・ノストラ」は未だに期待だし、その才能と知性は刮目すべきものがあり、また一部の文のかっこよさと洗練ぶりはずばぬけたものがあった。正直いって、その洗練ぶりがかれの目指すラテンアメリカ土着的な泥臭さと相容れない面はあって、それが彼の弱点でもあったんじゃないかとも思う。ガルシア=マルケスは、発端となったおばあちゃんの昔話的な語り口があり、バルガス=ジョサは何でも力でねじふせるような野蛮さがあるし、カルペンティエールもそこらへん洗練しすぎずうまく逃げているんだけど…… ともあれ、ご冥福を。(2012/05/21, id)
先日までインドのタミルナド州にいたんだが、電力事情がひどい。日本の工場とかでも、週二日完全停電に、その他の日も一日六時間停電というまともでない状況になっている。ところが、先月末に突然それがちょっと改善しはじめた。なぜかというと、風が少し早めに吹いてきたから。タミルナド州は、いま稼動発電容量の半分くらいが風力を中心とした再生可能エネルギー。ところが、これまでの月は風がふかないので、その風力からの電力はゼロ。それが、風が吹いたら突然総電力の四分の一くらいがまかなえるようになった。
しかし……こんな風頼みでは仕事にならない。停電するのも困ったものだけれど、仕事に使うなら、停電するといいつつ実は電気がきました、というのも困る。タミルナド州は結構でかい(日本の三分の一くらい)だから、多少は平準化されると思っていたんだけれど、ダメなときは完全にゼロの状態が何ヶ月も続くのか! これ使うなら、どうしてもバックアップの火力かなんか必要になってくる。それを考えると、自然エネルギーへの転換をすすめましょうなんていうお題目がまったくリアリティなしに聞こえてしまう……(2012/05/20, id)
2012/04
LaTeX の環境を更新しようとおもって、そろそろ Windows とMac とLinux (最近ほとんど使わないが) の環境もそろえたいしと思って、W32 環境から texlive に移行しようとあれこれ。最初はいろいろ苦労したが、最終的には成功。よかったよかった。TexMaker とか TexWorks とかの専用エディタも使えるようになったのは便利。ただ、変なotf系の小細工して、鄧小平の鄧を勝手に utf{21E}とかに置き換えるのは迷惑だなあ。そういうのをなしにするために utf-8使ってんのに。
あと、パッケージの更新が楽なのはうれしい。これまでは年に一度くらい、W32Tex環境まるごと入れ替えで更新してたんだよね。 (2012/04/07, id)
2011/10
ラオスにきたら、いつも使っている携帯電話がつながったりつながらなかったり。SMSも送れなかったりする。するとカウンターパートから連絡がきて、今使っている携帯電話(TIGO 改め Beeline) を換えろという。TIGO から他のキャリアの電話につながらなくなっているから、といって。なんじゃそりゃ。
TIGO の機械の故障らしい、と言われたんだが、調べてみたら、なんと TIGO が(おそらく Beeline に買収/改名する過程で)協定破りのプロモーションをやって、それに対して他の携帯会社が制裁措置として、TIGO/Beeline への回線接続を切ったんだって。ひでえ。協定破りって、少しお得なプランを出したとかそんな話だけど、それでここまでやるか?!? そんなことをしたら業界全体の利益が下がるからというんだけど、それってカルテルっていうんですよー。社会主義国は知らないかもしれないけど、いけないことなんですよー。
しかし TIGO も、古いページから新しい Beeline のページにリンクを張るくらいの手間を惜しまなければいいのに(といってもその新しいページが見当たらない……)。 (2011/10/27, id)
遊びで受けてみた TOEFL ibt だが、ライティングがこんなに低いとはちょっとがっかり。少し書き方に凝りすぎたか。もうちょっとシンプルに書けばよかった。あと、ぼーっとしていてちょっと聞き逃した部分があったせいもあるのかなあ。 (2011/10/26, id)
2011/9
まったく知らなかったが、今月頭に、かのプロジェクトグーテンベルグ創始者のマイケル・ハートが他界していた。このプロジェクトにはテキストももらったし、いろんな権利やテキスト配布がらみの考え方も教わったし、何より「こんなことやっちゃえるんだ」と目から鱗を取ってくれたことには何よりも感謝している。その恩恵と遺志に応えるためにも、自由に流通する文書をどんどん増やさなきゃ。気がつかなかったけれど、今見たら The Economist にも立派な追悼文が出ている。もっと枯れたジジイかと思っていたよ…… (2011/9/29, id)
最近の The Economist では、アジアの女性が晩婚化、未婚化していて、それは高等教育が進み、家庭や育児に縛られない経済的な独立性が確保されたからだ、という議論をしていた。そしてその結果としてアジアの男性は結婚はおろかセックスもできずに悶々としている、という話。
それに対していくつか投書がその数号後で紹介され、男だって都市化に伴いいろいろ火遊びのチャンスができてるよ、という指摘とか、家庭のよさは忘れられていないよ、という投書の中に混じってこんなのがあった。
拝啓 高学歴アジア女性が金銭的にdependent (訳注:independentのまちがいのはず)になるにつれて、確かに結婚は減っていますが、それでも彼女たちは活発なセックスライフを送っています。そしてますます若い男を愛人として選ぶようになり、既婚女性よりもっとセックスライフを楽しんでいるのです。このトレンドは戦後の日本で始まったもので、当時は大量の未亡人が再婚するよりも新しい「伴侶」を選んだのでした。
アジアでは、三十代、四十代の独身女性が二十代のツバメを持つのはごく普通のことです。ダンスクラブの多くはハンサムな若者をウェイターとして雇い、かれらは連れ出し可であることがほとんどです。つまりアジアの若い男性は、たぶん貴誌の考えるほど寂しくはないうえ、年上の愛人から性技の手ほどきも受けられるのです。
ピングー・リュウ(フロリダ州ボカラートン) The Economist 2011/9/10-16号、p.16
リュウさん、ご自分の願望を信じやすいThe Economist にぶちまけてはいけません。あなた、どう見てもなんかの読み過ぎです。 (2011/9/27, id)
矢作俊彦がぼくのGQの文章に「反論」したというので見てみた。ぼくには「論」にはまったく思えず、ただの付け焼き刃の感情垂れ流しポジショントークとしか思えないんだが、多くの人は説得力(でも論がないのに、何に説得されたんだろうか)を感じたようだ。そしてツイートなどを見るに、多くの人は次のネタにずいぶん賛同している。
核廃棄物をどうするの? 山形はそれに触れてないじゃないか、というわけ。
さて、ぼくはその話はちゃんと触れているのだ。そしてそれは、ぼくのほうも是非聞きたいところ。あなたたち、核廃棄物をどうするの?
自分たちは脱原発と言っているから、その要求が通れば廃棄物がすぐ消えてなくなるとでも思ってるの?
今動いてる原発があって当分後始末もいる。過去に出た廃棄物もある。それを何とかしなくてはいけない。あなたたち、いまの原子力の管理技術では不安なんでしょ? 技術だけじゃなくて体制も信用できないと思ってるんでしょ? そしたら、今ある(そしてこれからも出続ける)ものを今よりマシな形で管理処分する必要があるんでしょ。そのための技術開発は必須だ。だからぼくは原子力の研究開発に金をかけろと言っているんだよ。
でも、それだけじゃ足りない。だれがそれをやってくれるの? 先の見通しのない、つぶしも効かない、過去の尻ぬぐいにしかならない技術の開発に、だれが来てくれるの? 工学部の進振を見ればわかるけれど、学生はそういうのに敏感だよ。
そう考えると、本気で脱原発をするためにも、逆に原子力エネルギーに多少なりとも可能性は残さないと(民生発電でなくてもいいよ)ダメじゃない? そうでないと、まともな人材きてくれないよ?
ぼくはそう思うんだ。そしてあのGQの文も、そこまで考えての話なんだけどね。変な結論だとは思うし、これを詭弁だと思う人も多いだろう。でもさ、それじゃどうすればいいの? そう聞くと、東電の責任だから東電にやらせろ、とか言うんだけど、そういうときだけ東電を信用していいわけ? かれらだって、ない技術は振れないんだよ。どうせ今の原発の敷地って、脱原発した後で何か別のことに使えるわけでもないんでしょ。だったら今の使い道をどう改善するか考えたほうがいいんじゃないの?
だいたいぼくは、矢作俊彦みたいなバブル全盛期にいい思いをしてきた、60-70 歳くらいの連中の道楽エコロジーだのはまったく信用していないし、その連中がこの震災や原発事故で急に社会派に目覚めてきいたふうな口をきくのがおかしくてならない。かれらは今後、現状維持のまま社会
「推理」することと〈欲望〉すること 江戸川乱歩「D坂の殺人事件」論
Posted by 中 相作 - 2020.06.23,Tue
雑誌
立教大学大学院日本文学論叢 第14号
編:立教大学大学院文学研究科日本文学専攻
平成26・2014年9月?日 立教大学大学院文学研究科日本文学専攻
A5判 128ページ
「推理」することと〈欲望〉すること 江戸川乱歩「D坂の殺人事件」論
栗田卓
p73─90
▼立教Roots:立教大学大学院日本文学論叢 > 14(2014)> 「推理」することと〈欲望〉すること : 江戸川乱歩「D坂の殺人事件」論
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RAMPO Up-To-Date
江戸川乱歩執筆年譜補遺
以下は2017年8月26日(土)に、韓国ソウルにある国立ソウル現代美術館で行った基調講演の全文です。
私の名前は室井尚(むろい・ひさし)です。横浜国立大学の教授をしています。専門は哲学や文化理論で、何冊かの本を書いています。今回のツアーもそうですが、普段は学生たちと一緒にアートプロジェクトをプロデュースしたり、沢山のワークショップをしたりしています。
ですが、私はアーティストでもあります。少なくとも一度はアーティストでもありました。
2001年に日本初の国際芸術祭である「ヨコハマトリエンナーレ2001」が開かれましたが、その時に私は、ディレクターの1人であり、京都国立近代美術館の学芸部長だった河本信治さんに声をかけていただき、ほぼ同年代のアーティスト椿昇(つばき・のぼる)さんとのユニットを組んで、「The Insect World」というプロジェクトを行いました。これは複数のユニットからなる複合的なプロジェクトだったのですが、その中の一つとして設置した全長50mのバッタの形をしたバルーン「飛蝗(The Locust)」が余りにも大変で、それにばかり力を奪われていました。
このバルーンはとても遠くからも見ることができ、横浜の町のシンボルでもある船の形をしたインターコンチネンタルホテルに設置されていました。私たちのコンセプトは21世紀にはこれまでの人類の文明とは全く異なる、いわば「昆虫的」な論理が世界を支配するだろうということで、「The Insect World Operating System will govern the World」という言葉をキーコンセプトにしていました。
冷戦が終わり、新しい世界秩序が生まれようとしていました。私はそれを、人類を含む脊椎動物からもっともかけ離れた昆虫の目から見た世界を提示することによって、新しい文明の誕生を喚起しようとしたのですが、実際にはそれは2001年9月11日の同時多発テロ事件によって簡単に乗り越えられることになってしまいました。
クシシュトフ・ヴォディチコ氏と会ったのはこの作品の準備をしていた時です。彼はティファナで行っていたプロジェクションを展示するために横浜トリエンナーレに参加していました。ある機会があって、この時私は彼と二人で、バーで飲む機会がありました。
その前から私はヴォディチコ氏の作品を知っていて、とりわけ京都国立近代美術館の展覧会「Project for Survival」で最後の展示室に出されていた「Polis Car」にはとても大きな衝撃を受けていました。都市に溢れるホームレスを排除したり、収容したりするのではなく、彼らに移動できる最強のツールを与え、むしろ町の中で誰よりも自由に活動できる存在に変えるというアイディアは、常識を完全に覆すものであり、この作品を作ったアーティストに会ってみたいと思っていたのです。
彼にこのバッタのCGを見せると、彼は愉快そうに笑って、こう言いました。「アメリカの深夜映画でシカゴの町を巨大なトノサマバッタが占領するB級SF映画を見たことがある」。
その後、私はこの映画を探しました。それは1957年に作られた白黒のアメリカ映画で、ピーター・グレイブス主演の「The Beginning of the End」という映画でした。とても安っぽいSF映画ですが宇宙からの謎の光線で巨大化したトノサマバッタの群れがシカゴの町の高層ビルを襲うというストーリーでした。
それからちょうど9年後の2010年3月に、私はヴォディチコさんと再会しました。京都国立近代美術館で、ヴォディチコの作品を紹介し続けてきた河本信治さんの定年退職を記念する展覧会のオープニングパーティに彼は参加していました。
多分私のことなんか忘れているだろうと思いましたが、せっかくなので話しかけてみました。
「9年前にあなたが教えてくれた映画のタイトルは”The Beginning of the End”でしたが、あの後すぐに9.11が起こりました。私たちのバッタのバルーンもトラブル続きで71日の展覧会期間中23日しか展示できなかったのですが、その中でワールドトレードセンターのビルが崩壊するのを見て、私たちは底知れない敗北感に捕らわれていました。今から考えるとまさしくあの年は”Beginning of the End”の年だったのです」。
ヴォディチコさんはとても鋭い目で私をじっと見つめていて、私は何か彼を怒らせてしまったのかと思い、「失礼しました」と早々に彼から遠ざかりました。
ところがパーティの終わり頃になって、彼はまっすぐに私のところに歩いてきて「時間があるのなら、コーヒーでも一緒に飲まないか?」と向こうから声をかけてきたのです。
雨の降る中、京都の町を二人で長いこと歩いて喫茶店に入りました。彼はちょうど「9.11」に関する著書”The City of refuge”を出版したばかりで、9.11を記憶するためのメモリアルをニューヨーク湾の海上に作って、そこを世界平和センターにするという構想を提案していたところでした。
「日本では誰も俺のこの提案に耳を傾けてくれないし、あのパーティでも誰もまじめな話をしてくれないのに、お前に会えてラッキーだった」と彼は言い、それから二人でミシェル・フーコーの「パレイジア」概念や、犬儒派(キニク派/Cynic School)の哲学について議論を交わしました。
彼はちょうどパリの凱旋門を「戦争を永遠に廃絶するためのメモリアル」に変えるというプロジェクトに取り掛かっていて、スケッチブックを出してまだ構想中のこの作品「The Abolition of War」のデザイン画を目の前で書いてくれました。
「お前、どう思う?」と聞かれて、「そうですね。でも、これができたからと言って本当に人類が戦争を廃絶するようになるかどうかは疑わしい」と曖昧な返事をした私に彼は少し怒ったようで、「俺はこれをやっているのに、お前は何をするんだ? たとえば、お前は靖国神社のことをどう思っているんだ?」と言いました。
私は即座に「靖国神社はまずい。あれは一種のタブーのようなもので、右翼も左翼も靖国のことになると正気を失う」というようなことを言うと、彼はさらに激高して、「何を言っているんだ。パリの凱旋門だって右翼とナショナリストの魂の象徴で大きなタブーになっている場所なんだぞ」と言います。これは本当のことで、この一年後、パリの画廊で「The Abolition of War」のオープニングにはフランスの有力メディアは左も右も一切取材にきませんでした。彼らは凱旋門をタブーにしていて記事にするのを恐れたのです。
しばらく彼と議論して、私は横浜に帰りました。新幹線で深夜に家に着くと、さっき会ったばっかりのヴォディチコさんからメールが届いていました。
それは「俺は明後日の朝の飛行機でボストンに帰るのだが、明日土曜日は一日オフだ。俺が新幹線で東京に行くから、一緒に靖国神社を見に行かないか?」という突然の申し出だったのです。
次の日、東京駅で待ち合わせて二人で靖国神社に行きました。私は子供の時に観光バスで靖国神社を訪れたことはありましたが、大人になってから行くのは初めてで、ヴォディチコさんの方が詳しい知識を持っていることを恥ずかしく思いました。
靖国神社が、戦後はただの新興宗教団体になっていること、アメリカの占領軍が最初は廃止しようとしたのを結局は残すことにしたこと、A級戦犯を祀って中国や韓国の激しい反発を呼ぶようになったのは1970年代後半からであることなど、それまで全く知らなかったのです。またいくら右翼や自由民主党の一部が靖国神社を国有化しようとしても絶対にできない理由もこの時に学びました。
靖国神社の隣には付属の博物館があって、そこにはゼロ戦や人間魚雷回天など旧日本軍の兵器が展示されていますが、ヴォディチコさんは「誰があんなにきれいな兵器を保管していて提供できたと思う? アメリカ軍以外ありえないではないか? 日本と韓国・北朝鮮と中国が仲が悪くて一番得をしているのはアメリカなのだ。靖国はそのためにある」と言いましたが、まさしく私の目を開かせてくれる言葉でした。
その後、私たちはメールやSkypeで連絡を取り合って一年後に横浜で国際会議を開催しました。「アートと戦争」という会議で30名以上の研究者、アーティスト、キュレーターたちを招いて三日間の議論を続けました。
実はこの時にせっかくヴォディチコさんを呼ぶのだから会議だけではなくて、作品も出したいということで「War Veteran Vehicle」の日本版をやろうと準備をしていました。
ところがその準備期間中の2011年3月11日に東日本大震災と福島の原発事故が起こったのです。私もヴォディチコさんもこの大災害に大きな衝撃を受けました。そこで、二人で相談してこの災害の被災者の声を作品の中に組み込むことにしました。私はスタッフを連れて6月初旬に気仙沼や塩竈などを訪れて、津波の被害者やその関係者の取材を行い、War Veteran Vehicleの形でデータを編集しました。
その成果は横浜で2回、被災地の仙台で1回のプロジェクションとして公開されました。このプロジェクトの名前は二人で相談して「Survival Projection 2011」としました。
時間も不足していたこともあって、この作品に対する評価はあまり高いものではありませんした。震災のショックがまだ生々しかったのか、公開現場では何人もの観客から「こんなことをして不謹慎だと思いませんか?」と非難されました。Wod
『戀愛譚 出版記念展のお知らせ
3月9日に発売した書籍、『戀愛譚』の発売を記念して、大阪・北浜のギャラリー《アトリエ箱庭》にて、東郷青児デザインの本、洋菓子店の包装紙、マッチ箱などを集めたささやかな展示を行います。箱庭オーナーの幸田和子さんと、一部、編者の野崎が集めた私的コレクションです。来場者のみの特典もございます。詳細は特設ページをご覧ください。http://underson.com/bibliomania/renaitan_event.html
近年の実演では2013年ハイティンク指揮ロンドン交響楽団の9番、同年マゼール指揮ミュンヘンフィルの3番、2015年東京都交響楽団定期ミンコフスキー指揮の0番、今年2016年2月のバレンボイム指揮シュターツカペレ・ベルリンによるブルックナー交響曲全曲チクルス、また、この間7月の東京交響楽団の定期でのジョナサン・ノット指揮による8番はとてもよかった。
最終更新/20160809
夏イベントのお知らせ掲載
『銀河鉄道の夜』発売中です
宮沢賢治さんの名作をマンガ化。初めて読む子どもの方から原作ファンの方まで楽しめる本格コミカライズです。
★速報 9/3「銀河鉄道の夜マンガと歌のコンサート」個展&コンサートイベント銀座にて開催決定!詳細お待ちください!
■8/14 コミックマーケット90【辺境屋/日曜西す-01b】
2〜7月発行の同人誌+新刊(折本かペーパー)の予定です
■8/21 COMITIA113【辺境屋/G01a】
セブン-イレブンのマルチコピー機で同人活動
サイト8/9公開!監修&イラスト担当しました
・お世話になりました!
2015年9月
2015年9月30日 (水)
お世話になりました!
みなさま、お知らせがあります。
2003年9月に「ひとり出版社」として創業してから、ちょうど12年が経ちましたが、双風舎はこの9月末をもって、一段落させていただくことにしました。
これだけ長い期間、ひとりで出版社をやれていたのは、読者の方々や著者のみなさん、書店員の方々、取次JRCのみなさん、デザイナーの方々、そして印刷・製本でお世話になったみなさんのおかげです。
心より、深く、深く、感謝いたします。
双風舎の思い出は、いっぱいありすぎて語りきれません。
長嶋茂雄さんにならい、「双風舎は永遠に不滅です」などと言いたいところですが、多くの方に迷惑をかけてしまいましたから、そうもいってられません。
でも、私個人の人文書への思い入れは、まだまだ尽きることはありません。
今後は、東京・阿佐ヶ谷の皓星社(こうせいしゃ)という出版社でお世話になりながら、いろいろ仕掛けていこうと思っています。今後は、皓星社の本を、何卒よろしくお願いします。
なお、最後の刊行となった中澤系著『uta0001.txt』に関しては、取次のJRCのご協力により、双風舎は収支に関わらないかたちで、需要があるかぎりオンデマンド版として重版することになっております。最後の最後に、歌集としては異例の売れ行きを誇る本が出せて、ほんとうによかったと思っています。
12年間、みなさん、お世話になりました。
人生いろいろ。出版社もいろいろ。
また、どこかでお会いしましょう!
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2014年11月03日
= ヘーゲルの自筆本を一般公開 =
このほど、東京・神田の古書店で、ドイツの哲学者ヘーゲル自身による書き込みのある本が発見され、11月7日・8日の二日間、東京・千代田区神田小川町の東京古書会館で展示される。
展示される本は、ヘーゲル最初の著作「フィヒテとシェリングの哲学体系の差異」(1801年)の初版本で、本の扉に2ページにわたる書き込みがあり、ドイツの研究機関「ヘーゲル文庫」でヘーゲル自身の筆跡と確認された。
展示するのは、この本の所有者であり、書き込みの調査に当たった寄川条路・明治学院大学教授と東京都古書籍商業協同組合(東京都千代田区、理事長山田靖)で、同期間に開かれる洋古書の展示販売イベント「洋書まつり」の会場に展示される。
また、7日(金)18:00から、同会館で寄川教授による講演も行われる。
同書は、来年1月「ヘーゲル文庫」に寄贈されることが決まっており、今回が日本国内で一般向けに展示される数少ない機会となる。
期日:2014年11月7日(金) 10:00から18:00
8日(土) 10:00から17:00
場所:東京古書会館内地下1階 「洋書まつり」会場(入場無料)
東京都千代田区神田小川町3-22 電話03-3293-0161
講演:「日本で発見されたヘーゲルの自筆本をめぐって」 明治学院大学教授 寄川条路
2014年11月7日(金) 18:00から18:30 同会館 7階会議室
参加無料 先着80名
【取材・撮影をご希望の報道関係者の方へ】
本の撮影は展示期間中随時可能ですが、ガラスケース越しとなります。
寄川教授への取材は、講演後の質疑応答のなかでお願いいたします。
【問い合わせ先】
東京都古書籍商業協同組合 広報課 大場(おおば) 03-3293-0161
投稿者: 広報課 日時: 2014年11月03日 18:45 | パーマリンク
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