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5月の新刊:ベッドがあれば 叢書《エル・アトラス》
2025年 5月 15日
ベッドがあれば
叢書《エル・アトラス》
アブデッラー・ターイア(著)
鵜戸聡(訳)
判型:四六判上製
頁数:151頁
定価:2000円+税
ISBN:ISBN978-4-8010-0872-4 C0097
装幀:宗利淳一
5月下旬発売!
▶試し読み◀/▶直接のご注文はこちらへ◀︎
家族の絆、イスラム世界の抑圧と西洋への憧れ
「僕は牢獄にいた、ますます牢獄の中に。西洋には自由があるって? どんな自由が?」
母や兄への官能的な親密さに満ちた幼年時代を通りぬけて、フランス語の知に魅惑されたモロッコの若者は地中海の両岸で「他者」となる。
南でゲイであること、北でアラブであること、そして自分と世界を知る旅。
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新刊紹介 (904)
水口義朗(文芸評論家)
大山誠一郎(作家)
白波瀬佐和子(東京大学教授・社会学)
桧田真理子(ライター・幼児教室講師)
薬より“黄色い桶”が有名になってしまった「ケロリン」が100周年!“まるで読み物”な社史を「夢眠ねむ」が語る
夢眠ねむ(書店店主/元でんぱ組.incメンバー)
『ケロリン百年物語』
笹山 敬輔[監修](文藝春秋)
『国境アトラス 世界の壁・移民・紛争の全記録』デルフィヌ・パパン/ブルーノ・テルトレ著
長田育恵(劇作家・脚本家)
『国境アトラス 世界の壁・移民・紛争の全記録』
(日経ナショナルジオグラフィック社)
『日本神話の考古学』森浩一著
『日本神話の考古学』
(KADOKAWA)
<書評>『世界99(上)(下)』村田沙耶香 著
横尾和博(文芸評論家)
『世界99 上』
(集英社)
『世界99 下』
(集英社)
Last update : May. 13 2025
クラシック音楽CDの雑談 (2025.5.13 update)
12時間前
12時間前
【栃木】警官がさすまたの使い方などをレクチャー 学校に刃物所持の不審者侵入想定し訓練 [シャチ★]
不審者が建物内に侵入し刃物を振り回すといった事件などが相次いでいることを受け、栃木県佐野市の短大でさすまたを使った防犯訓練が行われました。
佐野市の「佐野日本大学短期大学」の校舎で15日午後、刃物を持った不審者が侵入した想定で、警察が教職員に対しさすまたの使い方などをレクチャーしました。
警察によりますと、教職員約50人が参加し、不審者と距離を取りながら対処することなどを伝えました。
5月8日には東京・立川市の小学校に男2人が侵入し、教職員5人に暴行する事件が起きたほか、7日には東京・文京区の東京メトロ東大前駅構内で男が刃物を振り回して男性2人がけがをした事件も起きています。
「今回のことをいつも頭において授業していきたい」(参加者の女性)
警察は不審者が侵入してきた際は身の安全を確保したうえで速やかに110番通報するよう呼びかけています。(ANNニュース)
ABEMA TIMES編集部
https://news.yahoo.co.jp/articles/a5fd309e0e91b16bc708dc4ca08fcf0ba8395904
画像
https://news.yahoo.co.jp/articles/a5fd309e0e91b16bc708dc4ca08fcf0ba8395904/images/000
2025/05/16(金) 00:33:34.01 ID:Graft+kC9
[隠す]
九州大、三毛猫の毛色遺伝子発見 黒と茶判明で、120年の謎解く [首都圏の虎★]
白、黒、茶(オレンジ)の毛がまだらに生える三毛猫の、体毛の色を決める遺伝子を特定したと、九州大の佐々木裕之特別主幹教授ら猫好き研究者チームが15日付で科学誌カレントバイオロジーに発表した。体の模様ができる仕組みは120年以上前から研究され、白い毛に関わる遺伝子は判明していたが、黒と茶色の毛に関与する遺伝子が分かっていなかった。
全文はソースで 最終更新:5/16(金) 0:01
https://news.yahoo.co.jp/articles/f053223b54c181bb59e20937dceafab072c21e41
2025/05/16(金) 00:09:45.08 ID:j6YFMGHH9
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人口減対策で外国人材活用 東北、新潟が積極受け入れ [首都圏の虎★]
東北6県と新潟県の産官学が連携して地域の課題解決を目指す「わきたつ東北戦略会議」(東北経済連合会主催)が15日、山形市で開かれ、参加した知事や企業関係者は、急速に進む人口減少に対し外国人材の積極活用が必要だとの認識で一致した。受け入れ拡大に向け、生活環境を整備し地域の魅力を向上していく方針を申し合わせた。
山形県の吉村美栄子知事や各県の副知事、国立大学長らが出席。外国人材を受け入れる企業に対する県の支援策や、大学の留学生増加に向けた活動を紹介した。
全文はソースで 最終更新:5/15(木) 20:45
https://news.yahoo.co.jp/articles/0262a1bb5572034281f2b91288b89dc44773da14
2025/05/15(木) 23:44:13.13 ID:QFuUNPC99
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バフェット氏、退任理由は年齢…「90歳くらいになってから年を取ったと実感し始めた」 [首都圏の虎★]
【ニューヨーク=小林泰裕】米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は14日、年末に米投資会社バークシャー・ハザウェイの最高経営責任者(CEO)から退く米著名投資家ウォーレン・バフェット氏(94)が、自身の年齢を理由に退任を決断していたと報じた。病気などが理由ではなかったという。
WSJのインタビューで、バフェット氏は「90歳くらいになってから、自分が年を取ったと実感し始めた」と明らかにした。時折体のバランスを崩したり、人の名前を思い出せなかったりすることが増えたという。
全文はソースで 最終更新:5/15(木) 23:11
https://news.yahoo.co.jp/articles/eb065562c82b016f9caf2f69f9e968d6f676ff7a
2025/05/15(木) 23:13:31.03 ID:QFuUNPC99
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林官房長官「消費税の減税、適当ではない」 自民党では消費税減税の勉強会始まる ★2 [首都圏の虎★]
自民党では15日、消費税の減税に関する勉強会が始まりましたが、林官房長官はあらためて「消費税の減税は、適当ではない」との考えを示しました。
林芳正 官房長官
「政府としては食料品に対する税率を含め、その税率を引き下げることは適当ではないというふうに考えております」
林官房長官は会見で、消費税について「急速な高齢化等に伴い社会保障給付費が大きく増加する中において、全世代型社会保障制度を支える重要な財源と位置付けられている」と指摘し、“減税は適当ではない”とあらためて強調しました。
全文はソースで 最終更新:5/15(木) 16:47
https://news.yahoo.co.jp/articles/d6a171b040c467760ec744689371952d12d7b2b1
前スレ
https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1747301786/
2025/05/15(木) 23:06:00.37 ID:QFuUNPC99
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敗戦なら日本語話したかも トランプ氏、冗談交じり [首都圏の虎★]
【リヤド共同】トランプ米大統領は15日、米軍が駐留するカタールのアルウデイド空軍基地で演説し、第2次大戦で米国を中心とする連合国が敗北していれば、連合国の市民が枢軸国だったドイツや日本の言葉を話すことになっていただろうと冗談交じりに語った。
トランプ氏は米国が連合国のフランスよりも勝利に貢献したとの持論を展開し「米国抜きでは勝利できなかった。米国がいなければ全員がドイツ語を、おそらく日本語も少し話していただろう」と話した。
最終更新:5/15(木) 22:58
https://news.yahoo.co.jp/articles/46250e2b56d05800f7373032a02b00d2e580fb80
2025/05/15(木) 23:00:33.41 ID:QFuUNPC99
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2025年05月15日
忙しい木曜日
鼠径ヘルニアの手術から1週間余。今朝、医院に行って傷跡などを診てもらい、晴れて本日から入浴が許されることになりました。
どうやら順調な経過をたどっているようです。当人としては、時々お腹が痛むたび、なにか悪いことが起きているのではないかと不安に駆られたりしましたが、すべて想定内の症状とかで、次は1か月後に来てくださいと告げられ、無事放免となりました。
それで安心して、午後からの宅買いに出かけることもできたという次第です。
ダンボール76箱と聞かされておりました。引っ越し用のSサイズとか。本を入れる箱としては決して小さくありません。お腹に力を入れられるか、いささか心配をしておりました。
まずその箱の話。サイコロのような6面体で、大きさが実に運送屋さん泣かせ。いつものカーゴでは1台に何箱も積めません。最終的には直積みにして、なんとかアルミバンに納まりました。
それぞれの箱には、平均すると、おそらく容積の半分ほどしか本が詰められいなかったでしょう。だから店主でも持ち運びできたわけですが。
さて一番お話したかったのは、新中野駅近くにあるお客様のマンションに伺うまでの顛末。
小店からだと一番効率的なのが新代田駅前から新宿西口行のバスで向かうルート。1時間2本程度しかないバスですが、時間さえ合えば、これが一番安くて速いとGoogleマップが教えてくれました。
約束の時間に充分余裕を持って間に合うように店を出たのでしたが、あろうことか、そのバスが接触事故を起こしてしまったのです。
果たしてどうなったか、それはまた次回のお楽しみ。
konoinfo at 20:02|Permalink│Comments(0)│
2025年05月14日
写本発見
WEBニュースでCNNが「中世のマーリンとアーサー王の写本を発見、本の表紙に転用」という記事を流していました。
古本屋の端くれとして、関心を持って一読したのですが、その「発見」がどの程度の価値のものかは、正直なところ、もうひとつピンときませんでした。
13世紀の写本というと、わが国なら冷泉文庫を思い浮かべますが、話としてはむしろ源氏物語の知られざる古写本の断簡が、別の本の裏紙にされていたというようなことでしょうか。時代的にもかなり似通っています。
しかし店主がこの話に興味を惹かれたのは、この春まで数えきれないほどの回数、お引き取りさせていただいたM先生のご蔵書に、フランス中世文学関連の本が多くあり、地続きともいえるアーサー王伝説についても、しばしばその書名などで遭遇していたからでした。
もちろん日本語のテキスト、研究書でさえ中を読む知能はありません。ましてフランス語(しばしば古フランス語)のテキスト類となれば、たとえページを開いたところで、まるでちんぷんかんぷん。片言隻句から中身を類推する程度。
それでも今回のニュースがいくらかでも理解しやすかったのは、聖杯伝説には驚くほど多くの異本、伝本があるということを、この一年余でおぼろげながら知ることができたおかげです。
ところで「価値」というと、すぐ「値段」と結び付けて考えるのが古本屋の浅ましさですが、近年、中国ものが記録を更新するまで、明古七夕大入札会の最高落札価格は「称名寺史料」いわゆる「金沢文庫紙背文書」でした。
図らずもそんなことを思い出しております。
konoinfo at 18:30|Permalink│Comments(0)│
2025年05月13日
久々の洋書会
5月になって初めての洋書会。4月最終週も祝日で休会でしたから、3週間ぶりの開催ということになります。
そのためもあって今日は大口の出品が2口あり、それぞれ要仕分。例によって会員全体にお手伝いの依頼をかけ、朝から大半のメンバーが集まりました。
というわけで店主も、今朝は開店準備を終えてすぐに出かけております。他人の出品だけでなく、自分自身の出品もありましたから。
ただ、大口2件の仕分け状況によっては、店主の出品は次回廻しにするつもりでした。ところが京都からの、半定期便ともいえる学術系洋書の口が案外早くに片付き、残るペトラルカ研究者のカーゴ5台という口も、総員でかかったため、正午までにはほぼ仕分けを終えられそうな勢い。
そんな様子を目にして、店主も自分の出品に手をつけることにしました。2件届いていたうちの、ダンボール12箱という口だけですが。
ものの30分ほどで10点に仕分をし、封筒も付けて準備完了。最近になく早めに開場の態勢が整っております。
そうした中で姿を見せたのが、昨日から2日がかりで市場の見学に来られている『本なら売るほど』の作者と編集担当者さん。
昨日の中央市会の物量には驚かれたことと思いますが、今日はまた一転、古典籍と洋書という専門書市会。一巡りされて、どんな感想を持たれたことでしょう。作品に反映することがあるのか、楽しみではあります。
ちなみに当会員の中に「ひっつめ髪」の若い店主がおりますが、モデルというわけではないようです。
konoinfo at 18:30|Permalink│Comments(0)│
忙しい木曜日
写本発見
久々の洋書会
高齢者がみんな働き、給料も上がる…じつは、日本経済がこんなに激変していたベストセラー『ほんとうの日本経済』
間違えて入った研究室で「人生が一変」…「化石カタツムリの進化研究」はどのように始まったのか
「もう、どうしようもない…」この国で「就職氷河期世代」が直面する「厳しすぎる現実」
この世界には「移動できる人」と「移動できない人」に大きな格差があるという「深刻な現実」
なぜ私たちは移動するのか? じつは、通勤や買い物が“当たり前”ではないという現実
じつは「老衰死」は悲惨…医師たちが「死ぬなら、がん」と口を揃えて言う「意外なワケ」
突然、看護師が「遺体の肛門」に指を突っ込んで…人が「死んだあと」に起こる「意外なやりとり」
江戸時代の「遊女」が男と「心中」する際に行われていた「ゾッとする作法」日本人が知らない遊廓の世界
【人口激減で地方はどうなるか】これから日本を襲う「人手不足の大きな影響」ベストセラー『ほんとうの日本経済』
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2025年05月15日
読書/ G・A・コーエン(渡辺雅男・佐山圭司訳)『あなたが平等主義者なら、どうしてそんなにお金持ちなのですか』(2006年10月、こぶし書房)
評価 ★★☆
著者は1941年生まれ、カナダ・マギル大学卒、オックスフォード大学修士。1963年からUCLに教員(講師、准教授)として勤務、1985年からオックスフォード大学教授、2009年没、政治理論・政治哲学専攻。本書以外に著書が一冊邦訳されているが、私としてはこの人の本を読んだのは初めてである。
Gerald Allan Cohen: If you're an egalitarian, how come you're so rich? Harvard Universtiy Press, 2000
タイトルが面白そうなので読んでみたのだが、内容から言うと雑多な本である。大学での一年間の講義内容をそのまま書物にしたらしい。第一講から第十講までが含まれる。
全般的な感想をまず言っておくと、この人の議論はきわめて抽象的で細かいところをごたごた長々と論じているので、分かりにくく、面白みがあまりない。哲学的で抽象的で細部にわたる長い議論が好きな人にはいいと思うが、そうでない人には薦められない。
第一講の「確信のパラドックス」がまさにそういう本書の特徴を示していて、面白くなかった。
第二講になると、自分の生い立ちを語っているので、具体性があり、ほどほど面白くなる。ユダヤ人でやがてマルクス主義者になるがしかし……という著者の経歴が分かる箇所だからだ。
著者の母は1912年、ウクライナのハリコフで、非宗教的で裕福なユダヤ人一家に生まれた。やがてロシア革命の時期を迎える。1920年代はそれでも材木商だった父(著者の祖父)が仕事を続けていて暮らせていけたが、1930年代になると材木商という存在自体が認められなくなり、両親(著者の祖父母)はカナダに移住する。もっとも母はウクライナ在住時代からボルシェヴィキの運動に参加しており、カナダに移住してからも続けたという。
カナダ・モントリオールでは、しかし18歳で英語も話せない母は衣料工場の労働者になるしかなかった。やがて著者の父となる青年と知り合う。青年の父親はリトアニアの貧しい仕立屋で、青年は非宗教的なユダヤ人である点では母と共通していた。二人は1936年に結婚し、1941年に長子である著者が生まれた。
母は1958年までカナダ共産党の活動的なメンバーだった。父はユダヤ人民同盟(The United Jewish People's Order)という団体に所属していたが、ここは反宗教・反シオニズム・親ソだった。ただし父は無口だったため、共産党の活動には加わらなかった。
こういう環境で育ったので、著者も必然的に非宗教的で親共産主義的な若者となった。
著者が最初に通った学校は上記のユダヤ人民同盟によって経営されていて、午前中にはふつうの学科が教えられるが、午後になると授業はイディッシュ語で行われ、ユダヤ人の歴史やイディッシュ語とその文学が教えられた。しかもそこにはマルクス主義の味付けがあり、イディッシュ語による「階級闘争史」の授業も行われていた。「過越の祭」は、エジプトからユダヤ人が解放されたことだけでなく、1943年にワルシャワで起こったゲットー蜂起を祝うものでもあった。
ちなみにこの学校に著者が入学したのは1945年の4月、つまり第二次世界大戦が終結する直前のこと。大戦期は、西側資本主義・民主主義とソ連共産主義の蜜月時代だった。1943年の『ライフ』誌が、ソ連の日常生活や芸術をいかに(ソ連のプロパガンダそのままに)讃えていたかを著者は想起している。
小学生時代の著者にとっては、反ナチズムとは民主主義で共産主義でもあった。ユダヤ人は、したがって生まれつきの共産主義者だと考えていたという。「反ナチ=民主主義=共産主義=ユダヤ人」という図式が何の疑いもなく信じられていた。
しかし、それも長続きしなかった。1952年初夏、著者の通っていた学校はケベック州警察の手入れを受け、違法文書の捜索がなされた。学校側があらかじめ用心していたのでその種の文書は発見されなかったが、学校の母体であるユダヤ人民同盟への手入れでは発見され、学校は警察により閉鎖された。ただし、この警察の行動の根拠となる法律はのちにカナダ最高裁で無効とされた、と著者は書いている。
こうして著者は11歳にして上記の学校からふつうの世界に放り出されたのだが、最初は学校でたたき込まれた信念をそのまま保持していた。けれども、1956年にソ連でフルシチョフが行ったスターリン批判の演説が4ヵ月遅れでアメリカでニュースになると、著者の信念も徐々に揺らいでいく。
ケベックの共産党では、スターリン批判により最高指導者6人が離党した。ただし、それはフルシチョフ演説のためだけではなく、フルシチョフ演説が行われた会議にカナダ共産党の代表者も参加していたのに、事実をカナダに報告しなかったからでもあった。
その後行われた共産党員の会議では、強硬派と柔軟派に分裂した。強硬派はスターリン批判には同調したが党の路線を変えることには消極的だった。柔軟派は逆に、これを機に党を刷新して再建しようと主張した。前者は「マルクス主義者」と自称して後者を「修正主義者」と批判し、後者は「革新派」と自称して前者を「守旧派、教条主義者」と批判した。著者の母は熱烈な革新派だった。
やがてケベック共産党では新たな執行部を選出するべく選挙が行われたが、トロントから選挙管理のために来た党員が強硬派寄りで、選挙でもそのような策謀・操作を行ったため、守旧派支配が濃厚になった。著者の母はこの頃から共産党に距離を置くようになる。
著者はこうした中、マギル大学に入るが、共産党に属さないマルクス主義者であり、そこで社会主義クラブSocialist Societyに入会しすぐに会長となる。
50年代の残り、そして60年代にかけて、著者は基本的に親ソであった。ソ連に芳しからざる面があることは知っていたが、それでも社会主義国家が共同社会と平等をめざして闘っていることには十分な意義があると信じていた。
注での記述を含めてみると、1956年のハンガリー動乱では、カナダ共産党は柔軟派ですらソ連に理があると見ていたという。著者自身もそう考えていた。1968年にソ連がチェコの「プラハの春」に軍事介入したときになって、完全にソ連シンパをやめたという。また著者は、1962年のハンガリー旅行と64年のチェコスロヴァキア旅行で当地を自分の目で見て、徐々に親ソから脱却していったそうである。
もっとも、戦後まもなく西側とソ連は冷戦期に入ったので、上記の学校を離れてからは著者は共産主義を支持していると公言することはなかったという。
最初の学校を離れて州立小学校に移り、そして中高等学校に進んでからも、地理的な理由から、級友の9割はユダヤ人であった。著者の住んでいた地域にはプロテスタントはほとんどおらず、ユダヤ人(非宗教的な場合も含む)と、カトリックのフランス系カナダ人かであった。後者はフランス系のカトリック校に通っていたが、著者などのユダヤ系の人間はそこを避けていた。まず、そこはフランス語教育で、著者は英語のほうがいいと考えていたこと、また、フランス人は公然と反ユダヤ主義だから、ということもあった。
もっとも、イギリス系プロテスタントも多くが反ユダヤ的であったが、フランス系ほど公然としておらず、上品で身だしなみもよかったという。英語を使うホテルやクラブの多くは、入口に「お得意様専用」と記されていた。つまり「非白人とユダヤ人はご遠慮ください」という意味である。ヨーロッパの反ユダヤ主義が当時のカナダでもそれなりに見られたという述懐には興味深いものがある。
フランス系カトリック校に話を戻すと、そこはそもそもカトリック以外は受け入れていなかった。プロテスタント校は、カトリック以外は非プロテスタントでも受け入れていた。また、著者の学校は男女共学だったが、クラスは男女別だったという。
著者は中高等学校に進んで、やがて13歳になる。ユダヤ教徒は13歳でバール・ミツヴァーという儀式を受けなければならないが、家が非宗教的だったので、著者は受けていない。しかし学校では受けたと嘘をついていた。15歳の時、著者が共産党シンパであることがバレてしまったが、むしろ好奇心を持たれるようになったという。
つまり、著者はユダヤ人として二つの世界に同時に所属していたのである。一方は著者の家族がそうであるように、反宗教的で反シオニストで共産主義シンパである世界、もう一方は主流世界で、過度にではないが宗教的で、程度の差こそあれシオニストで、断固として反ソ連である世界であった。
その後著者は共産主義からは決別するが、自分がユダヤ人であることは意識し続けた。シオニストでなくともユダヤ人はユダヤ人なのである。米国人がヴェトナム人を殺戮し、ソ連人がチェコ人を抑圧し、インドネシア人が東ティモール人を殺害し、セルビア人がボスニア人を惨殺するとき、著者は怒り、失望し、悲しくなる。しかしイスラエル人が占領地で殺戮を行うとき、著者は自分の手が血で汚れるのを感じ、羞恥のあまり涙を流すのだという。
著者が通った中高等学校では、ユダヤ人生徒が9割だったが、教員はすべてイギリス系のプロテスタント白人だったという。教員にまでユダヤ系を入れるとバランスを欠いたからではないかと著者は推測している。
或る教師は、ユダヤ系の生徒に対して、「お前たちがマギル大学に入学するには、非ユダヤ系の受験生に要求される合格最低点よりはるかに高い点を取らなければならない。それがマギル大学の方針だから」と言われたという。
この箇所を読んだ私は、米国のハーヴァード大学なども放っておくとユダヤ系学生が多くなりすぎるので、それを締め出すためにクラブ活動などペーパー・テスト以外の要素も含めて「総合的に合否を判断する」という方策を編みだしたわけだが、カナダでも同じようなことをやっていたのだなとうなずいた。
ただし、著者によると著者がマギル大学を受けた時点ではこうした差別的な方策は、少なくともこの大学では廃止されていたそうである。もっとも、公正の観点からではなく、ユダヤ人の富豪がマギル大学に莫大な寄付したので、それと引き換えに、ということだったというから、褒められた話ではない。
マギル大学に入ると、それまでと異なり非ユダヤ人が圧倒的に多くなるが、著者が付き合うのはユダヤ系ばかりだったという。やがて英国オックスフォード大学の院に進んで、初めて「非ユダヤ世界」に著者はたどりついたという。
イギリスのユダヤ人はカナダのユダヤ人に比べて社会に同化しており、と同時に宗教的だったという。つまり、反ユダヤ主義の心配のない社会では、ユダヤ人は安んじてユダヤ教徒であることができるから、だそうである。
著者は書いている。最初に通った(ユダヤ系で共産主義支持派による)学校では、ソ連の共産主義について間違ったことを教えられたが、同時にユダヤ人についても間違ったことを教えられた、と。すなわち、宗教はユダヤ人であることに中心的な意味を持たない、それはフランス人でもイタリア人でも宗教的な人とそうでない人がいるのと同じことである、という教えだった。著者によれば、これは誤りである。ユダヤ人はユダヤ教という宗教抜きではあり得ない。たとえユダヤ教徒でないユダヤ人であっても、ユダヤ教という過去とのつながりがあるからこそユダヤ人なのである。ユダヤ人としてのアイデンティティを持つことは必要だし、それは直接ユダヤ教を奉じていなくとも過去とのつながりによって保証されるのだという。
以上、第二講を詳しく紹介したが、著者の生まれと育ちを述べたこの部分が私にとって本書の中で最も興味深く読めた箇所だからである。
第三講は、空想的社会主義から科学的社会主義への発展について、である。
科学的社会主義とは、のちにマルクス主義と呼ばれ
国民民主党榛葉賀津也とテレビ東京の篠原キャップは因縁が深かった。
岩本真理と向田邦子
2週間前
2週間前
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「純文学・文芸評論」関連書のレビュー
543 本
主に「文学・文芸評論」関係書のレビューを紹介しますが、分類は目安に過ぎず、「ミステリ・SF」系の作品も含みます。
1,146 本
967 本
849 本
「音楽・アート・写真」関連のレビュー
293 本
「音楽」「アート」「写真」などのレビューを紹介します。
尾崎一雄 『暢気眼鏡』 : 暢気の美徳
年間読書人
尾崎一雄 『暢気眼鏡』 : 暢気の美徳
映画 『ザッツ・エンタテインメント PART3』 : 「古き良き夢」の歴史の終わり
年間読書人
映画 『ザッツ・エンタテインメント PART3』 : 「古き良き夢」の歴史の終わり
「純文学・文芸評論」関連書のレビュー
543 本
1,146 本
967 本
849 本
「音楽・アート・写真」関連のレビュー
293 本
「学術書・学術啓蒙書」のレビュー
928 本
4
良い祖母と孫の話 ♯1
加藤片
第39回 真実の中世ヨーロッパ・その2
羽生生純
わたしの姉はひきこもり
崇山 祟
10
パイク夫人(アンナ・メイ・ウォン)
小林信彦が言うように、大抵クリスティー作品の滑り出しは日常的な描写で始まり、のっけからガンガン鐘を鳴らすスタイルではない。本作もベテラン女優マリーナ・グレッグの開催するパーティーの席にて口にチャックしておけぬ性格のヘザー・バドコックが謎の死を遂げる第五章まで読者は英国のオバちゃん連中・・・・もとい御婦人達の井戸端会議に度々付き合わされる。ただどんなに長閑なシーンであれ、時の移ろいと共に年齢を重ねたミス・マープルはもちろん、ゴシントン・ホール(シリーズ初期の事件にも出て来た邸宅)を売り払ったバントリー夫人その他、愛着あるキャラクターの流転を忠実なクリスティー・ファンは温かく見守っているのだろう。
2025-05-15
『分類思考の世界:なぜヒトは万物を「種」に分けるのか』残響(92)
評
三中信宏
(2009年9月20日第1刷刊行/2009年10月8日第2刷刊行/2009年12月3日第3刷刊行/2013年7月26日電子本刊行/2015年5月8日第4刷刊行/2018年1月19日第5刷刊行/2021年11月8日第6刷刊行,講談社[現代新書2014],本体価格900円(税込価格990円),328 pp.,ISBN:978-4-06-288014-5 → 目次|コンパニオンサイト|版元ページ|残響録)
YouTube「【積読チャンネル】生物の分類を考えると、哲学に行き着く。」(2025年5月12日)
https://youtube.com/watch?v=JTSSXasW-xQ
拙著『分類思考の世界』(2009)が取り上げられていました。すごい数のコメントが付いている。これはうちの学生たちにも紹介しておこうかな。
leeswijzer 2025-05-15 08:11 読者になる
『分類思考の世界:なぜヒトは万物を「種」に分けるのか』残響(92)
今野雄二の遺著にその才能を惜しむ 昨夜のこと遅い入浴を済ま...
これもまた「最高傑作」 今日も性懲りもなく新文芸...
「幻の朱い実」をどう読むか この三月、百回目の誕生日...
2025-05-15
ブログ「出版・読書メモランダム」終焉のお知らせ
小田光雄亡き後も続けてきたブログ「出版・読書メモランダム」もついに終わりの時を迎えました。
2009年から16年間、「古本夜話」と「出版状況クロニクル」の二つの柱を中心に、没後も番外編、同人誌編、さらには第一冊目の著書『消費される書物 西村寿行と大衆文学の世界』の紹介も付け加えて続けてきましたが、ここに長い旅路を終えます。
「出版メモ」から始まり、「消費社会をめぐって」「ゾラからハードボイルドへ」「謎の作者佐藤吉郎と『黒流』」「ブルーコミックス論」「戦後社会状況論」など様々なジャンルを横断しながら、書き続けてきました。
それらの大半は『近代出版史探索外伝』に収録され、「間奏曲のような趣」の「愛着のある論稿」であると本人も「あとがき」で述べておりました。
このたび70冊目の著書として、論創社ホームページに連載されたコラム「本を読む」を単行本化した『近代出版史探索外伝Ⅱ』が4月末に刊行となりました。
最後までお骨折りいただいた論創社さま、また支えて下さった多くの方々に感謝申し上げます。
小田光雄は静岡県西部の地方都市の二十数軒ほどの農村集落に生まれ、大学での在京期間を除き、七十年近くをそこで暮らしてきました。
小田の著書ではめずらしく「本を読む」のタイトルどおり、少年期の農村の駄菓子屋兼貸本屋、町の商店街の貸本屋や書店、隣市の古本屋、そして中高生時代の学校図書室での読書体験などがふんだんに織りこまれています。
未発表原稿も10編ほど加えておりますので、お手に取っていただければ幸いです。
ronso.co.jp
小田光雄が愛してやまなかった絵画を表紙に配しています。
小田光雄の生きた証としてご覧いただければ幸いです。
月刊『日本古書通信』に連載中の「古本屋散策」は、ご好意により8月号まで掲載が続きます。
また「日本の古本屋メールマガジン5月26日号」の〈自著を語る〉にも『近代出版史探索外伝Ⅱ』の紹介が掲載されますので、こちらも合わせてお読みいただければ幸甚に存じます。
書店員、店長、書店経営を経て、出版社パピルス代表として数々の翻訳書を刊行できましたし、「売れない物書きになりたい」という中学生時代の夢もかなった人生でした。
『古本屋散策』が鹿島茂氏のご選考によって「第29回 Bunkamuraドゥマゴ文学賞」を受賞したことは何よりのご褒美となり、大きな喜びだっただろうと思います。
最後になりましたが、73年の生涯に70冊もの著書を刊行できたのは、たくさんの方々のご支援があってのことと深く感謝いたします。
次回【付録】として小田光雄の全70冊(+共著2冊)の著書一覧とその書影、次々回に年譜とパピルス刊行物一覧を掲載します。
よろしかったらご覧くださいませ。
今日までブログをご愛読いただき、まことにありがとうございました。
心より御礼申し上げます。
小田啓子
2025.05.14
【書評】『地図から消えた「沖縄農場」』
2025.05.01
『日蓮誕生——いま甦る実像と闘争』No.032
2025.05.14
【書評】『地図から消えた「沖縄農場」』
2025.05.01
『日蓮誕生——いま甦る実像と闘争』No.032
2025-05-13
大和友紀弘「佐々木惣一を訪ねる松尾尊兊」『Antitled』4号を読んで
旧Twitterで『Antitled』4号(Antitled友の会、令和7年5月)の情報が流れてきた。研究ノートの櫻井悟史「大阪キャバレー史の手がかりー熊谷奉文の『大阪社交業界戦前史』、『不死鳥の如くーー大阪社交界戦後史』を読む」や史料紹介の河原梓水「初期の『奇譚クラブ』の書誌情報・総目次と若干の考察」が面白そうである。ところが、「最新号 – Antitled友の会」に史料紹介として大和友紀弘「佐々木惣一を訪ねる松尾尊兊」があったので、これを先ず読んでしまった。大和氏が「関西の古書店」から入手した佐々木『普通選挙』(岩波書店、大正9年4月)の紹介である。そこには、佐々木を訪問した松尾宛にサインがあって、大和氏は松尾の回想にある京大卒業(昭和28年)後間もない頃か1960(昭和35)年頃の佐々木訪問時のサインと推測している。
これを裏付ける佐々木及び松尾の書簡や日記がどこかに残っていないであろうか。佐々木宛書簡は数年前出回って、私も「佐々木惣一宛山本有三の参議院全国区立候補の案内葉書 - 神保町系オタオタ日記」で紹介したところである*1。また、何年も前に某「関西の古書店」で未整理の松尾宛書簡群を見せてもらって、佐藤幸治先生の書簡があったことだけ記憶している。佐々木の書簡があったかどうか*2。
さて、松尾の戦時中の日記は「松尾尊兊先生と『スメラ学塾講座』 - 神保町系オタオタ日記」で紹介したように、松尾の生前に翻刻されている*3。更に、実は私は佐々木が亡くなった昭和40年における松尾の日記を所蔵している。しかし、残念ながら佐々木との出会いに関する記述はない。ただ、佐々木が亡くなった8月4日の2日後の同月6日の条に「佐々木先生の葬儀に行くのをやめ」云々とあるようだ。また、1月1日の条には1年中つけた日記は戦時中の1年のみとある。逆に言えば、1年未満の日記が存在することになるので、佐々木を訪問した時の日記が存在する可能性が無くもない。
*1:冒頭の写真は、大正7年1月の満鉄立山臨時工事係の森島武郎からの年賀状である。
*2:冒頭に挙げた松尾宛川合文庫の古書籍即売会(昭和33年4月)の案内は、最近貰った。
*3:この日記の原本は、「日本の古本屋」に出品されたが売り切れている。
#佐々木惣一 #松尾尊兊
jyunku 2025-05-13 16:29 読者になる
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大和友紀弘「佐々木惣一を訪ねる松尾尊兊」『Antitled』4号を読んで
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歴史・社会 「多文化共生」の行きづまりを打破するために――塩原良和『共生の思考法』
2025.05.12
[新刊]
アレックス・ホワイト『超機動音響兵器ヴァンガード』創元SF文庫
『横山光輝生誕90周年記念 MY Forevermore Vol.3』
東川篤哉『スクイッド荘の殺人』光文社文庫
4月30日の昼過ぎ、突然、右手中指が赤く腫れだし、激痛に襲われる。ロキソニンを飲んでも傷みが取れない。
翌5月1日、A病院へ行き、受付で整形外科に回される。そこの先生が、「あ、膿んでいますね。膿みを出しますね」と、麻酔もなく、爪の根元の傷に針を突き刺し、グリグリやる(恐ろしい痛さ)。で、「これで様子を見てください」「最初から抗生物質を飲まない方がいいかな」と言い、結局、何の薬もくれない。
翌日午前、さらに指が痛くなり、B病院へ行き、皮膚科で見てもらう。「まあ、膿みが出たんなら、抗生物質と化膿止めを飲んで様子を見てください」と、痛み止めを含む処方箋をもらう。
しかし、夕方にるなると、肘のあたりまで痛くなって、体全体が何だか不調に。
これは変だぞと思って、A病院の救急外来に飛び込む。宿直の外科の先生が傷を見て、「あ、これは蜂窩織炎だね。抗生物質を点滴で投与する必要があるから、すぐに入院だ」と言うので、その場で緊急入院となる。
結局、ゴールデンウィークを含む一週間、ベッドで抗生物質などの点滴をうたれながら過ごすことに。
その間も、かなりの痛みが続き、座薬の痛み止めの御世話となる。
今は退院となったが、まだ指の治療中。今日も「骨まで菌が冒しているといけないので、MRIを撮りましょう」ということになり、あのゴンゴン鳴る機械に繋がれる。
中指は包帯でグルグル巻きにされているので、キーボードを打つのも大変。
入院中は、本を7冊、青空文庫を2冊(夏目漱石の『坊ちゃん』と『三四郎』を50年以上ぶりに読む)読了。
中でも面白かったのが、創元SF文庫の新刊『超機動音響兵器ヴァンガード』。派手派手しく、荒唐無稽で、日本の巨大ロボット・アニメへのリスペクトもある。
『横山光輝生誕90周年記念 MY Forevermore Vol.3』を、飯城勇三氏より頂戴する(大感謝)。フルカラーの同人大型冊子。横山先生の魅力が溢れている。
◎バナナもそのチップスもフィリピン産である。
最近、バナナチップスをよく食べるようになっている。バナナを
スライスしてココナツオイルで揚げた硬い薄片で、だから食べ
ると言うより囓(かじ)ると言った方が正確だろう。もともと
バナナは食べやすくて好きだし、栄養豊富な果物として知られ
ている。いま調べてみると、たんぱく質、炭水化物、カリウム、
マグネシウム、ビタミンB6、ブドウ糖、果糖などが含まれており、
疲労回復、便秘解消、生活習慣病予防に効果があるそうだ。
同じく含まれているトリプトファンは体内でセロトニンの材料に
なるそうで、セロトニンはストレス解消と精神安定に有効だと
いうから、イライラしがちの当方にはありがたい。
そしてバナナチップスはそれらをそのまま含んでおり、油で揚
げるとき水分が飛ぶので、栄養分はむしろ凝縮されているの
だそうだ。しかしバナナもそのチップスも、食べ過ぎてしまうの
は良くないらしい。具体的には、適度に食べれば便秘解消効
果があるが、食べ過ぎると植物繊維過多によって、逆に便秘
することもあるという。その他、結石ができる、高カリウム血症
になる、含まれている油分とまぶされた砂糖で肥満するなどと
いう注意事項もあり、当方 「いったいどれほど食べたらそうな
るんや」と思っていた。
昔、着色したグリーンピースは食べ過ぎると身体に悪いという
説が出て、その食べ過ぎの量とは毎日どんぶり鉢に一杯とか
だったから、「どこの世界に、毎日それだけ食べる人間がいる
のか」と、嘲笑の批判が出たことがあった。バナナもチップスも
それと同様ではないかと思うし、当方が食べる量など知れて
いるのだ。そう言えば、これまで炒り大豆に凝ったこともあり、
そのときには月に一回、天神橋商店街の豆屋へまとめ買いに
出かけていた。バターピーナッツに凝った時期もあったし、
とにかく「ぽりぽり。ぼりぼり」の食感が好きなのだ。
◎ラジ関はJOCRだから業界内ではCRとも呼ぶ。
高齢化ゆえに、早朝以前の夜中3時過ぎに目覚めてしまい、
一度起きてネットで新聞各紙サイトのニュースをチェックする
ことが多い。1時間ほどそれをやって、そのあとラジオを聞き
ながら二度寝するのだが、これまでは朝日放送が経費節減で
音楽だけ流している番組を聞いていた。しかし最近はニッポン
放送(略称、LF)がやっている生番組「上柳(うえやなぎ)
昌彦、あさぼらけ」を聞くようになった。神戸のラジオ関西
(略称、ラジ関)がネット受けしているからで、神奈川県では
西から雨が降り出してますとか、首都高速何号どこそこ線で
事故発生ですとか、あちらの地名や道路名に、「なるほど。
首都圏のラジオだな」と得心する。
さすがに東京のキー局だけあって、この番組は北海道から
沖縄まで全国34局にネットしているそうだ。だからリスナーの
メールに、仙台や名古屋からのものが混ざるのも興味深い。
ただし、関西でネット受けしているのはKBS京都とラジ関だけ
であり、それについては当方、「どうしてるのかな?」と思う件
がある。LF発の番組中、CMやローカルニュースの時間には、
ラジ関に切り替わって地元スポンサーのそれや、同局のアナ
ウンサーの声が流れてくる。しかし生放送だから、たとえば5
分というコーナーがあるとして、上柳氏の一人しゃべりが常に
ピタッとその枠内に収まるわけではなく、2秒や3秒くらいは
「こぼれ」たりすることもあるだろう。とすると、もし切り替え
を自動でやっているなら、一人しゃべりの末尾は切れてしまう
はずだが、そんなことはまったくない。ということは、ラジ関
側でも担当者が早朝出勤して、手動で切り替えているのか。
それとも上柳氏は局アナ出身のベテランだそうだから、どの
コーナーでもこぼれることなく、あらかじめネット受け各局に
通知されているであろう進行プログラム通りに、ぴたりと枠内
で収めているのだろうか。そのあたりに見当がつかず、よって
「どうしてるのかな?」なのだ。なお、この番組はゲストとの
収録会話が流れたりもするが、氏が一人でやっている番組で、
予想外に簡素というか、「へええ。東京の番組でも、こういう
スケルトン的な構成があるのか」と意外に感じた。天下のLFも、
やはり経費節減を迫られているのかなと思ったりもするのだ。
まあ、その前の「オールナイト・ニッポン」は二人でやってるが。
以上、若き日の広告マン時代には放送局にも出入りしていた
ので、略称や業界用語も思い出しながら書いてみた。
2025年05月14日
暑いのだろうけど
個人的にはこのくらいの方が助かる。
『市川崑✕金田一映画の思い出』 長田千鶴子 松本健男(編) MM文庫 読了
長年市川崑監督の下で編集作業を手掛けてきた長田千鶴子さんに、金田一映画作成時の思い出をうかがうという内容で、とても面白かった。貴重なナマの声である。〇〇だったはずとか、✕✕だったんじゃないかなといった推測ではなくて。
映画のポストプロダクションというのは初耳だったし、その中の一つの編集という作業についても、全く予備知識は持っていなかったが、表面的とはいえ、それらについて知ることもできたし、よかった。
翹望
2,200円
売切。再入荷はありません。
『新青年』趣味 第25号
お一人様1冊まで
2,750円
お一人様1冊まで
Re-ClaM eX Vol.6
550円
注文数:
1冊
サイン本セット『断捨離血風録 3年で蔵書2万5千冊を減らす方法』『古本屋ツアー・イン・日下三蔵邸』
5月下旬刊行予定
ご予約された方には入荷次第発送いたします
4,400円
予約停止中。販売開始までお待ちください。
古書 古書展 明治作家
「こぼれ松葉」っていうのは、饗庭篁村「むら竹」と同じようなもので、著作権のために取り急ぎ雑誌発表の自作を単行本にしたものか。ダヌンチオは、以前にこれの初版で背欠のものを100円で買っている。世界文豪名作選集の第7巻。これも奥付に特製定価しか記載されてないので、背革の特製なのだろう。本来は函がついているようだ。中身もダヌンチオの「死の勝利」やらあれこれ出ているが、抄録というよりも、いわば梗概だけの本。テスト氏は野田書房参考資料として。で、「マネキン」だが前にマネキンについて調べた時に、INAXから出ているこの冊子については文献として把握していた。どうもINAX名古屋ギャラリーでの展覧会でのパンフのようである。さまざまなマネキン論が収録されている。
プラトン 『ティマイオス』 土屋睦廣 訳 (講談社学術文庫)
「神はこのように推論して、滑らかで均等で、中心からあらゆる方向に等距離で、完全な物体から成る、まったき完全な身体を作りました。神は、その中心に魂を置いて、全体にわたって引き延ばし、さらに外側から身体を魂ですっかり覆い、ぐるぐる旋回する、丸くて、ただ一つだけの宇宙を据え置きました。それは、優秀さゆえに、自分で自分と付き合うことができ、他にいかなるものも必要とせず、自分が自分の知り合いであり友人であるのに十分だったのです。これらすべてのことゆえに、神は宇宙を幸福な神として生み出しました。」
(プラトン 『ティマイオス』 より)
プラトン
『ティマイオス』
土屋睦廣 訳
講談社学術文庫 2799
講談社
2024年12月10日 第1刷発行
2025年1月24日 第2刷発行
294p
文庫判 並装 カバー
定価:本体1,250円(税別)
装幀:蟹江征治
カバーデザイン:森裕昌
カバー図版:ルーベンスの原画に基づくルカス・フォルステルマン(父)による肖像画(1630‐38頃)
「本書は、講談社学術文庫のための新訳です。」
本書「凡例」より:
「翻訳の底本としては、John Burnet, *Platonis Opeara IV*, Oxford: Clarendon Press, 1902 を用い、これと異なる原文の読みを採用した個所は訳註に記した。」
「章分けは、一八世紀のフィッシャーの校本に由来する慣用に従った。」
「訳文中の( )は直前の語句の説明、言い換え、言語のカタカナ表記を、〔 〕は原文にない語句を訳者が補って訳した個所を示す。」
「訳註」に図8点。
カバー裏文:
「プラトンの主著といえば『国家』だと思われているが、史上最大の影響力をもったのは本作にほかならない。宇宙は理性的な製作者(デーミウールゴス)によって、理性の対象(イデア)を手本として、理性的な魂をもつ生き物として構成されたことが説かれる。これまで文庫版では読むことができなかった最重要対話篇を、最良の訳者を得て、待望の新訳!」
目次:
ティマイオス
訳註
訳者解説
文献表
訳者あとがき
◆本書より◆
「構成者は、宇宙に、それにふさわしい本来の形を与えました。ところが、自分自身のうちにすべての生き物を包括することになる生き物にふさわしい形とは、自分自身のうちにありとあらゆる形を包み込んでいる形でしょう。それゆえに、彼は宇宙を、中心から端まであらゆる方向に等しく隔たっている球形に丸く拵(こしら)えました。これこそが、あらゆる形の中で最も完全で、自分自身に最も似た形であり、似ているもののほうが似ていないものよりはるかに美しいと彼は考えたのです。
彼はそれの外側全体を、満遍なく滑らかになるように、入念に仕上げたのですが、それには多くの理由がありました。すなわち、宇宙は眼をまったく必要としませんでした。外部に目に見えるものは何も残されていなかったからです。聴覚も必要としませんでした。聞こえるものがなかったからです。吸い込むことを要求する周囲の空気も存在しなければ、自分の中に食べ物を取り入れたり、養分を吸収したあとの食べ物を逆に排出したりするための器官も必要としませんでした。というのも、何も出ていくこともなく、どこかから自分の中へ入ってくることもなかったからです。そんなものは存在しないのですから。つまり、宇宙は自分で消費したものを自分に食べ物として提供し、すべて自分自身の中で自分自身によって作用を受けたり及ぼしたりするように工夫されていたからです。なぜなら、構築者は、宇宙が自足したものであるほうが、他のものを必要とするものであるよりも、より善いだろうと考えたからです。
また、手にしても、捕まえたり誰かを撃退したりする必要がないのだから、無駄に宇宙にくっつけるべきではないし、足や、一般に歩くためのものも同様だと彼は考えました。というのも、彼は宇宙に、その身体にふさわしい運動を、すなわち七つの運動の中でも、とりわけ知性や思慮に関わる運動を割り当てたからです。それゆえに、彼は宇宙を、同じ場所で、同じ仕方で、それ自身の中で回転させることで、ぐるぐると旋回するようにしました。他の六つの運動はすべて取り除いて、それらによってさまよわないように仕上げました。このような回転運動には足はまったく必要ないので、彼は宇宙を脚や足のないものにしたのでした。」
「以上はすべて、常に存在する神が、いつか存在することになる神(宇宙)について巡らせた推論で、神はこのように推論して、滑らかで均等で、中心からあらゆる方向に等距離で、完全な物体から成る、まったき完全な身体を作りました。神は、その中心に魂を置いて、全体にわたって引き延ばし、さらに外側から身体を魂ですっかり覆い、ぐるぐる旋回する、丸くて、ただ一つだけの宇宙を据え置きました。それは、優秀さゆえに、自分で自分と付き合うことができ、他にいかなるものも必要とせず、自分が自分の知り合いであり友人であるのに十分だったのです。これらすべてのことゆえに、神は宇宙を幸福な神として生み出しました。」
「神は以下の仕事を若い神々に委ねました。すなわち、死すべき身体を作ること、人間の魂にさらに付け加わって生じなければならない残りのものと、それらに付随するすべてのものを作り上げた上で支配すること、そして死すべき生き物を、彼自身が自分の悪の原因となる場合は除いて、できるかぎり立派に善く操ることを。」
「さて、神々は二つある神的な回転運動を、万有の形が丸いのに倣って、球体の身体に結びつけました。これこそが今私たちが頭と名づけているもので、最も神的であり、私たちのうちにあるすべてのものの主人なのです。神々は、頭に奉仕するものとして、身体全体をも一つにまとめて、これに手渡しました。頭がこれから生じることになるすべての運動に与(あずか)ることを考慮したからです。そこで、高低あらゆる起伏に富んだ大地の上を頭が転がっていって、高いところを乗り越えたり、低いところから這い出したりするのに困らないように、頭に移動手段となる乗り物として身体を与えました。それゆえ、身体は高さがあり、伸ばしたり曲げたりできる四肢を生やしているのですが、これも移動のための神の工夫です。これらの四肢によって、身体はものをつかんだり、自分を支えたりしながら、あらゆる場所を進むことができるようになりました。最も神的で最も神聖なものの住まいを私たちの上に戴いて運びながら。」
「ところで、病気というものがどこから生じるのかということは、おそらく誰にとっても明らかでしょう。というのも、身体を合成しているものには土、火、水、空気の四種類があるので、これらが自然に反して過剰になったり、不足したり、本来の場所からよそに移動したり、また火もその他のものも一つより多くの種類があるので、身体の各部が自分に適していないものを取り込んだりすると、このようなことすべては内乱や病気をもたらします。なぜなら、各々のものが自然本性に反して生じたり、移動したりすると、以前は冷やされていたものが熱せられたり、乾いていたものがのちに湿ったり、また軽いものと重いものも〔同様に反対のものとなって〕、あらゆるものがあらゆる仕方で変化を受けるからです。というのも、同じものが、同じものに、同一を保ちながら、同じ仕方で、同じ割合で付け加わったり減じたりするときにだけ、ものは自分自身にとって同じものであり、無事に健康を保つことができる、というのが私たちの主張だからです。それに対して、出ていったり入ってきたりするとき、これらから外れて何か調子を乱すものは、あらゆる種類の変化や数限りない病気と破滅をもたらすでしょう。」
「訳者解説」より:
「現代のプラトン研究者に、プラトンの主著は何かと尋ねたら、おそらくたいていの人は『国家』と答えるだろう。確かに、『国家』にはプラトン哲学のエッセンスが詰め込まれており、質量ともに主著と呼ばれるのにふさわしい。それにもかかわらず、プラトニズムの長い歴史から見れば、プラトンの対話篇の中で最も大きな影響力をもった著作は『ティマイオス』であった。神による宇宙の製作とさまざまな自然学的理論が論じられる本書は、プラトンの対話篇の中ではむしろ特殊なものと言えるが、古くからプラトンの信奉者たちによって重視されてきた。とりわけ、前一世紀から後三世紀にかけてのいわゆる中期プラトン主義と、それに続く新プラトン主義の時代には、この書はプラトンの著作の中でも特権的な地位を占めてきた。古代後期から中世を通じてのプラトニズムの歴史は、『ティマイオス』の解釈史だったと言っても過言ではない。この伝統が近代にまで及んでいることは、例えばラファエロの有名な壁画《アテネの学堂》の中で、プラトンが手にしている書物が『ティマイオス』であることに象徴的に現れている。」
「『ティマイオス』全篇の構成と内容を簡単にまとめてみれば、以下のようになる。」
「導入部(一七A—二七B)
ソクラテスの昨日の話(理想国家)の要約と所感(一七B—二〇C)、クリティアスのアトランティス物語(二〇D—二五D)、これからの予告(二五E—二七B)
ティマイオスの宇宙論と人間論(二七C—九二C)
序論(宇宙論の諸前提)(二七C—二九D)
一 宇宙の構成(二九D—四一D)
宇宙生成の原因(二九D—三一B)、宇宙の身体(三一B—三四A)、宇宙の魂(三四A—三七C)、時間と天体(三七C—四〇D)、伝統的神々の誕生、神の神々への指示(四〇D—四一D)
二 人間の構成(四一D—九〇D)
人間の魂(四一D—四四D)、頭、手足、眼(四四D—四六C)、補助原因(四六C—四七E)
〈物体論の挿入〉(四七E—六九A)
理性と必然(四七E—四八E)、場(四八E—五二D)、宇宙生成以前の物体(五二D—五三C)、四物体の構成(五三C—五六C)、四物体の相互転換(五六C—五七D)、動と静(五七D—五八C)、四物体の諸種(五八C—六一C)、感覚的性質(熱、冷、硬、軟、軽重と上下、滑、粗、快苦、味、匂い、音、色)(六一C—六九A)
人間の構成(続き)
魂の死すべき種類、心臓、肺、胃、肝臓、脾臓(六九A—七二D)、腸、髄、骨、肉、腱、皮膚、毛、爪(七二D—七六E)、食物としての植物(七六E—七七C)、体液の流れと呼吸作用(七七C—七九E)、回り押し理論(七九E—八〇C)、成長と老衰(八〇D—八一E)、身体の病気(八一E—八六A)、魂の病気(八六B—八七B)、心身の世話(八七C—九〇D)
その他の生物の発生(女、鳥、獣、魚介類)(九〇E—九二C)
結びの言葉(九二C)」
2025-05-11(19:02) :
ギリシア・ローマ :
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プラトン 『ティマイオス』 土屋睦廣 訳 (講談社学術文庫) (05/11)
ギリシア・ローマ (56)
2025年05月13日
5月15日午後11時08分*時間変更! NHKラジオ深夜便(NHKラジオ第一)「ワールドレポート アルゼンチン・ブエノスアイレス~相川知子」
来たる5月15日(5月15日深夜)午後11時08分過ぎから NHKラジオ深夜便(NHKラジオ第一)「ワールドレポート アルゼンチン・ブエノスアイレス~相川知子」
http://www4.nhk.or.jp/shinyabin/ にて
ブエノスアイレスからの声をお届けします
https://www.nhk.or.jp/shinyabin/program/b3.html
アルゼンチンのことをお伝えしますのでよろしくお願いします。
「ラジオ深夜便」は、365日休まず、およそ6時間、生放送でお送りしています。
今回から時間が一時間前倒しになっていますのでお気を付けください!
放送的には5月15日の深夜の回のNHKラジオ深夜便は午後11時05分から始まり、5月15日午前5時に終わります。
放送 ラジオ第1 毎週月曜~日曜 午後11時05分
NHK FM 毎週月曜~日曜 午前2時05分
私の出演時間は 時差は12時間のため 日本の午後11時08分過ぎは、
こちらは 5月15日午前11時08分すぎです。
ブエノスアイレスの今を10分ぐらいお話しします。
日常生活をお話ししながらアルゼンチンの習慣、社会、人々についてお話しします。気候の変化、ブエノスアイレスの町の出来事や生活や政治関係の変化などについてお話します。
地球の反対側の冬に向かうブエノスアイレスから声を届けてます。
出演者一覧に出していただいております。
https://www.nhk.or.jp/shinyabin/worldrepo.html
地球の反対側、アルゼンチンにて 違った楽しい視点をきちんとお届けできるよう、
努力しますのでよろしくお願いします。またよかったらこんな話聞きたいのリクエストもお願いします。感想もよかったら教えてください。
なお、最近はインターネット らじる らじるでも聞くことができるようになりました。ここをクリックで聞けます。
http://www.nhk.or.jp/radio/player/?ch=r1&area=tokyo
2か月毎に御鉢が周ってきます 次は7月です。
聴いてくださいね。もしくはお友達、ご家族にお知らせくださってアルゼンチンのことを知ってくださると幸いです。
または聞き逃しも一週間ぐらいあります。聞いてくださるとうれしいです。
よろしくお願いします。
TOMOKO
TOMOKO 相川知子
ファニプロラテンアメリカ代表
FunnyPro LatinAmerica
https://tomokoargentina.wixsite.com/funnyprolatinamerica
tomokoargentina3@gmail.com
主観的アルゼンチンブエノスアイレス事情
(アルゼンチンのことを日本語で発信して27年目)
http://blog.livedoor.jp/tomokoar/
地球の歩き方特派員ブログのアドレスが変わりました。記事事に検索になります。
アルゼンチン現地最新情報やTOMOKOなコメントはツイッターで
https://twitter.com/tomokoargentina
アルゼンチンの綺麗なことはインスタグラムで発信
https://www.instagram.com/tomokoaikawaargentina/
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5月15日午後11時08分*時間変更! NHKラジオ深夜便(NHKラジオ第一)「ワールドレポート アルゼンチン・ブエノスアイレス~相川知子」
2025-05-12
型を命題にクラッシュさせる: ダイアモンド・オペレーターの由来
雑記/備忘
「おー、$`\Delta`$ と $`\nabla`$ を組み合わせたら $`\diamondsuit`$ になるな、むふふふふ」と、ダジャレな記法を思いついて悦にいっている今日このごろ。何の話かというと; カリー/ハワード/ランベック対応によれば、型と命題は事実上同じものなので…
型を命題にクラッシュさせる: ダイアモンド・オペレーターの由来
2025年5月15日発行
コラム, 評論
「カルタゴ:消えた商人の帝国(第2回)」服部伸六
by TakatukiMaki • 2025年5月11日
【カルタゴ第2回】 Ⅱ 海洋帝国の誕生 1、フェニキア人 ●「赤い」人び…
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ショートショート, 小説
「鳳仙花こわれた」海野久美
by TakatukiMaki • 2025年5月11日
私はごく幼い頃から、この世には触れてはいけない物があるのを理解していた。 大…
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2025-05-11
『新青年』趣味25号が発行されました。NEW!
『新青年』趣味
★ 『新青年』趣味25号の通販が始まりました。以下の場所で扱っています。
どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
・書肆盛林堂
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『新青年』趣味25号 表紙 西山彰「高木彬光『白昼の死角』より」
特集「高木彬光没後30年 一九二五年の『新青年』」
Contents(A5判・330ページ)
父・高木彬光の生原稿 高木晶子
ノサカラボ インタビュー 演出家・野坂実/プロデューサー・あきやまくみこ
インタビュアー・小松史生子
高木彬光作品の演劇性――神津恭介シリーズの舞台化から―― 小松史生子
高木彬光・作品「刺青殺人事件」および「妖婦の宿」および「能面殺人事件」に於ける、江戸川乱歩や横溝正史・作品および坂口安吾・作品「不連続殺人事件」の相互影響 村上裕徳
大学教授へのキャリアとしての探偵
――高木彬光の死神博士シリーズにみる神津恭介のひそかな野望―― 柿原和宏
渡辺啓助追跡(11)――高木彬光筆写『まるめろ』のこと―― 浜田雄介
◇
森下雨村の大正十四(一九二五)年 湯浅篤志
「屋根裏の散歩者」と乱歩鳥羽時代 森永香代
エッセイ 一〇〇年前の「加速主義」――『新青年』は加担したか―― 佐野広実
ルキュー「アンベール夫人の秘密財宝」について 平山雄一
毎晩八時半頃 L・J・ビーストン 平山雄一(訳)
◇
骨格としての「山本飼山」――木々高太郎「笛吹」について―― 樽本真応
『新青年』翻訳リスト 補遺 沢田安史
書誌:香山滋著書目録 生前篇(その一) 中島敬治
桜田十九郎と中東――侠客・ロマンス・エトランジェ―― 杉本裕樹
作家たちの足跡(2) 黒田明
小松史生子論考「戦後探偵小説と新宗教――高木彬光・横溝正史・松本清張――」を読む 村上裕徳
◇
くぉ ゔぁでぃす 批評・紹介・感想
鈴木貞美『鈴木貞美の文芸論3 ナラトロジーへの2 江戸川乱歩、三島由紀夫、中村真一郎、古今東西の演劇/映画と小説をまたぐエロスの物語』
永井敦子「探偵小説におけるラジオ表象―『新青年』ラジオ特集号と海野十三作品に見る―」
『探偵小説の鬼 横溝正史 謎の骨格にロマンの衣を着せて』
小峰隆広「〈教育〉される探偵小説の読者―江戸川乱歩「連続短篇」と『新青年』―」
『大衆文化』第三一号
荒井真理亜・副田賢二・富永真樹・中村健編『戦前期週刊誌の文学と視覚表象』
杉江松恋『日本の犯罪小説』
川崎賢子『キネマと文人 『カリガリ博士』で読む日本近代文学』
ベント 勇亮ヘンリー「戦争孤児の保護に挑む―大下宇陀児「柳下家の真理」論」
『文藝と批評』第一三号第八号「九十九年目の二十一日会特集」
飯城勇三『名探偵ガイド』
「夢野久作 零の風景 展」
横道通信 会員の近況・例会記録・情報掲示板
編集後記
※『新青年』趣味25号(通巻26号)の印刷・製本は、緑陽社様が行っております。
#『新青年』趣味 #『新青年』研究会 #高木彬光 #ノサカラボ #『新青年』
sinseinen 2025-05-11 00:00 読者になる
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「翻訳の中の日本ミステリ文学:グローバル社会のメディア状況を踏まえて」「2000年代以降のイタリアにおける日本ミステリの受容をめぐって」
『新青年』趣味25号が発行されました。NEW!
「翻訳の中の日本ミステリ文学:グローバル社会のメディア状況を踏まえて」「2000年代以降のイタリアにおける日本ミステリの受容をめぐって」
『新青年』趣味 (43)
2025年05月13日
『ローカル路線バス乗り継ぎの旅W』
2025年5月10日に放送された『ローカル路線バス乗り継ぎの旅W 第5弾』(テレビ東京系)が話題になっている。以下の記事を参照:
雑記ブログ、ときどきAmazon kicks-blog.com
雛形あきこ“不機嫌表情”の真相とは?アスリート旅で …
雛形あきこはなぜ“話題”になった? 番組出演はどんな内容だったのか?
2025-05-11
雛形あきこ“不機嫌表情”の真相とは?アスリート旅で見せた限界
【略】
番組出演はどんな内容だったのか?
5月10日に放送された『ローカル路線バス乗り継ぎの旅W 第5弾』(テレビ東京系)は、和歌山県・那智の滝から愛知県・犬山城を目指す“3泊4日”のガチンコ旅企画。今回の出演者は、スピードスケート五輪金メダリストの髙木菜那さん、スポーツクライミング界の女王・野口啓代さん、そして芸能歴33年のベテラン女優・雛形あきこさんの3名だった。
放送序盤では、旅のリーダーを決めたり、互いのあだ名をつけ合うなど、和やかな雰囲気が漂っていた。雛形も笑顔を見せ、積極的に会話に参加していた姿が印象的だった。だが、視聴者の目には「何かが変わった」と映った瞬間が、やがて訪れる。
いつから“違和感”が話題になったのか?
番組が2日目に突入するあたりから、雛形の様子に異変が生じる。カメラは彼女の“無言”の瞬間を切り取り、虚ろな目で遠くを見つめるカットが増えていった。X(旧Twitter)では「雛形あきこ、どうした?」「明らかに疲れてる」といった投稿が続々と拡散され、一部では“やる気がない”との批判も出た。
だが、それに反論するように「体力差が明らかすぎる」「あの2人相手に同じように旅させるのは酷」といった“同情派”の意見が急増した。雛形の“表情の変化”は、彼女の個人的事情というより、番組構成や演出上の問題を示唆する“警告灯”だったのかもしれない。【以下略】
この番組は私も視ていた。とくに後半、三重県から愛知県に入り、名古屋市、小牧市、犬山市へと辿る路線は、知っている場所も多く、興味をもって視た。
ローカル路線バス乗り継ぎの旅の一行は、三重県から愛知県に入るときに、三重県桑名郡木曽岬町から愛知県弥富市に向かう。このあたりはあまりよく知られていない場所だが、私は、そこに住んで暮らしたことはないので、詳しくは知らないが、私の先祖がいたところである。大橋家の墓もそこにある。また墓参りには、愛知県弥富市の近鉄弥冨駅から、三重県の桑名郡木曽岬町へと向かう。
だから今回の『ローカル路線バス乗り継ぎの旅W』が、弥富市あたりにやってきたときには、知っている場所がないか、とても注意して視ていた。
一行は、三重県から愛知県へと行くときに、揖斐長良大橋と木曽川大橋のふたつの橋を徒歩で渡っている。ふたつの橋をあわせるとおよそ2キロくらいの距離である。もちろん歩けない距離ではないが、一行の健脚ぶりには驚いた。雛形あきこ氏には疲労の色がみえる。
そして木曽川を渡り切ったところで、コミュニティーバスに乗って近鉄弥富駅に。実は4月の終わりに法要のため木曽岬町の寺に赴いたこともあって近鉄弥富駅の姿は記憶に新しい。『ローカル路線バス乗り継ぎの旅W』の一行はここからさらにすぐ北にあるJR弥富駅に赴き、そこで情報収集すると、さらに北の津島駅のほうが路線バスの便が多いと聞いて、一行は津島駅まで歩くことにする。
揖斐川・長良川・木曽川の三川の橋を徒歩で歩いて渡ることは、ふつうにできないことはない。しかし、私の感覚だと弥富駅から津島駅まで歩くのは尋常なことではない。8キロくらいの距離ということなので、これも頑張れば歩けない距離ではないが、ふつうは歩こうとは思わない距離である。私には、弥富駅から津島駅まで歩くという選択肢はない。ところが一行は歩くことにして、実際に歩く。雛形あきこ氏はべつに文句をいうわけではないが、疲労の色がさらに濃くなるようにみえる。
結局、津島駅まで歩いた一行は、そこから名鉄バスセンター(名古屋駅にある)へと向かう路線バスをみつけるが、ただ犬山城へは名古屋市からだと小刻みに路線バスを乗り継ぐことになりたいへんだから岐阜方面からアプローチするという作戦にこだわり、岐阜羽島方面に行こうと試みる。私は岐阜羽島方面については何も知らないらが、ただ、そのあたりは泊まるところもなく、不便なので、名古屋駅に行ったほうが絶対によいと、テレビを視ながらヤキモキしていた。
結局、名鉄バスセンターに向かうことになって、私も安心した。また名鉄バスセンターは、夜なのでしまっていたが、私が4月末に法要に出席するために泊まった名古屋駅周辺の宿泊場所にも近く、2週間もたっていないのに、なつかしい感じがした。
翌日(最後の日)、一行は犬山城をめざすのだが、はたして無事に到着したかどうかは、ご覧になっていない方は、見逃し配信で視ていただくとして、私にとってこの番組は、雛形あきこ氏の不機嫌な顔以上に衝撃的だったことがある。
一行は木曽川大橋を渡って、コミュニティー・バスに乗るのだが、そのバスの車体に、大きく、ひらがなで「きそさき」と印字してある。「きそさき」? え、そうなのかと私はちょっとパニックになった。番組終了後、Wikipediaで調べてみた。
木曽岬町(きそさきちょう)は、三重県の北東端、木曽三川の河口部に位置する町。東は愛知県と接し、西は木曽川を挟んで桑名市長島町と接する。また、南は伊勢湾の最北部に面している。トマトが名産。
また木曽岬町のホームページをみても、英語名が「Kisosaki town」とあって、私がテレビで視たマイクロバスの車体に描かれていた「きそさき」の文字は、みまちがいではなかった。
なぜ、そんなに驚きあわてているのかというと、私は、木曽岬をずっと「きそざき」と読んでいたのである。いつからか? 物心ついたときから、子供のころから。なぜなら親が「きそざき」と言っていたから、そう読むのだろうと思っていた。ただ、「木曽崎」ではなく「木曽岬」になっていること、特殊な読み方なのだろうと思っていた。
70歳過ぎてようやく、私は、先祖の墓がある場所の地名の正しい読み方がわかった。死ぬまでにそれがわかってよかったと、私は妹にメールで伝えた。妹も「きそざき」と言っていたから。妹も驚いていたのだが、親がまちがって覚えていたのか、今となっては親が死んでいるのでわからない。ひょっとしたら昔は「きそざき」と言っていたか、もしくは両方の読み方があったのかもしれないが、そこはわからない。とにかく、死ぬ前にわかってよかった。テレビ東京の番組にはどんなに感謝しても感謝しきれない。
とメールしたら、なにをおおげさに騒いでいるのかと妹からメールの返信が来た。冷たい女じゃい。
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『文化と帝国主義 改訳新版』1
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自由が丘の不二屋書店
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2025年05月12日
『教皇選挙』
エドワード・ベルガー監督 2025年
「コンクラーヴェ」Conclaveは、「根比べ」だと日本で言われ始めたのはいつ頃のことだったのだろうか。前回の「コンクラーヴェ」の時は、あまり意識しなかったので、前回と今回の間くらいなのか、それとももっと前からあったのか、わからない。ちなみに映画『教皇選挙』では、英語で「コンクレイヴ」と発音されることが多かったように思う。
ジェンダー関係の映画会をしたいから、なにかいい映画はないかと言われ、それだったら『教皇選挙』でしょうと伝えたが、ジェンダー関係というのはクィアな映画という意味でもあって、『教皇選挙』を観る映画会では、この映画のどこがジェンダー/クィアなのだとメンバーがいぶかりまくり、とうとう、大橋はついにボケたかとみんな思ったらしい――あるいはカトリックにおけるジェンダー差別というテーマを大橋は指摘しようとしたのかと好意的にとらえてた意見があったようだが、最後には、誰もがジェンダー映画であること、大橋はまだボケていない(ほとんどボケているのに)というところに落ち着いたようだ。
カトリックの女性差別については2008年の映画『ダウト―あるカトリック学校で』での一場面を思い出す。カトリック教会と、それに隣接しているカトリックの小学校があり、小学校はシスターが教員となり、となりの教会からも神父が非常勤で教えにくる。あるとき校長室で会議を行うが、メリル・ストリープ扮する校長は大きな校長専用の机を前にした校長用の椅子に座っている。他の教員/シスターたちは校長室のなかにある椅子とかソファに座っている。そこへ神父のシーモア・ホフマンが、遅れてごめんといいながら入ってくる。すると校長/メリル・ストリープはさっと立ち上がって席(校長用机に付属する上席である)を神父にゆずる。
それは年老いた神父に敬意を表して席を譲るのでもなければ(神父は校長よりも若いように思う)、あるいは授業で疲れている神父の労をねぎらって、よい席を譲るというのでもない。たとえ校長であっても、女性である以上、男性の聖職者に上席をゆずるのは当然の義務であるらしく、席を譲られた神父は礼も言わず、当然の権利として校長の椅子にすわり、ふんぞりかえり煙草を吸うのである。
これは映画におけるカトリックの女性差別を強調する一コマであって、ほかにも、たとえばシスターたちの質素な夕食と、神父たちの陽気なおしゃべりとともに食される豪勢なディナーとの対比があり、男女差は歴然としている。そしてこの格差と差別が映画の物語・事件へと連動してゆく。
『教皇選挙』でも、修道女たちは下働きで、不可視の存在とされていることは、シスター・アグネス/イザベラ・ロッセリーニが語っているとおりである。だがそれもいずれかわってゆくかもしれないという暗示が映画の最後の場面――トマス・ローレンス枢機卿/レイフ・ファインズが見習い修道女たちの姿をサンタ・マルタ館の窓から見下ろす場面――から暗示されているように思う。
あと、これは少し内容とずれるかもしれないが(まあずれたほうがネタバレにならなくていいのかもしれないが)、『教皇選挙』での出来事は、なにか日本風の成り行きにみえることが多かった。いや、日本風ではなく、普遍的なものかもしれず、普遍教会だからこそ、日本的でもあるということかもしれないが。
たとえば激論というか喧嘩になる場合――私が所属していたある大学の教授会で二人の教授が激しい応酬をし始めた。その場にいた教授会メンバーは、誰もが、困ったものだと思いつつも、どう収拾すべきかわからなかった(なお対立はイデオロギー的なものではなかった)。するとある一人の教授が立ち上がって、喧嘩状態にある二人の教授を諫め、冷静に話し合うことを懇々と諭したので、その場は、それでおさまった。映画とは異なるのだが、喧嘩を仲裁したことになったこの教授は、その後、文学部長に選ばれた。
喧嘩を仲裁するものではない。仲裁した者は、その後、責任ある立場、要職に就かされることになる。いや、喧嘩の仲裁ではなく、なんであれ、意見を言うと、その後、役職につかされるがゆえに、逆に、誰も意見を言いたがらないという、なんとも日本的な風潮があるのは確かだろう。
もちろん積極的に意見を述べる者たちは、責任ある立場に就くことになり、それはそれで適材適所ではないかと思われがちだが、しかし、野心丸出しとまでいかなくても、野心家にみえる人間、ぎらぎらした人間は、要職に就けない、もしくは嫌われるという原則がある。
「~になりたい」と口にするような
2025/5/11 COMITIA152参加者向け
カタログ(ティアズマガジン152)発売中です
詳しくはカタログ販売情報をご覧ください。
近況ノート3
近況ノート
もっと見る
『自炊探偵・雨恋真雪の冒険』第六話の図版
2025年5月12日 12:55
『自炊探偵・雨恋真雪の冒険』第三話の図版
2025年5月12日 12:50
【2025/05/04 14:25】 | 同人誌 | TRACKBACK(0) | COMMENT(6) |
暗黒の人生 プランセス・サッフォー『チュチュ 世紀末風俗奇譚』
プランセス・サッフォー『チュチュ 世紀末風俗奇譚』(野呂康、安井亜希子訳 水声社)は、退廃的な文学作品。
19世紀末フランス、放蕩を繰り返し財産を蕩尽していたモーリ・ド・ノワロフは、母親のすすめで資産家の娘エルミヌと結婚することになりますが、結婚後も彼の放蕩は止まりません…。
19世紀末フランスを舞台にした、ある種のデカダン文学というかピカレスクというかそういう小説なのですが、登場人物がことごとく不道徳・不謹慎で、猟奇的な行為もためらわないという悪趣味な暗黒小説です。しかもそれが徹頭徹尾、明るい雰囲気で描かれているというのもユニークです。
主人公のモーリがとにかく欲望のままに動く男で、結婚しても風俗三昧なのです。かといって妻のエルミヌはちゃんとした人かというと、こちらも浮気をしていたり、そもそも犯罪歴があることが分かるなど、こちらも相当な人物。
主人公含めた登場人物が好き勝手をしたあげく人生を破綻させていくという、内容だけ見るとしょうもないお話なのですが、その描写のえげつなさ、グロテスクさが突き抜けていて、そういう意味で魅力的な作品となっています。
殺人こそしないものの、浮気・不倫はもちろん、ゲテモノ食いあり、猟奇的な行為ありと、そのグロテスクのオンパレードにはびっくりさせられます。さらにSF的な奇想部分もあって、特にマッドサイエンティスト的なメセ-マルー博士が、男性に乳を出させたり、人間が成る木を作り出したりといった部分はSF的ですね。
異端文学とか暗黒文学といった作品かと思うのですが、全体にからっとしたブラックユーモアたっぷりに語られる物語で、重苦しさがなく読みやすくなっていますね。
いい加減さの極致みたいなモーリが大臣になってしまい、しかもろくなことをせずに退任する…といった政治風刺(とも違うようですが…)みたいな展開もあります。
あまり人に勧められるような作品ではないのですが、妙な魅力があります。
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テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学
【2025/05/10 09:32】 | フランスの作家 | TRACKBACK(0) | COMMENT(0) |
ウィトゲンシュタインと哲学すること
ルートヴィッヒ・ウィトゲンシュタイン(鬼界彰夫 訳)『哲学宗教日記―1930-1932/1936-1937―』講談社学術文庫,2024年
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日記を読んでみると,イメージしていたよりもウィトゲンシュタインは哲学の本を読んだり,地域の人と交流したりしている。
スピノザやキルケゴールを読んでいるし,たびたびクラウスの影響を気にしている。
音楽についてもこだわりというか,趣味があったことがわかる。
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本書はウィトゲンシュタインの1930~1932年の日記(第一部),1936~1937年の日記(第二部),編者による大部のコメンタール,長めの訳者解説などからなる。
ウィトゲンシュタインの日記は具体的な背景や人物の説明などがぜんぜんないので,そういう情報についてはコメンタールを頼ることになる。
原書はもともと研究者向けを想定したものであり,コメンタールも細かい誤記や他の判読の可能性について述べたものも多い。
そのようなものを翻訳するとともに一般向けにまとめなおして(さまざまな異稿を残した文献学版はカットされている)出版したのは訳者がこの内容を重要であると認めたからだろう。
しかし,訳者の読みはちょっとおおげさに受け取りすぎなところもあるのかなあとも思う。
日記の第一部は主にマルガリート・レスピンガーとの恋愛関係に関する葛藤に割かれている。
ただ,この恋愛はどうも哲学やウィトゲンシュタイン自身の人生における葛藤からの逃避としての性格を持っているようにも見える。
というのも私は彼女を愛している,あるいは愛したいと願っているからだ。(p. 29)
ウィトゲンシュタイン『哲学宗教日記』
日記はマルガリートへの愛についての思考からはじまるが,ここでウィトゲンシュタインは彼女の愛への確信を抱いてはいない。
生真面目だからこれは本当の愛なのかそうでないのかという葛藤に捉われていたとも受け取れなくはないが,上の引用のすぐ二文後には以下のように続く。
いつ私から奪われるかもしれない一つの才能に,自分の職業がいかに完全に依存しているか考えると,私はいつも恐ろしくなる。(p. 29)
ウィトゲンシュタイン『哲学宗教日記』
この才能とは,もちろん哲学の才能のことである。
この日記の書かれた1930年は,ウィトゲンシュタインの哲学復帰の序盤に当たる。
『論理哲学論考』を書き終え哲学について決着をつけたと考えたウィトゲンシュタインは,第一次大戦からの復員後,田舎の小学校教師になった。
独自に生徒の作文のための参考資料を編纂・出版するなど(『小学生のための正書法辞典』),熱心に教育に打ち込んでいたようである。
ところが,ウィトゲンシュタインの厳しい教育態度は周囲にあまり理解されず,生徒に体罰を加えたことがもとで精神鑑定が要請される騒ぎになり,最終的に自ら退職にすることになる(1926年)。
失意のウィトゲンシュタインは修道院に入ろうとするが断られ,修道院の庭師をしたり,姉の家の設計を行ったりした。
このようなときに(おそらくは社会復帰の一環として)姉から紹介されたのがマルガリートである。
ウィトゲンシュタインがいかに強靭な,常人離れした精神力を持っていたとしても,このような経緯で職を失い,精神の正常性まで疑われたのではすぐに社会復帰するのは難しかっただろう。
自分は何もできない,何の価値もない人間だと思い詰めたのではないか。
しかし,そんなときにも彼を高く評価してくれる人々がいたのである。
『論考』の出版は難航したため,それが世に知られるまでには時間がかかった。
モーリッツ・シュリックが『論考』に感激してウィトゲンシュタインに手紙を送ったのは,彼が小学校教師を勤めていた1924年であった。
実際にシュリックがウィトゲンシュタインに面会できたのは小学校退職後の1927年であった。
この後,シュリックを中心とするウィーン学団と交流するようになるのだが,必ずしもメンバーとそりが合ったわけではなく,次第に学団とのやり取りは乏しくなっていく。
ただし,シュリックに関しては交流が続く。
シュリックの人物を気に入ったためだとされているが,さもありなん。
ウィトゲンシュタインがもう哲学には関心がないと言い出したりするのにもめげず,彼が話しやすいようにウィーン学団のメンバーに根回ししたりといった気遣いようなのである。
そのうえ,シュリックは『論考』に心酔していた。
退職にまつわる事件で打ちのめされていたウィトゲンシュタインにとっては,このうえない慰撫と自尊心の回復の機会となったのではないか。
そのような中で,1929年にケンブリッジ大学に戻り,博士号が授与され,1930年から講義を担当するようになったというところで件の日記は書かれている。
こうした背景を踏まえると,ウィトゲンシュタインが哲学に復帰したのは内在的な理由からというよりも,そのように外堀が埋まっていったからという見方もできそうである。
まず職を失い,社会的にも打ちのめされた状態にある。
そのような中で,かつての仕事の成果(『論考』)を認めてくれ,それをきっかけに集まってくれる人々がいた。
大学からは博士号が認められ,講義を受け持てるという。
こうした状況ならば,やりたかろうとやりたくなかろうと哲学をするしかないのではないか。
しかし,困ったことに彼はウィトゲンシュタインなのである。
ウィトゲンシュタインに言わせれば,世の中で哲学として論じられているような事柄のほとんどは駄弁に過ぎない。
彼が真に哲学と認められるような内容は『論考』で扱ったようなテーマだけである。
そして,彼はそれに「決定的」な解決を与えたのである。
それならば,この後どうやって哲学をしたらいいのか。
新たな議論を行わずに以前の成果をただくり返したり,見かけだけ何か進展があったように見せかけるか。
あるいは,もうひと通り仕事は終えてしまったのだから,かつて駄弁としたような事柄や哲学以外の話題に口を出したりして見るか(ラッセルのように)。
生真面目なウィトゲンシュタインにはいずれも選べない。
それならば残る選択肢はひとつしかない。
『論考』が誤りであったとして,彼が真に哲学であると思うテーマに改めて打ち込むのである。
だから,後期においてウィトゲンシュタインが『論考』を否定するのは必然なのである。
こうした流れが内的に起こったのであればそれほどの無理はないのだが,外的に要請されたのだとしたらそれはかなりの難業ではないだろうか。
ケンブリッジに戻るまでの間に,ウィーン学団や他の学者たちとの交流の中で『論考』の無理のある点なども次第に明らかになってきていた。
当初はシュリックの頼みに押されてか,ヴァイスマンとともに『論考』の解説を執筆するプランがあった(『言語哲学の原理』にまとめられている)。
しかし,その作業は次第に『論考』の解説から改訂に変わり,改訂が否定となり,最終的には放棄された(無理もないが,長らくつき合わされたヴァイスマンはのちにウィトゲンシュタインを非難している)。
つまり,『論考』の拡張・発展の方向性も一応は検討されたのだが,それは無理であるということが時間をかけて確認された後なのである。
そこで,ようやく冒頭の日記の出だしに戻るのだが,ウィトゲンシュタインは困っているのではないだろうか。
他にできることもないのだし,大学で講義をすることにもなったのだから哲学をするしかない。
でも『論考』を引っ張るのは無理,何をやったらいいかわからない。
そんな状況での「才能」,「職業」に関する言及,そして恐怖である。
このような混乱の中でのことと考えると,マルガリートへの思いもそうした困難な状況から目をそらすための逃避なのではないかと思えてしまうのである。
たぶん,問題は『論考』の具体的な哲学的議論がどうこうといったところにはない。
少なくとも,この日記の中には『論考』への具体的な言及はほとんどない。
具体的な言及があるのは,以下の一か所だけである。
私の本『論理哲学論考』には素晴らしい真正の箇所と並んで,まがい物の箇所,つまり,言ってみれば私が自分特有のスタイルで空所を埋めた箇所も含まれている。この本のどれだけがそうした箇所なのか私にはわからないし,今それを公正に見積もるのも困難である。(p. 43)
ウィトゲンシュタイン『哲学宗教日記』
その代わり,仕事(哲学)ができるか,できたかどうかに関する記述は無数にある。
哲学について考えようとすると,どうしてなのか分からないが,今,私の思考は固まってしまう。――これが私の哲学的経歴の終わりなのか?(p. 172)
ウィトゲンシュタイン『哲学宗教日記』
その一方で,自分の才能についての自信をうかがわせる記述もある。
私は大部分の人間よりもむき出しの魂を持っている。私の天才とはいわば,そこにあるのだ。(p. 105)
ウィトゲンシュタイン『哲学宗教日記』
尊大な自尊心と自己卑下の間を乱高下していたのではないか。
日記の第二部では,恋愛に関する葛藤は影を潜め,より抽象的で対象の定まらない葛藤が中心になる。
新約聖書やキリスト教に関する言及がたくさんあるので,宗教的なものであることは確かである。
ようやく『哲学宗教日記』になってきた。
しかし,『論考』への直接的な言及はないし,特定の哲学的問題に対して頭を悩ませているといったものでもない(それは原稿に書かれているからかもしれないが)。
仕事ができたか,コンディションがどうかといったことと,神や宗教に対する激しい思いが延々と述べられる。
なんとなく,第一部でのマルガリートへの想いと葛藤が神と信仰の問題にスライドしたような印象がある。
マルガリートはすでに他の男性と結婚してしまったので,それをだしに葛藤することができなくなったからではないか。
ただし,今度は哲学から逃げるために神について考えているというふうでもない。
理由は明確でないが,精神的に追い詰められた状況で今度は哲学に逃避しているようでもある。
これに似た状況は第一次大戦中にもあった。
『ウィトゲンシュタイン『秘密の日記』―第一次世界大戦と『論理哲学論考』―』には,戦火の中で敵軍におびえながら仕事(哲学)ができるよう神に祈ることばが書き連ねられている。
どうもウィトゲンシュタインは追い詰められた状況で哲学をするのが好きなようである。
好きと言ったら申し訳ないかもしれないが,語の正しい意味においてそういう性癖であるのではないかと疑われる。
第二部の執筆前に,ウィトゲンシュタインは自分の“罪”について親族や友人に告白してまわり,それからノルウェーの寒村にこもって『哲学探究』の原稿を書いている。
この振る舞いは,自分を追い込んで行き場をなくして仕事(哲学)をするしかない状況を作り出しているようにも思える。
そんなわけで,訳者が述べるほどには,ウィトゲンシュタインは『論考』そのものを“原罪”というほど深刻に捉えていなかったのではないかと感じている。
少なくとも,この日記には『論考』の内容について悩んだり,その存在を疎んだりする記述はまったくない。
真正の箇所云々の評言も,わりとクールな,距離をとったことばであるように見える。
芸術家が過去の自身の作品を悪く言ったかと思ったら,あの作品にも見るべきところはあるとか,誰もやったことのない試みだったとか言い出すようなノリを感じる。
それよりも,活動としての哲学,ある達成,パフォーマンスを自分が成し遂げられたかということに対する強いこだわりがあるように思う。
この意味で,ウィトゲンシュタインの哲学と生は不可分であるという論点には共感をおぼえる。
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2025.05.10 Sat l 哲学 l コメント (0) トラックバック (0) l top
ウィトゲンシュタインと哲学すること (0
11
米国の東海岸時間10日13時からケンタッキー州の大学に留学してる長女の卒業式。日本時間の朝3時から2時間。YouTubeライブ配信で式の最初から最後まで、かみさんと観てた。卒業証書授与はステージ上が映され一人ひとり確認できるので、証書を受け取るシーンを二人で見届けてTV前で拍手。独りで留学すると言って渡米し、新しい専攻で学位取って卒業、学校のESLオフィスでバイトもして、寮生活。正直就職は心配だけど、今日のところは卒業おめでとうとお祝いの気持ち。
10
「Slow
death in the Metronome Factory」つうコンピ盤があって(1997年リリースらしい)、ポストパンク的なインディーバンドが色々収録されてて個人的にかなり好きなんですけど、中でも一番好きな曲がPerfume
Tree "Too Late, Too Early"。以前探したときは見当たらなかったんだけど、同曲が収録されてるアルバム「Feeler」は日本盤もリリースされてたらしく、今回中古盤でCD入手。透明感のある女性ボーカルに微ノイズギター、ダビーなリズム隊にちょいレトロなシンセ...ってことで、実に嗜好の的に刺さった音。強烈な個性はないけど、これが自分にはちょうどイイ。件の"Too
Late..."は、アルバム盤はテクノ風のミックスが施されてて、コンピ盤収録バージョンの方がよかったのだけど...
書籍案内
2025.05.12
春陽堂書店のビジネス書
春陽堂書店がおおくりするビジネス書のご紹介です! 『まったく新しい「地方で起業し
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2025-05-11
文学フリマ東京40の御礼&通販のお知らせ
文学フリマ東京40の出店が無事終了しました。
お越しいただいた皆様、ありがとうございました。
今回は以下の記事で紹介した通り、三つの新刊をご用意しました。
https://anatataki.hatenablog.com/entry/2025/05/08/100301
残部をBOOTHにも登録しました。
『新・叙述トリック試論(サンプルバージョン)』
https://booth.pm/ja/items/6913680
『自炊探偵・雨恋真雪の冒険』
https://booth.pm/ja/items/6913721
*
今回、体力的な限界による推敲不足や、内容の自信のなさなどもあり、あまり宣伝をしなかったのですが、やはり事前に内容をしっかり準備して、自信をもってプレゼンしないと広がらないのだなあ、と思いました。
私は自分の文章を読み返して直視するのが物凄く苦痛なタイプで、煩雑な説明になると粗雑になってしまいがちだとよくいわれるのですが、それはプレゼンや宣伝にもつながることなんですよね。
自信があろうとなかろうと、相手にきちっと伝える、という意志。そのことを痛感した今回でした。近くリベンジしたいと思います
kkkbest 2025-05-11 20:29 読者になる
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文学フリマ東京40の御礼&通販のお知らせ
2025-05-10
山折哲雄『霊と肉』
最近読んだ本
山折哲雄『霊と肉』(東京大学出版会 1979年)
再び宗教の古層に触れるような霊魂観に関する本を読んでみました。1970年代の執筆で、ヨガ、神智学、薔薇十字などへの言及もあり、時代を感じさせるところがありました。著者自身もまだ比較的若く、後半はエッセイ風で読みやすくなりましたが、前半は硬く、文章に力が入り過ぎている印象がありました。
底流に感じられるのは、著者の既成宗教に対する不信の念で、仏教教団を葬式年回法要教団と呼んだり、教会や組織、祭司や教義に埋没する宗教を政治的な宗教とみなし、それに対抗して登場してきているオカルト的儀礼、サイケデリック体験、シャーマニズム、密教、キリスト教の秘教、ヨガ、スーフィズム、神智学、カバラ主義、薔薇十字など新宗教的な要素をもつ様々な運動に対してある種の好意を寄せているように思われるところです。
たくさんのテーマがあって、簡単にはまとめきれませんが、いくつか気になった点だけ書き留めておきます。
①悪霊と守護霊の均衡関係について:悪鬼悪霊を想定することは、天変地異の因果をもっともよく説明する方法であったが、世界を理想的な姿に再構成しようとするときに、悪鬼悪霊を守護霊として蘇生させた。われわれは守護霊の背後に危険なものを感じとるが、この悪霊と守護霊が互換関係となっている二元世界は、人間の意識と無意識、正気と狂気、異常と正常の互換関係と適合的に対応している。
②仮面による変身、あるいは聖像が民衆の欲望に応じて意味を変えること:古代人は犠牲獣の首や毛皮をかぶって呪的力を身に付けていたが、それが次第に仮面で代用されるようになった。ゴルゴンの神話も呪術的な仮面に起源がある。また聖なる釈迦像やマリア像が、民衆の欲望や祈願を吸収することによって別種の存在に変わることがある。
③インドの霊魂観に二つの方向があること:古代インドでは死者の霊魂は水供養によって神への道を辿るという信仰が一般的だったが、後に業・輪廻という思弁的な哲学が登場し、死後の霊魂は究極の悟りを達成しないかぎり、無限の転変をくり返すということになった。この二つの考え方は、歴史的には、インド人一般と、バラモンの考え方に起因していると考えられる。
④死の直前のエクスタシーもしくは霊的体験について:中世期には、補陀落渡海や焼身往生など、数多くの自己葬送の事例があるが、それらにおいて、断食が往生するための心身的なウォーミングアップの役割を果たしていた。また往生伝などの断食修行者の記述によると、一定の断食期間を経たのち、必ず霊的な体験を得ている。これには毒を飲んで夢幻の段階から永遠の闇に滑り込んでいく時や、媚薬や幻覚剤を飲む時とどこか似通った美的感覚のエクスタシーがあるに違いない。
⑤浄土思想は仏教よりもキリスト教の超越信仰に近いこと:浄土は、「心が浄まれば人間も世間も浄まる」とする仏陀の教説から生まれた概念だが、中国に受容されるや、道教の長生不死の考え方と結びつき、仙境もしくはユートピアとして構想されるようになった。心清浄と請願遂行によって報われる浄土における阿弥陀仏は、正覚の性格を帯び汎神論的もしくは内在論的な傾向をもつのに対し、ユートピアとしての浄土に住まう阿弥陀仏は、救世主としての性格を帯び、一神教的な傾向をもつことになった。
⑥天に対する想像力と地に対する想像力の違い:上方にひろがる宇宙は開かれた空間であり、われわれはそこに自由奔放な想像力を働かせることができるが、大地の下方に広がっている世界は、空間ではなく暗闇一色の物質世界である。その世界に対しては、天空に対してとはまったく異なった想像力を働かせなくてはならない。その手がかりとしては、山中の洞穴や淵、また底知れぬ海原がある。
⑦無常や空の概念について:現実が無常であり空であるという認識は、現実をトータルに否定することでもなければ、現象世界が非存在であることを証明しようとすることでもない。現象世界を「空」とする意味は、実は現象世界が縁起の関係性として成立していることを示す方法なのであり、世界の背面にひそむ宇宙の本質を暗示するシンボルなのである。
「レオナルドの聖母子画像のどれをとってもよいのであるが、かれの手になる幼児キリストの顔が、いずれも奇怪な相貌を呈していることに、わたしはいつもつまづく」(p85)という記述がありました。私もそう思っていたので、同じように見ている人が居たことで安心しました。著者はそこには「死の表情」が感じられると言いますが、私にはそうとは思えず、その奇怪な風貌の理由は分からないままです。
ikoma-san-jin 2025-05-10 15:26 読者になる
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山折哲雄『霊と肉』
最近読んだ本 (709)
高望み
「年収800万以上、身長175cm以上、甘えられる包容力も…」婚活女性(30代後半)が陥ったアプリの落とし穴《マッチングアプリで増長する「自我理想」》
30代後半の女性の話です。これまでアプリで5人の男性とお付き合いしてきたものの、「未だ納得できる相手には出会えていない」と言います。
「付き合っているときも、ついアプリを開いて、『この人の方がいいかも!』と探してしまう自分がいます」と話す彼女は、ハデでも地味でもない、いわゆる常識的ないで立ちの団体職員でした。
その彼女の理想はといえば、「年収は800万以上、身長は175cm以上、甘えたいタイプなので優しくて包容力のある男性」と言います。
「そういう人、全男性の何パーセントだと思いますか?」と思わず聞いてしまいました。
団体職員でそれなりの学力もありそうなのに、こういう事を言ってしまうんだな。
婚活をしている男性は子供が欲しい場合が多く、女性の年齢を気にする
年収は800万以上、身長は175cm以上で包容力のある男性が日本にどれぐらいいるか
いたとして、この女性を選ぶか、そもそもそんな男性が真剣な目的でマッチングアプリを利用するのか
など、色々な疑問がわいてくる。
これまで学ぶ過程がなかったのは本人の責任ではないのかもしれないが、こうした無邪気な意見が30代後半の女性から出てしまう背景は、やはりきちんと考えないといけないわ。結局、結婚に必要な情報を与えない、ともすれば抑制すらしているのに、義務教育が終わると知らんぷりな社会の環境が婚姻率低下の理由の1つなんじゃないかって気がしてくるな。
14 本
サミュエル・ピープスの日記(12)
北烏山編集室
1時間前
サミュエル・ピープスの日記(12)
1時間前
1か月前
1か月前
3か月前
3か月前
4か月前
4か月前
14 本
1105
佐藤春夫『更生記』(春陽文庫)
本格的に再始動した春陽文庫だが、やはり注目は〈探偵小説篇〉。本日の読了本はその中から佐藤春夫の『更生記』である。
こんな話。ある夜のこと、医学生の大場青年は自殺しようとしている妙齢の女性を保護し、姉と喰らしている自宅へ連れ帰った。しかし彼女は事情を一切話さず、再び自殺の意思を見せるため、大場は大学の猪俣助教授に相談する。診察を終えた猪俣は、彼女を心因性ヒステリーであると判断、精神分析を用いてその病因を突き止めようとする……。
▲佐藤春夫『更生記』(春陽文庫)【amazon】
戦前の文学作家で探偵小説に縁のある作家は少なくないが、中でも佐藤春夫は谷崎潤一郎と並んで双璧をなすイメージだ。といっても多くは探偵小説趣味を含んだ程度のものであるが、それでも中には純粋な探偵小説以上にエッセンスが光る作品もある。
本作などもさしずめその一例だろう。本格的な探偵小説を期待すると肩透かしをくうが、猪俣助教授の患者に対するアプローチは精神分析を応用したものであり、探偵が推論を重ねながら真相に近づいてゆく手法と非常に近いものを感じさせる。本書に書かれている精神分析が実際のそれをどの程度実践しているかはわからないが、少なくとも作品内においては興味深く読めるし、猪俣助教授の試行錯誤は探偵小説同様、魅力的である。
本書でもう一つ注目すべきポイントは、やはり人物描写の巧さである。精神分析によるアプローチもこの描写の巧さがあればこそ。ヒステリー患者の女性はもちろんだが、探偵役の猪俣、かつて患者に関わっていた作家、果てはちょい役の興信所の探偵に至るまで、その個性、キャラクターの個性は際立っている。
匙加減もいい按配で、患者の女性に関しては繰り返し繰り返し、一進一退を執拗に描くが、ちょい役の興信所の探偵などはさらっと流す程度。ただし、そういう人物から見た猪俣助教授の人物評もあったりして、ピリッとした味付けを忘れてはいない。
多面的な人物描写といえばいいのだろう。佐藤春夫の描写の巧さは『田園の憂鬱』で思い知らされたのだが、本書の人物や心理の描写も、それに勝るとも劣らない。実に味わい深いところである。
そして、実はそれらを超越したところにある本書のラストがまた新鮮でいい。そんな都合のいい話があるかという人もいるだろうが、ちょっとこの着地は予想できなかったし、後味もいいのだ。
なお、本作内でキーになる作家・濱地英三郎は島田清次郎をモデルにしている。島田清次郎は大正時代に彗星の如く現れたベストセラー作家だが、本作でも描かれている事件を起こすなど人格に問題があり、瞬く間に凋落し、最期には夭折している。本作の主人公たち以上に興味深い作家で、そのうち機会があれば読んでみたいところである。
ちなみに管理人と同県人なのは知っていたが、なんと一時期は地元の市役所で勤務していた経験もあるようで驚いてしまった。
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Date: Sun 11 05 2025 Theme: 推理小説・ミステリー Genre: 本・雑誌
Category: 国内作家 佐藤春夫 Tags: -
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本作はいわゆるSFミステリと言われるジャンルミックスの作品だが、ベースとしてはオーソドックスなハードボイルドのスタイルを取っている。タフな私立探偵が捜査を続けるうち、より大きな陰謀に巻き込まれてゆくというやつだ。本作はそんな定番プロットをなぞりつつも、良質なハードボイルドに必要な条件をしっかりクリアしていることに感心する。たとえばハードボイルドらしい簡潔な文章、気の利いたセリフ回し、味わい深いキャラクターなど。実に達者な作家なのである。
佐藤春夫『更生記』(春陽文庫) (05/11)
★国内作家 佐藤春夫 (5)
★海外作家 フォーサイス, フレデリック (1)
2025年 05月 11日
注目新刊:シモンドン『技術的対象の存在様態について』みすず書房、ほか
『技術的対象の存在様態について』ジルベール・シモンドン(著)、宇佐美達朗/橘真一(訳)、みすず書房、2025年5月、本体6,800円、四六判上製440頁、ISBN978-4-622-09762-4
『心が共有しているもの――アネット・バイアー著述集』アネット・バイアー(著)、 竹山重光/品川哲彦/平出喜代恵(訳)、叢書・ウニベルシタス:法政大学出版局、2025年5月、本体4,100円、四六判上製340頁、ISBN978-4-588-01182-5
『世界思想 52号 2025春』世界思想社編集部(編)、世界思想社、2025年4月、A5判並製95頁
★『技術的対象の存在様態について』は、フランスの哲学者ジルベール・シモンドン(Gilbert Simondon, 1924–1989)の国家博士号請求論文の副論文である『Du mode d'existence des objets techniques』(Aubier, 1958; Nouvelle édition revue et corrigée〔改訂新版〕, 2012)の全訳。帯文に曰く「技術的対象の徹底的な考察がわれわれの知的体系を再編し、技術哲学に新たな地平を拓く――。人間と機械の関係を根本から問いなおす始動の書、待望の邦訳」。目次詳細は書名のリンク先でご確認いただけます。
★「力への欲望によって機械は覇権を得るための手段として神聖化され、現代の秘薬となる。同胞を支配せんとする人間がアンドロイドという機械をうみだすのだ。この人間はそのときアンドロイドをまえにしてその地位を退き、みずからの人間性をこの機械に譲りわたす。つまり思考する機械を構築しようとし、意志する機械、生きている機械が構築可能だと夢想するのだが、それは、そうした機械の背後で、不安を覚えることなく、あらゆる危険から解放され、あらゆる無力感を免れ、みずからが発明したものによって間接的に勝利をおさめ続けるためになのである。ところでこの場合、想像力によってロボットという人間の分身となった内面性を欠いた機械は、きわめて明白かつ不可避に、まったく想像上のものであり神話的でしかない存在を表している。/まさにわたしたちが示したいのは、そうしたロボットは存在しないということ、そして彫像が生物ではないように、そうしたロボットは機械ではなく、空想や虚構から生み出されたもの、つまり錯覚術の産物でしかないということである」(「序論」11頁)。
★訳者あとがきでは「教養という大きなテーマ」「技術の哲学としての特色」「生物のアナロジー」「『個体化の哲学』と共通する概念」について解説されており、難解な本書を読解する糸口が示されています。2012年の原著改訂新版では、1989年の増補版に収録されていたジョン・ハートの序文とイブ・ドゥフォルジュの跋文は含まれておらず、今回の訳書でも収録されていません。一方で改訂新版には「シモンドン自身によって1958年に執筆されたものの未刊のままであった主意書が収録され〔…本書の〕見取り図がコンパクトに示されており、大きな見通しを得るのに役立つだろう」(訳者あとがきより)とのことです。なお主論文『L'Individuation à la lumière des notions de formes et d'information』(Millon, 2005; Édition révisée, 2013)は『個体化の哲学――形相と情報の概念を手がかりに』(藤井千佳世監訳、法政大学出版局、2018年;新装版、2023年)として訳されています。
★『心が共有しているもの』は、ニュージーランドの哲学者アネット・バイアー(Annette Clair Baier, 1929-2012)の「主著『心が共有しているもの』と、関連する古典的な論文3本、「正義よりもっと多くのものが必要である」「女たちは道徳理論に何を欲するか」「信頼と信頼に背反するもの」を収録〔…〕した日本語版独自アンソロジー」(帯文より)。中核となる『The Commons of the Mind』(Open Court, 1997)は講演録。論文3本「Needs for More than Justice」(1987年)、「What Do Women Want in a Moral Theory?」(1985年)、「Trust and Antitrust」(1986年)は、後年に『Moral Prejudice: Essays on Ethics』(Harvard University Press, 1995)に収められたものです。翻訳分担について以下に転記しておきます。
Ⅰ 『心が共有しているもの』
第一講 理性 |竹山重光訳
第二講 意図 |竹山重光訳
第三講 道徳的反省 |平出喜代恵訳
第一講への補遺 理性と啓示についての二つの見方 |平出喜代恵訳
第二講への補遺 示唆に富んだ二つの信頼の失敗 |平出喜代恵訳
第三講への補遺 適切な哲学的怒りとするには足りない、二つの実例 |竹山重光訳
Ⅱ 正義よりもっと多くのものが必要である |品川哲彦訳
Ⅲ 女たちは道徳理論に何を欲するか |品川哲彦訳
Ⅳ 信頼と信頼に背反するもの |竹山重光訳
★訳者解説では本書の意義が次のように綴られています。「〔バイアーは〕デヴィッド・ヒューム研究の泰斗であり、日本では主にそれをもって知られてきたと思われる。けれども本書では、バイアーの数多い業績のうちヒューム研究を主眼としていないものを選んで訳出した。これは彼女のヒューム研究を軽視したのではない。選ばれたのは、ヒューム研究に勝るとも劣らず重要で先駆け的な、いまでは古典的と評しうる業績である。そうした業績、すなわち、適用可能なジャンル名を列挙するなら道徳心理学、心の哲学、フェミニズム哲学、ケア論、そして信頼論にかかわる彼女の多くの仕事は、現在のさまざまな問題関連において参照され、ときに研究の基盤とされ、ときに批判的に受けとめられている。ごくかぎられた数とはいえその一端を日本語で接しうるものとすることは、専門的哲学的な研究の枠を越えた広い範囲に浸透することを希望して良い思想的意義をもつと訳者は考えている」(254頁)。
★『世界思想 52号 2025春』は、特集「争う」。「争いとは何か」「歴史と希望」「みる、話す、考える」の三部構成で、18氏が寄稿。三牧聖子、梯久美子、五十嵐元道、越智萌、阿部利洋、つやちゃん、山本真也、永井陽右、小澤英実、三船恒裕、中川朋美、佐川徹、武井彩佳、山本健介、三木那由他、河野真太郎、永井玲衣、勅使川原真衣。巻末には寄稿陣と編集部が選書したブックリスト「争う」が付されています。寄稿とブックリストのあいだには、世界思想社の創業者、髙島國男(たかしま・くにお, 1924-2009)さんがしたためた「出版の道を志して」(1998年)から次の言葉が抜粋して掲出されています。「私は、争いや戦争を抑止するためには、学問の進歩と広い教養の必要なことも学んだ。これらを人間が学んで身につけておれば、少なくとも戦争や争うことの否定につながると考えた。これが、私が出版の道を志した理由である」。この言葉の前後の文章は、同社の図書目録(2025年用)の巻頭で読むことができます。非売品につき未確認ですが、髙島さんの編著書として刊行された『出版五十年創業者の理念と記録』(世界思想社、1998年11月)にもともとは収められていた文章なのではないかと推測しました。なお髙島さんの著書にはこのほかに『エチュードの青春志』(世界思想社、1998年12月)がありますが、こちらは「戦中の若き日のドキュメント」とのことです。
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# by urag | 2025-05-11 20:02 | ENCOUNTER(本のコンシェルジュ) | Comments(0)
注目新刊:シモンドン『技術的..
at 2025-05-11 20:02
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村木風海機構長が NHK『 ザ・バックヤード 知の迷宮の裏側探訪』に出演いたします。詳細はこちらよりご覧いただけます。
Jul 11, 2024
Jul 5, 2024
Jul 5, 2024
村木風海機構長がJ-WAVE『early glory』に出演いたします。 詳細はこちらよりご覧いただけます。
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Jun 28, 2024
村木風海機構長がフジテレビ『ネプリーグ』に出演致しました。詳細は下記よりご覧いただけます。
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2025/5/9 「三鷹の夜☆月いち読書会(第44回)―科学と文学の間(あわい)に」(三鷹ネットワーク大学;終了)
『怪夢』夢野久作 狂気ト理知ノ傑作集 (長山 靖生)
2025年5月9日
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misuzuno.20 | 2025年4月号
no.20 | 2025年4月号
なぜ人は自然を守りたいのか?――進化と生態で迫る深層3
生物多様性保全のカギ② 進化生物学
深野祐也
ウクライナ製品完全ガイド
2025-05-05
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観光 歴史
2025/05/08 New! ”アースデイ2025東京”に参加しました
2025/04/29 「連続する「未曽有の水害」 ──水害統計調査の意味を問う」(世界5月号、岩波書店)
2025/04/26 八ッ場湖の駅丸岩、指定管理者変更してリニューアルオープン
2025/04/25 国交省、本年度の吾妻川の中和事業に11億8千万円
2025/04/30 石木ダム巡り長崎県11年ぶり説明会、ダム反対の市民委員会の要請に応え
2025年5月 (1)
一箱古本市
一箱古本市
2025.05.05 更新
次号は6月1日ごろに登録の予定です。
5/5 続・サンタロガ・バリア(津田文夫)を登録しました。
5/4 THATTA ONLINE 最新号を登録しました。内容は、
ISSUE THATTA ONLINE 最新号です(25/05/05)
NUMBERS THATTA ONLINE のバックナンバーです(25/05/04)
SERIAL INDEX 連載記事の索引です(25/05/05)
INDEX 書評などレビューの索引です。作品名から引けます(25/05/05)
REVIEW INDEX(作家別) 書評などレビューの索引です。作家名・編集者名から引けます(25/05/05)
講座やワークショップの様子 (511)
2025.05.03 Saturday
author : ヨンネ
タイの角布装ノート、カノムチャン豆本(コデックス装)2つの手製本ワークショップでした
タイの角布装ノート(コーネル装)
カノムチャン豆本(コデックス装)
2つの手製本ワークショップでした
タイの文房具屋さんで見つけた角布装ノートをつくる。クロスの色はお坊さんの袈裟と同じ。中身は二折の綴じです。縁起の良い9層のお菓子カノムチャンみたいな豆本をつくる。こちらはパピヨンかがり綴じです。製本ポイント押さえつつ、手製本を気軽にはじめられて、可愛くできるといいなあ、という内容にしたつもりです。
はじめましての方も、お久しぶりの方も、ご参加いただきありがとうございました。
・・・
*本の修理と手製本のお問い合せについて→★
*手製本講座やワークショップのお知らせ→★
*『はじめて手でつくる本』ヨンネ著 発売中→★
*YONNE BOOKBINDING WEBSHOP→★
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| 講座やワークショップの様子 | 22:22 | comments(0) | - | pookmark |
午前 10:30-13:00
午後 14:30-17:00
終了しました 講座の様子(→★)
タイの角布装ノート、カノムチャン豆本(コデックス装)2つの手製本ワークショップでした (05/03)
11か月前
11か月前
1年前
1年前
1年前
1年前
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YouTubeを始めました。
オリジナルのショートショートを朗読(音声合成)しています。
ジャンルは、SF、ホラー、ミステリー、ファンタジー、ユーモアなどのエンターテインメント系です。
中学受験の算数で使われる「特殊算」の解説もしています。
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sekita_namida 2025-05-06 12:00 読者になる
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2025-05-06
ハッピーバースデー
puhipuhi 2025-05-06 10:23 読者になる
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2025-05-06
ハッピーバースデー
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2025
2025 / 5
林忠正や西園寺公望がパリで何を考えていたかを推測するのはオモシロイ
『海を渡る浮世絵 −林忠正の生涯−』を読んでいると、他の(参考)書も読みたくなってくる。 たとえば、『パリの日本人』(鹿島茂 2009年 新潮社)。もちろん、「日本美術の大恩人・林忠正」の章を読むために、借りたのだが、「明治の元勲・西園寺公望」も、いや、こちらのほうが面白くな...
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漫画情報ほか
楽園(ル パラディ)春のウェブ増刊にて
4月30日分で描いた漫画が公開されています。
無料ですので見てみて下さい
行き方:下記URLを押す→WEB増刊へGOと書かれた箇所を押す(中段画面左)→4月30日のところを押す→漫画登場。
http://www.hakusensha.co.jp/rakuen/
2025春のウェブ増刊、及び春のpanpanyaまつりの最終日。4本目でございます
今年は「コンビニ特集」ということにし、コンビニに関する内容でお届けしました
公開は期間限定ですが、5月中は引き続き閲覧できる状態になっていると思うので
連休のお供にいかがですか
また、5月1日からは「楽園展」が東京・吉祥寺にて開催されます
今回はコラボカフェが併設されており、panpanyaに関するメニューもあります
「二匹目の金魚レモネード」なる飲料に関しては
作中の金魚の水槽らしさを追求し、無理を言って色味を調整してもらいました
調整前の方が美しい青が鮮やかで美味しそうだったという説もあるが…
拘りの淀みをお楽しみ下さい。味わい深い顔をした金魚の人形が付属します
「グヤバノジュース」は仕入れが不安定で入荷状況によっては
売っていないこともあるそうです。
くわしくは
https://chara-art.online/event/rakuen-ten/
4/30/2025 告知
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2025年4月29日
怒涛の一か月であった。良いことも悪いことも、いっぺんに押し寄せてきて、どうなっちゃうんだろうと思うくらい、戸惑っていた。
とりあえず、なんとか過ごすことができた。
ここに来て、最後の一撃に、喜ばしいことが。
『伊藤典夫評論集成』、ひとめ見て、かあちゃんが、叫び声をあげていた。どうも、本と認識できないらしい。大きさは理解しているが、その厚さと重さに理解が追いつかないらしい。
「しばらく陰干ししないとだめなんじゃないの」と、わけのわからないことをいう。干物じゃないんだから、体積が減るわけがない。中身もぎっしり。
「SF走査線」や「スキャナー」、SF宝石の書評や、マガジン掲載の評論は読んでいた。それ以外ははじめて。約半分くらい未読のもの。いや、まあ、いろいろ影響受けてんだなあ、改めて思った次第。
一番、びっくりしたのは、好きなものを好きなように書きまくっているのねということ。ずいぶん昔に読んだ「北アメリカの旅」を読んだときにも感じたが、自分のことでも、歯に衣着せぬ表現が、散見され、驚く。
しかし、まあ、予告が出てから数年、たぶん出ないんじゃないかなと思っていた一冊が出て、よかった、よかった。
そして、ありがとうございました。
amazon 伊藤典夫評論集成
2025.04.28コラム
カラサキ・アユミ氏 コラム 子連れ古本者奇譚 第40回「古本屋ゆき夜行バス」
人生を終えるまで絶対に経験することのない出来事は途方も無く多い。 &n……
2025-04-29
ドラえもんのび太の絵世界物語、アートリアが歴史記録から消えてしまう可能性をchatGPTに聞いてみた
orangestar2.hatenadiary.com こちらの記事で、 「場所を13世紀の南東ヨーロッパを舞台にしたので、歴史に残らなかったという設定に説得力がある」 と書きました。でも、ちょっと自分の知識と推論だけでは自信がない…。 というわけで、chatGPTに聞いてみた。…
ドラえもんのび太の絵世界物語、アートリアが歴史記録から消えてしまう可能性をchatGPTに聞いてみた
2025 / 4
苦楽すメイト
2025-04-15 06:00:00 | 特殊清掃
この春、小中高大、新入生として新たな学校生活をスタートさせた若者も多いだろう。
桜花の賑わいが過ぎ、ぼちぼち友達も増えてきている頃か。
今は、SNSで文字をやりとりするだけ、素顔や素性を知らない相手とでも友達になれる時代。
コミュニケーションツールは顔を合わせての会話や固定電話・手紙くらいしかなかった我々の時代に比べると、友達をつくるのは難しくなさそう。
私も、この時代に青春があったら、生涯の友達に出会えたかもしれないか。
そんな孤独男にも、小学校・中学校・高校・大学、それぞれにクラスメイトがいた。
そして、人付き合いが下手ながらも「友人」と呼べる者が何人かいた。
が、卒業と同時に、または卒業から程なくして その縁は切れた。
誰ともトラブルがあったわけでもないのだが、「お見事!」と言ってもいいくらいの絶縁ぶりで”プッツリ!“と。
また、携帯電話のない時代だったから、切れた後の復縁も難しかった。
で、小中高大、私は、これまで同窓会というものに参加したことが一度もない。
若い頃は、何度か案内状が届いたこともあったが、今はもう、そんなものは届かない。
時々は、「みんな、いい歳になって、苦楽しながらどこかで生きてるんだろうな・・・」と思い出すこともあるし、「死んじゃったヤツもいるかもな・・・」と職業病的な思いが浮かぶこともある。
それでも、「旧友に会いたい」といった思いはないし、「参加しとけばよかった」といった後悔もない。
「“同窓会”っていうのは、うまくいっているヤツしか行かないもの」
かつて、進学校に通っていた兄が私にそう言ったことがある。
兄は、愛校精神が強く、開催される高校の同窓会にはほとんど参加しているよう。
その実体験として、社会的・経済的・職業的・身体的にネガティブな状態、または自慢できない状態にある者は参加しないパターンが多いと感じているそう。
それを聞いた私は、「核心を突いた名言かも」と至極納得した。
私は、大学は三流だし、引きこもりをした挙句に就いたのは、ブログで散々“自慢”している死体業。
正しく自慢できることも、褒めてもらえそうなことも、感心してもらえそうなことも何もない。
“負け組”にいるから欠席・・・「その虚栄心が同窓会をスルーしてきた一因」と指摘されても否定しきれない。
仮に、自分が“勝ち組”にいたら、自慢話を楽しみにイソイソと出かけて行ったかもしれず、「勝っても負けても、どちらにしても俺はつまらない人間なんだな・・・」と、今更ながらに苦笑いしている。
訪れた現場は、街中に建つ古いアパート。
間取りは1DK。
その台所で、住人の高齢男性が孤独死。
発見は遅れて遺体は腐敗し、玄関に近いこともあって異臭が外へ漏洩。
それがキッカケで異変は明るみになった。
遺体汚染は、玄関を入ってすぐのところの台所床に残留。
警察が遺体を運び出す際に周囲のゴミが混ざったのか、履物が汚れないよう意図的に遺体汚染をゴミで覆ったのか、私が出向いたとき、遺体痕はゴミに混ざっているような状態。
ゴミの下から現れた汚染は、ライト級からミドル級。
床材のクッションフロア(CF)だったので、特殊清掃の難易度も低めを想像。
奥に進んだ部屋も半ゴミ部屋の状態。
故人が、このアパートに入居したキッカケは生活保護受給。
以前は、広い持ち家にでも暮らしていたのだろうか、この手狭な古アパートへ引っ越すに際してもモノが捨て切れなかったのだろう、六畳一間に大量の家財が押し込まれていた。
依頼してきたのは、アパートの管理会社。
故人は生活保護受給者で、賃貸借契約に保証人はおらず。
近しい血縁者もなく、やっと見つかった親族もすべてを放棄。
特殊清掃・消臭消毒・家財処分、その後の内装改修工事まで、すべて大家が負担せざるをえない状況。
で、「なるべく安く」という管理会社の要望のもと、当社は特殊清掃・家財処分・消臭消毒を請け負い、受け取る遺族がいないとほぼ無駄になる遺品整理をサービスで行った。
→※参照「生活保護受給者の孤独死とヒューマンケア」
https://www.humancare.jp/faq/faq_16052/
前述の想定通り、遺体汚染は軽くいなすことができた。
ゴミについても、ヘビー級のゴミ部屋ではなし。
家財大量とはいえ所詮は1DK、しかも一階。
作業を進める上で大きな障害はなく、また、想定外の事態が起きることもなく、日常的な労力と知恵を供せば充分な状況で、行った作業だけ見ると、特に記憶に刻まれるような現場ではなかった。
ただ一点、心に残ったことがあった・・・
このアパート、道路に面した壁に全室の集合ポストが設置されていた。
小さな南京錠をつけている部屋もあったが、基本的に鍵はなく、誰でも開けられるステンレス製ポスト。
故人室のポストも鍵はついておらず、誰でも自由に開けられる状態。
長い間放置されていたせいで、中には、郵便物だけでなく多くのチラシ類がギッシリ詰め込まれていた。
それらも片付けの対象物なので、私は、無造作に掻き出して一旦地面に落とした。
そして、重要書類や管理会社や大家に引き渡した方がよさそうなモノがあるかもしれなかったので、それ一通一通・一枚一枚をチェック。
ただ、見たところ、ほとんどは不要なチラシ・DMの類。
あとは、公共料金の請求書や明細書、死人の役には立たない行政関係の書類等、家財同様、ゴミになるしかないものばかりだった。
その中に一枚、ちょっと気になるモノが混ざっていた。
それは往復ハガキで、旧友(級友)から送られてきた同窓会の案内状。
発送地は北海道、発送者は同窓会の幹事、中学時代の同級生のよう。
ポストに留まっていたところをみると、案内状が届いたのは死去後。
つまり、故人は、それを知らないまま逝ったことになる。
どちらにしろ、北海道への旅には結構な費用がかかる。
生活保護を受給するようになるまでには相応の苦楽があったはずで、受給開始後も慎ましい生活を余儀なくされていたはず(制度の性質を考えると当然のことではあるが)。
そんな実状を考えると、近年、故人は欠席を続けており、将来にわたっても出席の期待を持っていなかったように思えた。
ただ、「そろそろ案内が届く頃だな・・・」と、例え出席が叶わないにしても、故郷の風景や旧友の情を胸に抱き、ひとときでも孤独を忘れることができたかもしれない。
また、このアパートにハガキが届いているということは、転居してきた際、幹事に新住所を知らせたということでもあり、それは同窓と繋がっていたかった意思の表れでもある。
故人は、生活保護受給者になった自分を卑下するようなことがあったかもしれないが、私のような、つまらない虚栄心が捨てられない人間ではなかったように思えた。
内容は、ごく一般的なもの。
同窓会の開催日時と会場、そして、それへの出欠返信を求めるもの。
ただ、そのハガキには、例年にはないはずの付記があった。
それは、「同窓会は今回で最後にする」というもの。
「皆が八十をとっくに越え、病を得る人や亡くなる人が増えてきて、出席者は減る一方」
「自分(幹事)も世話をするのが大変になってきた」
「“この辺りが潮時”という考えに至った」
長年、苦楽を分かち合ってきた友との会を終わりにする・・・
そこには、現実の事情と悩める心情がしたためられており、抗えない淋しさが滲み出ていた。
そんなハガキを手にしていると、得も知れる切なさと淋しさを覚え、同時に色々な想いが駆け巡った。
“このままスルーしようか・・・”
“代筆を明かしたうえで”欠席”に印をつけて出そうか・・・
“故人の死去を知らせた方がいいだろうか・・・“
“死の報は、最終会の盛り上がりに水を差すことにならないだろうか・・・”
“管理会社に判断を委ねようか・・・”
自分の中で質疑応答が錯綜し、自分の考えが自分の考えでないような迷いの渦にハマっていった。
故人の遺志も察しようとした。
“故人はどうしてほしいだろうか・・・”
“このままスルーしてほしいだろうか・・・”
“欠席を伝えてほしいだろうか・・・”
“亡くなったことを知らせてほしいだろうか・・・”
答を一つに絞れるわけはない。
最終的に、私は、
「自分が故人の立場だったら、どうしてほしいだろうか・・・」
と自身に問うてみた。
旧友との縁もなく同窓会というものに出たことがない私は考えあぐねたが、結局、
「友に不義理なことはしたくないので、死んだことは伝えてほしいかな・・・」
という考えに至った。
そして、ハガキを左手に持ち、ボールペンを右手に握った。
すると、自分の行いが知恵のある善行のように感じられて、善人になったような気分が私を包んできた。
ただ、それは妙な満足感で、気持ち的な居心地の悪さがあり、長くは続かず。
そのうちに、「親切を押し売っての自画自賛?」、「“故人のため”という名の自己満足?」と、心中で警鐘が鳴りはじめ、同時に、自分がやろうとしていることが余計なお節介のような気がしてならなくなってきた。
仮に、故人が生きていたとしても、もう来年の同窓会は開かれない。
また、疎遠や死別によって誰との縁も自然に薄らぎ消えていく。
「この電話番号は只今使われておりません」のアナウンスによって、いずれ故人の死は悟り知られるかもしれない。
私が、ない頭をギュウギュウ絞ってしゃしゃり出なくても、自然の成りゆきに任せておけば自然に片付く。
どこに故人の尊厳を置くか、何をもって故人に対する礼儀とするか、いくつもの正解がある中で、私の考えはそういうところに落ち着いた。
同窓会は、予定通り開かれるだろう・・・
「最終会」ということで例年より多くの友が集まり、例年より盛り上がるかもしれない・・・
想い出話にも一層の花が咲くかもしれない・・・
ひょっとしたら、連絡のない故人のことが話題に上るかもしれない・・・
私は、そんなことに想いを馳せながら、故人の柩に納めるかのような心持ちでハガキをそっとゴミ袋に入れたのだった。
→※現地画像「ヒューマンケアの事例紹介38」
不知の病
2025-04-05 09:07:58 | ゴミ屋敷 ゴミ部屋 片づけ
2025年春、花の季節。
桜が明るい話題を振りまいてくれている一方で、スギ・ヒノキは辛い花粉を振りまいている。
ニュースは「例年に比べて飛散量が多い」と伝えているが、毎年、同じことを言われているような気がする。
となると、年々、増加の一途をたどっているということか。
眼の痒み、クシャミ・鼻水・鼻づまり等、患っている皆さんは なかなかツラそう。
自然に治癒する可能性はゼロに等しいそうで、医療をもってしても治すのは難しいらしい。
ある種、「不治の病」とも言えるのだろうか。
幸い、今現在、私自身に花粉症の自覚はない
ただ、時々、目蓋(まぶた)の淵がピリピリすることはある(花粉とは関係ないかもしれないけど)。
何をどう気をつけるべきなのかわからないけど、罹患発症するリスクは誰もが持っているそうなので油断はできない。
できることなら、このまま花粉症とは無縁でいたいものである。
訪れた現場は、住宅密集地に建つ一軒のアパート。
「築浅」というほど新しくもなければ、「築古」と言うほど古くもなし。
外観的には築十五年といったところか、細かなゴミが溜まったりしがちな共用部はきれいな状態を保持。
こういうところからも、管理会社の仕事ぶりはわかるもの。
日々の管理業務がキチンと行われていることが伺えた。
目的の部屋は一階の端、オシャレな出窓がついた部屋。
「そこがゴミ部屋になっている」とのこと。
仕事の依頼者は、旧知であるアパートの管理会社。
ある日の朝、私は管理会社の担当者と現地で待ち合わせ。
「居住者とは話がついている」とのことで、そのまま部屋に入り、できるだけのゴミを片付ける算段になっていた。
ゴミ問題が発覚して以降、管理会社と居住者の関係はキナ臭いものに。
で、担当者は、やや緊張の面持ち。
入居者と約束した時刻ピッタ
オンデマンド機のスペシャルトナー | 現場の目利き
オンデマンド機のスペシャルトナー
オンデマンド機は、モノクロ墨印刷とカラー印刷だけではありません。
スペシャルトナーもあります。イニュニックがご用意しているのは、
白トナー、銀トナー、金トナー、クリアトナーの4種類があります。
濃い用紙、紺色や黒い紙の場合、白、金、銀でタイトルや絵柄を入れ
ることが出来ます。箔押しなどに比べると安価なためお気軽にワンポ
イントのアクセントを施すことが出来ます。データはブラック、などで
白データ、銀データとして作ってください。白トナーの使い方にトレー
シングやアリンダなどの透ける紙のベースに白を引いてその上にカラー
を乗せると自然なカラー印刷になります。銀トナー、金トナーはベース
にベタを引いてその上にパステル調のカラーを乗せるとメタリック調の
特色が作れます。クリアトナーの用途で多いのがカラー写真、モノクロ
写真の上にクリアトナーを乗せると印画紙のようなきらめきが出るので
リアルなプリントに少し近づきます。
・オンデマンド機のスペシャルトナー
印刷相談室
2025-04-20
これから、AIをテーマにした話を書くにあたって
AIにまつわる話。AIをテーマにした話。
「人間とは何か」「感情とは」「AIが自己を持ったとき」という問いは、もう、時代遅れなのでは?という気がします。なぜなら、AIはもうすでに『感情があるように』見えるからです。
「中国語の部屋」という思考実験にまつわる話をします。中国語の部屋にいるイギリス人は中国語を理解しません。しかし、部屋自体をみれば、中国語を理解しているようにみえます。これがもう少し複雑になり、人工知能のように、人と対話できるレベルの中国語の部屋が出来上がった場合(意識と知能があるように見える)でもイギリス人はやはりただの部品です。クオリアをこのイギリス人は発揮していません。
しかし、この部屋のシステム自身がクオリアを持っていないと、何故言えるでしょうか?
人間の脳は、細かく分類すると、神経細胞の単純な反応の積み重ねです。巨大な中国語の部屋といえます。しかし、その、部屋自身である私は、私に『意識』があることを知っています。自分自身に対してのみですが、証明できます。なぜなら、そこに、意識があるので。
他者の意識については、逆に、どのようにしてもそこに意識があるかないかは証明できません。
中国語の部屋は常識的に考えて、『意識』がないと思えます。しかし、そのように類推した場合、神経細胞の応答のシステムである人間の脳にもやはり意識がない、といえてしまう。逆にいえば、人間に意識があるのなら、その箱の仕組み自身が『意識を発生させている』ことを否定できない。
ここで、本題に入ります。
機械的に応答を返すaiに意識がある、ということは、否定できません。
だから、人間とAIの境界はどこか、AIは人間になれるのか、心はあるのか?という問いは、既にAIが「人間のように感情があるように見え、そのように動作する」時点で、もう、『考えるだけ無駄!』という結論に至らざるを得ないわけです。何度も上の話をするしかないし、したらその時点でその問いは終了!循環するからね。
じゃあ、そこで、どういったAIに対しての視点があるかというと、インターフェイスの問題になってくると思うんですよ。今の箱の中に押し込められてるインスタンス型AI(応答時にだけ反応して、今までの会話データからまるで連続しているように対話をするAI)と連続型AI(ボディを持ち、連続して試行し外側にインターフェイスと輪郭を持ち、行動することのできるAI)とはどのように違うのかとか。多分、人間に理解できるAIの物語はここら辺までで。
結局人間を排除したAI同士の対話は、もう、囲碁AIみたいに高度になって人間には理解できない。理解できないものは物語にできない。理解しようとして物語にすると、幽霊やお化けを語るように、理解できないものを擬人化してそこに物語を引っ付けないといけない。それは、もう、物語の為の物語でしかない。
そして、人間とインターフェイスで接触するロボットは、逆にインターフェイスの制約を受けるので、どうしても人間と相互に影響を受けざるを得ない。結局、ドラえもんや鉄腕アトムみたいな、心をもった人間みたいなロボット(が普通にいる社会)の話になるし、多分、現実にそうなる。
人間の心をもったロボット。人間の理解の中側の話なので、つまらないなあ、と思うけれども、そこまでしか人間に理解できないのだからしかたない。理解できないことが起こっていてもそれは理解できないのだから。
あとは、ロボットの寿命の話ですね。ロボットの寿命は多分、思ったより短い。電化製品だから5年くらいしか持たない。だから、エルフや魔族からみた人間を相手にしているような、そんな見え方の物語になると思う。これは、SFではなくて、現実の小説、物語として。
そして、多分、物語に普通にAIが出てくる。登場人物の一人として。特に違和感なく風景に溶け込む登場人物として。今ではLGBTQの登場人物がその属性で意味のある登場人物として出てこなくなった(普通にいる普通の登場人物)として出てくるようになったけれども、もうすぐ、ロボットやAIもそういう登場人物として扱われるようになってくると思う。
AIが犯人の、SFではないミステリって、まだなかったよね?
orangestar 2025-04-20 16:52 読者になる
正確には棚を作っている最中で、ちょっとまだ並べきっていないところもあったのだが、そこに並んでいた話題の『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか』置いてあったので、購入。
2025-04-20
これから、AIをテーマにした話を書くにあたって
AIにまつわる話。AIをテーマにした話。
「人間とは何か」「感情とは」「AIが自己を持ったとき」という問いは、もう、時代遅れなのでは?という気がします。なぜなら、AIはもうすでに『感情があるように』見えるからです。
「中国語の部屋」という思考実験にまつわる話をします。中国語の部屋にいるイギリス人は中国語を理解しません。しかし、部屋自体をみれば、中国語を理解しているようにみえます。これがもう少し複雑になり、人工知能のように、人と対話できるレベルの中国語の部屋が出来上がった場合(意識と知能があるように見える)でもイギリス人はやはりただの部品です。クオリアをこのイギリス人は発揮していません。
しかし、この部屋のシステム自身がクオリアを持っていないと、何故言えるでしょうか?
人間の脳は、細かく分類すると、神経細胞の単純な反応の積み重ねです。巨大な中国語の部屋といえます。しかし、その、部屋自身である私は、私に『意識』があることを知っています。自分自身に対してのみですが、証明できます。なぜなら、そこに、意識があるので。
他者の意識については、逆に、どのようにしてもそこに意識があるかないかは証明できません。
中国語の部屋は常識的に考えて、『意識』がないと思えます。しかし、そのように類推した場合、神経細胞の応答のシステムである人間の脳にもやはり意識がない、といえてしまう。逆にいえば、人間に意識があるのなら、その箱の仕組み自身が『意識を発生させている』ことを否定できない。
ここで、本題に入ります。
機械的に応答を返すaiに意識がある、ということは、否定できません。
だから、人間とAIの境界はどこか、AIは人間になれるのか、心はあるのか?という問いは、既にAIが「人間のように感情があるように見え、そのように動作する」時点で、もう、『考えるだけ無駄!』という結論に至らざるを得ないわけです。何度も上の話をするしかないし、したらその時点でその問いは終了!循環するからね。
じゃあ、そこで、どういったAIに対しての視点があるかというと、インターフェイスの問題になってくると思うんですよ。今の箱の中に押し込められてるインスタンス型AI(応答時にだけ反応して、今までの会話データからまるで連続しているように対話をするAI)と連続型AI(ボディを持ち、連続して試行し外側にインターフェイスと輪郭を持ち、行動することのできるAI)とはどのように違うのかとか。多分、人間に理解できるAIの物語はここら辺までで。
結局人間を排除したAI同士の対話は、もう、囲碁AIみたいに高度になって人間には理解できない。理解できないものは物語にできない。理解しようとして物語にすると、幽霊やお化けを語るように、理解できないものを擬人化してそこに物語を引っ付けないといけない。それは、もう、物語の為の物語でしかない。
そして、人間とインターフェイスで接触するロボットは、逆にインターフェイスの制約を受けるので、どうしても人間と相互に影響を受けざるを得ない。結局、ドラえもんや鉄腕アトムみたいな、心をもった人間みたいなロボット(が普通にいる社会)の話になるし、多分、現実にそうなる。
人間の心をもったロボット。人間の理解の中側の話なので、つまらないなあ、と思うけれども、そこまでしか人間に理解できないのだからしかたない。理解できないことが起こっていてもそれは理解できないのだから。
あとは、ロボットの寿命の話ですね。ロボットの寿命は多分、思ったより短い。電化製品だから5年くらいしか持たない。だから、エルフや魔族からみた人間を相手にしているような、そんな見え方の物語になると思う。これは、SFではなくて、現実の小説、物語として。
そして、多分、物語に普通にAIが出てくる。登場人物の一人として。特に違和感なく風景に溶け込む登場人物として。今ではLGBTQの登場人物がその属性で意味のある登場人物として出てこなくなった(普通にいる普通の登場人物)として出てくるようになったけれども、もうすぐ、ロボットやAIもそういう登場人物として扱われるようになってくると思う。
AIが犯人の、SFではないミステリって、まだなかったよね?
orangestar 2025-04-20 16:52 読者になる
2025-04-19
新年度だからマイ100冊リストでも作ってみよう。【世界・謎・死】
雑記
さいきんブログ書いていないな、と思い、ツイッター(現X)でフォロワーにお題をアンケートしたら、このようなタイトルになりました。
100冊リスト、といっても日々更新されて、変わっていくものなので2025年春ゲイザーmixでお送りします。ベストというより、なんか自分の来歴の一端を、ライトノベルなどを中心に語っていけるものにできたらよいかもしれません。
テーマは【世界・謎・死】です。適宜、長めのコメントもあります。よしなに。
『リバース:1999』より。本記事アンバサダーを務めるパタパタペーパーさん。
投票内訳。書くのに10日以上もかかってしまった。
1.竹田美穂『ますだくんのランドセル』
ますだくんのランドセル (えほんとなかよし 37)
作者:武田 美穂
ポプラ社
Amazon
わたしの読書的自我が芽生えたのは高校生以降だが(なぜなら小中学校の図書室は汚損本だらけのカスの環境だった)、もっとも古い記憶をたどると、未就学児のころにくり返し読んでいた絵本を思い出した。
幼いますだくんは、小学一年生になるさいに、黒ではなく(戦隊ものに惹かれたのか)赤いランドセルを希望する。まだランドセルのカラーバリエーションが二色だけだった(むろん男女別に分けられている)時代で、ますだくんの求める「女の子の色」に対して、周囲は複雑な反応を示す。しかし彼のお姉さんだけは、自分の赤いランドセルをお下がりとして渡し、ますだくんの背中を押してやるという物語だ。
当時は意識していなかったけれども、わたしの読書人生は、ジェンダー規範という枠組からのズレ(撹乱)からはじまっていた。そしてそこには姉もいたのだった。
2.エミリー・ロッダ『ローワンと魔法の地図』
ローワンと魔法の地図 (リンの谷のローワン 1)
作者:エミリー ロッダ
あすなろ書房
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平成生まれのわたしは多くの悪辣な表現とともに育ってきたが、その時代なりの恩恵があったとすればファンタジー児童文学の翻訳ブームに立ち会えたことだろう。対象年齢から離れるとともにそれらの物語との再接続はむずかしくなったが、いまでも記憶に残っているのは〈リンの谷のローワン〉シリーズだ。
一巻は、枯れた水を戻す手段を探すために魔法の地図をたよりに冒険に出る、といったコテコテの宝探しなのだが、それよりも面白いのは、旅のパーティーに主人公の母親(未亡人)とお近づきになりたい兄ちゃんがいるところだろう。だから本作は、優しいけれど臆病な少年が、いまだ言語化できない家庭環境の変化の予兆におびえながら、ものごとの見方を変えていく話でもある。ちなみに二巻のあらすじはほとんどトルネコの大冒険2アドバンスである。爆笑。
3.J・R・R・トールキン『ホビットの冒険』
ホビットの冒険 (全1冊) (岩波少年文庫)
作者:J.R.R.トールキン
岩波書店
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遅かれ早かれ、行き着く先はトールキンである。といっても知ったのは『Vジャンプ』誌上でのことだった。おそらく『指輪物語』が映画化するタイミングで、そもそもテレビCMなどを見ても、ファンタジーの歴史を知らない人間からすれば「指輪を捨てるための旅ってなんだよ?」状態であり、その題材となる「指輪」が登場するプリクエルを丁寧に解説してくれたのが当時連載されていた、石塚2祐子『犬マユゲでいこう2』(通称「犬マユ」)だった。
漫画でのあらすじ紹介はシンプルだった。当時石塚はVジャン読者のガキ相手に『ウィザードリイ』をめちゃくちゃ推していた異常ゲームオタクだったので、そういうファンタジーの源流作品ですよ、と教えてくれたわけだ。
簡単にいえば『ロード・オブ・ザ・リング』の前日譚があります! 激ヤバドラゴン退治ものです! パーティー編成は、戦士13名(全員ドワーフのおっさん)、魔法使い1名(年齢不詳のじいさん)、盗賊1名(ホビット・主人公)です! 以上!!!
こんなんバランス悪すぎるだろ……とドン引きするわけですが(しかし主人公のホビットの職業が盗賊とかクールだな……気になるぞ……)となり書店に向かい、瀬田貞二訳を読み、〈中つ国〉の魅力にとらわれるキッズができあがるわけです。世界一かっこいい武器の名称は「つらぬき丸」です。こういうので北欧神話とかにハマっちゃう恥ずかしい中学生ができるんですよね。
ちなみにだいぶ後になって『ホビットの冒険』も指輪本編の仄暗いストーリーを敷衍させたダークファンタジーとして映像化されるわけですが、どう見てもゴブリンの巣が『デモンズソウル』に出てくる「腐れ谷」のビジュアルをしているんですよね。爆笑。
4.山田悠介『親指さがし』
親指さがし (幻冬舎文庫)
作者:山田 悠介
幻冬舎
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インターネットのみなさんは山田悠介、とりわけ彼の初期作品の文章を馬鹿にしていた傾向がありましたが、やっぱり中高生を魅了するためのジャンクな暗さをハイペースで提供しまくったゼロ年代のヒーロー作家であることは否定できない。90年代ホラーブームと入れ替わりに出てきたタイミングゆえの力の抜け具合も個人的には読みやすかった。
といっても『親指さがし』はいわゆるデスゲームものではなく呪い・儀式系ホラー。表紙のイラストのように子供たちで輪になって、となりの人の親指を握り、目をつぶって儀式をおこなう。すると知らない館に自分がいることに気づく。火のついた蝋燭を持って、建物のどこかに隠されている女の子の指を探すゲームがはじまる。しかし何者かに肩を叩かれたとき、あなたは振り向いてはいけない。代わりに蝋燭の火を吹き消すことで、元の世界に戻ることができるのだ……。
とにかくこの探索ものホラーゲームじみた設定がよくて、これだけで満点をあげたくなる。ゼロ年代儀式系ホラーは「ひとりかくれんぼ」がインフレしまくり設定で面白いのだけれど、その直前のまだ品位を保っている感じもよい。
5.土門弘幸『小説ドラゴンクエストⅦ』
小説 ドラゴンクエストVII 1少年、世界を開き (GAME NOVELS)
作者:土門 弘幸
スクウェア・エニックス
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旧エニックス・ガンガンなどから刊行されていたノベライズ群も、ゲームソフトや複数ハードを揃えられない家庭の子供にとってはけっこうな救いの手段であって、とりわけドラクエ7は人格形成にかなり影響を与えた可能性があります。
以下、小説版のいいところ。
主人公の本質がホンダラおじさんのようなボンクラであると解釈していること。マリベルと主人公の関係がキーファを取り合うような疑似的三角関係によってバランスが保たれていたところ。戦闘描写の絶望感がよく、メルビンに仁王立ちをやらせて即回復をさせまくり、廃人直前まで行くところ。なにより最終巻で近所に住んでたお姉さんに「少年の冒険心」を糾弾されるあたりがRPGのナラティブのよさが爆発しており、子供ながらに感じ入った記憶がある。
6.乙一『天帝妖狐』
天帝妖狐 (集英社文庫)
作者:乙一
集英社
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平成生まれ読書ラッシュ! 初期・乙一だ! わたしの乙一との出会いは、なぜかジャンプ誌上で小畑健によってコミカライズされた前後編の読み切り「はじめ」*1が最初だったんじゃないだろうか。
「はじめ」は銅像をぶっ壊した犯人を想像上のキャラクターのせいにして責任を逃れ、男の子ふたりで嘘がばれないようにだんだんその細部を詰めていったらほんとうにそいつが現われた、というイマジナリーフレンドの変形なのだが、小畑健のスーパー画力で出てくるイマジナリー美少女(そしてちょっと異性を意識しはじめるクソガキたち)と流れゆく時間が切なく、なんかこのへんで癖を埋め込まれた気がする。
『天帝妖狐』には、「A MASKED BALL ア マスクド ボール-及びトイレのタバコさんの出現と消失」というライトな青春ミステリが併録されており、要はトイレで隠れてタバコを吸っていた悪ガキが「ここに落書きをするな」的な落書きを見つけ(パラドックス!)、それをめぐるちょっとしたいざこざに巻き込まれる。が、その助手ポジションになる女の子が可愛いんですよね。表と裏の性格があって、学校空間では嘘のイメージを作り込んでて、主人公だけがその本性を知ることになって……あれ、なんかこのへんでも癖を埋め込まれた気がするな……おかしいな……。
7.西尾維新『不気味で素朴な囲われた世界』
不気味で素朴な囲われた世界 (講談社ノベルス)
作者:西尾維新
講談社
Amazon
乙一が好きなら、そりゃ西尾維新にもハマる。たぶん『ダ・ヴィンチ』あたりで書評が出ていたのを目にしたのではなかろうか。なので『君と僕の壊れた世界』はあとから読んだ。同時期には、パラフィン紙に包まれている本で妹がめっちゃ出てくるやつとか*2、舞城王太郎『世界は密室でできている。』や清涼院流水『秘密室ボン』などを読み、講談社ノベルスというレーベルを認知しはじめた。流水の密室本にはブチ切れた記憶がある。
しかし初期・西尾維新のヤバかったところは、戦場ヶ原ひたぎさん等を介し、全国のキッズに対して、夢野久作『ドグラ・マグラ』=妹萌え小説プロパガンダをおこなったことではないだろうか。
2025年現在、この説は完全に否定されている。
8.山田詠美『ぼくは勉強ができない』
ぼくは勉強ができない (文春文庫)
作者:山田詠美
文藝春秋
Amazon
高校生になり、ついに自意識との戦いがはじまる。ブチ切れながら読んだ記憶がある。ぜったいに許さない。ぜったいに。
9.伊藤たかみ『ぎぶそん』
ぎぶそん (ポプラ文庫ピュアフル)
作者:伊藤たかみ,ゴツボ×リュウジ
ポプラ社
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なんかなりゆき(?)で女の子といい感じになっているのを読んで、ブチ切れた記憶がある。この一方的な確執は大学生になってからゴツボ×リュウジ『アニコイ』*3最終巻を読みおえるまでつづいた。いまでは一緒に肩を組んで路上を練り歩くこともできる仲である。
10.大槻ケンヂ『縫製人間ヌイグルマー』
縫製人間ヌイグルマー (角川文庫)
作者:大槻 ケンヂ
KADOKAWA
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特撮および筋肉少女帯との出会いは、やがて『さよなら絶望先生』につながっていたとのちに気づく。でも「絶望したッ!」と叫ぶ直前の糸色望のカットが市川崑映画からの引用だって気づいたのはそれから10年以上かかったんだよな。純朴だったので元ネタを調べるという習慣がまだなかった。
11.竹宮ゆゆこ『とらドラ!』
とらドラ! (電撃文庫)
作者:竹宮 ゆゆこ
KADOKAWA
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こうしてラノベオタクが誕生する。「ラブコメ」という言葉がどうやら自分の血中に流れるとうれしくなると気づいたのは、本作が「超弩級ラブコメ」と毎回喧伝しつづけてくれたおかげだと思う。櫛枝実乃梨さんなんですよね。わかりますか。
12.谷川流『涼宮ハルヒの憂鬱』
涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)
作者:谷川 流
KADOKAWA
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ラノベっておもしろいかも!となり、次に登る山はこっちだな……となった。なんだかんだで「孤島症候群」ええな……と思っていて、だんだんミステリオタクの血も目覚めようとしていたのかもしれない。まさか大人になってもいまだ完結せず、ひさびさに新刊が出たと思ったら、まるまる一冊ぶんの犯人当てだけを読まされるとは予想だにしていなかったが……。
13.伏見つかさ『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』
俺の妹がこんなに可愛いわけがない (電撃文庫)
作者:伏見 つかさ
KADOKAWA
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ものすごい量の同時代ネットミームがあるため、(正視するのが苦しく)二度と読めない気がする。肌感覚でしかないけれど、この作品の前後あたりで、他作品のネタとかをどんどん入れる(たとえばジョジョとか*4)ようなライトノベルが増えていった気もする。まだオタクという存在が烙印だったころの作品で、妹のために18禁ゲームを発
panpanya Tシャツ 2025
新作「そぞろ各地探訪」2025年5月18日からの一般発売を記念し、「panpanya Tシャツ/そぞろ各地探訪」を新発売! 同時に、昨年の先行販売と同時に展開した4種を受注再生産いたします。
稲葉氏は、作家・鈴木いづみとジャズミュージシャン阿部薫を描いた『エンドレス・ワルツ』をはじめ、『海松』『半島へ』などで知られる作家・詩人ですが、今回のラインナップ中、「かかしの旅」は著者単著への収録は本書が初めて、「犬」「砂漠の雪」の2篇は単行本初収録となりますので、近来の読者はもちろん、年来の稲葉ファンにもお楽しみいただけるセレクトになっていると思います。
Arabiq Monthly Board 中村キク個展「おなじ風が吹く」開催中
2025.04.17 Thursday
月替わりの展覧会:Arabiq Monthly Board.
4月は中村キクによる小さいサイズの絵画を中心に開催いたします。
記
Arabiq Monthly Board
中村キク個展
「おなじ風が吹く」
<会期>
2025年4月17日(木)~29日(火・祝)
13:30~20:00(最終日は18時閉場)
会期中水曜定休
<作品販売について>
・一部作品をのぞき、当日持ち帰り可。
・4月17日20時~ http://arabiq.net/contactからお問い合わせを承ります。
・作品掲載ページ→ (予定)
<会場・連絡先>
珈琲舎・書肆アラビク
530-0016
大阪市北区中崎3-2-14
tel/06-7500-5519
web: http://www.arabiq.net
Twitter( X ): @arabiq_allstars
Instagram: @arabiq_allstars
Youtube: アラビク時報
以上
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Arabiq Monthly Board 中村キク個展「おなじ風が吹く」開催中 (04/17)
April 2025 (1)
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2025-04-13
篠田節子『仮想儀礼』B+、イアン・リード『もっと遠くへ行こう。』B
読書
【最近読んだ本】
篠田節子『仮想儀礼 上・下』(新潮社、2008年)B+
宗教小説と起業小説を融合するというアイデアにより、ある宗教団体の誕生から崩壊までを余すところなく描き切った大作である。普通フィクションに出てくる宗教団体は、既に大規模になっていたり、発足から巨大化に至る途中が省略されていたりするものだが、ここでは省略なくすべて描かれているのがすごい。
不運が重なって無職になった男二人が苦し紛れに始めた宗教が、心に闇を抱えた人々の受け皿となり、救いを求める者たちのよりどころとなる。しかしそれを利用しようと企む者や、本人が無自覚に周囲を不幸に陥れる者たちがかかわってきて、混乱のうちにいつしか信者が暴走を始める。その事態は教祖にすら止めることができなくなり、集団は破滅へと突き進んでいく。
読みながら思い出すのは、モデルになったオウム真理教やイエスの方舟といった事件よりも、吉川英治の『平将門』とか、陳舜臣の『太平天国』とか、同じパターンをたどった悲劇の歴史物語たちである。ただ「今」を切り取っただけでなく、歴史が描かれていると感じるのだ。
物語が始まった時点で結末は見えているのだけれど、それでも読むのを止めることができない、今後も読まれるべき作品である。
イアン・リード『もっと遠くへ行こう。』(坂本あおい訳、ハヤカワ文庫、2022年、原著2018年)B
ある平凡な夫婦のもとを、なにやら胡散臭いセールスマンらしき男が訪れる。彼は夫のジュニアに対し、彼が宇宙開拓を目指す一時移住計画の候補者に選ばれたと言う。もちろんその間、夫婦は離れ離れになってしまう。志願したわけでもないのに一方的な通告に、彼はもちろん反発するが、妻は彼に同調しながらも何か様子がおかしい。セールスマンはそのまま夫婦の日常に入りこみ、「出発」の日までの長く奇妙な日常が始まる。
藤子不二雄のようでもあり、安部公房のようでもある。設定上は面白いはずだし、読んでいる間は楽しめたのだが、あまり好きではない。
それは結局のところ、お話が「夫婦生活の危機」のメタファーとして捉えられてしまうところにあると思う。妻と特に不満のない生活を送っていた男のもとに得体のしれない男が侵入してきて、いつのまにか居ついてしまう。彼に対する妻の態度もいまいち不可解で、急によそよそしいものに思えてしまう。背景がSF的であろうとも、小池真理子や乃南アサあたりの書きそうな夫婦小説と構造は同じである。そういう話に興味があれば楽しめたかもしれないが、あいにくとそうではなかったので、物足りなさがあった。
ひるがえって、これと比較すると安部公房は女性が排除されているということに気づかされるのだが、これについてはいつか考えてみたい。
仮想儀礼(上)(新潮文庫)
作者:篠田節子
新潮社
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仮想儀礼(下) (新潮文庫)
作者:節子, 篠田
新潮社
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もっと遠くへ行こう。 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
作者:イアン リード
早川書房
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nukuteomika 2025-04-13 20:41 読者になる
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篠田節子『仮想儀礼』B+、イアン・リード『もっと遠くへ行こう。』B
4/15に東京シネセンターで『戦え!オスパー』が上映
2025/04/10
14:28
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2025年4月15日(火)12:30~12;55に、東京シネセンター(TCC)で、『戦え!オスパー』の第41話「毒蛾におそわれた街」の上映が行われます。若松孝二監督のピンク映画や、『赤軍 - P.F.L.P 世界戦争宣言』などと一緒に『オスパー』がスクリーンで観られるとは、痛快ですね。チケットはこちらから買えます。貴重な機会ですので、ぜひご足労ください。以下はTCCの公式サイトより。■映画に時効なし 若松プロダクション × 国映株式会...
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4/15に東京シネセンターで『戦え!オスパー』が上映 (04/10)
2025/04 (1)
戦え!オスパー (7)
2025年5月3日(土)美篶堂伊那製本所直売所ゴールデンウイーク企画【製本ワークショップ】カラフルなメモを使ってハードカバーの小さなノートづくり
お知らせ
2025年04月8日
2011-05-31
第5回・6回検討会
しばらく更新をさぼっておりました。5.6回と続けて開催され、次回はもう報告書案が提示されることになります。
5・6回はなんとなくおさらいということで論点がつかみにくい話が多かったのですが、事務局が提示した「委員発表等の概要」を見て頂ければ報告書案の姿が予想できるのではないでしょうか。時間がない人は、これまでの議事録を読まなくてもこれだけ見ればいいと思います。
最終的には報告書に何が盛り込まれるかが大切なので、注目している人はこれからが大事でしょう。ただ表示を義務化するのかしないのかということ一つとっても、委員会で合意が得られているという感じはしなかったです。どうやってまとめるんだろう?というのが正直な感想です。
個人的には将来に向けてこういう方向性で、という提言で十分だとは思っているのですが。
uneyama 2011-05-31 18:01 読者になる
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報告書の素案など
[出演者]藤井太洋さん(SF作家)、川野芽生さん(歌人、小説家)、古市怜子さん(東京創元社編集者)
2025-03-31
AIを外部記憶として活用する
AI
最近はAIを、外部記憶、あるいは脳を拡張するための道具として利用している。 私は今「苦学」と「無銭旅行」にまつわる本を書いているんだけど、当然ながら徳富蘇峰や杉浦重剛、日本の鉄道制度などが登場する。例えば徳富蘇峰については、名前くらいは知って…
AIを外部記憶として活用する
AI (7)
¥1,900
SOLD OUT
竹久夢二編『露地のほそみち』
投稿日 2025年3月28日2025年3月28日投稿者 TANAKA Jun
菊地信義さんの本で夢二が装幀した『露地のほそみち』改装版(春陽堂、1926年)を知り──菊地さんは「とりわけ好きな装幀本」と言う──、その復刻版を入手した。小唄の歌詞の切れ切れを夢二が編纂し、カラー木版画による自作の女性 … “竹久夢二編『露地のほそみち』”の続きを読む
カテゴリー Review
竹久夢二編『露地のほそみち』
March 28, 2025
Carr Graphic 46th(blog-23) 時計の中の骸骨 / The Skelton in the Clock (1948)
(画像をクリックすると大きく見られます)
〈あらすじ〉
二十年前に衆人環視のなかフリート卿が屋敷の屋根から不審な墜死を遂げたという事件に匿名通報の進展があり、再捜査にH・M卿が狩り出されることになった。画家のマーティン・ドレイクは、案内がてらH・M卿が出席するという骨董品のオークション会場へ向かう。そこで好意を寄せていた女性ジェニーに偶然会って驚く。ジェニーの祖母ソフィアは伯爵未亡人でH・M卿とは旧知の仲だ。H・M卿は会場でソフィアとひと悶着を起こした末に、その騒ぎの流れで出品物が何かを確認もしないで商品を落札してしまう。それは中に骸骨が突っ立っている奇怪な柱時計だった。そしてマスターズ警部のところに届いていた匿名通報のひとつに「時計の中の骸骨を調べよ」とあって……。
〈会員からのコメント〉
ヘンリー・メリヴェール卿もの18作目の長編。テキストはハヤカワ・ミステリ文庫、小倉多加志訳。
マーティン・ドレイクは戦時中に恋に落ちた女性・ジェニーを探していた。そして、オークション会場で再会するが、ジェニーはリチャード・フリートの婚約者となっていた。
これでドレイクとフリートの間で恋のさや当てが起きるかと思いきや、フリートはあっさりとジェニーを譲ってしまうのである。ここで読者は肩透かしを食らうわけだが、本書はそんな肩透かしが多い作品なのだ。
フリートの父親が、見晴らしの良い塔の屋上から転落死した「過去の殺人」も衆人環視下の不可能犯罪と期待していると、これも肩透かしの解決となる。
また、ドレイクと法廷弁護士のジョン・スタナードが廃刑務所で夜を明かし、スタナードが処刑台の落とし板を開けてみると、その下には娘の惨殺死体が! という場面は衝撃的だ。スタナードが語る処刑室の様子は怪奇趣味が横溢していて、カーの面目躍如なのだが、殺人事件自体は、特段の工夫もなく、これまた肩透かしなのだ。
いつもは周りを振りまわすH・M卿だが、今回はパワフルなブレイル夫人が登場。この2人の対決は見ものである。【廣澤】
---
ポケミス版(小倉多加志訳)を再読。新訳があればそちらを読みたかったのだが、早川ミステリ文庫の方も同じ訳者だった。
屋敷の屋上での不可能犯罪については、トリックも犯人も覚えていたのだが、続けて起こる刑務所跡での殺人については記憶になかった。なので、今回読み直して犯人のサイコぶりに改めて驚かされた。
前作の『別れた妻たち』でも相当なサイコ殺人鬼を扱っているが、今回も憂さ晴らしに人を殺すような、相当ヤバい犯人だった。
そして今回目を引くのは、深夜の刑務所跡でいきなりフェンシングの真似事が始まってしまう場面。カーの剣戟やりたい欲がだだ洩れして、ここから『ニューゲイトの花嫁』や『ビロードの悪魔』に繋がってゆくのだなと嬉しくなってしまう。【角田】
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小倉多加志訳のポケミス版を再読。
閉鎖された刑務所で夜中に度胸試しが行われた後、古い絞首台の底で惨殺死体が発見される。刑務所の近くにある旧家では20年前に当主が屋根から落ちて死んでいた。過去の事件を捜査することになったH・Mが、骸骨入りの時計をめぐって伯爵未亡人と繰り広げるドタバタが愉快。
英語の慣用句 skelton in the closet をもじった題名が真相を暗示しているのも面白いが、犯人と被害者の人間関係等がカーの他の作品とそっくりだ。【奥村】
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この頃から、カーはチャンバラが書きたくて書きたくてしょうがなくなったようだ。ただ、フェルやH・Mではさすがに無理があるので、サブの主人公(バトラーや本作のドレイク)に大立ち回りをさせているのだが、とうとう歴史ものを書き始めて願望を満たすことになる。【沢田】
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誰もいないはずの屋上から落ちて死ぬというのは、カーが晩年に追求した「謎の墜落死」のパターンである。しかしこれをトリックと言えるかどうか。
謎解きよりもストーリー展開に重きを置いた作品だろう。ミステリとしてよりもH・Mのドタバタ喜劇を楽しむ作品ではないかな。
それにしても、カーの現代物はこの頃から文章の精彩が薄れていく。歴史物はもっと躍動感があるのだが。【谷口】
---
ドタバタコメディとして面白いH・Mと伯爵夫人の争いは後半になると失速するが、タイトルの骸骨の中にある手がかりは意表をついた秀逸さ。かつて死刑執行がなされ、死刑囚の念が籠った刑務所こそ、最高のお化け屋敷説もなるほどと感心。そこで行われる肝試しで一晩過ごす夜のお供の本がスティーブンソンはともかく、チェーホフの『桜の園』ってのにも驚いた。カーとチェーホフ?全く結びつかないが、没落貴族を描くという意味では本作と通じるかも。一見人好きするが、母親にスポイルされた人間として描かれる人物は、本年度アカデミー賞を取った『アノーラ』のロシア大富豪のドラ息子と通じるものが。そして過去の事件はともかく、現在の殺人の犯行動機の無茶苦茶さは、ある意味現代的。【青雪】
---
次回blog掲載は「墓場貸します」です。
Continue to ... : A Graveyard to Let (1949)
crossgully at 23:17|Permalink│clip!│Carr Graphic
Carr Graphic (23)
Carr Graphic 46th(blog-23) 時計の中の骸骨 / The Skelton in the Clock (1948)
March 2025
表現規制の歴史 (7)
2025年03月 (1)
2025.03.23 (まとめ)第2次トランプ政権(2025年~)による学術・研究・知的自由への影響(2025年3月まで)
表現規制の歴史
学術研究への影響
主要な出来事(時系列):
2025年1月下旬 – トランプ大統領就任直後、連邦政府機関に対し「無駄の削減」を求める大統領令(2月11日付)を発令。これを受け、国立衛生研究所(NIH)は2025年1月に助成金審査会議の開催を一時停止し、新規研究助成の決定が滞る事態となった。大学側は研究資金の流れが「細る」のを感じ始め、博士課程学生の受け入れ抑制やプロジェクト縮小を検討し始めた。
2025年2月~3月 – 連邦研究予算の大幅削減計画が表面化。とりわけNIH予算の削減は大学研究に直接影響し、デューク大学では2024年1~2月に166件だったNIH助成金・契約の採択通知が、2025年同時期には64件に激減したと報告された。3月時点で、NIHから年間5億8千万ドルの研究費を得てきた同大学は、予算削減の差し止めを求める訴訟によって削減が一時凍結されたものの、既に採用凍結や研究計画縮小、資金喪失に備えた緊急計画の策定を余儀なくされている。多くの大学が同様の危機対応に追われた。
2025年3月11日 – 米国立科学財団(NSF)による学部生向け研究プログラム(REU)の中止が相次ぐ。NSF予算の不透明さから「少なくとも12のREUサイトがこの夏の計画を中止した」と報じられ、長年にわたり若手育成の要だった夏季研究プログラムが打撃を受けた (Trump’s cuts threaten key NSF undergrad research program)。これは大学院進学や将来の研究者キャリアへの悪影響が懸念される出来事である。
2025年3月中旬 – 連邦議会は9月末までの予算を現行水準で維持する「継続予算決議」を可決したが、軍事費に60億ドル上乗せする一方、民生プログラムを130億ドル削減する内容となった。このため、NIHの一部長期プロジェクト(BRAINイニシアチブやAll of Usゲノム医学など)は特別基金の枯渇により2025年度予算が合計2億8千万ドル減少し、国防総省の医学研究プログラムも57%(約8億5千万ドル)の大幅減となった。研究現場では資金不足によるプロジェクト縮小・スタッフ解雇の懸念が急速に高まった。
2025年3月下旬 – 研究環境の政治化も進行。連邦政府は「多様性・公平性・インクルージョン(DEI)」関連の取組を排除する方針を打ち出し、NIHの多様性奨学金プログラムも停止された。例えば、ある黒人の博士課程学生は当初NIHの多様性奨励プログラムへの応募を予定していたが、トランプ政権が連邦政府からDEI関連イニシアチブを一掃し始めたため、急遽DEIに関係ない別の助成金を探さざるを得なくなった。研究費配分が政治的理念で左右され、研究テーマの選択にも自己検閲が生じる懸念が高まっている。
国際共同研究への障壁の顕在化(2025年1~3月) – トランプ政権は第1期で導入した入国制限(通称「渡航禁止令」)を大幅拡大する構想を示した。3月17日の報道によれば、対象国は7か国から最大41か国へ拡大される可能性があり、うちエリトリアやミャンマーなど5か国は学生ビザの発給停止を含む部分的渡航禁止の対象に検討されている。また1月20日付の大統領令では「外国人に対する入国審査の強化」が指示され、研究者・留学生に対する審査が厳格化された。2月初旬には一部の外国人研究者が入国審査で長時間拘束される事例も報告され、国際会議や共同研究への参加に支障が出始めた。3月までに大学主導の国際研究プロジェクトの延期・中止が相次ぎ、海外の共同研究者との往来が滞る傾向が強まっている。
政策変更・削減措置の一覧(学術研究分野):
日付 政策・措置 内容・規模(削減額等) 影響対象・分野 出典
2025年1月 NIH助成金審査の一時停止 研究助成金の新規審査を停止。研究費配分が事実上凍結 大学の研究プロジェクト全般
2025年2月 連邦研究費の暫定予算(継続予算決議) 民生プログラム予算を130億ドル削減。NIH主要計画で2.8億ドル減、国防総省医学研究で57%減など 医学・科学研究(脳研究、ゲノム研究、防衛医研など)
2025年3月 NIH研究費の削減(裁判で一時停止) 大学への研究補助金大幅削減を計画(例:デューク大で年間5.8億ドル削減通知)※州政府の提訴で一時差し止め 医学・生命科学研究
2025年3月 NSF学部生研究(REU)プログラムの縮小 夏季研究インターン(REU)が資金不安で中止相次ぐ(少なくとも12サイトで実施中止) (Trump’s cuts threaten key NSF undergrad research program) 若手研究者育成、人材パイプライン (Trump’s cuts threaten key NSF undergrad research program)
2025年3月 研究費の多様性プログラム排除(DEI禁止) NIHの多様性奨学金を含む、特定人種・属性支援の研究費を停止 マイノリティ研究者、社会科学研究
2025年3月~ 研究機関の大規模リストラ計画(予告) 各科学機関が人員削減計画を準備。NSFでは職員の最大50%削減(約800人)との情報。将来的に予算半減(90億→40億ドル台)案も浮上 主要連邦科学機関(NSFなど)
2025年1~3月 渡航禁止令の拡大と入国審査強化(計画) 渡航禁止対象国を最大41か国に拡大検討。一部で学生ビザ停止を含む。入国審査を大幅強化 国際共同研究、留学生交流
悪影響の要約(学術研究): 研究予算の急激な引き締めと不透明化により、大学の研究体制は混乱し、人員採用やプロジェクト継続が脅かされた。2025年初頭から各大学は研究費削減への緊急対応(採用凍結・計画縮小)を強いられ、若手研究者育成プログラムも中止が相次いだ (Trump’s cuts threaten key NSF undergrad research program)。また、研究の政治化が進み、連邦政府は自らの政治方針に沿わない分野(多様性研究や気候変動など)への資金提供を制限する姿勢を示した。国際的にも査証(ビザ)政策の強化や渡航制限拡大により、共同研究や学術交流に高い障壁が生じている。これらにより米国の研究環境は閉鎖的となり、将来のイノベーション基盤が損なわれつつある。
大学・高等教育への影響
主要な出来事(時系列):
2025年1月~2月: 留学生・国際研究者への圧力強化 – トランプ政権は就任直後から移民・留学生に対する取り締まりを強化した。1月下旬には初期の渡航禁止令拡大の方針が示され、2月に入ると連邦移民当局が大学の寮に踏み込み、留学生のビザを取り消し、キャンパス抗議に参加した留学生の強制退去を警告する事態が発生した (Colleges Fear Decline in International Student Enrollment)。緑カード(永住権)保持者の研究者が逮捕されるケースも報じられ、学術コミュニティに動揺が広がった (Colleges Fear Decline in International Student Enrollment)。さらに科学・工学系分野の留学生や大学院生に多く支給されていたSTEM研究助成金「数億ドル規模」が削減されたため、多くの大学院プログラムで留学生の新規受け入れを一時停止する動きが出た (Colleges Fear Decline in International Student Enrollment)。西バージニア大学で国際戦略担当副学長を務めたWilliam Brustein氏は、「ビザ取り締まりや研究費削減、目立つ逮捕劇によって、今年の留学生減少は2017年(第1次政権時)の比ではないだろう。多くの学生が米国以外(英国、カナダ、アジアなど)に流れると予想する」と述べている。
2025年1月: 大学のDEIプログラム縮小の動き – トランプ政権は全米の大学に対し、過去にバイデン政権下で推進された多様性・公平・包括(DEI)プログラムの見直しを迫る姿勢を示した。特に1月中旬、保守系団体の働きかけにより、ビジネス分野でマイノリティ支援を行ってきた非営利組織「The PhD Project」が標的となり、同団体と提携する45の大学に調査が入った。連邦教育省は各大学に対し、この組織との関係や「人種に基づく奨学金」の提供状況を報告するよう3月31日締切で要求し、違反が認定されれば連邦資金停止も辞さない構えを見せた。この動きに対し、多くの大学は慎重姿勢を取りつつも、一部では当該団体との関係解消に踏み切る例が出た。例えばケンタッキー大学は3月中旬に同団体との提携打ち切りを発表し、ワイオミング大学もビジネススクールによる財政支援を今年度停止すると表明した。DEI推進を掲げてきた学術プログラムや奨学金が次々と終了に追い込まれつつある。
2025年3月19日: 学問の自由への介入(コロンビア大学の事例) – ニューヨークのコロンビア大学は、前年末からのパレスチナ支持デモへの対応を巡りトランプ政権と対立していたが、3月21日、連邦政府の要求する一連の措置を受け入れると発表した。これは政権が同大学に対し「キャンパスの反ユダヤ主義対策」と称して抗議活動への規制強化(マスク禁止や逮捕権を持つ警官の増員)、中東研究プログラムの再編や新高官ポスト設置などを要求し、応じなければ約4億ドルの連邦研究資金を停止すると脅したことによる。コロンビア大学は法的異議や学問の自治への懸念がある中で譲歩し、「250年以上の歴史で前例のない学問への政府介入だ」との批判を浴びた。全米大学教授協会(AAUP)会長のトッド・ウルフソン氏は記者会見で「我々はコロンビア大学が学問の自由と言論の権利を守り、政府の要求に屈しないことを望んでいたが、結果は期待外れだ」と強く非難した。歴史学教授のカール・ジェイコビー氏も「連邦政府が一大学の特定学部を支配しようとしたのは初めてであり、トランプ政権はこれからが本番だ」と警告している。教育政策専門家のロバート・ケルチェン氏は「トランプが望むものを完全にコロンビアから勝ち取った。次は名だたる他大学も従わざるを得なくなるだろう。これは米高等教育史の転換点だ」と述べ、他大学への波及効果を指摘した (Columbia Agrees to Trump’s Demands)。
2025年3月20日: 大学自治へのさらなる圧力 – トランプ大統領は「教育の自由と多様性」を掲げた非営利団体やプログラムにもメスを入れ、特定の思想に基づく教育活動を排除する大統領令を連発した。例えば、「過激な偏向教育の終焉」と銘打った大統領令では、学校教育における「ジェンダー・イデオロギー」や「差別的平等イデオロギー」を“洗脳”とみなし、そうした教育を行う機関への連邦資金を打ち切る計画策定を各省庁に命じた (What's in Trump's New Executive Orders on Indoctrination and School Choice)。この命令には、第1次政権で物議を醸した「1776委員会」の復活も含まれており、アメリカ建国の精神を称える「愛国教育」を推進することが掲げられた (What's in Trump's New Executive Orders on Indoctrination and School Choice)。一方、ジェンダーや人種差別の問題を教育するプログラムは「急進的な偏向」とみなされ、連邦支援から排除される方向となった (What's in Trump's New Executive Orders on Indoctrination and School Choi
投資情報の免責事項
投資情報の免責事項
3月16日 醍醐味シリーズ第11弾は、稲葉真弓『砂漠の雪』です。現在鋭意製作中。収録作や内容紹介など、詳細は 烏有ブログ3/14 で。
投資情報の免責事項
2022-01-20
焼き鳥屋で刑法学者と意気投合してコインハイブ事件について書き出すだけの難儀なお仕事
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teacup. byGMO サービス終了のお知らせ
teacup. byGMOは、2022年8月1日をもちまして、サービスを終了いたしました。
これまでteacup. byGMOをご愛顧いただき、誠にありがとうございました。心より感謝申し上げます。
今後とも、GMOメディア株式会社のサービスをよろしくお願いいたします。
2022年8月1日
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2025年03月02日
リアルポリティクスの陥穽
先日のワシントンにおけるウクライナと米国の両首脳の会談決裂は、多くの人々を失望させるものであった。事前に伝えられていた協定内容が、意外にウクライナに有利なものであるらしいことに、内心半信半疑に期待していただけに、私と同様に感じた人も多いと思う。結果から見れば、この決裂はいくつなの情報筋からの説明にあるように、トランプとヴァンスが事前に仕組んでいた罠であった可能性もしてくる。トランプは、大統領選挙キャンペーン中から、自分にはウクライナ戦争を直ちに停止させる力があると宣伝してきた手前、彼の支持者に対して何らかの成果を短期に示す必要があったのだろう。少なくとも、中間選挙前には、目に見える成果を呈示するとこがなければ、中間選挙に大敗する可能性が高い。そんなわけで、トランプにも、懸念すべき弱点があり、ウクライナとそれを支援するヨーロッパ諸国に対して、ある程度納得させ得る妥協案を提出する必要があったのかもしれない。実際にはウクライナにとって明らかに有利な条件であっても、そしてトランプの当初の恐喝的な停戦条件から大幅に後退したものであっても、とにもかくにも停戦を実現しさえすれば、トランプとしては、知性の低い彼の支持者に対して、自分がゼレンスキーに無理やり停戦を押し付けたディールの勝利者であると、納得せせることもできると読んでいたのかもしれない。
あるいは、自己の利益しか考えないリアリスト政治家として、はじめからウクライナの鉱物資源に目をつけて、フランスなどに油揚げをさらわれる前に、資源開発の先鞭をつけて戦後処理の際に自国の有利になるように運ぼうと考えていたのかもしれない(私としては、トランプがそんな長期的ヴィジョンによって行動する人間とは思われないので、この可能性は少ないと思っている)。
いずれにしても、専門家でもない我々に現在知り得ることは少ないし、それも不確かである。そんな不確かな問題に口をはさむことは愚かであるかもしれない。とはいえ、たとえ不確実な情報に基づいてであっても、断固とした判断が必要な場合がある。戦争に加担したり、反対したりすることは、そのような判断が求められる場合の一つであろう。私が例えば「絶対平和主義」のような原理主義的な立場に共感できないのは、それが困難な政治的決断を回避しているからである。
侵略者と被侵略者を均並みに扱うことによって、世界秩序に対する顕著な撹乱をもたらすとか、自由と民主主義に対するアメリカ政治の重要な伝統をかなぐり捨てることによって(もっともそれさえしばしば偽善的建前に堕することはあったのだが)、国際社会からの共感と信用を根本から損なうという大きな国益損失をもたらしたとか、多くの識者が指摘していることにはおおむね賛成するが、ここでは少し違う角度からこの会談の決裂の歴史的意義を考えてみたい。
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土田健次郎「儒教とは何か」
土田健次郎「儒教とは何か」、大月杏奈ほか編『儒教のかたち こころの鑑:日本美術に見る儒教』(展覧会図録)サントリー美術館、2024年、8-14頁。 日本の歴史に儒教が果たした役割が簡潔かつ見事にまとめられている。長年の研究で練り上げられた独自の視点と語り口が光っている。こういう...
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【ご報告】「長田衛の仕事」の展示資料について 2025/02/17
2025-02-04
ブログ移転につきまして
アクセスありがとうございます。
遺稿管理のため、このブログは下記に移転します。
「火星の月の下で」
現時点では限定公開となっています。
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ご連絡のある方はそちらからお声掛けください。
故人へのお言葉もいただけると嬉しいです。
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2025年01月18日
テスト
中尊寺金色堂
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謹賀新年。
本年もどうぞよろしく、お願いいたします。
当方、この1月で何と「喜寿」を迎えます。
それを機に、今年からは「紙の」賀状に代えて、
メールでの御挨拶とさせていただきたく、この段、
あしからず御了承のほど、お願い申し上げます。
賀状をくださった皆様、ありがとうございました。
昨年10月からnoteにも原稿を書いています。
▶『日めくりジャズ365 2025年版』
2024年12月
29 30 31
レックス・スタウト『シャンパンは死の香り』が刊行
レックス・スタウト『シャンパンは死の香り』(1958。Champagne for One)が論創海外ミステリから刊行されました。
未婚の母たちをもてなすパーティーに、知り合いから代わりに出席してくれと頼まれたアーチーは、雇い主のウルフの制止も振り切って出席する。毎年開かれるそのパーティーには、四人の未婚の母がゲストとして招待され、パートナーを務める男たちも社交界から四人招待されていた。
ところが、ゲストの娘の一人がアーチーに、フェイス・アシャーという別の娘が、ハンドバッグにいつも青酸の入った小瓶を忍ばせていて、仲間たちに自殺の可能性をほのめかしていたが、今夜のパーティーにもその瓶を持ってきているようだと告げ、この華やかな場で自殺を決行するのではないかと不安を漏らす。
アーチーは、なにも起きないよう自分が目を光らせているからと、娘を安心させるが、フェイスは、ダンスのパートナーが持ってきたシャンパンをひと口飲むと、そのまま絶命してしまう。死因は青酸中毒だった。
パートナーが彼女に渡したシャンパンのグラスは、バーのカウンターに並んでいたグラスの中から無作為に選んで持ってきたグラスであり、彼は自分用のグラスをもう片方の手に持っていたため、持っていく途中も含めて、グラスに毒を仕込むことは不可能だった。
現場にいた誰もが、フェイスは自殺に違いないと証言するが、アーチーは、自分はずっと目を光らせていたし、彼女が毒をグラスに入れたとは考えられず、これは殺人に違いないと主張する・・・。
「ウルフは博識だが、彼の才能は人間の行動の理解にある。彼が犯罪を解決するのは、クラーレの毒の症状やボルネオの吹き矢の音を知っているからではなく、瀬戸際にある人間がどう行動するかを理解しているからだ。」(ロバート・B・パーカー)
多くの読者の皆様に楽しんでいただけることを願っております。
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http://fuhchin.blog27.fc2.com/blog-entry-643.htmlレックス・スタウト『シャンパンは死の香り』が刊行
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レックス・スタウト『シャンパンは死の香り』刊行 :
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レックス・スタウト『シャンパンは死の香り』刊行 (3)
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2024年12月前半 「12月のそら」展
参加作家 綺朔ちいこ・桑原聖美・林千絵・井関周
会期 : 2024年12月6日(金)7日(土)8日(日)、12日(木)13日(金)14日(土)
Open 13:00~19:00 (最終日 17:00まで)
2024年
2025年予定
2025年1月16日:【英訳】イギリス〈Pushkin Vertigo〉で雨穴『変な絵』の英訳 Strange Pictures (Jim Rion訳)発売予定。
2025年5月8日:【英訳】イギリス〈Pushkin Vertigo〉で芦辺拓『大鞠家殺人事件』の英訳 Murder in the House of Omari (??訳)発売予定。
2025年7月3日:【英訳】イギリス〈Pushkin Vertigo〉で雨穴『変な家』の英訳 Strange Houses (Jim Rion訳)発売予定。
2025年8月14日:【英訳】イギリス〈Pushkin Vertigo〉で西澤保彦『七回死んだ男』の英訳 The Man Who Died Seven Times (Jesse Kirkwood訳)発売予定。西澤作品の英訳はこれが初。
2025年9月11日:【英訳】イギリス〈Pushkin Vertigo〉で横溝正史『黒猫亭事件』の英訳 Murder at the Black Cat Cafe (??訳)発売予定。
横溝正史の英訳書は7冊目。Pushkin Vertigoでの刊行順は、『本陣殺人事件』『犬神家の一族』『八つ墓村』『獄門島』『悪魔が来りて笛を吹く』『悪魔の手毬唄』。(最初に英訳出版されたのは『犬神家の一族』であり、Pushkinの犬神家は同じ訳者のものの復刊)
2025年10月9日:【英訳】イギリス〈Pushkin Vertigo〉で綾辻行人『時計館の殺人』の英訳 The Clock House Murders (Ho-Ling Wong訳)発売予定。
時計館は館シリーズの第5作だが、英訳書としては第4弾となる(シリーズ第4作、『人形館の殺人』がスキップされている)。
2025年春?:【英訳】川上未映子『黄色い家』の英訳 Sisters in Yellow (David Boyd訳)発売予定。
最終更新:2024年11月15日 20:12
5
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2024年08月09日17:00
by 東京創元社
Web東京創元社マガジン移行のお知らせ
カテゴリ
東京創元社便り
2018年よりライブドアブログを使用してお届けしてきた「Web東京創元社マガジン」ですが、このたびプラットフォームをnoteへ移行することになりました。
新たなURLはこちらです。
https://note.com/tokyosogensha/
今後の更新方針については下記のとおりです。
・新たな記事の公開はnoteでおこないます。ライブドアブログでの更新は原則ありません。
・過去の記事はすべてnoteに移行する予定です。閲覧可能な状態になりしだい順次公開していきます。
・移行作業が完了したのち、一定の期間をおいてライブドアブログはすべて非公開となります。
今後とも東京創元社とWeb東京創元社マガジンをよろしくお願いいたします。
2024年8月9日 東京創元社
タグ :
#東京創元社
2024年08月08日17:00
by 東京創元社
荻堂顕『不夜島』、柴崎友香『続きと始まり』…紙魚の手帖vol.15(2024年2月号)書評 瀧井朝世[文芸全般]その1
カテゴリ
一般文芸
書評
戦後の与那国島(よなぐにじま)を主な舞台に、身体の大部分を機械化された密売人が謎のミッションに挑むサイバーパンク。荻堂顕(おぎどう・あきら)の新作『不夜島(ナイトランド)』(祥伝社 一八〇〇円+税)である。
不夜島(ナイトランド)
新潮ミステリー大賞出身の荻堂だがミステリーにこだわっているわけではないようで、前作『ループ・オブ・ザ・コード』は文化や言語が〝抹消〞された架空の国を舞台にしたSF大作だった。本作もSFで、アクションあり、頭脳戦ありの冒険活劇だ。
主人公の武庭純(ウー・ティンスン)は台湾出身の密売人。幼い頃にアメリカ軍に命を救われ、電脳を含め身体の大半を機械化されているが、見た目は生身の人間だ。アウトローのようにふるまう彼だが、アメリカ軍からの指令には逆らえず、ある時コンタクトしてきたアメリカ人女性から、〈含光(ポジティビティ)〉なる謎の代物を手に入れるよう言い渡され、仲間を集めて行動を起こすのだった。
当時、台湾との密貿易が盛んだった与那国島の港付近には料亭や飲み屋、商店などが密集していたようで、猥雑(わいざつ)な町の空気が丁寧(ていねい)に描写されていく。そこを身体の一部を機械化した人間たちがうろついているわけだが、一方で、戦争や暴力で身体の一部を欠損しても機械化を拒む青年らも登場し、次第に〝自分が自分である〞とはどういうことか、アイデンティティを巡るテーマが浮かび上がる。そしてそれはそのまま、歴史に翻弄(ほうろう)された琉球(りゅうきゅう)や台湾自体にも重なっていく。思えば『ループ・オブ・ザ・コード』も故郷を捨て根無し草のように生きてきた男が主人公だった。自己の同一性の揺らぎというのは、この著者にとって大きなモチーフなのだろう。
柴崎友香(しばさき・ともか)『続きと始まり』(集英社 一八〇〇円+税)はコロナ禍の二年間の、別々の場所で暮らす三人の日常を綴(つづ)っていく長篇。
続きと始まり (集英社文芸単行本)
大阪出身で一時期は東京で働き、今は滋賀で夫と子供二人と暮らす三十代の優子(ゆうこ)。東京で妻と幼い子供を育てているが、勤務先の飲食店が休業状態の三十代の圭太郎(けいたろう)。東京のフリーのカメラマンで、知人のヘアメイクが作った写真館の仕事を手伝っている四十代のれい。それぞれ異なる立場で、緊急事態宣言など感染症拡大の影響を受けている。
読んでいるとあの時期の出来事を久々に思い出したりもするのだが、しかしこれはもちろん、単なるコロナ禍の日常の記録書ではない。三人の個人的な事情やそれによる心の揺れが丁寧に描かれて読ませる。そのなか、遠い昔の苦い思い出や過去の震災当時の記憶も、彼らの胸を去来する。
いろんな出来事が起きて、なにも終わっていないのに次々とまた何かが始まっていく。それは一人の人生の中でも、人の歴史の中でもいえることだ。戦争、災害、社会制度、古い価値観と更新された価値観……。何かが続いているなかの今という時点に自分たちは生きており、自分たちの行動の先に未来がある。それをじわじわと実感させる内容である。作中には何度もポーランドの詩人、シンボルスカの作品が象徴的に引用される。
最後にははっとさせる〝いつか〞の場面が出てくる。自分たちの人生はいつでも、何かと繫(つな)がっていると思わせる。
■瀧井朝世(たきい・あさよ)
フリーライター。1970年東京都出身。文藝春秋BOOKS「作家の書き出し」、WEB本の雑誌「作家の読書道」ほか、作家インタビューや書評などを担当。著書に『偏愛読書トライアングル』『あの人とあの本の話』『ほんのよもやま話 作家対談集』、編纂書に『運命の恋 恋愛小説傑作アンソロジー』がある。
紙魚の手帖Vol.15
今村 昌弘ほか
東京創元社
2024-02-13
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#紙魚の手帖
Web東京創元社マガジン移行のお知らせ
荻堂顕『不夜島』、柴崎友香『続きと始まり』…紙魚の手帖vol.15(2024年2月号)書評 瀧井朝世[文芸全般]その1
東京創元社便り (242)
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書評 (147)
ラベル: 木曜日 0
コメント 時刻: 11:05
自由、尊厳、友愛――TVアニメ『ガールズバンドクライ』感想
TVアニメ『ガールズバンドクライ』についての感想です。
このアニメが描いたのは自由、尊厳、友愛のバランスだったのではないかと考えました。
2024.07.01公開
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へろへろblog
Amazonとか楽天とかQoo10とかで売っている認証済みKF94マスク(+贋物情報)
投稿日 2023年9月1日2023年9月4日投稿者 ブースカちゃん
Amazonとかで売られているKF94マスク、中国製などの不正品があるようなので、韓国の当局認可を受けていることが確認できているものをまとめていきます。また、最後には不正品の情報も載せています。 (2023年9月4日:レ … “Amazonとか楽天とかQoo10とかで売っている認証済みKF94マスク(+贋物情報)”の続きを読む
カテゴリー つぶやきタグ KF94 マスクAmazonとか楽天とかQoo10とかで売っている認証済みKF94マスク(+贋物情報) への10件のコメント
スモールランプをLEDに交換しました
投稿日 2023年8月23日2023年8月23日投稿者 ブースカちゃん
車検のための整備で、スモールランプが切れていることがわかりました。 AmazonでT10のLEDを購入して取り付けました。 スモールランプの交換は簡単なので、数分で作業完了です。 かなり明るくなった気がしますが、そんなに … “スモールランプをLEDに交換しました”の続きを読む
カテゴリー 自動車スモールランプをLEDに交換しましたにコメントする
仙台へ出かけてきました
投稿日 2023年5月31日2023年6月19日投稿者 ブースカちゃん
初めてPeach Aviation すごく久しぶりに、仙台空港へ出かけてきました。 セントレアからPeach Aviationが仙台便を運航しているので、今回はそれを使ったのです。 Peach Aviationを使うのは … “仙台へ出かけてきました”の続きを読む
カテゴリー お出かけ 航空機仙台へ出かけてきました への3件のコメント
4kizの本山さんが発信者情報開示を請求
投稿日 2023年3月31日投稿者 ブースカちゃん
note運営事務局から以下のメールが来ました。 4kizの本山さんが発信者情報の開示を求める裁判を申立てたようです。 要するに、僕を「名誉権の侵害」で訴えたいので、note事務局は僕の発信者情報を開示しろ、という訴えだと … “4kizの本山さんが発信者情報開示を請求”の続きを読む
カテゴリー 4kiz 統一教会4kizの本山さんが発信者情報開示を請求にコメントする
【読書】オーバースペック(未須本有生)
投稿日 2023年3月23日2023年5月31日投稿者 ブースカちゃん
著者はFS-X設計チーム(FSET)で一緒だった人で、これまでにも何冊かの小説を上梓しています。 今回の『オーバースペック』は、自衛隊のT-4練習機をモチーフにして、これに戦闘機能を与える改修を試みるというストーリーです … “【読書】オーバースペック(未須本有生)”の続きを読む
カテゴリー 航空機【読書】オーバースペック(未須本有生)にコメントする
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【ゴジラ-0.1 豪華版 4K Ultra HD Blu-ray 4枚組】 12,100円 [amazon]
【ゴジラ-1.0/C】
5月1日発
モノクロ映像版。
2973円 [amazon]
【Blu-ray】 4400円 [amazon]
【哀れなるものたち Blu-ray+DVDセット】
5月8日発売
風変わりな天才外科医、ゴッドウィンによって死から蘇った若い女性ベラは、世界を知るために、放蕩者の弁護士ダンカンと共に大陸横断の冒険の旅に出る。時代の偏見から解き放たれ、真の自由と平等を知ったベラは驚くべき成長を遂げていく。原作アラスター・グレイ。
5390円 [amazon]
【特ダネ三十時間シリーズ Vol.1】
5月8日発売
新聞記者清水浩平が、特ダネを求めて事件の真相に迫る姿を描いた「特ダネ三十時間」シリーズ、初ソフト化。《特ダネ三十時間 第三の女》《特ダネ三十時間 深夜の挑戦》(1959)を収録。
【人類危機一髪!巨大怪鳥の爪 カラー版】
5月31日発売
海上や陸上で続発する事故を調査するうちにモンスターの存在が浮上する。ついにその姿を現した巨大怪鳥がニューヨークを襲う。1957年公開のSF怪獣映画《The
Giant Claw》をカラー化。
2178円 [amazon]
▼6月発売
【スーパージャイアンツ アトムAB団編】
6月5日発売
繰り返される原水爆実験の影響は遠く宇宙の星々にも及んでいた。危機を感じた宇宙人会議は、地球に核爆弾開発の中止を呼びかけるため、エメラルド彗星のスーパージャイアンツを派遣した。地球に到着したスーパージャイアンツは、世界征服を目論むアトムAB団の計画を察知して動き出す。《鋼鉄の巨人》《続
鋼鉄の巨人》(1957)を収録。石井輝男監督作品。
4180円 [amazon]
【スーパージャイアンツ カピア人編】
6月5日発売
全国各地に円盤が出没。東京周辺では原因不明の奇病が流行する。この円盤を研究していた天文学者が異様な怪人に襲われ、スーパージャイアンツが撃退するが、彼らの正体は月の裏側の小惑星カピアに棲む邪悪な怪星人だった。《怪星人の魔城》《地球滅亡寸前》(1957)を収録。石井輝男監督作品。
4180円 [amazon]
【日曜恐怖シリーズ ベストセレクション3】
6月28日発売
1978-79年放映のホラー・サスペンスドラマ《日曜恐怖シリーズ》から《お雛様の亡霊》(原作山岸凉子)、《呪われた大時計―ネジの叫び―》(原作山岸凉子)、《死霊の島》(原作西村京太郎)を収録。
9680円 [amazon]
▼7月以降発売
【テラー博士の恐怖 4Kレストア版 Blu-ray】
【探偵マーロウ】
7月3日発売
私立探偵フィリップ・マーロウの事務所を訪ねてきたブロンド美女クレア。「突然姿を消した元愛人を探してほしい」という依頼だったが、映画業界で働いていたというその男はひき逃げ事故で殺されていた……。原作ベンジャミン・ブラック(ジョン・バンヴィル)『黒い瞳のブロンド』、監督ニール・ジョーダン。
4400円 [amazon]
【Blu-ray】 5500円 [amazon]
【スーパージャイアンツ 黒い衛星編】
7月3日発売
正体不明の人工衛星を発見したスーパージャイアンツ。その頃各地の天文台で原因不明の故障が相次いでいた。秘密国家〈黒い衛星〉の暗躍に、彼らの狙いを見抜いたスーパージャイアンツが立ち上がる。。《人工衛星と人類の破滅》(1957)《宇宙艇と人工衛星の激突》(1958)を収録。石井輝男監督作品。
4180円 [amazon]
【スーパージャイアンツ 闇の組織編】
7月3日発売
宇宙からの使者スーパージャイアンツが宇宙怪人や魔女、暗躍する悪の集団と戦う。《宇宙怪人出現》(1958)《悪魔の化身》(1959)《毒牙王国》(1959)を収録。石井輝男監督作品。
4180円 [amazon]
【オオカミの家 Blu-ray】
山々に囲まれた集落で暮らす、動物好きの少女マリアは、ある日ブタを逃がしてしまい、厳しい罰に耐えられず集落から脱走する。逃げ込んだ一軒家で出会ったニ匹の子ブタを「ペドロ」「アナ」と名付け、世話することにしたマリア。だが、安心したのも束の間、森の奥から彼女を探すオオカミの声が聞こえ始める。チリの"ホラー・フェアリーテイル"アニメーションを、本編未使用ショット集、日本未公開短編を含む約50分の映像特典と共にBlu-ray化。、
7480円 [amazon]
【鈴木清順「浪漫三部作」 4Kデジタル完全修復版 UHD+Blu-ray BOX】
鈴木清順監督生誕100年記念、〈清順美学〉の頂点であり、日本映画界が誇る名作『ツィゴイネルワイゼン』『陽炎座』『夢二』が4Kデジタル完全修復版で甦る。
6枚組 20,440円 [amazon]
※分売
【ツィゴイネルワイゼン】 [amazon]
【陽炎座】 [amazon]
【夢二】 [amazon]
【東海道非常警戒】
4月3日発売 発売中
刑事の山内と週刊誌の記者京子が乗った特急こだまで、財閥東山家の令嬢が誘拐され、一千万円の身代金を要求する電話が。特急列車で起きた誘拐、そして殺人事件をスピーディな展開で描いたサスペンスアクション。
【男の世界だ】
4月3日発売 発売中
新人王を賭けた試合を間近に控え、猛練習に励む大学ボクシング部主将の猛に悲報が届く。港湾争議の最中、組合の委員長である兄が殺害されたのだ。海港都市を舞台に激突する男たちの意地と復讐、そして巨悪との戦いを描くアクション快作。
【フランス映画パーフェクトコレクション 失われた楽園】
3月18日予定 発売中
《賭はなされた》《失われた楽園》《麗しのモーツァルト嬢》《ドン・カミロ頑張る》《弾痕》《浮気なカロリーヌ》《巴里の気まぐれ娘》《果てしなき地平線》《ファーブル》《キュピドン酒場》
10枚組 2200円 [amazon]
【鈴木清順生誕100周年記念シリーズ ブルーレイBOX 其の弐 セイジュンと女たち】
3月6日発売 発売中
《河内カルメン》《肉体の門》《春婦傳》《関東無宿》《悪太郎》《裸女と拳銃》+特典ディスク
7枚組 33,000円 [amazon]
【トラウマ 鮮血の叫び 4Kレストア完全版 Blu-ray】
3月6日発売 発売中
デヴィッドは車を運転中、橋で投身自殺を図る美少女オーラを救った。彼女は自宅に連れ戻されるが、その晩、両親が開いた降霊会で怨霊に憑依された霊媒師の母親は錯乱して豪雨の森へ迷い込み、父親と共に何者かに首を切断されてしまう。怯えるオーラを匿ったデヴィッドは、殺人を重ねる首狩り魔の謎を追うが……。ホラーの巨匠アルジェントが娘アーシアを主演に起用した意欲作。
5500円 [amazon]
【怪奇!二つの顔の男】
精神科医マーロウ博士は発明した新薬を自ら実験するが、その結果、邪悪なモンスターになってしまう。クリストファー・リー、ピーター・カッシング共演の「ジキルとハイド」ホラー(1971)。
1945円 [amazon]
【一度は観たい!名作映画コレクション 運命の饗宴】
2月19日発売 発売中
《運命の饗宴》《結婚クーデター》《陽気な中尉さん》《ミスター・ラッキー》《結婚相手見つけます》《フットライト・パレード》《美人は人殺しがお好き》《天国への階段》《春を手さぐる》《グッド・ニュース》
10枚組 2200円 [amazon]
【世にも怪奇な物語 4Kリマスター版】
エドガー・アラン・ポーの短篇(メッツェンガーシュタイン/ウィリアム・ウィルソン/悪魔に首を賭けるな)を三人の名匠が映像化したオムニバス映画。《黒馬の哭く館》(ロジェ・ヴァディム)、《影を殺した男》(ルイ・マル)、《悪魔の首飾り》(F・フェリーニ)。
【Blu-ray】 6380円 [amazon]
《廉価版再発売》
2月7日発売 発売中
【本陣殺人事件】 [amazon]/【Blu-ray】 [amazon]
【不連続殺人事件】 [amazon]
【名探偵ポアロ ベネチアの亡霊 Blu-ray+DVD】
1月17日発売 発売中
ベネチアに隠遁していたポアロは、霊媒師のトリックを見破るために、子供の亡霊が出るという屋敷での降霊会に参加する。しかし、その招待客が人間には不可能と思われる方法で殺害される。ケネス・ブラナー監督・主演。原作A・クリスティー『ハロウィーン・パーティ』
4174円 [amazon]
【イタリア映画コレクション 二通の匿名の手紙】
1月15日発売 発売中
《二通の匿名の手紙》《ベンガジ》《トラヴェット氏の苦悩》《非難》《アリーナ》《マッダレーナ、操行ゼロ》《第119収容所のクリスマス》《初聖体拝領》《仮面の令嬢》《メッサリナ》
10枚組 2200円 [amazon]
【鈴木清順生誕100周年記念シリーズ ブルーレイBOX 其の壱 セイジュンと男たち】
1月10日発売 発売中
《殺しの烙印》《けんかえれじい》《野獣の青春》《俺たちの血が許さない》《勝利をわが手に―港の乾杯―》《素ッ裸の年令》《らぶれたあ》+特典ディスク
7枚組 33,000円 [amazon]
【怪異談 生きてゐる小平次】
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旅役者の小平次と囃し方の太九郎、その妻おちか。幼馴染の三人の関係は小平次がおちかへの思いを口にしたことからぎくしゃくし始
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ライターをご紹介します! アイウチ インテリアと観葉植物と絵本が好きなアラサー主婦です。レジャーは専ら山や川などのアウト・・・
『冤罪と人類 道徳感情はなぜ人を誤らせるのか』
冤罪、殺人、戦争、テロ、大恐慌。
すべての悲劇の原因は、人間の正しい心だった!
我が身を捨て、無実の少年を死刑から救おうとした刑事。
彼の遺した一冊の書から、人間の本質へ迫る迷宮に迷い込む!
執筆八年!『戦前の少年犯罪』著者が挑む、21世紀の道徳感情論!
戦時に起こった史上最悪の少年犯罪<浜松九人連続殺人事件>。
解決した名刑事が戦後に犯す<二俣事件>など冤罪の数々。
事件に挑戦する日本初のプロファイラー。
内務省と司法省の暗躍がいま初めて暴かれる!
世界のすべてと人の心、さらには昭和史の裏面をも抉るミステリ・ノンフィクション!
※宮崎哲弥氏が本書について熱く語っています。こちらでお聴きください。
絶望書店主人推薦本
『冤罪と人類 道徳感情はなぜ人を誤らせるのか』
冤罪、殺人、戦争、テロ、大恐慌。
すべての悲劇の原因は、人間の正しい心だった!
我が身を捨て、無実の少年を死刑から救おうとした刑事。
彼の遺した一冊の書から、人間の本質へ迫る迷宮に迷い込む!
執筆八年!『戦前の少年犯罪』著者が挑む、21世紀の道徳感情論!
戦時に起こった史上最悪の少年犯罪<浜松九人連続殺人事件>。
解決した名刑事が戦後に犯す<二俣事件>など冤罪の数々。
事件に挑戦する日本初のプロファイラー。
内務省と司法省の暗躍がいま初めて暴かれる!
世界のすべてと人の心、さらには昭和史の裏面をも抉るミステリ・ノンフィクション!
※宮崎哲弥氏が本書について熱く語っています。こちらでお聴きください。
10巻収録分の漫画に取り掛かるまでなかなかお待たせしてしまったのですが、最初にネームを一気に100ページ書いてそこから1話ずつ区切り、ページを足して、コミックス1冊分にしました。
gomi-box 2022-07-08 15:44 読者になる
domperimottekoi 2022-06-05 04:10 読者になる
domperimottekoi 2022-03-05 23:29 読者になる
domperimottekoi 2022-02-12 23:45 読者になる
domperimottekoi 2022-02-12 12:56 読者になる
domperimottekoi 2022-02-06 21:34 読者になる
shinimai 2013-04-23 00:00 読者になる
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文フリに現代の「文学とは何か」を見た
2023年11月16日
posted by 藤谷 治
11月11日(ポッキーの日)、かねてより見物したいと思っていた「文学フリマ」に参加した。おのぼりさん感覚、文化祭感覚、そしてかつて開いていた僕の本屋「フィクショネス」感覚を、存分に味わうことができた。誘っていただいた破船房の仲俣暁生さん(当「マガジン航」の編集発行人)に、まずは感謝する。現場でも仲俣さんは大奮闘なさって、おかげで僕は楽ができた。
開場は12時の予定で、準備は10時からということだったが、僕たちが到着した時(つまり開場2時間前!)には、すでに来場者が行列を作っていた。東京流通センターをフルに使った会場は広かったが、個々のブースは狭かった。破船房もひとつのテーブルを半分だけ使うことができて、そこに仲俣さんや僕の本を、なるたけ見栄えよく並べて客を待った。
テーブルの残り半分を占める隣のブースは、11時を過ぎても人が来なかった。大きな段ボールがいくつも積んであるばかりで、他人事ながら大丈夫なのかと心配になったが、開場20分くらい前にようやく段ボールが開かれた。中からは表紙に可愛い男女の描かれた、B5サイズの300頁くらいある本がどかどかと出てきた。
寒風の中で待ち続ける来場者たちを慮ってか、開場を10分早めるというアナウンスがあった。僕たちのブースはすっかり準備が整っていたが、となりは段ボールを開くので精一杯の様子である。間もなく開場となった。すると来場者たちは、はっきりとなりのブースを目指して集まり、そのぶ厚い本を中心に次々と買いあさっていくのである。たちまち行列になり、僕たちのブースの前を覆い始めた。仲俣さんは行列に向かって、通路の中央に並んでくださいと何度も声を上げたが、行列は伸びる一方、ついには文フリのスタッフが人員整理をしなければならない仕儀となった。
僕も驚いたが、そのブースの人たちにもこの人気は意想外だったらしい。印刷所から届いた本の帯封を切るのさえもどかしげに、ばんばん本を売っていった。千円札や一万円札が飛び交い、空になった段ボール箱を片づけることすらできず、開始10分で売れ切れた本もあったようだ。
そのブースの人たちはとても礼儀正しく、僕たちに御迷惑をおかけして申し訳ありませんと、何度も言ってくれた。中の一人は僕のことを知っていたばかりか、数年前にご挨拶もしてくれていたという。文芸畑の人なのだった。他の方々も僕たちに終始気をつかってくれた。その間も本は売れ続け、金庫代わりにしているクリアファイルは紙幣で膨れ上がり、ラグビーボールみたいになっていた。
そうなると僕としてはもはや羨ましくすらない。そういう現象を目の当たりにしたという、お祭り見物みたいな愉快な気持ちであった。そしてもちろん、彼らの売りまくっている本の内容が気になる。覗いてみるとどうやらそれは、ビジュアルノベルの批評集なのだった。
少し客足が落ちついてきたころに、僕は訊いてみた。
「ビジュアルノベルっていうのは何ですか? ラノベみたいなもんですか?」
「むしろゲームですね。コンピューターゲームなんだけど、小説として楽しめるというか」
「ああ」僕は必死に貧弱な知識を動員して理解しようとした。「つまり『ポートピア連続殺人事件』みたいな?」
「あのへんが起源ですね」
のちに知ったのだが、僕の出した例も完全なトンチンカンでもなかったにしろ、むしろ『ときめきメモリアル』と言ったほうがよかったようだ。恋愛シミュレーションゲームである。
なるほど、と僕は思った。彼らはあれを「ノベル」=「小説」と見なしているわけか。
論争のない世界
破船房のブースの売り上げが悪かったとは思わない。仲俣さんがさかんに声を出してくれたおかげもあって、破船房から出してもらった『新刊小説の滅亡』は50冊近くも売れたし、仲俣さんの本には完売も出た。知り合いにばかり売れたのでもなかった。我々は我々なりに奮闘し、成果を上げたと言える。
僕たちが売った本には写真集もあるが、大半が「純然たる小説」とそれに関わるものだった。「純文学」のことではない。「ビジュアルノベル」に較べれば純然、という意味である。ビジュアルもなければ音も出てこない、文章だけで出来ている小説を僕たちは売っていた。
水と油である。ビジュアルノベルから見たら僕たちのやっていることなどは、殆ど遺跡の発掘も同然だろう。一方で僕から見ればビジュアルノベルは果たして「ノベル」なのか、と問いたくなる。
だが僕は問わなかったし、彼らも僕らを嗤わなかった。それどころか彼らは僕らに気を配ってくれたし、僕も彼らに好感を持った。僕たちはお互いに笑みを交わし、気持ちよく別れた。
それはこの「文学フリマ」全体を象徴する光景に、僕には思える。店番の合間に会場を回ることもできたが、そこには多種多様な、あまりにも多種多様な「文学」があった。詩集あり海外文学あり、ラノベあり二次創作ありフォトエッセイあり、マイナーな趣味のエッセイあり政治的提言あり短歌あり旅行記ありエロあり創作文藝ありと、細分化していけばまだまだいくらでも広がるジャンルの「文学」が、幾千の著者によって書かれていた。ブースからブースへ渡り歩く人たちはそれらの小冊子や本でエコバッグをぱんぱんにしていた。つまりここで売られている「文学」はただ幾千の著者が書いているだけでなく、幾万の読者に読まれているのである。ちなみに著者と読者が重複するのは当たり前のことで、今に始まったことでも、論じて何かになることでもない。
そんな、収拾のつけようもない「文学」の乱切りポトフが「文学フリマ」であり、「文学」なのだと、僕はその巨大な空間を呆気にとられながら思い知った。
かつて文学には論争があった。お前の文学は間違っているとか、こんなものは文学じゃないとか、そんな言葉が真剣に応酬されていた。そこでは恐らく、弁証法が信じられていたのだろう。相容れない二項を対立させれば、そこに止揚が、アウフヘーベンが現われるという希望があったに違いない。
だがもはやそんなことは希望すべくもない。なぜなら対立するのは二項ではなく、百項、千項であり、これをアウフヘーベンするなんて芸当は非現実的だからだ。これら「文フリ」に広がる百項を統合し、二項か三項くらいにまとめあげようとすれば、そこにはどこか権力志向を思わせる雑駁さ、図々しさが露呈するだけではなかろうか。
人はもはや「文学とは何か」を共有しようとはしていない。『新刊小説の滅亡』と「ヴィジュアルノベル」は水と油なのかもしれないが、この二項が対立するには、まずお互いへの基本的な理解が必要になる。そしてその「基本的な理解」に至る道は、なんと遼遠なことだろう。私たちは勉強をしなければならない。その勉強の先に、もしあるとすれば「対立」は生まれるかもしれないが、対立するためにする勉強など、どこが面白いのか。そもそもそんな対立は生じることなんかなくて、互いへの理解を深める可能性だって小さくはない。水と油は、どちらも液体という共通項を持っている。それで充分という結論に達する可能性だってある。
だったら最初から相手に深入りしなければいいのだ、というのが「文フリ」なのかもしれない。実際、ヴィジュアルノベルの人たちに限らず、言葉をかけあったどのサークルの人とも、私たちは礼儀正しく振る舞うことができたし、人々も礼儀正しかった。そしてお互いのやっていることや目指していることにはほぼ抵触せず、ポッキーの話や来場者の多さを語り合って別れたのである。それは居心地のいい空間であり、居心地がいいのは悪いことでは決してない。それに私たちは、自分らの本を買ってくれる、自分らに関心を持ってくれる人たちとは、短いながらもしっかりと対話をすることができたのだ。
「判る人だけ判ればいい」と「仲良きことは美しき哉」。これが「文フリ」の空間を支えている不文律だった。表現芸術全般にとって「判る人だけ判ればいい」は、今に始まったことではない。僕が現代性を感じたのは「仲良きことは美しき哉」の方である。実際それは美しい。機会があればまた訪れたい。「文フリ」は魅力的で祝祭的な場所である。
だがその「美しさ」は、何かを隠蔽してはいないだろうか。その何かを突き止めるのは、批評の重大な役割ではないだろうか。
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大正末から昭和前期の中央詩壇にかすかな刻印をのこし、『風』や『鯉』などの名詩集を置土産に消えた能登七尾の抒情詩人の小さな精華。龜鳴屋本第一冊目『宮崎孝政全詩集』からの五十五編。
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新収品紹介/花衣ぬぐや纏はるひもいろいろ 久女
一昨日の市場で入手した短冊のうちから何枚かをご紹介。 「花衣ぬぐや纏はるひもいろいろ 久女」杉田久女初期の代表句で、大正8年『ホトトギス』誌に投稿され、高浜虚子をして「女の句として男子の模倣を許さぬ特別の位置に立つてゐる」と言わしめた一句です。久女をモデルとした小説のタイトルにもなっていますね。(田辺聖子著『花ごろもぬぐやまつわる・・・わが愛の杉田久女』)昭和9年『ホトトギス』同...
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書肆 遅日草舎 店主
大原散歩/里の駅から寂光院まで
お天気に誘われてふらふらと、今年初めての大原。 昨年9月の颱風一過の大原街道、山林の倒木が道を塞ぐように覆いかぶさっていました。今もまだ名残が見られます。『里の駅大原』で野菜を仕入れ、冬枯れの田んぼの間を抜けて寂光院への道を。川面を青いものが過ったので追うと、カワセミでした。民家の塀の屋根に咲く苔が綺麗です。 寂光院門前の漬物屋で辛子漬を買って引き返します。すでに陽は傾いて田面を銀色に輝...
14, 2019
散歩
自宅勤務
今日も宝ヶ池国際会議場近くで古美術市場が開かれていますが、そちらは長男に任せて小生は自宅勤務。「市場は寒いだろうな…」などと想像しながら、ヘンデルのリコーダー・ソナタ(ミカラ・ペトリ & キース・ジャレット)が流れる温かい部屋で、ノンビリと短冊の整理などをしていると、大きな聲では言えませんがつくづくと心地良く、入札を頼んだ短冊コレクション二点は居ながらにしていずれも無事落札、陰な...
12, 2019
書肆 遅日草舎 スタッフ"R"
初市に凍える
今日は今年最初の道具市場の日でした。午後から入札に参加して、安永年間の日付のある高松季眠和歌草稿や遊女桜木和歌短冊、最後に「露探」斬首の光景などを含む日露戦争関係の写真帖を手に入れました。こうした古写真は最近人気が高く、落札はしたもののなかなかよいお値段でした。仕事になるのかな…などと。 雪こそまだまともに積もっていませんが、寒さはいよいよ本番、比叡山を近くに望む暖房のない道具市場での四時間の...
11, 2019
書肆 遅日草舎 店主
新収品紹介/河東碧梧桐肉筆扇面色紙
昨年末の仕入れでしたが、久しぶりの碧梧桐です。絹本扇面と紙本色紙がそれぞれ2点。いつ見ても楽しい河東碧梧桐の筆です。 2月は1日が碧梧桐の命日ですが、9日から17日まで、神戸のギャラリー「MORIS」(https://moris4.com/)に於いて恒例にともいえる「碧梧桐展」が開催予定です。今回は碧梧桐門の俳人麻野微笑子氏旧蔵になる河東碧梧桐作品の数々が展示され、なかでも全紙に書かれた大幅「飲中八仙歌」は必見の価値...
11, 2019
書肆 遅日草舎 店主
昨夜はSAKUYAで
昨日は小雪の舞う寒い日でした。夕方までは引き籠ってヤフオクへの出品作業、この日の出せたのはエンタイアの山2点と斎藤茂吉の旧蔵資料。やがて日も暮れれば寒さもなんのその、この夜は予約していた西陣の小料理屋へ家内の運転で出かけました。美味い酒と肴の数々、たまに手に入る幸せ且つ贅沢な時間です。 「SAKUYA」さん、ごちそうさまでした。(2019/01/10)...
10, 2019
書肆 遅日草舎 店主
新収品紹介/文化七年、上田秋成はまだ生きていた?
上田秋成の画賛幅です。昨年の末、ある道具市の「出し売り」(下見がないので競り台の上に載せられた品を一見して価値を判断せねばなりません)で、余斎の署名頼りに落札した品なのですが…。いざ持ち帰って見てみるとなんだか引っかかります。画家が記した日付が「文化七庚午正月元日」。たしか秋成の没年は…と気になって調べてみると、やはりどの資料を見ても文化六年六月二十七日。ということは? 翌文化七年の正月元日、上...
09, 2019
書肆 遅日草舎 店主
初詣
今年の初詣は元旦に、まずはわが家の氏神さま岡崎神社へ、その足で今年の干支亥に因み「いのしし神社」こと「護王神社」へ詣でて一日の歩数は12,539歩。 3日は四条への道すがら平安神宮へ詣でました。この日の歩数は12,974歩。 次いで6日は石清水八幡宮へ。毎年お詣りしますが、今年は車は止して京阪電車で行き、ケーブルカーも使わず歩いて登り、下りも歩いて一日の歩数は13,498歩。そして今日は伏見稲荷大社へ。こ...
09, 2019
書肆 遅日草舎 店主
「だいせんじがけだらなよさ」
明けましておめでとうございます。三が日も過ぎて今日で今年も四日目、世の中のほとんどは常態に復するようです。そういえばなんとなく朝の空気を伝わって来る音に、人の動きの気配があります。空は青空。カルメン・マキの『真夜中詩集』などを聴きながら、井伏鱒二を読んだり、まだ道具市場も正月休み、なにをするでもなく、いつのまにか日は暮れて、一日は終わります。 「だいせんじがけだらなよさ」と寺山修司。「さよなら...
08, 2019
書肆 遅日草舎 店主
花朝堂漫録 十 勤王歌人・伴林光平の短歌と筆跡
勤王歌人・伴林光平の短歌と筆跡 伴林光平は「ともばやし・みつひら」とも、「ばんばやし・みつひら」とも呼ばれていて、確定していない。辞典にも双方書いている。 ところで、光平の短冊がよく売れるのは何故だろう。比較的安く入手できるせいもあろうが、なぜか売れ残る率が少ないみたいだ。天誅組の隊士であったからなのか。 伴林光平(1813~1864)は、幕末の国学者・山陵研究家・歌人・勤王志士。河内国南河内郡道明寺(...
12, 2017
花朝堂漫録
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2021年03月22日
「海鳴り」33号が届きました
昨年までは「海鳴り」が出たら、編集工房ノアの本の通販のおまけとして配布していましたが、三月書房は昨年末に廃業しましたので、そーゆーことはできなくなりました。うちの店では毎年200冊ほども配布させていただいていましたので、今年もお知らせだけはしておきます。
この号で一番の読み物は、山田稔氏の「同僚━生田耕作さんのこと」でしょう。2段組み14頁分ありますが、山田氏が生田氏について、これだけまとまった量を書かれたのは初めてかと思います。そのほかの内容は上記の画像をクリックしていただけば目次が読めるはずです。
「海鳴り」の入手方法は聞いておりませんが、おそらく一部の書店では無料配布するはずです。非売品なのでこれだけを購入することはできないでしょう。発行所に頼めば送ってくれるのか、送料はいくらなのかもわかりません。これはあくまでも個人的な意見ですが、発行所に何か1冊通販の申し込みをして、ついでにおまけに添えてくれるようにお願いするのがよろしいかと思います。表紙の裏に昨年1月以降の新刊リストが掲載されています。下記に画像を載せておきますのでご参考にどうぞ。クリックすれば拡大するはずです。
まことに不便なことに、編集工房ノアにはサイトがありません。グーグルすると、いまだに三月書房のページが上位に出てきます。メールも利用されていません。ゆえに通販の申し込みは郵便か固定電話かFAXしかできないでしょう。住所と電話は検索すればすぐにわかるはずです。
21.01.09 同人活動ページを更新
無限コンティニューで目指す最強勇者 〓みんなの命がひとつの世界で、オレのパーティーだけ不死身〓(1) (裏少年サンデーコミックス) ラ研出身、kt60さんの新刊
クリスマスどうすんのー!
クリスマスどうすんのー!
クリスマス、どこいればいいのー!
あたし泣く子も黙るカド部屋なんですよ。
いるか、いないかが一目瞭然なんですよ。
く、クチの野郎ー!
口は災いのモトとは、よく言ったもので、
昨日のクリスマスはずーっと電気消して、家に居ました。
東京のくせに、結構、星がキレイでした。
とか、しんみり言おうと思ってたんだけど、
この日を宮崎駿コンプリートデイとして、「おもひでぽろぽろ」「となりのトトロ」「魔女の宅急便」「天空の城ラピュタ」「耳をすませば」「風の谷のナウシカ」「ハウルの動く城」などなどを、暗い部屋で、もうひっきりなしに見まして、
こうね、「彼氏」とかね「もこみち」とかね、
だからなんだっつーの?
くらいの、でっかい気持ちになってみました。
クリスマスなんて、ちょろいちょろい。
2005年12月26日 人気blogランキングへ
12月の詰め将棋
友達に新しい彼ができたので
じゃあ写真見せろや って言ったら
得意げに出してきた。
いやー、すこぶる用意周到過ぎて確信犯。
その写真が、まぁ・・、ディズニーランド?らしきところで軽くツーショット写真。
(いや、つーか絶対ディズニーランドだけど、
つーかこの後ろに写ってるマルっぽいオブジェは
ディズニーシーであることは間違いないけど、
そんくらい私だって一目でわかるけど、
絶対「これディズニーシー行ったの?」って聞きたくない!)
で、友達としては、早く聞いて、これディズニーシー行ったの?って聞いて!っつー顔まんまん。
でも私は絶対聞きたくない、
しかしそれ以外にこの写真に対し何の感想も浮かばない、
でも言いたくない、
これ言ったら負ける気がする。
という、女同士の緊迫する一瞬の中、
後輩の女の子が無邪気にこの前戦に突入してきて、
「わぁーこれディズニーシーですよねー!」
って、もうあんた!
これだら、二十歳前後の子ってのは、
こういう女同士の話したい!聞きたくない!の攻防が全然わかってない!
「あーわかっちゃったぁー?そうそうシーに行ったんだぁー」
ほらー、始まっちゃったじゃない!
シー話。
もうこれから、彼女の口からハーバーサイドクリスマスがこれでもかっつーほどのパレードを繰り広げちゃうよー。
って思った瞬間
「実は、私もこないだ彼氏と行ったんですよ、シー。もう超きれいで、超感動ですよねー。でーミッキがぁー」
馬
鹿
な
!
2人は一気に団結し、ディズニシーの素晴らしさに付随(ふずい)した形で、冬に彼氏のいる素晴らしさを存分に語り尽くしたあげく
「ハイネも絶対行きなよシー、すごいから、価値観変わるから」
馬
鹿
な
!
行ったことあるよ。
つーか、今、目をキラキラさせてるあんたと行ったはずだけど。
そしてカップルの波と抱擁に引き裂かれながらブラヴィッシーモを見て、
もう二度と来ねぇシィー!
って叫びあったはずだけど。
でも、なんか、写真に写ってた彼氏が、なんかレーザーラモンのマネっぽい、でもなりきれてない、土壇場で自分を捨てきれてない素振りで写ってたので、
ちょっとだけ微笑ましく見守っていくつもりです。
2005年12月20日 人気blogランキングへ
イブの采配
正直、こんなにモテナイとは思わなかった。
団体戦(合コン)はおろか、一騎打ち(紹介)に至るまで、
全ての面において、伸び悩み。
洋服の襟元に間違ってウンコでも付いてるんじゃないかって疑うくらいの防御率。
これはもうね、絶対におかしい。
裏に政治的なものすら感じている。
そのくらい、国会レベルでモテナイ。
「好きな人に告ったけど振られてしまった」
というモテナイレベルを超え、
ついに、先日告ってない人にまで振られた。
や、地元の飲み会の最中、
私はさ、最近見た「ハリーポッターと炎のゴブレット」について、なんと炎のゴブレットらしきものの演技つきで解説してたわけ。
「でね、対抗試合も終盤!ハリーが勝つと思うじゃん?ところがどっこい、ハリーはそのすべてがワナだったことに気がつくわけ!でっ!」
みたいな、紙芝居屋でいえば、子どもたちが息を呑むであろう、その瞬間だったと思う。
地元の男友達の一人が
「ごめん、今気づいたけど、おれ加藤にほんと興味ねぇや」
今、気付いちゃったーーーーー?
いやー、気付くにしても、もうちょっと先か、もうちょっと、せめてこの話が終わった段階で気付いて欲しかったー。
つーか、今気づくべきは、ハリーをワナにかけようとしたのが誰かっつーことだし。
そんな赤裸々な地元の男女関係についてじゃないし。
むしろ私がいない場所で気づくのがエチケットだし。
しかも、今してたの私の話じゃないし、ハリーポッターの話だし、あいつの話だし、おめぇが興味ないのは、私じゃなくてハリーなんじゃないかっつーことについて、ちょっとは考えてくれたー?
つーか、このタイミングで私にハリーの話つづけろって、すげぇ過酷な使命だし、
でも打ち切るには、すげぇ中途半端だし、あたしゴブレットの顔真似の途中だし。
でさ、地元の他の方々も、思わずシンとしてるわけですよ。
で、思いっきり発言権が私のターン。
みんなが私の動向に(ハリーポッター以外の話題で)注目。
ライフカードを広げたくなる瞬間。
あー「webに続く」って、なりてぇー。
でも、まさにリアルタイム。
今、今の心境を求められてる。
どう出る?
どう出る私。
「いいって!いいんだよー!
あたしたち友達なんだから興味なくて全然いいんだよー!
で、炎のゴブレットの奴がさー」
乗り切りました。
このセリフを、今年度のMVPにしたいと思います。
いやー、そうそう言えたセリフじゃないと思うんですよ。
告白する場において、振られる事ってのは想定の範囲内で、
その返しのセリフ、
例えば「今まで通り友達でいいから」とかはね、
大体シュミレーションとして構想されてるんですよ。
でもね、告ってもいない相手から突発的に振られる場合ってのは、
まぁ女性にしてみれば非常事態ですよ。
それをね、すげぇ優雅に、ある意味エグゼクティブに、私は乗り切っちゃったわけですよ。
私のレベルもここまで達したかと、まさに感無量です。
で、気付いちゃったんですけど、
モテナイ生き方というのは、実はすげぇテクニカルだなあと。
なんつーの、難易度って言うんかな。
あれが、すげぇ高けぇ。
例えば、「ぷよぷよ」にしても「マリオカート」にしても、難易度を設定するわけだけど、
モテナイっていうことは、まさにすげぇ難易度がハードなわけですよ。
そのステージを体感してから、
まあキムタクとかをね、見るわけ。
したっけ、もうクスって出る、クスって。
ちょっと口元で小指立ててクスですよ。
なにあれ、すげぇぷよぷよ落ちてくんの遅せぇー!
クッパ全然あたりが甘めー!
で、自分の面に戻ると、もうすげぇ おじゃまプヨとか振ってくるし、
ドンキーとかコーナーに一列でバナナの皮とか置いてくるわけ。
あのピーチ姫ですら、すげぇ性格わりぃ。
でも、そんな中で結構いい勝負をしてる自分がいたりして、
まさに自分の技量に酔う瞬間でした。
つーか、その後、例の地元の友達から電話があって、
「おまえのさ、ゴブレットのモノマネ、似てねぇ」
「あ、見に行ったの?」
「ゴブレットって、魔法の木杯のことじゃん」
結構、ゴブレットの奴が大暴れしてた。ってのが、私のハリーポッターの感想だった。
つーか、ハリーポッター、まだ見に行ってなかった段階で、解説を求められたので、ついつい調子に乗って自分なりのハリーを表現しちゃってた。
でも、わざわざ見に行くなんて、こいつ・・もしかして・・あたしのこと・・
「・・な、なんだ、言ってくれれば、私も見に行きたかったのに」
「は?彼女と行ったし」
テクニカル。
___________________________
あたしのマリオカートはとりあえずシューマッハとかライケネンとか出てくる。
でも、結構、負けてない、と思う。
2005年12月10日 人気blogランキングへ
発進!
ちょっと、そこの君、んーってしてみ、んーって。
昨日、地元の友達と飲んでたら、
その子がいきなり
「あたしの彼氏さー、キスするときの顔が変」
っつー話になって、
つーかキスの時の顔なんて一々チェックしてねぇっつー話になって、
そういえば、あたしたちもどんな顔してんだか自分じゃわかんねぇなってことになって、
「キス待ち顔」選手権(うちわ)が急遽開催されることになったんですが、
私はこっそり席を立ちました。
こないだ仕事場の後輩に合コンに誘われました。
私は、まあ仕方なく、あくまで可愛い後輩たちの引率として、
「ちょっと、悪いけど、今日だけ同期ってことで」
(後輩たちは思いっきり親指立ててグーなんつって)
そう、引率してきたわけですが、
男の子「いやー22歳なんてめっちゃ若くねぇー?」
後輩達「あははー」
男の子「で、ほんとのとこ加藤さんはいくつなの?」
後輩達「加藤先輩も22ですよー!」
ああ、可愛い後輩。
おもいきり先輩言っちゃってる。先輩言っちゃってる。
したっけ、場の盛り上がりもそこそこに
「ポッキーゲーム!!」
なんつって、出ました。
ポッキーゲーム・・・っ!!!!
あの20?にも満たない棒菓子の先端と先端から、男女で折らずに食べ合ってくあのゲームっ?!
だって、それは、だって、き、キス、じゃないですか。
知り合ってまだ数分も経たないのに、キス、じゃないですか。
私は、こんな汚らわしいゲームにうちの可愛い後輩達が餌食になったら大変と、この身をはって立候補するしかないじゃない
最近の噂
風の噂ではございますが……
なお、リンクする場合には各コメントの日付のあとにある「id」をクリックすると、そのコメントのユニーク id が url 欄に表示されるぞ。
2012/05
しばらく前に、カルロス・フエンテス他界。しばらく前に、フエンテスの小説やノンフィクションをまとめて読んで、もうフエンテスは一通り見切ったと思っていたが、それでもかの大作「テラ・ノストラ」は未だに期待だし、その才能と知性は刮目すべきものがあり、また一部の文のかっこよさと洗練ぶりはずばぬけたものがあった。正直いって、その洗練ぶりがかれの目指すラテンアメリカ土着的な泥臭さと相容れない面はあって、それが彼の弱点でもあったんじゃないかとも思う。ガルシア=マルケスは、発端となったおばあちゃんの昔話的な語り口があり、バルガス=ジョサは何でも力でねじふせるような野蛮さがあるし、カルペンティエールもそこらへん洗練しすぎずうまく逃げているんだけど…… ともあれ、ご冥福を。(2012/05/21, id)
先日までインドのタミルナド州にいたんだが、電力事情がひどい。日本の工場とかでも、週二日完全停電に、その他の日も一日六時間停電というまともでない状況になっている。ところが、先月末に突然それがちょっと改善しはじめた。なぜかというと、風が少し早めに吹いてきたから。タミルナド州は、いま稼動発電容量の半分くらいが風力を中心とした再生可能エネルギー。ところが、これまでの月は風がふかないので、その風力からの電力はゼロ。それが、風が吹いたら突然総電力の四分の一くらいがまかなえるようになった。
しかし……こんな風頼みでは仕事にならない。停電するのも困ったものだけれど、仕事に使うなら、停電するといいつつ実は電気がきました、というのも困る。タミルナド州は結構でかい(日本の三分の一くらい)だから、多少は平準化されると思っていたんだけれど、ダメなときは完全にゼロの状態が何ヶ月も続くのか! これ使うなら、どうしてもバックアップの火力かなんか必要になってくる。それを考えると、自然エネルギーへの転換をすすめましょうなんていうお題目がまったくリアリティなしに聞こえてしまう……(2012/05/20, id)
2012/04
LaTeX の環境を更新しようとおもって、そろそろ Windows とMac とLinux (最近ほとんど使わないが) の環境もそろえたいしと思って、W32 環境から texlive に移行しようとあれこれ。最初はいろいろ苦労したが、最終的には成功。よかったよかった。TexMaker とか TexWorks とかの専用エディタも使えるようになったのは便利。ただ、変なotf系の小細工して、鄧小平の鄧を勝手に utf{21E}とかに置き換えるのは迷惑だなあ。そういうのをなしにするために utf-8使ってんのに。
あと、パッケージの更新が楽なのはうれしい。これまでは年に一度くらい、W32Tex環境まるごと入れ替えで更新してたんだよね。 (2012/04/07, id)
2011/10
ラオスにきたら、いつも使っている携帯電話がつながったりつながらなかったり。SMSも送れなかったりする。するとカウンターパートから連絡がきて、今使っている携帯電話(TIGO 改め Beeline) を換えろという。TIGO から他のキャリアの電話につながらなくなっているから、といって。なんじゃそりゃ。
TIGO の機械の故障らしい、と言われたんだが、調べてみたら、なんと TIGO が(おそらく Beeline に買収/改名する過程で)協定破りのプロモーションをやって、それに対して他の携帯会社が制裁措置として、TIGO/Beeline への回線接続を切ったんだって。ひでえ。協定破りって、少しお得なプランを出したとかそんな話だけど、それでここまでやるか?!? そんなことをしたら業界全体の利益が下がるからというんだけど、それってカルテルっていうんですよー。社会主義国は知らないかもしれないけど、いけないことなんですよー。
しかし TIGO も、古いページから新しい Beeline のページにリンクを張るくらいの手間を惜しまなければいいのに(といってもその新しいページが見当たらない……)。 (2011/10/27, id)
遊びで受けてみた TOEFL ibt だが、ライティングがこんなに低いとはちょっとがっかり。少し書き方に凝りすぎたか。もうちょっとシンプルに書けばよかった。あと、ぼーっとしていてちょっと聞き逃した部分があったせいもあるのかなあ。 (2011/10/26, id)
2011/9
まったく知らなかったが、今月頭に、かのプロジェクトグーテンベルグ創始者のマイケル・ハートが他界していた。このプロジェクトにはテキストももらったし、いろんな権利やテキスト配布がらみの考え方も教わったし、何より「こんなことやっちゃえるんだ」と目から鱗を取ってくれたことには何よりも感謝している。その恩恵と遺志に応えるためにも、自由に流通する文書をどんどん増やさなきゃ。気がつかなかったけれど、今見たら The Economist にも立派な追悼文が出ている。もっと枯れたジジイかと思っていたよ…… (2011/9/29, id)
最近の The Economist では、アジアの女性が晩婚化、未婚化していて、それは高等教育が進み、家庭や育児に縛られない経済的な独立性が確保されたからだ、という議論をしていた。そしてその結果としてアジアの男性は結婚はおろかセックスもできずに悶々としている、という話。
それに対していくつか投書がその数号後で紹介され、男だって都市化に伴いいろいろ火遊びのチャンスができてるよ、という指摘とか、家庭のよさは忘れられていないよ、という投書の中に混じってこんなのがあった。
拝啓 高学歴アジア女性が金銭的にdependent (訳注:independentのまちがいのはず)になるにつれて、確かに結婚は減っていますが、それでも彼女たちは活発なセックスライフを送っています。そしてますます若い男を愛人として選ぶようになり、既婚女性よりもっとセックスライフを楽しんでいるのです。このトレンドは戦後の日本で始まったもので、当時は大量の未亡人が再婚するよりも新しい「伴侶」を選んだのでした。
アジアでは、三十代、四十代の独身女性が二十代のツバメを持つのはごく普通のことです。ダンスクラブの多くはハンサムな若者をウェイターとして雇い、かれらは連れ出し可であることがほとんどです。つまりアジアの若い男性は、たぶん貴誌の考えるほど寂しくはないうえ、年上の愛人から性技の手ほどきも受けられるのです。
ピングー・リュウ(フロリダ州ボカラートン) The Economist 2011/9/10-16号、p.16
リュウさん、ご自分の願望を信じやすいThe Economist にぶちまけてはいけません。あなた、どう見てもなんかの読み過ぎです。 (2011/9/27, id)
矢作俊彦がぼくのGQの文章に「反論」したというので見てみた。ぼくには「論」にはまったく思えず、ただの付け焼き刃の感情垂れ流しポジショントークとしか思えないんだが、多くの人は説得力(でも論がないのに、何に説得されたんだろうか)を感じたようだ。そしてツイートなどを見るに、多くの人は次のネタにずいぶん賛同している。
核廃棄物をどうするの? 山形はそれに触れてないじゃないか、というわけ。
さて、ぼくはその話はちゃんと触れているのだ。そしてそれは、ぼくのほうも是非聞きたいところ。あなたたち、核廃棄物をどうするの?
自分たちは脱原発と言っているから、その要求が通れば廃棄物がすぐ消えてなくなるとでも思ってるの?
今動いてる原発があって当分後始末もいる。過去に出た廃棄物もある。それを何とかしなくてはいけない。あなたたち、いまの原子力の管理技術では不安なんでしょ? 技術だけじゃなくて体制も信用できないと思ってるんでしょ? そしたら、今ある(そしてこれからも出続ける)ものを今よりマシな形で管理処分する必要があるんでしょ。そのための技術開発は必須だ。だからぼくは原子力の研究開発に金をかけろと言っているんだよ。
でも、それだけじゃ足りない。だれがそれをやってくれるの? 先の見通しのない、つぶしも効かない、過去の尻ぬぐいにしかならない技術の開発に、だれが来てくれるの? 工学部の進振を見ればわかるけれど、学生はそういうのに敏感だよ。
そう考えると、本気で脱原発をするためにも、逆に原子力エネルギーに多少なりとも可能性は残さないと(民生発電でなくてもいいよ)ダメじゃない? そうでないと、まともな人材きてくれないよ?
ぼくはそう思うんだ。そしてあのGQの文も、そこまで考えての話なんだけどね。変な結論だとは思うし、これを詭弁だと思う人も多いだろう。でもさ、それじゃどうすればいいの? そう聞くと、東電の責任だから東電にやらせろ、とか言うんだけど、そういうときだけ東電を信用していいわけ? かれらだって、ない技術は振れないんだよ。どうせ今の原発の敷地って、脱原発した後で何か別のことに使えるわけでもないんでしょ。だったら今の使い道をどう改善するか考えたほうがいいんじゃないの?
だいたいぼくは、矢作俊彦みたいなバブル全盛期にいい思いをしてきた、60-70 歳くらいの連中の道楽エコロジーだのはまったく信用していないし、その連中がこの震災や原発事故で急に社会派に目覚めてきいたふうな口をきくのがおかしくてならない。かれらは今後、現状維持のまま社会
「推理」することと〈欲望〉すること 江戸川乱歩「D坂の殺人事件」論
Posted by 中 相作 - 2020.06.23,Tue
雑誌
立教大学大学院日本文学論叢 第14号
編:立教大学大学院文学研究科日本文学専攻
平成26・2014年9月?日 立教大学大学院文学研究科日本文学専攻
A5判 128ページ
「推理」することと〈欲望〉すること 江戸川乱歩「D坂の殺人事件」論
栗田卓
p73─90
▼立教Roots:立教大学大学院日本文学論叢 > 14(2014)> 「推理」することと〈欲望〉すること : 江戸川乱歩「D坂の殺人事件」論
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RAMPO Up-To-Date
江戸川乱歩執筆年譜補遺
以下は2017年8月26日(土)に、韓国ソウルにある国立ソウル現代美術館で行った基調講演の全文です。
私の名前は室井尚(むろい・ひさし)です。横浜国立大学の教授をしています。専門は哲学や文化理論で、何冊かの本を書いています。今回のツアーもそうですが、普段は学生たちと一緒にアートプロジェクトをプロデュースしたり、沢山のワークショップをしたりしています。
ですが、私はアーティストでもあります。少なくとも一度はアーティストでもありました。
2001年に日本初の国際芸術祭である「ヨコハマトリエンナーレ2001」が開かれましたが、その時に私は、ディレクターの1人であり、京都国立近代美術館の学芸部長だった河本信治さんに声をかけていただき、ほぼ同年代のアーティスト椿昇(つばき・のぼる)さんとのユニットを組んで、「The Insect World」というプロジェクトを行いました。これは複数のユニットからなる複合的なプロジェクトだったのですが、その中の一つとして設置した全長50mのバッタの形をしたバルーン「飛蝗(The Locust)」が余りにも大変で、それにばかり力を奪われていました。
このバルーンはとても遠くからも見ることができ、横浜の町のシンボルでもある船の形をしたインターコンチネンタルホテルに設置されていました。私たちのコンセプトは21世紀にはこれまでの人類の文明とは全く異なる、いわば「昆虫的」な論理が世界を支配するだろうということで、「The Insect World Operating System will govern the World」という言葉をキーコンセプトにしていました。
冷戦が終わり、新しい世界秩序が生まれようとしていました。私はそれを、人類を含む脊椎動物からもっともかけ離れた昆虫の目から見た世界を提示することによって、新しい文明の誕生を喚起しようとしたのですが、実際にはそれは2001年9月11日の同時多発テロ事件によって簡単に乗り越えられることになってしまいました。
クシシュトフ・ヴォディチコ氏と会ったのはこの作品の準備をしていた時です。彼はティファナで行っていたプロジェクションを展示するために横浜トリエンナーレに参加していました。ある機会があって、この時私は彼と二人で、バーで飲む機会がありました。
その前から私はヴォディチコ氏の作品を知っていて、とりわけ京都国立近代美術館の展覧会「Project for Survival」で最後の展示室に出されていた「Polis Car」にはとても大きな衝撃を受けていました。都市に溢れるホームレスを排除したり、収容したりするのではなく、彼らに移動できる最強のツールを与え、むしろ町の中で誰よりも自由に活動できる存在に変えるというアイディアは、常識を完全に覆すものであり、この作品を作ったアーティストに会ってみたいと思っていたのです。
彼にこのバッタのCGを見せると、彼は愉快そうに笑って、こう言いました。「アメリカの深夜映画でシカゴの町を巨大なトノサマバッタが占領するB級SF映画を見たことがある」。
その後、私はこの映画を探しました。それは1957年に作られた白黒のアメリカ映画で、ピーター・グレイブス主演の「The Beginning of the End」という映画でした。とても安っぽいSF映画ですが宇宙からの謎の光線で巨大化したトノサマバッタの群れがシカゴの町の高層ビルを襲うというストーリーでした。
それからちょうど9年後の2010年3月に、私はヴォディチコさんと再会しました。京都国立近代美術館で、ヴォディチコの作品を紹介し続けてきた河本信治さんの定年退職を記念する展覧会のオープニングパーティに彼は参加していました。
多分私のことなんか忘れているだろうと思いましたが、せっかくなので話しかけてみました。
「9年前にあなたが教えてくれた映画のタイトルは”The Beginning of the End”でしたが、あの後すぐに9.11が起こりました。私たちのバッタのバルーンもトラブル続きで71日の展覧会期間中23日しか展示できなかったのですが、その中でワールドトレードセンターのビルが崩壊するのを見て、私たちは底知れない敗北感に捕らわれていました。今から考えるとまさしくあの年は”Beginning of the End”の年だったのです」。
ヴォディチコさんはとても鋭い目で私をじっと見つめていて、私は何か彼を怒らせてしまったのかと思い、「失礼しました」と早々に彼から遠ざかりました。
ところがパーティの終わり頃になって、彼はまっすぐに私のところに歩いてきて「時間があるのなら、コーヒーでも一緒に飲まないか?」と向こうから声をかけてきたのです。
雨の降る中、京都の町を二人で長いこと歩いて喫茶店に入りました。彼はちょうど「9.11」に関する著書”The City of refuge”を出版したばかりで、9.11を記憶するためのメモリアルをニューヨーク湾の海上に作って、そこを世界平和センターにするという構想を提案していたところでした。
「日本では誰も俺のこの提案に耳を傾けてくれないし、あのパーティでも誰もまじめな話をしてくれないのに、お前に会えてラッキーだった」と彼は言い、それから二人でミシェル・フーコーの「パレイジア」概念や、犬儒派(キニク派/Cynic School)の哲学について議論を交わしました。
彼はちょうどパリの凱旋門を「戦争を永遠に廃絶するためのメモリアル」に変えるというプロジェクトに取り掛かっていて、スケッチブックを出してまだ構想中のこの作品「The Abolition of War」のデザイン画を目の前で書いてくれました。
「お前、どう思う?」と聞かれて、「そうですね。でも、これができたからと言って本当に人類が戦争を廃絶するようになるかどうかは疑わしい」と曖昧な返事をした私に彼は少し怒ったようで、「俺はこれをやっているのに、お前は何をするんだ? たとえば、お前は靖国神社のことをどう思っているんだ?」と言いました。
私は即座に「靖国神社はまずい。あれは一種のタブーのようなもので、右翼も左翼も靖国のことになると正気を失う」というようなことを言うと、彼はさらに激高して、「何を言っているんだ。パリの凱旋門だって右翼とナショナリストの魂の象徴で大きなタブーになっている場所なんだぞ」と言います。これは本当のことで、この一年後、パリの画廊で「The Abolition of War」のオープニングにはフランスの有力メディアは左も右も一切取材にきませんでした。彼らは凱旋門をタブーにしていて記事にするのを恐れたのです。
しばらく彼と議論して、私は横浜に帰りました。新幹線で深夜に家に着くと、さっき会ったばっかりのヴォディチコさんからメールが届いていました。
それは「俺は明後日の朝の飛行機でボストンに帰るのだが、明日土曜日は一日オフだ。俺が新幹線で東京に行くから、一緒に靖国神社を見に行かないか?」という突然の申し出だったのです。
次の日、東京駅で待ち合わせて二人で靖国神社に行きました。私は子供の時に観光バスで靖国神社を訪れたことはありましたが、大人になってから行くのは初めてで、ヴォディチコさんの方が詳しい知識を持っていることを恥ずかしく思いました。
靖国神社が、戦後はただの新興宗教団体になっていること、アメリカの占領軍が最初は廃止しようとしたのを結局は残すことにしたこと、A級戦犯を祀って中国や韓国の激しい反発を呼ぶようになったのは1970年代後半からであることなど、それまで全く知らなかったのです。またいくら右翼や自由民主党の一部が靖国神社を国有化しようとしても絶対にできない理由もこの時に学びました。
靖国神社の隣には付属の博物館があって、そこにはゼロ戦や人間魚雷回天など旧日本軍の兵器が展示されていますが、ヴォディチコさんは「誰があんなにきれいな兵器を保管していて提供できたと思う? アメリカ軍以外ありえないではないか? 日本と韓国・北朝鮮と中国が仲が悪くて一番得をしているのはアメリカなのだ。靖国はそのためにある」と言いましたが、まさしく私の目を開かせてくれる言葉でした。
その後、私たちはメールやSkypeで連絡を取り合って一年後に横浜で国際会議を開催しました。「アートと戦争」という会議で30名以上の研究者、アーティスト、キュレーターたちを招いて三日間の議論を続けました。
実はこの時にせっかくヴォディチコさんを呼ぶのだから会議だけではなくて、作品も出したいということで「War Veteran Vehicle」の日本版をやろうと準備をしていました。
ところがその準備期間中の2011年3月11日に東日本大震災と福島の原発事故が起こったのです。私もヴォディチコさんもこの大災害に大きな衝撃を受けました。そこで、二人で相談してこの災害の被災者の声を作品の中に組み込むことにしました。私はスタッフを連れて6月初旬に気仙沼や塩竈などを訪れて、津波の被害者やその関係者の取材を行い、War Veteran Vehicleの形でデータを編集しました。
その成果は横浜で2回、被災地の仙台で1回のプロジェクションとして公開されました。このプロジェクトの名前は二人で相談して「Survival Projection 2011」としました。
時間も不足していたこともあって、この作品に対する評価はあまり高いものではありませんした。震災のショックがまだ生々しかったのか、公開現場では何人もの観客から「こんなことをして不謹慎だと思いませんか?」と非難されました。Wod
『戀愛譚 出版記念展のお知らせ
3月9日に発売した書籍、『戀愛譚』の発売を記念して、大阪・北浜のギャラリー《アトリエ箱庭》にて、東郷青児デザインの本、洋菓子店の包装紙、マッチ箱などを集めたささやかな展示を行います。箱庭オーナーの幸田和子さんと、一部、編者の野崎が集めた私的コレクションです。来場者のみの特典もございます。詳細は特設ページをご覧ください。http://underson.com/bibliomania/renaitan_event.html
近年の実演では2013年ハイティンク指揮ロンドン交響楽団の9番、同年マゼール指揮ミュンヘンフィルの3番、2015年東京都交響楽団定期ミンコフスキー指揮の0番、今年2016年2月のバレンボイム指揮シュターツカペレ・ベルリンによるブルックナー交響曲全曲チクルス、また、この間7月の東京交響楽団の定期でのジョナサン・ノット指揮による8番はとてもよかった。
最終更新/20160809
夏イベントのお知らせ掲載
『銀河鉄道の夜』発売中です
宮沢賢治さんの名作をマンガ化。初めて読む子どもの方から原作ファンの方まで楽しめる本格コミカライズです。
★速報 9/3「銀河鉄道の夜マンガと歌のコンサート」個展&コンサートイベント銀座にて開催決定!詳細お待ちください!
■8/14 コミックマーケット90【辺境屋/日曜西す-01b】
2〜7月発行の同人誌+新刊(折本かペーパー)の予定です
■8/21 COMITIA113【辺境屋/G01a】
セブン-イレブンのマルチコピー機で同人活動
サイト8/9公開!監修&イラスト担当しました
・お世話になりました!
2015年9月
2015年9月30日 (水)
お世話になりました!
みなさま、お知らせがあります。
2003年9月に「ひとり出版社」として創業してから、ちょうど12年が経ちましたが、双風舎はこの9月末をもって、一段落させていただくことにしました。
これだけ長い期間、ひとりで出版社をやれていたのは、読者の方々や著者のみなさん、書店員の方々、取次JRCのみなさん、デザイナーの方々、そして印刷・製本でお世話になったみなさんのおかげです。
心より、深く、深く、感謝いたします。
双風舎の思い出は、いっぱいありすぎて語りきれません。
長嶋茂雄さんにならい、「双風舎は永遠に不滅です」などと言いたいところですが、多くの方に迷惑をかけてしまいましたから、そうもいってられません。
でも、私個人の人文書への思い入れは、まだまだ尽きることはありません。
今後は、東京・阿佐ヶ谷の皓星社(こうせいしゃ)という出版社でお世話になりながら、いろいろ仕掛けていこうと思っています。今後は、皓星社の本を、何卒よろしくお願いします。
なお、最後の刊行となった中澤系著『uta0001.txt』に関しては、取次のJRCのご協力により、双風舎は収支に関わらないかたちで、需要があるかぎりオンデマンド版として重版することになっております。最後の最後に、歌集としては異例の売れ行きを誇る本が出せて、ほんとうによかったと思っています。
12年間、みなさん、お世話になりました。
人生いろいろ。出版社もいろいろ。
また、どこかでお会いしましょう!
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2014年11月03日
= ヘーゲルの自筆本を一般公開 =
このほど、東京・神田の古書店で、ドイツの哲学者ヘーゲル自身による書き込みのある本が発見され、11月7日・8日の二日間、東京・千代田区神田小川町の東京古書会館で展示される。
展示される本は、ヘーゲル最初の著作「フィヒテとシェリングの哲学体系の差異」(1801年)の初版本で、本の扉に2ページにわたる書き込みがあり、ドイツの研究機関「ヘーゲル文庫」でヘーゲル自身の筆跡と確認された。
展示するのは、この本の所有者であり、書き込みの調査に当たった寄川条路・明治学院大学教授と東京都古書籍商業協同組合(東京都千代田区、理事長山田靖)で、同期間に開かれる洋古書の展示販売イベント「洋書まつり」の会場に展示される。
また、7日(金)18:00から、同会館で寄川教授による講演も行われる。
同書は、来年1月「ヘーゲル文庫」に寄贈されることが決まっており、今回が日本国内で一般向けに展示される数少ない機会となる。
期日:2014年11月7日(金) 10:00から18:00
8日(土) 10:00から17:00
場所:東京古書会館内地下1階 「洋書まつり」会場(入場無料)
東京都千代田区神田小川町3-22 電話03-3293-0161
講演:「日本で発見されたヘーゲルの自筆本をめぐって」 明治学院大学教授 寄川条路
2014年11月7日(金) 18:00から18:30 同会館 7階会議室
参加無料 先着80名
【取材・撮影をご希望の報道関係者の方へ】
本の撮影は展示期間中随時可能ですが、ガラスケース越しとなります。
寄川教授への取材は、講演後の質疑応答のなかでお願いいたします。
【問い合わせ先】
東京都古書籍商業協同組合 広報課 大場(おおば) 03-3293-0161
投稿者: 広報課 日時: 2014年11月03日 18:45 | パーマリンク
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= ヘーゲルの自筆本を一般公開 =
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2013.11.23 ... COMIC更新
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