すべて | グループ指定なし | texte | art | mode | musique
2022年5月20日
双子の兄
双子の兄がいて、瀕死の状態だった。幾つかの臓器を、移植する必要があった。兄の友人たちと医者が、集まって何か話している。生命維持装置を、外すとか外さないとか。
兄は僕に約束をしてくれた。困っているときは、必ず助けると。一方で僕は、約束しなかった。助けるとも、助けないとも言ってない。
「ねぇ」と僕は自分に問いかけた。「兄さん、今困ってる?」
「別に、助けるわけじゃないか
#あぶれる
結婚が素晴しいと人は言う。好きな人とずっと一緒にいられるから、世界が家族だと認めてくれるから、と。
わたしにも、その素晴らしさはわかる。だけど、幸せな結婚をおめでとうと祝福しつつ、そこからあぶれる人々のことを考えずにはいられない。
いくら好き同士でも、法律上結婚が認めらない人々が、今この日本で、そして世界にどれだけいるだろう。ずっと一緒に暮らしていこうね、と約束しても、家族として世界に