2025-03-18
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日本での劇場公開も決まった映画『シンディ・ローパー:レット・ザ・カナリア・シング』は、傑作『The Go-Go's』を手掛けたアリソン・エルウッドが監督なだけあって、さすがの手堅い作り。映像素材が存在しない部分をアニメで補完するなど、『The Go-Go's』での方法論を踏襲した内容で、80年代のアメリカの女性アーティストを取り巻く状況が浮き彫りになるという点からも、この2本は姉妹作といっていいかもしれない。
pikao 2025-03-18 00:00 読者になる
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日本での劇場公開も決まった映画『シンディ…
2025-03-14
ピーター・ワッツ『エコープラクシア 反響動作』
バイオな災厄が男に活躍の場を与えてハーレムが形成される機序は逆転していて、能力につり合わない厚遇を裏付けるために災厄が引き寄せられる。寄生物学者の技能が役に立たない状況に無能感をあおられる一方で、役に立つ強化人間たちが男を好きすぎるのはいかにもイメクラめいている。能力と待遇のギャップを埋めハーレムを根拠づける工程は、文士の邪念を鎮めるどころか人間を称えるSFのうぬぼれへとそれを拡張する。
強化人間に覚える学者の劣等感は人生的な課題の派生にすぎない。強化人間には階層がありその頂点に君臨するのは学者の妻を寝取ったAIである。AIハンターだった妻はAI殺しに耐えられなくなり、夫と肉体を捨てて集合意識のネットワークに自分をアップロードしたのだった。学者の課題に対応する工程はしぜん強化人間に対する生体の利点を列挙していく人間賛歌となる。
強化人間には生体への羨望がある。彼女は学者とゲームを対戦したがる。生身の人間とやっても勝負にならないのだが、AIとは異なる感触を求めて人とやりたがる。軍人は君のそばかすが気になると言ってくる。
2025-03-13
ひさしぶりやで、毎日配信してると日記書かなくなるもんやで
日記
どうも、久しぶりや、わいや、黄金頭さんや。どうにも日記書いてなくてな、ちょっとご挨拶やで。 そりゃまあな、先月末くらいか、なんや双極性障害、躁うつ病のうつになっておってな、たいへんつらいつらいやってな、さらに年度末の仕事の忙しさもあってな、…
ひさしぶりやで、毎日配信してると日記書かなくなるもんやで
2025-03-11
つげ義春が語る 旅と隠遁
マンガ サブカル 心理 手塚治虫 旅 映画 狂気 文学 フェミ
プロフィール つげ義春
つげ式生活の最近
滝井孝作
ただあるがままでしか――
『ガロ』の時代はホントにうまかった!
菅野修✕つげ義春
『無能の人』撮影談義
「無能の人」、蒸発
女性、フェミニズム
石井隆✕つげ義春
水木しげる
山下裕二✕つげ義春
つげ義春が語る 旅と隠遁 (単行本 --)
作者:つげ 義春
筑摩書房
プロフィール つげ義春
[聞き手・正津勉『月刊ポエム』一九七七年]
――(略)『つげ義春作品集』(1975年)のあと、またガラリと変わった?
はい、もう黒っぽい画は描かなくなった。何か青空のようなものに魅かれるようになった。(略)
[その理由は]
さめてしまったかぼけてしまったかどちらかです。おもおもしいより軽々しいほうが楽しいですから。
若い頃は精神的な悩みが大きく、中年になると、逆転して生活の問題で深刻になることがあります。
――精神的なといいますと?
自分が何故、存在しているのだろうか(略)その根拠がはっきりしないだけに耐えられなかったんです、不安で。(略)
Ding, "Technology and the Great Powers" 感想
2025-02-25
「ノー・アザー・ランド 故郷は他にない」 揺蕩う紫煙、生命の営為、活動写真
movie
「ノー・アザー・ランド 故郷は他にない」を観てきた。
映画『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』公式|2025年2月21日(金)公開
No Other Land (2024)
95分の短い映画なんでね、皆さんも観るといい。観たまえ。観なさい。観ろ。
観ろ (★5)
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Dersu 2025-02-25 20:46 読者になる
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最終更新: 2025-02-25 20:46
「ノー・アザー・ランド 故郷は他にない」 揺蕩う紫煙、生命の営為、活動写真
2025 / 2
2025-01-27
ゼロイチではないけれど『殺意の道程』
『殺意の道程』を観た。
『佐久間宣行のNOBROCK TV』でバカリズムが「ネタを作るときに既存のフォーマットを借りるのがイヤで出来ればゼロイチのものを作りたいと思っている」みたいなことを言ってたが、ドラマの脚本に関していうと、まず原作の脚色(『黒い十人の女』や『ケンシロウによろしく』)の時点でそれは無理だし、デビュー作の『素敵な選TAXI』もいろんなところから『バック・トゥ・ザ・フューチャー』みたいと言われたり、なんなら最新作の『ホットスポット』も『ゼイリブ』や『デデデデ』のフォーマットなので、本人が知らなかったとしても何かに引っかかってしまうのは仕方がないことだと思う。
『殺意の道程』もそれに当てはまる。
話としては自殺した父親を追い詰めた大企業の社長に復讐するため、主人公とその従兄弟が結託して「殺人を計画する」というもの。
このドラマにおける「殺人の計画」はハンパじゃない。全7話中、6話までずーっと計画(時に脱線したり)して、ラスト1話で実行するというくらい徹底している。
普通のドラマなら退屈になりかねない…ヘタしたら脚
仁菜とヒナ、二人の少女によってダイヤモンドダスト結成時へと時間を遡っていく「運命の華」MVまで突き進むドラマの推進力が圧巻だった。
全3期構成の集大成とも言えるドラマの充実度に驚かされた一作より。
かのんが孤独と向き合う間、2年生が1期でかのんのトラウマとして出てきた合唱を彼女のルーツとして捉え直す。後輩に曲作りを託して自分の役割を「手放す」かのんに、後輩から「孤独は乗り越えられる」ことを曲という形で還される。グループに残る選択をするマルガレーテも含め、全員が自分事ではなく他人事で行動しているのだ。
名編は多いが、特に一番最初に衝撃を受けた話数を選出した。
一旦オチがついたかと思わせてリリサでもう一回落とす、デフォルメも交えた軽やかなコメディにもまた桜井弘明監督やカサヰケンイチ監督らの下で仕事をすることも多い高田氏の絵コンテの魅力が表れている。
ギョッとする顔をおかしく感じさせる、一見トリッキーだが観ている視聴者に何を感じさせたいかがまずある、演出のお手本とも言えるような見せ方だと思った。
一見すると写実的とも言えるが、この第6話は豪雨の中で沙季の帰りを待つ悠太を長尺で生っぽく描きなが
独身の父と娘との住み分けという点に注目すると、蓮實氏が『戸田家の兄妹』の冒頭の老実業家の家長・藤野秀夫の死に関して述べた<注目すべきは、ここでの実業家の妻の関係がいつでも交換可能なものだ。(……引用者中略……)それ故、『戸田家の兄妹』の冒頭に描かれるのが、還暦の年の六十歳の誕生日に起こった父親の死であってもいっこうにかまわないし、あるいは死ぬのが母親であったとしても、ほぼ同じ作品ができあがったかもしれない。>*9という記述は、明らかに不適切で修正を要するものだろう。
こうした父と娘とのあいだの性的な空間分割構造を考えると、夫の死と同時に住む家を亡くした母親が、未婚の末娘と共に、結婚して独立した子供たちの家の二階の部屋を転々とする現バージョンと「ほぼ同じ作品ができあがったかもしれない」という記述は、蓮實氏にしては珍しく不用意で、間違ったものといわねばならない。
『戸田家の兄妹』の母娘が同居する二階部屋は「後期小津」の「女性の聖域」の隠れた起源の一つである。その母娘同居生活は『秋日和』母娘の先駆けでさえある。したがって、ここでの男親の死と女親の死があたかも交換可能であるかのような蓮實氏の記
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追悼 田中敦子
2024-04-01
「宇宙の果ての本屋 現代中華SF傑作選」読書会の模様
SF
宇宙の果ての本屋 現代中華SF傑作選
作者:顧適,何夕,韓松,宝樹,陸秋槎,陳楸帆,王晋康,王侃瑜,程婧波,梁清散,万象峰年,譚楷,趙海虹,昼温,江波
新紀元社
Amazon
中国SFは「三体」が面白かったので短編アンソロジーにも手を出してみました。10点満点で読書会参加者の平均点が最も高かったのは、王晋康「水星播種」(平均9点)でした。今回の「誰得賞」です。読書会の主な声は以下のとおり。点数は個人的な点数で、参加者の平均点ではありません。
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daen0_0 2024-04-01 00:49 読者になる
SF (216)
あの日あの時hekomist
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あとりの本棚 〜SFレヴュー〜
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トントン雑記貼
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