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おとなりアンテナ | おすすめページ

  1. 2024/04/26 16:31:18 suVeneのアレ含むアンテナおとなりページ

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  2. 2024/04/26 15:54:17 ×××× 青砥撫子含むアンテナおとなりページ

    2024-4-26 15:54
    メンタル
    髪切りました

    お昼ごはん
    タリーズ
    政治
    病院

  3. 2024/04/26 15:42:48 NATURE DRAWING COMMUNICATION 宗野純也含むアンテナおとなりページ

    1 癌
    3 ネット・IT技術
    4 経営・ビジネス
    5 メンタル
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    7 健康・医療
    8 コレクション
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    10 部活・サークル

  4. 2024/04/26 15:01:36 グラフィックノート 櫻井含むアンテナおとなりページ

    1 ライブ・バンド
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    3 病気・闘病
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    5 健康・医療
    6 イベント・祭り
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    8 コスプレ
    9 法律・裁判
    10 将棋

  5. 2024/04/26 11:18:23 Living, Loving, Thinking含むアンテナおとなりページ

    2024-04-25
    BGMの話
    デッドライン (新潮文庫)
    作者:千葉 雅也
    新潮社
    Amazon
    千葉雅也『デッドライン』*1から。
    小学校の頃、夏に家族で茨城や千葉の海へ旅行するときに、車の中ではいつもボブ・ジェームス*2の《Touchdown》を聞いていた。一曲目は何か映画のテーマ曲だったと思う。
    ボブ・ジェームスの音楽は一応付―ジョンに分類されるが、要素の融合ぶりに独特の落ち着きのなさがある、バスドラとスネアが絡むグルーヴは心地よくファンキーなのだが、そこには何かぎくしゃくとした感じがある。別の曲をどんどん接ぎ木するみたいに変化していくメロディー。突如として音階を駆け下りるソロが始まるが、その速度には、追手に追われているみたいな不安の影が見えなくもない。
    僕は、おそらく友人たちも先生も好みじゃないだろうと予想して、わざとボブ・ジェームスの複雑な曲をかける。こういうのが僕のベースなんですよね、と。(p.116)
    Touchdown*3は1978年のアルバム。通しで聴いたことはないけれど、このボールのジャケットはその頃、レコード屋でけっこう見ていた。だって、これは良くも悪くも目立つデザインだよ。「バスドラとスネアが絡むグルーヴは心地よくファンキー」と言われているが、この「グルーヴ」を醸し出しているドラマーは、1曲目の”Angela”であればイドリス・ムハマド、それ以外の局だとスティーヴ・ガッドだろう。
    ところで、「僕」が何故か肝心のボブ・ジェームスのエレクトリック・ピアノに直接言及していないことが気になった。
    *1:Mentioned in https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2021/03/15/103550 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2021/07/02/085816 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2024/04/11/154934
    *2:http://bobjames.com/ See eg. https://en.wikipedia.org/wiki/Bob_James_(musician)
    *3:See eg. https://en.wikipedia.org/wiki/Touchdown_(Bob_James_album)
    sumita-m 2024-04-25 19:32 読者になる
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    2024-04-25
    文雄ではなく秀
    1980年代 (河出ブックス 89)
    河出書房新社
    Amazon
    斎藤環、斎藤美奈子、成田龍一「ニューアカ、オタク、ヤンキー」(in 斎藤美奈子、成田龍一編『1980年代』*1、pp.126-150)
    〈社会の心理学化〉のことから話が話が始められている。そして、話題は岸田秀*2へと。
    成田龍一氏曰く、
    一九八〇年代を問い直す入口として、斎藤環さんの著書のタイトルにもなっている「心理学化する社会」をヒントに考えてみたいと思います。環さんは主に一九九〇年代を念頭に置きながら、人々がトラウマや癒しといった小さな物語を欲望するようになっていることや、さまざまな事件のコメンテーターとして精神科医がメディアに登場するようになったことなどを指摘されていますが、こうした社会の心理学化は八〇年代に始まっているのではないかというのが私の見立てです。
    たとえば、精神分析家の小此木啓吾さんんが『モラトリアム人間の時代』*3を書いた一九七八年くらから、心理学と現代思想を重ねて考えるような雑誌――環さんもしばしば寄稿されましたが――『イマーゴ』が創刊された一九九〇年くらいまでを「長い八〇年代」として捉えると、「心理学化」の萌芽はここにあるのではないか。そうした流れを象徴する著作として、真っ先に思い浮ぶのは、岸田秀さんの『ものぐさ精神分析』です。(p.126)
    モラトリアム人間の時代 (中公叢書)
    作者:小此木 啓吾
    中央公論新社
    Amazon
    ものぐさ精神分析 (中公文庫 き 3-3)
    作者:岸田 秀
    中央公論新社
    Amazon
    ものぐさ精神分析 (続) (中公文庫 き 3-4)
    作者:岸田 秀
    中央公論新社
    Amazon
    斎藤美奈子(以下、美奈子) そうですね。一九七七年の本ですけれど、八〇年代に文庫化されて、私もそれから読みました。「人間は本能の壊れた動物である」というキャッチフレーズが印象的でした。最初の章のタイトルが「日本近代を精神分析する」。歴史学者の成田さんに言わせると、これはけしからん、と(笑)。要するに日本は精神分裂病*4であるという論理ですね。黒船でペリーが来航したときから和魂洋才、内面と外面との使い分けで自己が分裂しているというのです。皇国史観などというものは誇大妄想であるとブチあげている。今の視点でどう評価すべきなのか。環さん、いかがですか?
    斎藤環(以下、環) インチキですね(笑)。岸田さんは、日本はアメリカにレイプされておかしくなり分裂病になったと、とんでもないことも言っていて、二重三重に問題がある。開国がレイプであり、そのトラウマが精神分裂状態というわけです。この分裂という言葉自体も言い方がめちゃくちゃなんですよね。スキゾフレニア(精神分裂病)と、いわゆるスプリッティング(善と悪、敵と味方など、グレーゾーンなしで白か黒かしかない判断のあり方。思春期に多いが、境界性パーソナリティ障害などでもよく見られる)の分裂とを混同している。けれども、なぜかこの本は精神分析の理論が社会全体を説明できるということで、ものすごく衝撃があった。岸田さんの言う「唯幻論」も、私に言わせればラカンの劣化版なんですけれども、彼は意図せずしてラカンのラの字も出さずに言いまくるので、当時まだラカンがよく知られていない時代ですから、私がたいへん尊敬している伊丹十三のようなセンスのよい知識人たちもコロッと騙されてしまった(笑)。ここに、日本における精神分析導入の大いなる躓きがあると声高に主張したい。(pp.126-127)
    斎藤美奈子さんは「そういうことは、もっと早く言ってください」という(p.128)。
    斎藤環氏の発言の続きから;
    簡単に言えば、八〇年代というのは「精神分析の時代」なんです。日本においては、いくつか入口があるんですけど、まず岸田さんをはじめとするフロイディアン(フロイト派)、それからオカルト経由のユンギアン(ユング派)、そして現代思想経由のラカニアン(ラカン派)ですね。(ibid.)
    さらに、精神分析学者ではない小田晋のこと;
    (前略)二〇一三年に亡くなった小田晋さん*5という筑波大の精神科医が――実は私の前々任者なんですが――『トゥナイト』などの深夜番組に出まくって、犯罪者の心理分析をやってみせた。甲高い声で早口を喋りまくる方で、今にして思えばとてもキャラが立っていた(笑)。実は犯罪精神医学というのは非常に特殊な分野なんですが、彼の影響で精神科医は犯罪に詳しいという誤解が広がってしまったという点ではちょっと問題があったかもしれません。ただ非常に博学な人で、一般向けの啓蒙書をいっぱいヵいた人ではあります。ラカンの翻訳にも関わっていますし、精神分析家ではありませんが分析の考え方を広げた一人ですね。(ibid.)
    また、
    ユンギアンの河合隼雄さん*6が目立った活躍をし始めるのも八〇年代です。河合さんについても色々毀誉褒貶はありますが、ここで名前を出している先生方の中では臨床能力は一番高かったと思われます。あと、オカルト風味(シンクロニシティとか)ではないユング理解を定着させたという「功績」もあります。
    そういうスター(略)が何人か生まれて、精神分析が一般に広まっていった時代が八〇年代だったという印象があります。(p.129)
    *1:Mentioend in https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2024/02/03/142105 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2024/03/14/154230
    *2:See also https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20050601 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20061104/1162658727 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20070130/1170170762 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20070320/1174400423 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20071012/1192195684 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20080130/1201705768 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20090716/1247679249 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20090918/1253277638 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20110731/1312133286 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20110829/1314543718 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20111024/1319416350 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20130503/1367548523 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20140912/1410459847 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20160911/1473600724 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20161230/1483066869
    *3:Mentioned in https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20100618/1276885921 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20111024/1319430943 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20150420/1429505411
    *4:1980年代は、統合失調症という言葉はなかった。
    *5:See also https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20080610/1213032908 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20150220/1424445864
    *6:See also https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20070529/1180466787 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20070719/1184875682 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20071012/1192195684 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20091229/1262082874 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20110731/1312133286 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20130430/1367290651 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20160919/1474248538 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20170727/1501180079 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20180515/1526352150 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20180531/1527731581 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20180608/1528421506 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20180615/1529030767 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20180619/1529375418 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20180625/1529899622 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20180701/1530414556 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20180703/1530633925 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2020/06/30/133637 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2021/05/15/143224 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2022/03/11/124334 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2022/03/26/041048 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2022/12/24/163922 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2023/12/07/134247 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2023/12/08/142845
    sumita-m 2024-04-25 15:49 読者になる
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    2024-04-25
    『シモーヌ・ヴェイユ』など
    先週、本を買った。
    冨原眞弓『シモーヌ・ヴェイユ』岩波現代文庫、2024
    シモーヌ・ヴェイユ (岩波現代文庫 学術477)
    作者:冨原 眞弓
    岩波書店
    Amazon
    伊藤直『戦後フランス思想 サルトル、カミュからバタイユまで』中公新書、2024
    戦後フランス思想-サルトル、カミュからバタイユまで (中公新書 2799)
    作者:伊藤 直
    中央公論新社
    Amazon
    【4月16日発売予定】
    『シモーヌ・ヴェイユ』(冨原 眞弓著 岩波現代文庫)
    【Amazon紹介文】「膨大なテクストを読み込み、比類なき誠実さと、その原動力となった清冽な思考の全貌をみずみずしく描きだす。」
    【Amazon】→ https://t.co/VZYOdSLyEU
    — 哲学書新刊情報++ (@Philo_Shinkan) 2024年3月19日
    【新刊】その34年の生涯は、「地表に蔓延する不幸」との闘いであり、工場でも、戦時下でも、嘘偽りなく、ありのままに世界をみようとした――。冨原眞弓『シモーヌ・ヴェイユ』は、清冽な思考の全貌をみずみずしく描きだします。ヴェイユ研究の第一人者による決定版を文庫化。https://t.co/1KpJaRSqPS pic.twitter.com/uu1OXQOAIV
    — 岩波現代文庫編集部 (@iwanami_genbun) 2024年4月12日
    本日出版の新刊『シモーヌ・ヴェイユ』
    工場でも、戦時下でも、嘘偽りなく、ありのままに世界をみようとしたヴェイユ。
    比類なき誠実さと、その原動力となった清冽な思考の全貌をみずみずしく描きだす、第一人者によるヴェイユ研究の決定版を文庫化
    詳細こちらです📚https://t.co/RzfFBlKB3w pic.twitter.com/74MaKOPdHF
    — 名著解説ラジオ(雪かわ) (@nandatteiijyann) 2024年4月15日
    抑圧にみちた労働、理不尽に襲いかかる戦争。115年前に生まれた哲学者ヴェイユは、34年の生涯をかけて《不幸》と対峙し続けました。世界をありのままに見ようとする哲学、どこまでも誠実であろうとする生き様を描く冨原眞弓『シモーヌ・ヴェイユ』、満を持して文庫化です。
    ☞https://t.co/1KpJaRSqPS pic.twitter.com/RnOuSl4cmb
    — 岩波現代文庫編集部 (@iwanami_genbun) 2024年4月24日
    「ヴェイユの発した問いはまったく古びていない。いわく、ひとたび始まるや、戦争はなぜ終わらないのか。いや、終わらせようとする一方の努力が、なぜいつも他方によって挫かれるのか。人間の攻撃性は、なぜ自分に害をなす遠くの強者ではなく、罪なき近くの弱者にむかうのか」――岩波現代文庫によせて
    — 岩波現代文庫編集部 (@iwanami_genbun) 2024年4月24日
    中公新書4月。「第二次世界大戦後、ナチ・ドイツから解放されたフランスの思想界には綺羅星の如き群像が台頭。サルトルを筆頭にカミュやボーヴォワール、メルロ=ポンティ、バタイユらが次々と作品を…」
    ⇒伊藤直
    『戦後フランス思想 サルトル、カミュからバタイユまで』 https://t.co/dr4MCVKUxj
    — 猫の泉 (@nekonoizumi) 2024年3月1日
    「…世に問い、論戦を繰り広げた。本書は、彼らが哲学と文学を架橋するかたちで活動を展開した点などに着目。実存主義が世を席巻し、知識人や芸術家の社会運動(アンガージュマン)が促された時代精神を描き出す。」
    — 猫の泉 (@nekonoizumi) 2024年3月1日
    1980年4月15日、作家・哲学者のジャン=ポール・サルトル死去。その葬儀には5万人を超える群衆が殺到したとされます。彼の軌跡や思想、そして論戦などに関しては、近日発売の伊藤直『戦後フランス思想』が論じています。オビの右側の人物がサルトルで、左は彼の論敵でもあったカミュです。 pic.twitter.com/G5Myv1b4fG
    — 中公新書 (@chukoshinsho) 2024年4月15日
    新刊、伊藤直『戦後フランス思想 サルトル、カミュからバタイユまで』。第2次世界大戦後、ナチ・ドイツから解放されたフランスでは、サルトルを筆頭にカミュ、ボーヴォワール、メルロ=ポンティらが活躍。彼らの作品や論戦などを照らし、レヴィ=ストロースの構造主義の登場までを描き出します。 pic.twitter.com/RCdMlcpyQA
    — 中公新書 (@chukoshinsho) 2024年4月23日
    sumita-m 2024-04-25 13:43 読者になる
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    BGMの話
    文雄ではなく秀
    『シモーヌ・ヴェイユ』など

  6. 2024/04/26 10:11:28 どーか誰にも見つかりませんようにブログ - livedoor Blog(ブログ)含むアンテナおとなりページ

    2024年04月26日
    国直しのとき、どうする?
    雑記
    国民年金保険料の5年間の延長が検討されているという。確かによく暴動が起きませんね。保険料として徴収してきたのだし、一方的に保険料納付期間を延長してしまったら、フツウの契約であったなら一方的な内容変更は即、アウトと判定されると思う。そういう約束事でやってきたのに事情が変わってしまったんで内容を変更しますというのでは契約違反みたいなものだし、常識的には、あれを詐欺だと認識するものだと思う。既に支給開始年齢の引き上げをしているけど、あれだってフツウの生命保険会社などが行なっている個人年金で、そうした内容の変更をしたら契約違反で訴えられるのでは?
    社会保険と社会保障とを一緒にしてしまったので云々と言っているけど、意図的にそうしたんじゃないの? 自分たちの好きな人には沢山の年金を支給して、嫌いな人には少額の年金を支給し、且つ、保険料を沢山支払わせる――そういうシステムになっている気がするけどねぇ。65歳からの支給だとしても大雑把には75歳までは生きないと収支がトントンにならないなんていう年金なんて誰が喜ぶと思っているんだろう? 有難迷惑なだけではなく、為政者らの差配するツール、道具として暗に使用されている気がするけどなぁ。
    また、以前に週刊新潮だか週刊ポストが特集をしていた記憶がありますが「人生百年時代」って本気にしている人たちが多過ぎる。100歳まで生きる人も増えるだろうけど、誰もが100歳を超えて生きられる時代がくるという意味ではないという話だったよ。
    例えばだけどさ、日本人の平均身長などの話でも、ぐんぐんぐんぐんと伸びて来た訳だ。でも、この数年、縮みはじめてるんじゃなかったかなぁ、そんな話を耳にしたような気がする。つまり、いつまでも日本人の平均身長が伸び続ける訳ではない。これが外国人も同じで栄養状態がよくなる事で平均身長が伸びるという現象が確認できるが、いつまでも伸び続ける訳ではなく、途中で停滞する。日本の場合もそんな感じなのでしょう。という事は、平均寿命とて同じで、今後もぐんぐんと伸びていく事は考えにくい。むしろ、早い方は早く死んでしまったりするのが現実なのだ。
    確か昨年あたりから日本でも死者数が謎の増加をしていたという話があったと思う。葬儀場にしたって大混雑で、火葬場の予約が取れないなんていう話が埼玉でも東京でも起こっているって聞いてるよ。いい加減な情報を宣伝して年金詐欺を行なっているという事ではないんだろうね?
    拙ブログ:死ぬ日本人が増えているという問題
    今、超過死亡数って減ったんだろうか? 今年はニュースとして取り上げられなかっただけですな。しかし、これ、ちゃんと検索窓に【超過死亡】+【増加】と入力して、各々が検索されてみる事を強くオススメしますかねぇ。
    先日、或る時期まで、当然のように人々は「お墓」というものが必要だと思い込んでいたという話をしたと思う。あれもホントは、きっちりと考えれば相応に「あれ? もしかしたら墓を子々孫々が守っていくというのは無理なのでは?」と気付けた筈なんですよね。そりゃ正真正銘の「名家」は別だけれども、戦後の人口ボーナス世代が核家族をつくって、その核家族の世帯単位が「◇◇家之墓」として墓を持ったとしても、そんなに長続きしないというのは、よく考えてみると実は自明だったのだ。にもかかわらず、誰も彼もが「お墓を用意しなくっちゃ」となっていた。しかし、子世代や孫世代あたりで徐々に負担となりはじめており、その先は誰も墓の管理料を納められなくなってゆくというシビアな現実が見えてくる。世の中というのは、不思議なもので、こういう事態は30年前でも予想できた筈でもあるのですが、なんだか深く考えずに、そんなに金銭的なゆとりがない人たちまでもが大金を出して墓を購入するのが当たり前だと思っていたのであった。
    暴動が起こったら、どうなるんだろうって考えることがある。日本では暴動は起こりにくい。ストライキでさえ起こらないのだから、イメージのしようがない。しかし、易姓革命の話を考える場合、必ず「世直し」とか「国直し」は必要なのだ。そういうアクションが起こらないと、どんどん政府は腐敗が進行していく事になる。
    自浄? 自浄が望めるレベルではありませんやね。ここのところの政治家の不祥事を直視すべきだ。カルト教団に支援を受けていた連中が永年に亘って金バッジをつけて高禄を食んで利権政治を行なっていた。そう言われても仕方のないところがある。何故なら事実だから。その上に裏金疑惑が発覚し、その間にも次から次へと明らかになる政治家たちの下半身スキャンダルがある。手の付けようがないというのが実際ではないのだろうか? 政策にしてもデタラメに次ぐデタラメだと思う。自分たちの地位を保全する目的で意図的な大衆迎合に走っており、改善は見込めないというのが実際であろうと思う。
    世界全体が不安定化しているので、どうしても生き残りたいのであれば、「もしトラ」に対応してみせた「麻生太郎」、或いは図々しさには定評のある「小池百合子」あたりなのかも知れませんが、もう、それは日本が良くなるとか社会がよくなるという選択ではなくて、少しだけ破綻を先延ばしするという選択でしょうねぇ。
    先ほど挙げた「国直し」とか「世直し」であれば、「れいわ新選組」あたりが旋風を起こして暴徒を引き連れて既得権勢力の完全解体に持ち込んでしまうというシナリオがあるような気もする。しかし、それに手をつけられるほど国際情勢は安定してませんやね。しかも既得権勢力は警官隊を投入できてしまうので、現代では民間の暴徒が勝利できる要素というのは無いのかも知れない。冷静に、日本の思想闘争史を回想すると、そうなる。権力側は強いのだ。
    しかし、誤解もあると思う。それは「如何なることがあっても暴力は許されない」のような教条的な観念を、日本人が捨てきれていない事だ。そんな事を言い出したら明治維新は何だったのかってなってしまう。ホントは明治維新とて実質的にはクーデターだったと考えるべきだと思う。詳しく調べてみると例の「錦の御旗」を薩長が勝手に作っちゃってたみたいだし、孝明天皇暗殺説にしたって決着がつかなかったって保阪正康氏が解説していたけど、そういう事なんだよ。日本の近現代史なんてほとんど虚妄みたいなものかも知れない。
    【ラベリング論】とか【ラベリング理論】という言葉がある。レッテル貼りによって逸脱行為とは何かを定義している。政敵に対しては、このレッテル貼りをして、それは逸脱行為である、この法律に反しているという具合に持って行っている。これも検索してみると面白いかも知れない。冷静に考えれば、核兵器を持っている国と、持っていない国とがあって、持っていない国が核兵器を持とうとすると制裁が起こるというあたりからして「何を逸脱行為とするのか?」という問題になっている。
    テレビの中のアナウンサーは「如何なることがあってもテロ行為は許されないのです」と語る。しかし、テロとかテロリズムが実際問題として何を意味しているのかまでは、きっと考えていないような気がする。政府が善であり、政府以外が悪にして、そして犯罪者だという認識なのだろうなって思う。
    しかし、今現在、起こってしまっているジレンマというのは、政府の側が〈悪党そのもの〉になってしまっているという問題ではないのだろうか。そして、その悪党をどのように片付けるのかという問題になってきてしまっている。確かに、もう「選挙で政治を変えられる」なんてのは現実味がなくなってきてしまっている。そういう事を言うべきではないというのだけれど、そんな風に甘やかしてきたから、これほどまでの全方位的な政治腐敗という状況になってしまったという気もするよ。
    或る若手論客が「ネットで投票できるようにすればいい!」と言って支持を集めていたけど、それじゃダメなんだと思う。実際にプーチンはネット投票選挙をして、ごっそりと票を書き換えたなんて言われている。ネット投票の脆弱性は全開だと判明したような気もするかな。しかも無気力な人の投票に期待するとか、そういう人の一票にはあんまり意味なんてない。必死にシルバー民主主義批判とデジタル化推進の潮流に乗っている感じだ。同じ論客は「民主主義はポピュリズムになる」とも話されていた。その通りなのだけれども、それは、そう考えているからこそ、という問題だと思う。基本的にはポピュリズムになってしまう事は自明なので、だからこそ真剣に投じる一票が期待されている。だから選挙に関心のない人に対しては「選挙に行きたくない人は行く必要がない」と言った方が、選挙の重みも政治の重みも出てくる。ノーム・チョムスキーや、現在、紹介している『トランスジェンダーになりたい少女たち』の著者にも似たものを感じましたが、当事者の自覚みたいなものこそが重要なのだ。共にユダヤ人なので伝統的価値観を重んじ、信念的にも屈強なタイプなのですが、実際にはそういうものが「芯」を形成している。本当にタイトに意思決定機関を作ろうとした場合、政治に関心のない人の一票をアテにしても仕方がないのだ。
    それでも民主主義しか頼れない、民主主義で行きたいのであれば、有権者の方に覚醒してもらう以外にない。話し合いや会議で議題を理解してくれない人に対して、理解して議論に参加している人と同価値の一票を与えても、話し合いもまとまらない。これが当たり前にして唯一の結論ではないのかな。それがダメなら「壊す」しかない。既に現行の選挙だって、実質的には碌に選択肢もないという状況で行なっており、そんな選挙なのに勝った方が多数決専制を出来るという制度になっているのだから、どうしようもない。
    「スクラップ&ビルド」という言葉を当世の政治家たちは大好きだ。与野党共にね。きっと喜んで自らスクラップ工場に行ってくれると思う。これが「国直し」ではないのかな。

  7. 2024/04/26 07:43:09 法華狼の日記含むアンテナおとなりページ

    『アイドルマスターXENOGLOSSIA』雑多な感想
    アニメ
    アニメ (3841)

  8. 2024/04/26 06:15:26 kojitakenの日記含むアンテナおとなりページ

    弊ブログにいただいたコメント「いきなり政権交代はせずに、自民党と公明党を合わせて過半数割れに追い込み、野党に妥協さざるを得ない状況を作った上で、当面は比較第一党の自民党に後始末をさせるのが最善ではないかと思っています。」に対する返答

  9. 2024/04/26 02:15:03 ハードコア・インディペンデント批評誌『アラザル』含むアンテナおとなりページ

    1 英語
    2 コスプレ
    3 将棋
    4 病気・闘病
    5 癌
    6 コレクション
    7 ネット・IT技術
    8 発達障害
    9 不動産
    10 歴史

  10. 2024/04/25 23:38:03 金融日記含むアンテナおとなりページ

    2024年04月24日
    ●週刊金融日記 重要バックナンバー(夜間飛行)
    ●週刊金融日記 重要バックナンバー(まぐまぐ)
    ●週刊金融日記 重要バックナンバー(note)
    ==============================
    ●「頂き女子りりちゃん」こと渡邊真衣被告に懲役9年 罰金800万円の実刑判決 渡邊被告 体が左右に揺れ、呼吸が荒くなり、深呼吸を促される場面も
    そういえば、もう7年も前ですが、老朽化した築地市場を取り崩して、豊洲に東京の中央卸売市場を移転させる時も、いろんなところから批判が来て、政治的に、築地は「食のテーマパーク」にして築地の文化的な価値を残す、みたいなことを小池都知事が言っておりましたね。
    ★ほとんど出来レースのように、三井不動産や読売グループなどが、築地市場跡地を開発することになりました。いまの東京ドームは老朽化していますから、ここに新たな読売ジャイアンツの本拠地スタジアムができそうです。
    ★まあ、嘘も方便だったわけですが、ここはこれでいいんじゃないですかね。本当に、こんな東京の一等地にシケた食のテーマパークなんか作られたら、たまったもんじゃないですからね。
    それにしても東京の湾岸の再開発はすごいですね。そして、玉突きで、現在の東京ドームも再開発されるわけですよね。
    今週も読者から興味深い投稿がいくつもあります。見どころは以下のとおりです。
    -不倫ぐらいで上場企業の社長は辞任しないといけないのでしょうか
    -大谷翔平代理人(通訳)問題は資産家老人と成年後見人の問題と同じ
    -40歳年収1000万円ですがこの先何にチャレンジするべきでしょうか
    -東京のマンションは高騰していますが地方都市のマンションは買いでしょうか
    -ゴールドETFはどのような基準で選定すればいいでしょうか
    -日米首脳会談を見て台湾有事の際に日本が前線にされるんだと思いました
    それでは今週もよろしくお願いします。
    1.ゴールデンウィークおすすめ国内旅行とまだ間に合う海外旅行
    いよいよゴールデンウィークですね。しかし、円安ですから、日本国民は、そう簡単に海外旅行には行けないように思います。
    JTBの調査によると、2019年はすべての休日が上手くつながって10連休になった特別な年で、海外旅行した日本人の数は約93万人で記録的だったのですが、その前の通常の2018年や2017年は60万人程度で、これらのコロナ禍前の年と比べると今年は50万人ちょいで9割まで回復しているようです。また、一人当たりの海外旅行費用は約27万円で、これは昔とほぼ変わっていません。いま欧米などはインフレと円に対する通貨高で非常に高くなっているので、日本人が行く所は、物価が比較的安い近場となります。つまり、アジアですね。都市別では、韓国のソウルや台湾の台北が人気のようです。3位でやはりハワイですね。国・地域別でみると、韓国、東南アジア、台湾という順番だそうです。
    ●GW海外旅行、コロナ前9割に回復 円安直撃でアジア人気
    ●2024年のGW海外旅行 コロナ禍前の9割回復へ
    昨年は、僕はゴールデンウィークに逆に香港から日本に帰ってきました。じつは、ゴールデンウィーク中に、なぜか日本中の観光地で外国人観光客も増えます。僕は逆に行って、そのカラクリがわかりました。
    ★ゴールデンウィーク中は、日本はもちろん、世界の航空会社が日本人の需要を取ろうと、日本発の便を増やして、ゴールデンウィークの終わりに日本に帰る便を増やします。飛行機は行ったら帰ってこないといけませんから、ゴールデンウィークの始まりに日本に飛行機を集める時にチケットを割り引いて販売するわけです。だから、日本人と逆方向のチケットは大変に割安になります。
    ・・・
    2.今週のマーケット
    ・・・
    3.ブログではいえないお店
    -歩いてレインボーブリッジを渡ったら色々東京が見えてきました
    この1、2か月は東京の不動産関連について記事を書くことが多かったのですが、ようやく東京の「湾岸」の全体像がつかめてきました。「湾岸タワマン」と言っても、かなり広く、それぞれに違った生態系になっていますね。
    ★東京湾をどんどん埋め立てて作った湾岸エリアは、それぞれのエリアにいろいろな歴史がありますね。
    Xなんかで元気がいいのは、豊洲に代表される(東雲・豊洲・晴海・勝どき・月島)のところですね。
    昔は人があまり住んでなかったところに、一気に居住地として開発されたので、同じような所得水準の世代がたくさん住んでいてまとまりがあるのでしょう。僕はどちらかというとこっちにはあまり馴染みがなくて、品川方面の方が馴染みがあるのですが、こちらの品川の方の湾岸は、一斉にタワマンが生えてきたわけでなく、いろいろな築年数のタワマンが建っていますから、住んでいる年齢層にあまりまとまりがないように思います。
    また、フジテレビ本社ビルがあるお台場の辺りにも、そこそこタワマンなどあるのですが、こっちもそんなに話題になりませんね。もうずいぶんと長いことお台場の方に行ってなかったんで、先日、視察に行ってきました。
    ・・・
    4.藤沢数希の身もフタもない人生相談
    -不倫ぐらいで上場企業の社長は辞任しないといけないのでしょうか
    藤沢所長のブログ時代からの長い読者です。
    最近「ドラッグストア大手ウエルシアの松本忠久社長が辞任」というニュースを目にしました。
    ●ドラッグストア大手・ウエルシアHDの松本忠久社長が辞任…女性との不適切な関係が発覚
    「松本氏は私生活で不貞行為が判明し、会社側が16日に社長と取締役を辞任するよう勧告した。ウエルシアは"このような事態が発生したことは誠に遺憾で、関係者に深くおわび申し上げる”とコメント」
    私的な不倫が会社のコンプライアンスに影響するために、社長自ら辞任したというわけです。
    報道だけでは、会社内部でどんなゴタゴタがあったのかは分かりませんが、狭い島国でコンプラが暴走してしまっているという感想です。
    ・・・

  11. 2024/04/25 23:24:20 shorebird 進化心理学中心の書評など含むアンテナおとなりページ

    2024-04-25
    War and Peace and War:The Rise and Fall of Empires その62
    14世紀が始まるころ,フランスはある種の黄金時代だったが,そこから崩壊する.ターチンはこれは基本的に人口増加によりマルサストラップに入り込んだところに黒死病のインパクトが加わったことから説明できるとする.しかし崩壊からの回復過程は単純なマルサス過程より遅れたのだと指摘する.そしてそれは支配階層のダイナミズムとそれが国家に与えた影響から説明できるとする.説明はまず崩壊過程の階層別にみた詳細から始まる.
    第8章 運命の車輪の逆側:栄光の13世紀から絶望の14世紀へ その6
    中世フランスの支配階層とは誰か.農業社会,つまり生産の大半が穀物と家畜を育てることで構成されている社会では.土地こそが生産の最重要手段であり,富の主要な形態だった.土地の配分は権力の配分と強く相関していた.なぜなら富と権力は物理学における位置エネルギーと運動エネルギーのような関係にあるからだ.富あるいはそこからの収入は,影響力を購入したり家臣を雇うことにより,容易に権力に替えることができる.また政治的権力は土地獲得能力を高める(そしてそれは更なる権力の元となる)のだ.
    フランスの権力階層の頂点には大領主;王を含む高位貴族と高位聖職者がいた.その下には上流騎士から騎士従者に至る様々な貴族がいた.これらの階層は6〜10万世帯からなり,フランス人口の2%程度を占めていた.またこの貴族層内部の貧富の差も大きかった.(100倍以上の差があったこと,最下層の貴族の収入だと一家4人が食っていけるかつかつだったことが解説されている)そして中世英国も似たような社会構造を持っていた,(詳しく解説がある)
    ターチンのクリオダイナミクスでは支配階層の動向が重要な要因となる.このためまず支配階層がどういうものだったかが説明されていることになる.ここではlay lordsを王を含む高位貴族と訳しておいた.ターチンはここにthe king, dukes, counts, and barons(国王,公爵,伯爵,男爵)が含まれるとしている.なぜmarquesses(侯爵)やviscounts(子爵)が含まれていないのかはよくわからなかった(この時代だとmarquessはなお辺境伯であり,viscountsは副伯なのでcountsに含まれるということなのかもしれない).また高位聖職者(prelates)にはabbots, bishops, and archbishopsが含まれるとしている.それぞれ大修道院長,司教,大司教と訳されるらしい.
    中世盛期の人口増加は貧困化を招き,人口の大半にとって苦難の時期となった.しかし土地持ち貴族はおおむね13世紀の経済トレンドの中で利益を得た.彼らの主な生産物である穀物の価格は上昇し,コストである農場労働者の賃金は下落した.あるいは土地を暴騰した地代で誰かに貸すこともできた.さらに食品などの生活必需品の価格が大幅に上昇する中で,工作物の価格はそこまで上昇しなかった.これは工作物生産にかかる大きなコストが賃金だったからだ.
    貴族たちは突然自分たちがより富裕になったことに気付いた.彼らはそれを贅沢品や顕示消費に費やすようになった.この需要に反応し,商人は贅沢品を海外から輸入し,都市の起業家は都市に流れ込んだ貧困層の安い労働力を使って生産規模を拡大させた.この結果,13世紀には交易が拡大し,美術工芸品の価格が上昇し,都市化が進んだ.富裕な商人や起業家が都市で台頭した.ゴシック建築の一大ブームはこの経済トレンドの間接的な結果だ.大土地を領有する貴族と聖職者たちは贅沢消費に励み,ゴージャスなキリスト教教会が建てられた.
    このようにして13世紀には2つの矛盾するトレンドが観察できる.片方で,人口プレッシャーが上昇し,人口の大半の生活水準は下がり,一部は破滅の一歩手前まで追い込まれた.もう片方で,富裕者や権力者は黄金時代を享受した.厄災への警告サインは出ていたが,見過ごされた.(貴族たちは)下層民に何が生じているかについて関心を示さなかった.13世紀のテキストはエリートに向けてエリートが書いたものが大半だったからだ.これは現代の歴史家にとっても見過ごされやすい警告サインだったのだ.
    人口増は消費者人口とともに労働可能人口を増やす.主要産業が農業で農地がすぐに増えないとすると,食料品は不足して価格が上昇し,片方で労働力が過剰になり,賃金水準は下がる.そしてそれは生産手段である土地を独占している支配階層を富ませ,庶民を困窮させる.こうして貧富の差が拡大したとターチンは解説する.貴族文化の花開いた中世盛期は実はなかなか酷い社会だったということになる.
    shorebird 2024-04-25 17:50 読者になる

  12. 2024/04/25 11:48:21 偽日記@はてな 古谷利裕含むアンテナおとなりページ

    2024-04-16
    2024/04/16
    ⚫︎エリー・デューリングは、「仮想世界と第四次元:マルセル・デュシャン」で、「SF美術家」としてマルセル・デュシャンを評価し、その高いポテンシャルをさまざまに検討し、記述しながら、しかし、デュシャンは結局、その可能性を十分には展開・実行・実演するには至らなかった、と、結論づける(デュシャンには、アインシュタインが足りなかった、と)。とはいえ、デュシャンがやり残したこと、彼が十分には実現できなかったポテンシャルの中にこそ、今日の芸術の重要な問題があるのだ、と言っているように読める。
    《「差異とは一つの操作である」とデュシャンは書いている。切断も同様だ。しかし、どのようにしてこの操作を示し、語ることができるだろうか ? 私たちはすでに四次元の中にいる。私たちは絶えずそれを切り取っている。それは私たちを包み込み、鏡に映る像が開いた仮想空間のように私たちに付き従う。どうすればそれを見せることができるだろうか ? デュシャンは、見世物小屋や発明品コンテスト、そして新しい幾何学といったものの要素を含む大作品を構想していた。それは網膜の絵画であるキュビズムに対する本当の美的戦争機械となるはずだった。しかし、数年の労作の末に「花嫁(花婿たちに裸体にされた)」が、これらの最初の直観の移植を提示しているように見えるが、それは本当に作品なのだろうか ? 作者の言葉を借りれば、想像を超えた「痛烈な」「燃え立つような」「可能性の表象」として捉えるべきではないだろうか ? そしてそうだとすれば、デュシャンが大ガラスによって与えようとしていたもの、つまり四次元の仮想的ドラマのプロトタイプを本当に与えているのか、と問わざるを得なくなる。答えは間違いない。それは、デュシャンの覚書に精通した観客が、実物の大ガラスを見て正当に感じる失望の大きさに等しい。デュシャンがガラス板に込めようとしたものを「読み取る」ためには、確かに多大な努力が必要となる。二枚のガラス板の「無限小の」接合点によって表される地平線を越えて、偶然に割れたガラスを越えて、ポアンカレによる位相幾何学的特徴付けにおいて、デュシャンが一般的手順として孤立させることに成功した切断の理念を、どのように具体化したのか言うことは難しい。大ガラスを実演する必要があるだろう。》
    《時間が速度の鏡の中で可変的に拡張されるような視点的時間を持つ相対性理論は、彼が大ガラスに取り組んでいた当時にはまだ彼の元に届いていなかった。1920年代にそれが一般化し始めた頃には、もう遅すぎたのかもしれない。「白い箱」の覚書は最終的に、「時間のずれ」と「横向きに見た振り子」の言及で、「時間が消えるように」とデュシャンが明確に述べている言葉で、私たちを川の中州に放り出す。この言及は非常にアインシュタインの理論の時間的なアナモルフォーゼを連想させる。透視画法の岸を離れるために、切断の分析学の険しい道を通らざるを得なかった行程の最後に、速度を空間変換の演算子とすることは、その素材的な逸話の詳細に興味を持つにしても、大部分は推測の域を出ないことを認めざるを得ない。それでも今日、ビデオアートやロケーションメディアの実践者となったデュシャンを夢見ることは許されるだろう。》
    furuyatoshihiro 2024-04-16 00:00 読者になる
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    2024-04-15
    2024/04/15
    ⚫︎ポアンカレによる「n次元の連続体は、それを切断することで得られる複数のn-1次元の連続体によって定義できる」とする定義を受けて、デュシャンは、n-1次元としての3次元によって切断された、n次元である4次元の断面(3次元)について、それを4次元の連続体の「仮想的イメージ」と呼ぶことの正当性を主張する。
    さらにデュシャンは、「ホワイトボックス」の別のところで次のように述べている。
    《(チョコレート製の物体のような空間の物体においては)表面への出現があるが、この出現はこの物体の製造に役立つらしい一種の映像=鏡のようなもの、鋳型のようなものである。しかし形のこのような鋳型はそれ自体で物体ではなく、それはn次元のこの物体の主要な点がn-1次元に現れる映像である。三次元の外観は、その外観(の形)の鋳型である二次元の出現から生じる。》
    何ものかの出現は、事物そのものの出現ではなく、n次元にある事物が、n-1次元にその鋳型(=映像=鏡像)として出現している、とする。ここで、鋳型が、映像や鏡と同様なものとされていることは重要だ。n-1次元に出現するものが「鋳型」なのであれば、その鋳型によって、n次元にある事物が生じるということになるが、それが「映像」や「鏡像」なのだとすると、n-1次元の出現は、n次元の事物の反映ということになる。鋳型と映像とが並べられているのは、これが双方向に働くことを表しているのだろう。
    (とはいえ、「鋳型」のよって生じるn次元の事物は、鋳型を介している時点で既にオリジナルではないことになるが。)
    そしてn-1次元に出現する、この鋳型・映像・鏡が、n次元の「仮想的イメージ」ということになる。
    三次元の物体は、二次元の「鋳型(=映像・鏡)」の出現から生じる。同様に、四次元の物体は、三次元の「鋳型(=映像・鏡)」の出現から生じる。これを逆向きに見ると、この世界(三次元)の物体は、四次元の物体の「映像・鏡(=鋳型)」である、となる。深さのないモノの表面こそが、高次元を仮想的に表現している、と。
    ⚫︎四次元を説明する、とても素晴らしい動画を見つけた。これはわかりやすい。
    Visualizing 4D Geometry - A Journey Into the 4th Dimension [Part 2] - YouTube
    furuyatoshihiro 2024-04-15 00:00 読者になる
    広告を非表示にする
    2024-04-14
    2024/04/14
    ⚫︎マルセル・デュシャンに関する、エリー・デューリングのテキストをAIに助けられながら読んでいる。
    20世紀初頭の芸術家たちの間では「四次元」に関する関心が高まっていた。ただそれは、意外なことにアインシュタインの影響ではない。多くの人は、四次元を探求した数学者、チャールズ・ハワード・ヒントンの著作か、彼から大きな影響を受けた建築家(四次元の伝道師と呼ばれた)、クロード・ブラグドンの著作から、関心を持つようになる。以上は、エリー・デューリングのテキストに書かれていることではない(中沢新一の「四次元の花嫁」とかに書かれている)。
    デューリングは、デュシャンの特異性を、彼が「四次元」に関して受けた影響が、ポアンカレに由来するものであった点を強調している。我々は、四次元空間を直接的にイメージすることができないので、通常は、二次元空間に対する三次元空間の関係を見て、そこから類推して、三次元空間に対する四次元空間の関係を考える。そのようなやり方でしか四次元空間をイメージできない。
    (二次元的な帯を三次元空間でひねって繋げるとメビウスの帯になる。同様に、三次元的な筒を四次元空間でひねって繋げるとクラインの壷になる、というように。)
    しかしデュシャンは、類推でではなく、ポアンカレによる「切断」という定義・操作によって「四次元」を捉えようとした。以下は、ポアンカレ『科学と仮説』から、「ホワイトボックス」でデュシャンが引用した部分。
    《n次元の連続体とは、そこに1つまたは複数の切断を施すことで、n-1次元の連続体となる複数の部分に分解できるものをいう。n次元の連続体は、こうしてn-1次元の連続体によって定義される。これは帰納的定義である。》
    たとえば三次元の立方体を、二次元の平面で切断できるように、四次元の立方体(ハイパーキューブ)を、三次元の体積で切断することができる。三次元の立方体を二次元で切断すると二次元の断面が現れる。同様に、四次元の立方体を三次元で切断すると、三次元の断面が現れる。重要なのは、この三次元の断面は、四次元立方体を構成するその一部であるということだ。糸は一点で切れ、はさみで紙を切り、斧の一撃で薪を二つに割ることでn-1次元の「断面」が生じる。類推によって得られる四次元ではなく、四次元のオブジェクトの部分そのものとして三次元が得られる。以下は、「ホワイトボックス」からデュシャンの言葉。
    《ポアンカレによるn-1次元連続体の切断によるn次元連続体の説明は誤っていない。それどころか確認されており、まさにこの説明に基づいて、その無限の幾何学的形態において3次元の典型的な対象(物体=型)によってしか切断が得られない、仮想的イメージの連続体に4次元と呼ぶ名称を正当化することができるのである。》
    ある四次元連続体を三次元で切断して得られた三次元連続体があるとする。それは元の四次元連続体を構成する一部(四次元的存在)であるが、ある一つの軸方向への広がりが無限小まで縮減されている。しかしその縮減された軸方向の広がりは《いわば我々の世界の表面やへりに食い込んで》いる(エリー・デューリング)。この、縮減されながらも世界の「表面」に「食い込んで」いる、深さのない四次元的な深さのことを、おそらくデュシャンはアンフラマンスと呼んだ。
    (エリー・デューリングはこの「深さのない四次元的深さ」に「仮想的次元」というステイタスを与えているように思われる。)
    たとえばデュシャンにとって、大量生産される工業製品であるレディメイドは、四次元連続体の中から切り出された三次元断面と映っていたのだろうと思う。類推すれば、三次元連続体である金太郎飴から切り出された、断面としての金太郎の平面的イメージのようなものとしてのレディメイド。
    furuyatoshihiro 2024-04-14 00:00 読者になる
    広告を非表示にする
    2024/04/16
    2024/04/15
    2024/04/14

  13. 2024/04/25 11:22:13 三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba 三橋貴明含むアンテナおとなりページ

    日本の食料自給率を引き下げた「○○が~」の正体
    政治団体赤字黒字幹事長・大奈登場!〜政府の赤字はみんなの黒字 [三橋TV第851回] 大奈(政治団体赤字黒字幹事長)・三橋貴明・高家望愛
    https://youtu.be/4BMAchRhZN4
    日経新聞に、第二次世界大戦後の日欧(仏独など)の農業政策と結果について「正しく」書かれている記事があり、仰天してしまったわけです。
    これ、こんな正しいこと、誰が書いたのか、と、末尾を見ると、何とキヤノングローバル戦略研究所の研究主幹である山下一仁氏だったため、またもや仰天してしまいました。
    『食料自給率、EUと日本なぜ明暗 十字路
    日本と同様にフランスやドイツなど欧州連合(EU)諸国も第2次世界大戦後は農業生産の激減による飢餓に見舞われ、食料増産に努めた。食料自給率は、1961年の78%から38%へ半減した日本に対し、フランスでは99%から125%、ドイツでは67%から86%へ上昇している。(後略)』
    山下氏が書かれたように、戦時中に食料の生産能力が大きく下がった日仏独は、その後、増産に取り組み、食料自給率は一気に回復することになります。
    それどころか、日本を含めて穀物の過剰生産に陥った。
    その後、なぜ日本の自給率だけが下がり、仏独は下がるどころかむしろ上昇したのか。山下氏が書かれた通り。
    日本は農業政策として「減反」を採用し、補助金と引き換えに供給能力を削っていった。
    それに対し、仏独はまずは補助金で供給能力を引き上げ、世界市場にダンピング輸出し、供給能力の保全を図った。
    『(引用)EU農業は食料安全保障のための生産確保という使命を忘れなかった。』
    逆に、日本政府は食料安全保障という概念すら忘れた。
    その後、露骨な輸出補助金ができなくなったため、欧州諸国は農家への直接支払い(所得補償)に転じた。結果、補助金なしでもグローバル市場における価格競争力を確保し、かつ輸入していた配合飼料を代替することで、自給率はむしろ上昇した。
    しつこいけど、山下氏が書かれた通り。
    ならば、日本はどうすれば良いのか?
    「十字路」には書かれていませんが、いつもの山下氏はなぜかここから「農協叩き」「農水省叩き」に走る(今回は、そこまで書かれていません)。同時に、日本のコメの輸出を叫ぶ。
    もちろん、日本がコメを輸出するほどに供給能力を引き上げれば、食料自給率引き上げに貢献することになる。別に反対しませんよ。
    が、そもそもグローバルなコメ価格は異常に安い。
    【日本とグローバルの米価格(ドル/トン)】
    http://mtdata.jp/data_88.html#kome2
    グローバルなコメ価格は、日本の三分の一なんですよ。これで、どうやって戦うの? どうやって輸出を増やすの? 具体的な方法を教えて欲しい、本気で。
    もちろん、方法はある。アメリカ様式に、生産者価格(農家が再生産可能な価格)を政府が保障するか、あるいは欧州式に直接支払いで農家の所得を補償するか。
    いずれにせよ、財政支出が必要なのです。つまりは、財務省問題なのですよ。
    というか、山下氏が自分で書いている通り、欧州の食料自給率が高いのは、「政府がカネを出した」ためなのです。つまりは農政の結果です。
    逆に、日本の食料自給率が低いのは、政府が農業政策を間違えたためなのですよ。
    さらには、日本が農政を改め、食料(というか穀物)の増産に本格的に乗り出すと、アメリカ様の農政と衝突することになりますが、これをどう「突破」するの?
    もちろん、突破しなければならないのですが、山下氏は元・農水官僚としてアメリカの政治力の凄まじさを身をもって体験したはず。
    アメリカ式の生産者価格の保障で輸出を増やす場合、確実にジャイアンの利益を侵すことになる。それをやるくらいならば、まだしも欧州式の農家への直接支払い(所得補償)の方が、ハードルが低いのではないの。アメリカ様より、財務省様の壁の方が、まだ薄いように思う。
    といった、リアルな議論をするべきなのですよ。
    過去の経緯や問題を正しく認識しておきながら、結論が「農協が~!」「農水省が~!」は、いい加減にやめましょうね、山下氏。「が~」を言うならば、「財務省が~」「アメリカが~」でガチな議論すべきなのですよ。
    「食料自給率を引き上げるガチな議論をしよう!」に、ご賛同下さる方は、
    ↓このリンクをクリックを!

  14. 2024/04/25 04:11:19 木耳含むアンテナおとなりページ

    2024-04-24
    『Destiny』第3話
    真樹は自分の父親が奏の父親を殺したと思ってるみたいだし、カオリを死なせた罪も背負ってるんだろうし、病気も抱えてるっぽい?
    一方奏はプロポーズを受けたばかりと、お互い心に「ハードル」があるからそれをなかなか飛び越えられずに数話引っ張るのかと思ったら、道のあっちとこっちで見つめあい、次の瞬間走って戻って歩道橋の上でキスをするとかあっという間に愛欲全開で突っ走ってて笑ったw。
    奏の父親もカオリも死んでるから心理的な障害にならないってんならそれでいいけど、奏の結婚問題はそうはいかないわよね。相手がいるんだもん。
    そのために「親の前で改めてプロポーズをし、正式にそれを受けました」という描写であり、冷蔵庫で指輪を見つけるという描写があったわけでしょう?。
    奏と真樹のことを貴志が知る瞬間が楽しみだわー!。
    今のところ貴志を当たり障りのない「優しい人」としか描写してないのはここからが本番ってことですよね?そのための安藤政信ですよね?。
    それはそうとつい数日前に法医学者と結託して証拠を捏造する検察官を見たせいで、今わたしは有罪だと確信してるのに証拠が足りないとなったときにメールの捏造ぐらいやっててもおかしくはないわなと思う脳になってる。
    ていうか、魔が差して捏造しちゃった若作り蔵之介の胸倉つかんで「なんてことしたんだお前は!」と怒る若作りトオルが見たいです。
    minko 2024-04-24 16:35 読者になる
    『Destiny』第3話
    『くるり~誰が私と恋をした?~』第3話
    『アンメット ある脳外科医の日記』第2話
    『アンチヒーロー』第2話
    『ACMA:GAME』第3話
    Drama (6798)
    B (2278)

  15. 2024/04/24 15:05:32 ARTIFACT@ハテナ系 加野瀬未友含むアンテナおとなりページ

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  16. 2024/04/24 10:45:18 傘をひらいて、空を 槙野さやか含むアンテナおとなりページ

    2024-04-23
    乞食の顔をしている
    人からよくものをもらうたちである。
    若いころはもらうに相応の理由があった。貧しく、かつ身よりがなかったのである。そういう人間が知り合いにいて、たとえばまだ使える冷蔵庫があるけれど新しい冷蔵庫が欲くなったとき、「あの人にあげようかしら」と思う、そういう心の動きは想像しやすいものである。
    しかし、今は貧しくはない。具体的にいえば、わたしに冷蔵庫をくれる同僚との給与の差はあまりないと推測される(わたしたちの待遇は同一の給与テーブルに基づいていて、職位が同じだから)。
    まさかこの年でもう一人子どもができるとは思わなくてねえ。同僚はあっけらかんと言う。冷蔵庫を買い替えてまもなく二人目の子どもができ、冷凍技を駆使して小学生と乳児と大人ふたりの食生活をおぎなっていたら、大容量の冷蔵庫が欲しくなったのだそうである。
    そのようにしてわたしは、たとえば冷蔵庫をもらう。いくぶん高価な鞄をもらう。少し欲しいなと思っていた鋳物の鍋をもらう。SIMカードを入れ替えれば使えるスマートフォンをもらう。小さいものもあれこれもらっている。「スーパーで詰め放題をやっていて、つい詰め過ぎたから」とか、「チケットが余ったから」とか。
    わたしはずっとそんなふうだったから、ちょっとしたお礼を選ぶのがやけに得意になった。とはいえ、雨の日の道端で知らない人から傘をもらったときなどには、ことば以外にお礼も何もないのだけれど。
    わたしのこのような性質について、わたし自身は「かわいいからくれるんだよねえ」と思っている。この場合の「かわいい」というのは外見や発話や仕草に対する形容ではない。「何かしてやりたいと思わせるトリガーがある」という程度の意味である。
    しかし、ほんとうはもっと適切な語がある。学生時代に、面と向かってこう言われた。
    乞食の顔をしているからだよ。
    わたしはひどく感心した。きっとそうなのだ、と思った。「かわいいからあげる」という語のある側面を過不足なく切り取った、みごとな言い回しである。わたしのその性質をさす語として、「かわいい」などというマジックワードよりはるかにシャープに意味をなしている。もちろん好意から来る表現ではないだろうが(なにしろ放送禁止用語である)、わたしは、自分にとって重要でない対象の発したせりふなら、いや、もしかすると重要な対象が発したせりふであっても、好意より正確さや的確さに価値を感じる。
    そんなだから、ただ悪意で言われたとしても、わたしは感心したのだろうが、そこには悪意や嫌悪以外にも何かがあるのだろうなと、ぼんやり思った。
    そのせりふを発したのは学生時代に近隣のゼミにいた、いつもきっちりお化粧して髪を巻いている、真面目な学生だった。帰りが遅くなると、彼女はわたしの研究室をのぞき、わたしがいると声をかけ、車に乗せて送ってくれた。最初に送ってくれたときにわたしの住んでいる建物を見て絶句し、以降そのことを、たぶんずっと気にしていた。そうして時おり、わたしのあれこれについて、「女の子なのに」と小さくつぶやくのだった。裕福な両親が購入した自家用車が象徴する何かを、おそらくは彼女なりに感じる不公平のようなものを、いくらかは世界に還元しなければならないと、どこかで思っていて、それでわたしを送り届けているように見えた。
    ありがとうとわたしは言う。別に、と彼女は言う。常にはたおやかな言葉づかいなのに、運転している時だけ、ぶっきらぼうな声を出す。そうして作りものみたいにきれいな果物や贈答品をばらしたのであろう個包装のお菓子をさして、「それ、持ってって」と言う。機嫌の悪い、どこかふてぶてしいようすで、フロントガラスだけを見て、言う。こんな顔、みんなにはしないのな、とわたしは思う。
    昔の話である。
    台所に据えられた新しい冷蔵庫を眺める。冷蔵庫は小さくうなっている。表面はガラスなのだそうで、わたしがぼんやりとうつっている。何も考えていない顔だ、と思う。いらないものを差し出されたら遠慮なく「いらない」と言い、必要なものを差し出されたら喜んで受け取り、あげたりもらったりする両者の釣り合いを考えて気を揉むような社会性がなく、何かを差し出して「失礼にあたる」ことの金輪際なさそうな、ぼけっとした顔である。
    格好のいい冷蔵庫だわねえ。わたしはそのように言う。冷蔵庫はぶん、とうなる。表面にぼんやりと、人の姿をうつしている。きっと、乞食の顔をしている。
    kasawo 2024-04-23 19:00 読者になる
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    乞食の顔をしている

  17. 2024/04/22 04:20:29 酒とエロ漫画の日々。含むアンテナおとなりページ

    2024-04-21
    Совет экономической взаимопомощи
    4/21借出。
    -青野利彦「冷戦史(上)(下)」中公新書 ISBN:9784121027818
    ISBN:9784121027825
    -和田博文「漫画家が見た百年前の西洋」筑摩選書 ISBN:9784480017925
    -森下香枝「ルポ 無縁遺骨」朝日新聞出版 ISBN:9784022519498
    -たかぎなおこ「お弁当デイズ」文藝春秋 ISBN:9784163917559
    -長谷川ヨシテル「どんマイナー武将伝説」柏書房 ISBN:9784760155323
    -R・ピッツィ「注文の多すぎる患者たち」ハーパーコリンズ・ジャパン ISBN:9784596534293
    -S・U・ノーブル「抑圧のアルゴリズム」明石書店 ISBN:9784750356860
    -W・ヴァイニー「双子のひみつ」グラフィック社 ISBN:9784766138054
    -A・アスラニアン「生と死を分ける翻訳」草思社 ISBN:9784794226976
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    投稿者 gosplan 時刻: 18:54 0
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    ラベル: books
    4月 (3)
    Совет экономической взаимопомощи
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  18. 2024/04/21 19:22:52 小説の準備2 慈安寺ウネ含むアンテナおとなりページ

    2024-04-19

    こないだシュミットの書かれた顔を見に行ったときに、その映画館でちかぢか『子猫をお願い』が上映されると知り、これは見に行かねばと思い、で昨日、たしか今週上映だったはずと調べたら、今日からだったので、昨日は『春の画』を見てきた。『春画先生』は見てたが『春の画』は見逃していたので、ちょうどよかった。内容はまあ教材的というか美術館のモニタで流されてても違和感ないような教育的な映像で、勉強にはなったし面白かったんだが、映画館の席がこんなせまいことある?というくらいせまくて、どれくらいせまいかというと常時膝がまえの座席の裏側にあたっているくらいせまかった。前の人が体おこしたり身じろぎしたりする度に膝がガンガン当たって痛かった。Morc阿佐ヶ谷のシタのスクリーンは今後は遠慮したい…。
    阿佐ヶ谷のヴィオロンにひさびさに行ってきた。前に行ったのはコロナ前だったが変わらず営業していてよかった。古本屋で集英社の『フィネガンズ・ウェイク』抄訳を買って帰った。
    メトロポリスのマリアのプラモが届いた。
    完成品フィギュアだと思っていたが、注文後に自分で組み立てないといけないプラモデルなのだと知ったのだった。そのうち作ろう。
    cenotaph 2024-04-19 20:49 読者になる
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    こないだシュミットの書かれた顔を見に行っ…

  19. 2024/04/21 17:59:52 シロクマの屑籠(汎適所属) シロクマ先生含むアンテナおとなりページ

    初代ファイナルファンタジーの思い出

  20. 2024/04/21 12:46:17 Chakra6低速回転中含むアンテナおとなりページ

    挿絵の悪魔(2024/04/21)
    ジェンナーと言えば、Wikipediaにもある搾乳婦の牛痘を調べるジェンナーの画ですが…
    手前の二人組。鉤鼻で妙に長い胴と細長い手足。逆に短い手足に突き出た腹。そして、
    何かを企んでいるようなニヤニヤ笑い。明らかに悪魔(あるいは悪意ある妖精)の化身として描かれています。
    痩身の男が持っている帽子は、誰のなんでしょうね?。帽子の下に何かを仕込んでいるようにも見える。後ろにある沈む船も象徴的で、書き手の意図はミエミエでしょう。
    本人とは似ても似つかないジェンナーとされる人物も、鉤鼻で痩身長躯で帽子か地毛がわからないけど、毛深い(獣毛は悪魔要素)で、悪魔(魔女/魔法使い)要素は強い。英語の解説サイトだと、手前の二人組は農夫か医者か?となっていたけど。
    悪魔が、病魔を牛に仕込んでいると見るべきかと。
    まぁ、フランスとしては一般的な画風なのかもしれませんが(地獄の辞典もフランスだし)。
    L'origine de la vacccineは翻訳にかけると、「ワクチンの起源」らしいので、牛痘ワクチンは悪魔がもたらしたもの。とする風刺画でしょう。風刺画としたら、そこに載る時点で好意的には取られてないですわな。
    L'origine de la mRNAとすれば、現代でも通用しそう。mRNAワクチンは、悪魔の技術か。はたまた、医学の革新か。

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